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蝉時雨の庭 1

3人の男性との嵐のような一夜から、数日が過ぎた月末の金曜日。
この数ヶ月の間に恒例となったジャズライブを都内のホテルに聞きにいったんです。仲の良い女友達とふたりで。
都心にありながら敷地内に別棟のお茶室と離れ・木々に囲まれた庭を持つ閑静な佇まいが、わたくしたちのお気に入りでした。
その日は紺のタイトスカートにピンクのノースリーブのカットソーにGジャンという少しカジュアルなスタイル.
インナーは紺地にカットソーと同じピンク色の花を刺繍したレースをつかったブラとパンティとスリップのセットにストッキング。
女友達と一緒のお出かけだし、どちらかといえば少しかわいいランジェリーを選んだんです。先日の夜のことはきっと・・・ランジェリーが刺激的だったから引き起こされた出来事だった気がして。
  
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その夜はお仕事がぎりぎりまでかかってしまって、お友達と二人でホテルに到着したのはライブが始まるほんの数分前でした。
いつもはそれほどお客様の多くないひっそりとした大人のライブなのに、その夜はほんとうにお客様が多くて・・・ピアノを囲む有名な木工作家の手になる椅子を並べた席は、その2つしか残っておりませんでした。
 
一曲目はwith you with friend。
柔らかなアルトサックスの音に促されるようにわたくしと友達はその席に座りました。
サービスの男性にお願いした冷たく冷えた白ワインのグラスを軽く触れ合わせて乾杯をしたその時に、隣の席にいらしたその男性の存在にはじめて気づきました。
黒のパンツ・黒のシャツ・・・仕事仲間のような男性2人といらしていて、ジャズを楽しみながら低く魅力的な声で仕事のことを時折お話されているのです。
2曲目はサマータイム。
軽快にアレンジされた夏の定番とも言えるこの曲が終わる頃に隣の席の男性に話かけられたんです。
「せっかくですから少し静かなところで聞きませんか?」って囁くような声で・・・
わたくしは無言で一緒に来た女友達のほうを見やりました。
彼女はもうのんびりしていて・・・軽く瞳を閉じて3曲目のボサノバに聞き入っていました。
「僕の友達はここに残るから彼女が退屈そうだったら話相手になりますよ」
紳士的に微笑む男性はほんとうに魅力的な声でした。
だから、お友達に「ちょっとお庭を見にいってくるわ」って言ってその男性の誘いにのったんです。

1階のラウンジから池と木立でつくられたお庭へはガラスの引き戸を通って直接出られます。膝に広げていた少し大きめなハンカチとワイングラスだけを持って、少し先に庭に向かった彼の後を追いました。

ライトアップで蝉時雨の止まない夏の夜のお庭。
涼やかな風が流れる夜だからと僅かに開けられた飾り窓から、アルトサックスとピアノデュオのジャズが流れてきます。
大きな窓の正面の池の上の橋の上で先ほどの男性が軽く手を上げてわたくしに合図していました。左手のワイングラスを気にしながら少し足を早めて彼に近づいてゆきました。
「この先の築山の上にベンチがあるんです」 
わたくしが隣に並ぶとゆっくりと彼は歩きだしてゆきました。
「お詳しいのですね 何度かお邪魔したのですけれどわたくし存じませんでした」
ライトアップされた池のほとりを巡ると、青竹の植え込みの先に石造りのベンチがありました。
「ほら、ここのほうが風が気持ちいいですよ。音も思ったより良く聞こえますしね」
ポケットから綺麗にプレスされたハンカチを出してベンチの上を軽く拭き腰掛けた男性は、となりに座るようにわたくしを促しました。
「お庭なのにピアノのかすかな音まで聞き取れますね、不思議」
彼との間にワイングラスを置き隣にすわったわたくしは初めて男性と視線を合わせました。
「実はね ここはラウンジの開いていた飾り窓のすぐ裏手になるんですよ」
いたずらっ子のように微笑んで竹の植え込みを少しずらして見せるので。座っているだけでは気づきませんが、そうして透き見するとほんとうに飾り窓が近くにありました。
「ふふふ 特等席ですね」
グラスを交わし冷たいワインで喉を潤しながら微笑みかけました 髪がさらさらと風になぶられてゆきます。
「支配人が以前教えてくれたんですよ。ここのことは」
と、小声で誰にも知られてはいけない秘密のようにおっしゃいます。
 
