銀幕の向こう側 33

男性は肩に担ぎ上げるようにしていたわたくしの両脚を百合の花びらを開くように放すと、改めてキスをして下さったのです。
「ぁふぅ・・ん・・」
「よかったよ、祥子。逝く君も綺麗だった。」
「ありがとう・・ござい・ま・・した。感じてくださって・・うれしい。・・ぁっ」
わたくしの中に全てを吐出した男性が・・・ひくついておさまらない締め付けに・・抜けていったのです。
「恥ずかしいよ、こんなに出してしまった。」
男性は苦笑いをして、二人の蜜を拭うためのティッシュを探していらっしゃるようでした。
「わたくしが・・・」
まだ、気怠い余韻に浸ったままの腰を曲げて・・・唇を男性の塊へと近づけたのです。
そして・・・舌を・・唇を・・・全てを使って、わたくしの哀しみを慰めてくださった男性への感謝を込めて、塊を清めました。
「ほんとうに、祥子は極上のMだ。」
「あん・・だ・め・・」
芯に残る精液までを啜りとったわたくしの唇に・・・男性はもう一度キスをなさったのです。

「シャワーを浴びておいで。」
「いえ、あの・・・このまま、あなたから頂いたものを納めたままで、今夜は眠らせていただいてもいいですか?」
男性の耳元に唇を寄せて、小さな声で囁いたのです。
「いいよ。祥子は、可愛いね。」
ようやくサイドテーブルから見つけたティッシュを差し出して、男性はわたくしのわがままを許してくださったのです。
「もう、お眠り。朝も近い・・・。」
空はまだ暗かったのです。
でも、その暗さは奥に陽の明るさを秘めた色でした。 
男性の腕の中で、ゆっくりと落とされてゆく照明に・・・微睡みが訪れるのをわたくしは拒むことなどできはしませんでした。


祥子からの手紙ー14

『わたしを愛するなら、わたしの淫らさまでも愛しなさい。』
映画に出て来た主人公の母親は、息子にそう言っておりました。
愛すること・・・愛されること。
その難しさをわたくしは心から愛した男性に思い知らされ
いまもまだ次の愛する方を定めることができずに
彷徨い続けているのです。

わたくしを、わたくしのままにお伝えし解り合うために
もっと自分自身を知る必要があると
昨晩お逢いした男性は教えてくださったように思います。

男性は、仲畑です・・・と
翌朝、朝食のテーブルで自己紹介をしてくださいました。
声優さんをなさっていて
ご一緒に見たあの映画の父親の声の吹き替えを
DVD化に際して担当することになっているそうです。

また逢えるといいですね。
とても私好みの女性ですよ、祥子さんは・・・
仲畑さんはそうおっしゃいました。
それでも、わたくしたちは連絡先を交換することなく
朝のホテルでお別れしたのです。

二人の感性が一緒なら、またいつか映画館で逢えるからね。
そう笑った仲畑さんはやはり上品な紳士でした。

今日も暑い一日になりそうです。
一度着替えに戻って、午後には打ち合わせが待っています。
笑顔で今日を迎えられたことに感謝して・・・
それでは、いってまいります。

銀幕の向こう側 32

ギシっ・・・
「君は本当に従順な極上のMだよ。私のS性をこれでもかと刺激してくる。何も言わなくても白いヒップを高く突き出したこの姿が、その証拠だよ。」
「ああぁぅっ・・・」
男性は指を引き抜くと、一気に昂りを押し入れたのです。
ねじれた・・ごつごつとした形と大きく張り出した先端が・・・幾度もの快楽に晒されて絶頂を味わった胎内を遠慮なく押し広げてゆくのです。
「くっ・・・締まる。こんなに濡れているのに。」
視界を奪われるのは、これほどまでに他の感覚を研ぎすますものなのでしょうか。わたくしの身体は、男性の塊の感触を胎内で確かめようとでもするように・・・いつもより強く掴み・求めているようでした。
「ぃぃいい・・ぁはぁぁん・・・」
わたくしの中を、ごつごつした塊が不規則に抉り嬲ってゆきます。
その感覚はまるで幾人もの方に次々に犯されている時のようでした。
「祥子、いいよ。ああ、いい。」
男性の腰の動きは、お見かけした年齢からは想像もできないほどに激しく躍動的でした。突き上げる度に違うポイントを刺激し・・・掠れているわたくしの声を・・なお・・淫らに引き出してゆくのです。