お庭まで流れてくるジャズ・・・お庭には男性とふたり。  
ライブをしているラウンジとの間には竹の植え込みがあるだけ。
ラウンジからも・・・もしかしたら姿が見えてしまうし・・・声も聞かれかねない距離。
なのに・・・その彼はいたずらをするんです。
わたくしが声を出せないのを知っていて耳元で言葉をささやきながら。
 
「暑いからGジャンを脱げば・・・」
男性はわたくしのワイングラスを取り上げ、自然な動きで髪をかきあげてGジャンを脱がしてゆきます。
「あっ・・ん・・・」
堅い素材のジャケットを背中に向けて引き下ろし…両腕の自由がきかない…そのままのノースリーブの肩先にキスをされたのです。
「なにを・・・・んむっ・・・」
男性の態度を咎めようとしたわたくしの唇も、両腕にからまるGジャンを彼の右手でベンチに押えられた姿勢ままで塞がれてしまいました。
「声を上げたらお友達に聞かれてしまいますよ。甘い唾液ですね、祥子さん」
男性の言葉にぎくりとしてそれ以上声を上げられなくなったわたくしの長い髪に顔を埋める様にして柔らかい耳たぶを甘噛みされました。
「どうして・・・あん・・・名前まで」
名前を知られている驚きを隠すことは出来ませんでした。
「支配人が覚えていましたよ、あなたの名前はね。さっきこっそり教えてもらったんです」
そのまま首筋まで降りてゆく男性の唇と舌に、はしたない声を押し殺せないままわたくしは喘ぎつづけてしまいました。
「この熱い季節にこんなに襟の高いインナーを着てらっしゃるんですね」 
貝殻のような白い耳を舌でなぞりながら囁くのです。
「大きなバストが強調されて素敵ですよ」 
男性は左手でわたくしのバストをぎゅっと掴み上げました。
「はぁうっっ・・・」 
耳から首筋へのあえかな愛撫に酔い始めていた身体は、突然の刺激に一気に快感を高められてしまったんです。
 
「こんなことでも軽くいってしまうなんて、淫乱な身体ですね 祥子さん」
ひくつく身体からいましめの替わりにしていたGジャンを抜き取ると、男性は両腕をさりげなくわたくしの身体にまわして優しく抱きしめるのです。 
「いい香りの髪ですね」 
髪の香りを楽しむように首筋に顔を埋めながら、男性の手はブラのホックをはずしてしまったんです。
「あっ・・・」 
Gカップのバストを開放される感覚に小さく声を上げてわたくしは自由になった手で男性を押しのけようとしました。
「やめて・・くだ・・・さ・い」 
なかなか引かない快感のために力の入らないわたくしの抵抗は、簡単に彼の左手に押さえ込まれてしまいました。
「おとなしくしてください 祥子さん」 
右手で顎をついと上げこんどは舌を絡めるディープキスをはじめます。唇を重ねる甘やかなキスではなく、口内の粘膜をむさぼり合い舌同士をしごきあうよう前戯そのもののキスは、わたくしの身体に甘い疼きを積み重ねてゆくのです。
 
「今夜はもうこんなものはいらないですよね」
いつのまにか肩紐を外されて・・・ノースリーブの袖からカットソーと同じ色の花柄の刺繍が濃い紺地に散るブラを引き出されてしまいました。
「Gカップですか、先ほどの手のひらの感触がすばらしかったのは当たり前ですね」
「いやっ・・・」
目の前にほんの少し前までわたくしの胸を包んでいたランジェリーを晒され、カップサイズを読み上げられてわたくしは視線をそらすことしかできませんでした。

蝉時雨の庭 2

「祥子さんてかわいいんですね」 
頬を染めてうつむくわたくしの顔を覗き込む様にして男性はささやくのです。
素肌に戻ったバストを被うスリップのレースの少しざらざらした感触までもが、男性によって呼び起こされた快感を刺激するのです。
一段と敏感さを増した乳首はしなやかなカットソーに・・・くっきりと胸の輪郭を浮かび上がらせました。
8月の夜にしては涼しい風が肌をなめてゆきます。
「喉が乾いただろう」 
男性はワインを一口含むとそのまま・・・わたくしに口移しで飲ませました。
「祥子さんにはもう少し酔ってほしいからね」
「なにをおっしゃるんですか もっと紳士的な方だと思っていたのに」 
目元だけで軽く睨むわたくしの眼鏡を取り上げて自分のシャツの胸ポケットにしまっておしまいになりました。
「祥子さんはこのほうが似合うよ」
「見えないんです。本当に眼鏡がないと、返して お願いです」 
わたくしは眼鏡をはずすとほとんど身の回りしか判別できません。もう…池につながる道の先さえぽうっとぼやけてしまうんです。
「そうだね 今夜のライブの最後の曲が始まる時には返してあげるよ。そのほうが祥子さんにとってもいいはずだから。ただね、このブラはぼくがもらうから・・・このままで今夜は帰るんだ。いいね、来月のライブで逢えたら返してあげるよ」
「いやぁぁぁ・・・」 
男性を見つめたままかすかに抗議の声をあげるわたくしを、またワインを含んだ彼の唇がおおうのです。
細く男性の唾液を含んだ白ワインが舌の上に流し込まれ、それを飲み下すまで唇を離してはくれないのです。
「だめじゃないですか そんな声を上げちゃ。お友達に聞かれてもいいんですか 祥子さん」 
アルトサックスの奏者がファーストセッション最後の曲です・・・という声が流れてきます。
「セカンドセッションまでの時間は、僕の友達が祥子さんのお友達のお相手をしますから安心してください。祥子さんは僕との時間を楽しむことだけを考えてください。いいですね」 
グラスに残った最後のワインを含んで、また甘いキスを重ねるんです。
 
肌を撫でる風にワインの酔いと快感で火照る身体と理性を呼び戻されながら、男性の唇と手のひらの感触がとろとろと身体の芯をとろかしてゆくのです。
「白くて肌触りのいいきれいな肌をしていますね 祥子さん」 
そう言いながら男性はスカートの中に太ももをなで上げる様に手をいれてゆくんです。
「ふふ てっきりパンストかと思ったけどガーター風のオープンクロッチなんですね。祥子さんは想像通りのお洒落な女性だ。そして大胆なんですね」
太ももの上の肌に彼の手が直接触れて・・・それだけで身体がぴくんって反応してしまうんです。
「あん・・・だめ」
「揺れてますよ・・・胸。僕の指だけでそんなに敏感に反応したら・・・・みんなに知られてしまいますよ。祥子さん」
そのころには、イタリア製にストレッチ素材のタイトスカートに包まれた太ももの狭間はすでに濃密で香しい湿度をもった空気に満たされていました。
膝を閉じようとするわたくしのももの間は男性の腕の分だけの隙間をどんどんと広げてゆくしかありません。
「キスだけでこんなになるんですね 祥子さんは」 
指は最も奥のレースにたどりついて柔らかな果実に触れる様に、つっ・・・と指先だけで撫で上げるのです。
「あん・・・ぃゃぁ」 
思わずもれるはしたない声さえ押し殺さずにはいられません。
「祥子さん もしかして外でこんな風に愛されるのははじめてなんですか?」 
抱きしめるようにわたくしを包み込んだ男性の上半身がゆれて、彼はわざとわたくしの視線を捉えようとするのです。
「こんなに溢れさせているのに身体を堅くしたままなんて。ふふ、思ったよりもウブなんですね あなた自身はこんなに熟して溢れているのに」 
肩に最初にキスされたところから感じていたんです・・・止めようとしても緩急をつけて呼び覚まされた快感は押えきれなくて・・・もうはしたなく濡らしてしまってたんです。
「・・・はじめてです こんな はしたない・・こ・と・・・」 
震えるわたくしの声の向こうに、これでファーストセッションを終わりにします、という司会者の声が流れました。
「はじめてなのにまだ溢れてるんだね・・・敏感だなぁ いや淫乱なんだな」 
男性の指は愛液ではりついたようになったパンティの上から敏感な真珠を・・・撫で上げ・・・撫で下ろしながらそんなことをいうのです。
「おねがい許してください もう・・・だめ これ以上はだめ・・・許して」 
彼の耳元に囁く様にしか言えませんでした。
「ああ 庭に出てくる人がいるね」 
と男性は、ふいに太ももの間を満たしていた腕を抜き池のほうを見やるのです。
とっさのことで閉じそびれた膝に晩夏の風までが・・・太ももの奥を冷たくして・・・わたくし自身が濡れそぼっている事を思い知らせるのです。
 