「逝きそうだ・・・あぁ。」
突然、奥まで入っていた塊を引き抜くと・・・男性はわたくしを仰向けにしたのです。
「祥子の顔を見て逝きたい。」
目隠しのスカーフをむしり取ると、男性はわたくしの瞳を見つめながら一気に奥まで突かれたのです。
「あぁぁぁ・・・やぁぁぁ・・・」
突然に与えられた視界は、わたくしの想像よりもずっと明るかったのです。
男性の塊はわたくしの中に納められ・・・より奥へ・奥へと・・抽送を繰り返してゆくのです。
「ふふ こんなに揺らして私を誘惑するね。」
「ああぁぁん・・・」
男性の腰の動きにあわせて揺れる左の乳房を掴むと、堅く立ち上がった乳首をねぶり・・・甘噛みします。
「ほんとうに敏感な身体だ。こうするたびに・・」
舌が乳首の先端をねぶってゆきます。
「私のものをくいくい締め付ける。たまらないよ。」
「ぁぁぁああ・・・はぁう・・」
もう一方の乳首を甘噛みされて・・・わたくしはもうゆとりを無くしまっていました。
真っ白く意識を蕩けさせる絶頂はもうそこまで来ていました。

「あぁぁ・・ゆるしてぇぇ・・いきますぅ・・ぅぅ・」
「わかった。一緒に逝こう、祥子」
男性は上体を起こすと、わたくしの両脚を肩に担ぎ上げ、腰の動きを凶暴なまでに早めたのです。
わたくしの蜜壷の最奥までにある、全ての淫楽のポイントを刺激する塊に・・・簡単に追い詰められます。
「祥子いいよ ああいきそうだ」
「ああ・・いくぅぅ・・・いっちゃうぅぅ」
「逝くよ、祥子!!祥子!いけっ・・!!!」
うっ・・ 男性は激しく突くと、男性の茂みをわたくしの肌に擦り付けるほどにした腰の動きを止めて・・・熱い精を放ってくださったのです。
ひく・・ひくん・・脈打つ動きが・・・わたくしの身体なのか、男性の塊なのかすら・・・わからなくなるほどの快感が四肢の先まで駆け上っていったのです。

銀幕の向こう側 31

「避妊具がないな。君を抱きたいが・・・」
目隠ししたままのわたくしにはわかりませんが、この方はどんな表情でおっしゃっているのでしょうか。
「あの・・」
「なんだい。」
「ピルを飲んでいます。妊娠の可能性はありません。抱いて・・・ください。」
改めてこんなことを問われたことも、口にしたこともありませんでした。
暗黙の了解のようにわたくしを抱かれた方達とは、この方は何かが違いました。

男性の手がバスローブの紐にかかったのです。

「わかった。嬉しいよ。」
はら・・・重みのあるローブの前が開かれます。温もっていた乳房の熱がふっと甘い香りを伴って室内に広がってゆきました。
「君の好きなふうに抱いてあげるよ。どうされたい、言ってごらん。」
男性はまだわたくしに触れてはいらっしゃいません。
ただ、その視線がわたくしの身体の上を這っていることは・・・わかりました。
「おねがいです。逝く時にわたくしの名前を呼んでください。」
「わかった。なんて呼べばいい?」
「祥子です。」
「しょうこ・・・君にぴったりの名前だね。」
「ありがとうございます。」
「祥子、綺麗だよ。」
わたくしの肩を前に倒すと、両腕から一気にバスローブを抜いたのです。
そして、力任せに男性の方へと引き倒されました。

「あっ・・・」
腰を曲げ・・・横様にベッドへと転がされたわたくしの背中の窪みに男性の舌が這ったのです。
「ぁあぁぁ・・・っ・・・」
舌はわたくしの背中をゆっくりと・・・背骨を確かめるかのように這い上がって来ます。
肩甲骨の端を右・左とまぁるくたどって・・・今度は首筋へ・・・。
くちゅぷ・・・ 男性の指がわたくしの花びらを包む丘を開いたのです。
「はぁぁっ・・・」
「さっき綺麗にしてあげたのに、もうこんなに濡れているね。」
男性の声が耳元でします。
「やぁぁ・・」
「祥子はフェラチオをするだけで、こんなに濡れるのかい?」
「ちがぁい・・ま・ぁ・・すぅぅぅ・・」
否定の言葉がなんの説得力も持たないことは、わたくしが一番解っていました。
言葉通り、いまの男性の舌戯だけで、こんなにも溢れさせたわけではなかったからです。男性に拭われた時も・・イラマチオでも・・・わたくしの身体は男性の声と言葉に犯され続けて・・・反応し続けていたのです。
「ああ、もうこんなだよ。」
「ああぁぁ・・・だめぇぇ・・」
男性の左手の指は小指と薬指が真珠を・・・中指と人差し指が花びらと蜜壷を・・・親指が・・・姫菊を・・・同時に触れてゆきます。
そして、その全てが既に蜜に塗れていることを思い知らせるのです。
「また、溢れてくる。祥子は欲しくて我慢ができないのかな。こんなによだれをたらして、だらしないね。」
「ごめんな・・さぁぃぃぃ・・」
男性の言葉は、先ほどまで口にふくませられていたあの塊の感覚を思い出させたのです。はしたなく・・・幾度でも・・・新たな蜜が湧き出してしまうのを、止めることはできませんでした。
「仕方ないね。四つん這いになりなさい。」
男性は指を秘所から抜くことなく・・そう命じるのです。
「・・はぁぁ・・ぃ」
わたくしは、上体を俯せ・・・腰を・・・男性の手に繋がれたままに・・後向きに高く掲げたのです。