「もう、ワインがないんだ。新しい冷たいワインを頼むよ、彼女の分もね」 
男性は庭を歩いてくる支配人を呼び止めました。
わたくしは眼鏡を外されて霞む視界のなかで、池の上の橋をこちらに渡ってくる支配人に姿をやっと見分けることができました。
「ここは気持ちがよろしかったのではないですか、特等席なんですよ」 
彼になぶられたままの姿のわたくしは、カットソーを揺らす柔らかなバストと浮かび上がる乳首の陰と頬を上気させたままの姿を隠したくて男性の方に隠れる様に身を寄せるしかなかったんです。
「いい場所を教えてくれてよかったよ。ただ彼女は少し酔ってしまったみたいですけれどね。そうだ、氷入りの水も一緒に・・・申し訳ないね」 
「承りました」 
と歩み去ろうとする支配人は、立ち止まるとわたくしの肩を抱き寄せる男性を振り返りながらこう言いました。
「よろしければ・・・隣の離れはお客様がおりますが茶室が空いております。今夜は使わない予定なので灯りを入れる事はできませんが、灯りをともさなくても外のライトアップの光で十分でしょう。お連れ様のお加減がよろしくなるまで休まれてはいかがですか? お飲み物もそちらにわたくしがお届けします。」
「ありがとう 遠慮なく借りるとしよう」
「庭に戻られなくともそちらから降りていかれればすぐですから」 
ベンチの奥の踏み石をゆびさした支配人は会釈をして本館に戻っていってしまいました。
「さあ 祥子さん行きましょう」 
手を引いてわたくしを立ち上がらせた男性は先に立って飛び石伝いに歩いてゆきました。
右手を男性に掴まれたわたくしは、歩くたびに揺れる胸元をハンカチを握りしめた左手で隠す様にするしかありませんでした。
ブラなしで外を歩くなんて・・・バストが大きくなりはじめてからはじめてのことです。 想像以上の揺れ方や双のふくらみの中身が濃いミルクが革袋の中で揺れるような不思議な重量感を伝えるなんて思ってもいませんでした。
その上しなやかに肌によりそうピンクのカットソーは、レースのスリップとともに白い肌に寄り添い・・・バストの重みと揺れをそのまま疼く乳首へと伝えるのです。
「はぁん・・・おねがい・・・もっとゆっくり歩いてください」 
揺れるお胸の刺激を最低限に止めたくて男性の手を軽く引きました。
「いいんですか? ほかの方にその姿を見られても」 
つと立ち止まった男性はこちらを振り返りながら思いがけない言葉を口にしたのです。 「それとも・・・見せたいんですか?でしたら止めませんが、戻りましょうか先ほどの場所まで」
「ちがいます いや・・・そんなことないです」
「ふふふ そうですよね さ、急ぎましょう」
 
石段を降りて植え込みを回り込むと瀟酒な引き戸の玄関がありました。
そっと引き戸を開け三和土に男性の靴と揃えてパンプスを脱ぐと、磨き抜かれた板の間を抜けて書院づくりのお茶室に入りました。
支配人が言ったように小さな中庭を挟んだ反対側の離れには明かりがともり男性ばかりのお客様が数人お食事をはじめたばかりのようでした。
 
「いいお茶室ですね。立派な床の間だ 祥子さんご覧になりませんか?」 
畳に座ろうかと思ったわたくしは、改めて立ち上がりました。  
「お客様がなくても生け花を欠かさないなんて思った以上にいいホテルですね。こちらは」 
ハンカチごとわたくしの左手を包み床の間の花の前に引き寄せました。
花好きのわたくしは見事に生けられた桔梗に心奪われて、無邪気に男性の手にハンカチを残したまま床の間に向かってしまいました。
「もう桔梗が・・・あぅぅ・・・なにをなさるの」 
一度は離したわたくしの左手首を掴みうしろからわたくしを引いた男性は、繊細な南天の床柱を後ろ手に抱える姿にわたくしの両手を・・・彼の手に残ったハンカチでいましめてしまったのです。
「そろそろセカンドセッションが始まる時間ですね。窓を開けて・・ああ音が聞こえる ここも特等席だ、Take Fiveからスタートなんですね」 
まるで先ほどのベンチで隣に座って睦言をいっている続きのようでした。でも・・・次の瞬間にはわたくしに向き直った男性はこのお茶室の目的を改めてわたくしに告げたのです。

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「祥子さんの声もこれで隣の離れに聞こえてしまうかもしれませんね。灯りはないですから・・・どんな姿でも見られることはないですが、気づかれたくなかったら静かにしてください いいですね」
男性の魅力的な声が静かに・・・わたくしの羞恥の時間がまだ続くことを告げました。

蝉時雨の庭 3

立ったままで、背中に南天の床柱をかかえるように後ろ手にいましめられてしまったのです。
わたくしは、男性が側に立って指先で胸元のラインをたどった時にはじめて、はしたなく揺れるバストを前に大きく突き出すような姿勢になっていることに気づきました。
「ほんとうに魅力的な乳房ですね。先ほど手のなかで握りしめた感触がまだ残っていますよ、さあ見せていただきましょうか」 
男性の手がハイネックのノースリーブのカットソーの裾をゆっくりと、バストの重みにわずかに抵抗を感じたと同時に勢いをつけて襟元に向けてまくり上げてゆきました。
「いやっ・・・しないで」
「ほおぅっ・・・秋の野の吾亦紅ですか。これでは襟の高いインナーしか着ることができないはずですね 祥子さん」 
真っ白い胸元には、数日前の3人の男性につけられた無数のキスマークが濃紅色の痕となって残っておりました。
「スリップのレースの刺繍よりも艶やかですね。ふふふ、いくつ付いているんでしょうか 祥子さんの恋人は情熱的なんですね それとも嫉妬深いのかな。」
レースのスリップの端を指で押し下げるようにして・・・すこしづつ白い乳房を露にしてゆくのです。
「どこまで付いているんでしょうか 確かめさせてもらいますね」 
恋人などではなくはじめて体験した4Pの痕であること、そのときの羞恥と快楽を男性に知られているような錯覚がわたくしの肌を薄紅にそめました。
男性はわたくしの着けているランジェリーを熟知しているように取り外しができるストラップをついと外し・・・白くゆれる乳房を夜気に解き放ったのです。
「手に吸い付くような白い肌ですね。いい感触だ」 
手のひらに片方づつ乳房をのせ、指の間からこぼれ落ちそうな柔らかさを楽しみながら上に左右に乳房を動かしてゆくんです。
「下乳のこんなところにまでついてますね。あ、ここにも 僕も一つ加えさせてもらおうかな 祥子さん」 
男性はキスマークをつけるほどの強さで乳首を吸い上げます。
「んくぅ・・・あう・・やめて」 
溜まりつづけていた疼きは、男性の唇とひねりあげるような指の動きに、身体のたった一点を目指して快感を響かせるのです。
わたくしは唇を噛むと、床柱に止めつけられた上半身をびくんと反り返らせてしまいました。
 