銀幕の向こう側 30

「ぁぁ・・ん・ん・」
ちゅぱ・・・ 引き離される唇からも水音がするほど、淫らなキスでした。
「本当に、君は従順だね。私がいない間いくらでもその目隠しを外すことができたはずなのに、そんなことを考えもしなかったようだ。命じたらそのままで待っている。きっと私が1時間戻らなければ、1時間そのままで待っているんだろう。」
わたくしに被いかぶさっている男性の身体からは湯で暖められた熱が立ち上り、その上・・・いまは何も身につけられていないようでした。
「こんな愛奴を持ってみたいものだ。」
男性がバッグの中にお持ちになっていたものは、Sの世界をご存知の方のものでした。でもご自身の口からはっきりと<愛奴>という言葉を出されたのは、はじめてのことだったのです。

ぎしっ・・・
男性が立ち上がりベッドの上に乗られたのが、マットレスの軋みでわかりました。
そして、わたくしの口元に男性の昂った熱い塊が触れたのです。
ぺちゅ・・・ 男性の言葉を待たずに、わたくしはその先端に舌を這わせました。
男性の求めている行為はこれしか考えられなかったからです。
ぺろぉ・・ぺちょ・・・ 舌先にたっぷりと唾液を乗せて、先端からくびれの裏側へ・・・そして脈打つ胴を順に茂みに向かって舐めてゆきます。
ぺちゃ・・・ 顔をあおのけて・・・塊を頬に・鼻筋に乗せるようにして男性の皺袋にも・・舌を這わせます。
ちゅぅく・・・ やさしく中のまぁるい珠ごと吸い上げて・・・右・左と・・舌でころがします。
ぺろ・ぺろぉん・・・ もう一度・・今度は皺袋の付け根から先端に向けて昂りの裏側を舌を左右にそよがせながら戻ってゆきます。
くちゅぅ・・・ そうしてからはじめて先端を含んだのです。くびれのすぐ下を唇の内側で締め付けて刺激してから・・・ずぅっと喉奥まで一気に含んだのです。
くぽぉ・・くちょ・・・ 男性の塊は、その細身の身体に似つかわしくないほどに猛々しいものでした。長さがあるというよりも・・・ごつごつと血管が浮き出しねじくれた・・・イメージだったのです。

「上手いね。いいよ。気持ちがいい。」
それまで黙ったまま、わたくしのなすがままにさせていた男性がはじめて言葉を発しました。
と、同時にわたくしの頭を両手でがっしりと掴んで、今度は男性が腰を動かしはじめたのです。
「男の身体を良く理解しているね。フェラチオが一般的になって、単に舌を這わせたり・口に含めばそれでいいと思っているだけの女も少なくない。が、君は違う。こんなフェラチオは久しぶりだよ。」
わたくしの頭をベッドヘッドに押しつけ、上顎を喉奥を遠慮なく突く男性の塊は・・・男の快感の証を滲ませはじめていたのです。
わたくしは、口内では舌をぬめり出した塊に絡め続け・・・そしてはじめて左右の手を・・・男性の柔らかな袋とその奥のすぼまりへと這わせたのです。
「ああ いいよ。その指も いい。このまま、君の口に逝きたくなってしまう。」
左の中指をすぼまりと皺袋の間を優しく押しつつ往復させてゆきます。右の手のひらは片方の袋を指先はもう一方の袋を同時にやさしく包んでおりました。
唇も舌も左右の手も、まったく別の意志を持っている様に・・・無心に動かしたのです。
「ここまでだ。」
塊が口内でひくひくと脈打ったと思った途端・・・わたくしの頭は引きはがされました。
「君はなんて女なんだ。あんなに綺麗に泣くのに、途轍もなく感じやすくて・・・こんなに性戯にも長けている。昼は淑女で、夜は娼婦・・・か。」
「いや・・・そんな風におっしゃらないで。」
ギシ・ギ・シ・・・ 男性がベッドを降り・・わたくしを覆っていた羽布団を剥いだのです。