「そうです、祥子さんの魅力的な声は良く通りますからね。そうやって押し殺してください」
わたくしの高ぶりをはしたなく捩らせる白い肩の動きで察しているのでしょう。なのに指先は動きを止めず、わたくしの伏せた睫毛を見つめながら、責めの言葉をまた一つ重ねるのです。
「男の獣のような気持を高ぶらせる声なんですから。そうですよね、支配人」
「やぁっ・・・」 
ここには、わたくしと男性だけ。そう信じ切っておりました。こんなに淫らなことを仕掛けてくるのですから。なのに・・・
あの支配人さんにまで・・・何にひとつ隠すことのできないはしたない姿を見られてしまう。
わたくしに出来ることは細い床柱に白い肌を隠す様に身を捩ることだけでした。
 
「お声をかけずに失礼いたしました。冷たいワインとお水をお持ちいたしました」 
板の間と茶室を仕切る襖の向こうから支配人の声が聞こえました。
「ありがとう、いまはまだいただかないからそちらで控えていてくれないか」 
男性は襖の向こうに声をかけるのです。それも、信じられないことを。
「仕事に支障がないなら 君も憧れの祥子さんの魅力的な声くらい楽しんでいきたまえ」
「・・・お願いそんなことなさらないで いや」 
蝉時雨よりも細く震える声で、ふたりの男性に懇願するしかわたくしにはできませんでした。
「ありがとうございます、お姿を見る事は叶いませんが声だけで十分です。水屋の冷蔵庫にお飲物は冷やしておきますから必要になりましたらお声をかけてください。こちらに控えております」 
飲み物をのせたトレイを持ち備え付けの小さな冷蔵庫を開ける音が床の間まで聞こえました。
「支配人はね 祥子さんにずっと憧れていたそうですよ。この半年 あなたがくるまでラウンジのあなたが座っていた席で僕にずっとあなたのことを聞かせてくれたんです どんなに魅力的な人なのかをね」 
白い乳房と立ち上がった乳首を触れるかどうかの微かなタッチでなであげながら男性はわたくしの耳元でささやくのです。
「実際にお逢いしたあなたは支配人の話以上に魅力的でしたよ」
「あう・・・ぅぅぅぁぁ」 
男性に右手の指からやわらかな肉があふれるほどに手にあまる乳房を強くにぎりしめ揉みしだくのです。
「縄をきつく掛けたくなる身体ですね 祥子さん。赤い縄が今夜のあなたの肌にはとても映えるのでしょうに 残念ですよ」 
「いやぁぁあ・・・」 
男性が特殊な嗜好を持つ事を知り、肌が粟立つのを止めることができませんでした。
わたくしが表情に怯えをにじませたのを確かめてから、男性はゆっくりとストレッチのタイトスカートを両脇をつまむようにして引き上げてゆきます。
「お茶室の青畳の香りも祥子さんのフェロモンにはかないませんね」 
オープンクロッチのガータータイプのストッキングに、太ももの白い肌に、そしてピンクの花を散らした紺地のパンティに。
スリップごと擦れる様にずりあがってゆくスカートの裾を一瞥することもなく、伏せることしかできないわたくしの顔をじっと見つめながら、男性は恥ずかしい言葉を口にするのです。
「こんなパンティでは帰れないじゃないですか。男を発情させる匂いを振りまいて電車で帰るつもりですか?祥子さん」 
スカートの裾がウエストまで上がったところで、わたくしの前に片膝をついた男性は鼻先を堅く閉じ合わせたふとももの合わせ目に寄せ大きく息を吸い込むのです。
「ほらこんなにいやらしいフェロモンが立ち上ってる。いい香りだ こんな香りをしみ込ませたパンティのままで帰ってはいけませんね」 
そういってわたくしのパンティをそろそろと下ろしはじめたのです。
「可憐なランジェリーのセットですね。欠けてしまうのはもったいないでしょうから、必ず来月のライブにはいらしてくださいね。可愛そうですからブラは返してあげましょう このパンティのほうが価値がありそうだ」 
男性は腰のポケットからきれいにたたまれたわたくしのブラを出し、床の間に置きました。
「ああ、もうまっしろなんだね・・・愛液」 
紺地のパンティのクロッチについた白い愛液のしみを指でなぞりその指を・・・まるでフランス料理のソースの味を確かめる様に舐めるんです。
「いやぁ・・・」 
ぴちょ・・・彼の舌の音がラウンジのBlue in Greenと離れのお客様の笑い声より大きく、わたくしの羞恥心をあおるように響くのです。
 