銀幕の向こう側 29

「わたくしが、自分で・・・」
「いいんだ。」
肩先から両腕をそれぞれに拭き下ろします。
目隠しをされたままでも、自分の身体を拭うくらいのことはできます。なのに、男性はそのことすら許してはくれませんでした。

「ぁっ・・」
映画館からここまでの緊張感で強ばっていた首筋を、揉み込むように軽くタオル越しに圧迫してから、2つの貝殻骨を愛おしむように拭って・・・背筋を真っすぐに腰の頂きまで・・・。そのタオルは太ももの付け根までの淫らな曲面へも触れてゆきました。
「少し腕を広げてごらん」
「ん・ん・・」
男性の手が支えるタオルは、前にまわって同時にたわわな二つの乳房に触れてきたのです。
体側からふるぅんとした乳房の外側を頂きに向かって・・・でも頂きには到達せず。次には両手でたゆんと震える乳房を持ち上げる様にして下辺をやはり頂きの寸前まで。
デコルテから乳房の谷間に入り込んだタオルは、内側から押し広げるように・・・。はじめて頂きに達したパイル地の感触は、はしたなく立ち上がっていた先端を包み込むと、男性の指がタオル越しに揉み込むのです。
「ぁあっ・・・」
焦らされタオル特有の感触に高まっていた乳房の感覚は、一瞬の性的な刺激にもはしたない声を上げさせるのです。

そして太ももの狭間の茂みへ。
「おねがい・・・」
わたくしは、もうお湯ではないぬめりが溢れ出していることに気付いておりました。それを見られてしまう恥ずかしさに、一度拒否されていたにもかかわらずあらためて自分で・・・と懇願したのです。
「これも、お仕置きなんだよ。君が勝手に潮を吹いた後を私に始末をさせたんだからね。さぁもっと脚を開きなさい。」
男性の手がタオルを繰って、太ももの内側へ触れたのです。
「ふっ・・」「あぁ・・・」
ふと漏らされた男性の声が、わたくしの身体の変化に気付かれてしまったことのように思えました。
それでも、男性は何もおっしゃらず、手はことさらに事務的にタオルを動かしてゆくのです。
太ももの外側から膝裏を通ってふくらはぎへ・・・。足首を掴まれて足裏まで・・。
目隠しをされたままでも、していなくても、男性の手で拭われるという行為そのものの羞恥には変わりはなかったでしょう。
ただ1つ違うのは、目隠しされたわたくしには男性の視線がどこを彷徨っているかがわからなくて、一層の不安と羞恥を煽り立てたのです。
それでも、男性の手は乳房の後は、極めて事務的にてきぱきとわたくしの身体を拭って行ったのです。
髪を覆ったタオルを外し、わたくしの肩に備え付けのバスローブを掛けると、両手を通して前を重ねウエストで紐を縛ってくださったのです。
「さぁ、部屋で待っていてくれないか。」
わたくしの手を取って、部屋へと戻るのです。5歩・6歩・・・。
「ここだよ。」
腰を下ろす様に言われたのは、ベッドカバーを外したベッドの上でした。
「寒くはないかい。」
「はい。」
わたくしの上体をベッドヘッドに持たせかけて、足元には羽布団を掛けてくださいます。
「すぐに戻ってくるからね。」
「はい。」
男性の手がわたくしの肩を叩くと、すっと気配が離れていったのです。

シャァァァ・・・ 浴室で水音がします。きっと、男性がシャワーブースでシャワーを浴びてらっしゃるのでしょう。
室内には、まだシャンソンが低く流れていました。
どれほどの時間が経っているのか・・・目隠しをされたままのわたくしには、見当もつきません。
でもこの長い・・いいえ短い・・・時間の内に、今夜はじめてお逢いして哀しい恋心を慰めてくださった紳士のことをわたくしは信頼しはじめていたのです。

水音が止まりました。

パタ・・ン・・・ 浴室の扉が開いて。
「待たせたね。」
男性の声と体重が同時にわたくしの左側にやってきました。
「いいえ、そんなこと。」
ん・・・ 男性の唇が重ねられたのです。それは・・淫らなほどのディープキスでした。視界を奪われた上に、男性の両手で耳を塞がれたわたくしには、甘噛みされすすり上げられる唇の音も、絡め合わせれる舌の音も、注ぎ込まれ吸い上げられる唾液の音も・・・エコーを掛けた様に・・・脳内に響いたのです。