「囚われの女王だね・・・さながら。絶景ですよ」 
男性は床柱の周りをまわるようにしてわたくしを視姦するのです。
「もっと楽しみたいが今夜はもう時間がないらしい。ライブの時間だけではものたりないですね。祥子さんもそうでしょう」 
つと立ち上がった男性はわたくしの後にまわり手首のハンカチをほどくのです。
「せっかくの茶室だ 思い切り楽しませてもらうとしよう」
男性はわたくしの手首を掴んだままで離れとの間の中庭を望む雪見障子のところまで乱れた姿のまま・・・連れてゆくのです。
「本当は中庭で楽しみたいが支配人を放っておいてはかわいそうだからね。ここで中庭をみながら楽しもうじゃないか」 
空いている手で障子を開けるとそこは一面のガラス窓でした。
「ここに手をついて・・・わかるね・・・脚は開くんだ もっと!」 
パシィ!男性の手のひらがわたくしの白く大きなお尻に紅い手形をつけるのです。
「ひぃ・・・ゆるし・て・・・くださ・・い ゆるして」
衣服を身体に中途半端にまとわせたままで腰を突き出し・・・中庭に露にしたGカップのバストを突き出すように晒す。
わたくしのはしたない姿を見つめながら、男性はファスナーを下ろし黒のスラックスと黒のボクサーパンツから大きく立ち上がった逞しいものを引き出したのです。
背中を押され腰を高くあげさせられた姿を後から満足げに眺めた男性は、わたくしの中心にぐいと腰を押し進めました。

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「あっ・・・あぁぁぁ」 
くちゅ・・・・くちょ・・・ 男性のものが刺さり込むようにわたくしの中に・・・押えてもこぼれ出る喘ぎに愛液に満ちたわたくしを逞しい男性がかき回す音が重なります。
「ここには指一本触れてもいないのにこんなに溢れさせて」 
そう言いながらわたくしの両腕を引き後から激しく抜き差しするのです。 
「はぅぅん・・・あはぁ・・・あふ・・・あぁぁぁ」
「こんな匂いをさせて電車に乗るなんて どんな男が痴漢になっても罪はないさ・・・せっかくだからノーブラで帰るかい・・・祥子・・・淫乱な痴女・・・」
「ぁぁぁ・・・・んふんん・・・・」 
「だめじゃないか 祥子 そんな声を上げてライブの邪魔をしちゃ。それとも離れの男性にこの姿を見られたいのかい?」 
唇をさらに強く噛み締めてふるふると首を横にふったのです。 
「いいこだ・・・ご褒美をあげよう」 
わたくしの両手を離しそのまま身体をかぶせて動きに合わせて揺れる乳房を鷲掴むのです。
「だめ・・・おむね・・弱いのぉ・・・」
「しまるな・・・動かなくても気持いいくらいだ。ひくひくと祥子の中に淫らな動物がいるようだよ・・・祥子の中のいろんなところが動いて俺を刺激してる・・・ほら・・俺が感じてるのがわかるな」 
わたくしの堅くしこりたった乳首を指の間にはさむようにして揉みしだくのです。
男性の指の動きに合わせて奥と中ほどが締まるわたくしの身体に・・・密着したままの男性のものがまた一段大きくなり・・・わたくしの奥をぐりぐりと刺激するんです。
「あん・・・いいですぅ・・・奥がいいの・ぉ・・・いってしまうぅぅ・・いくぅ・・・あはぁぁん」 
男性の言葉と、縄の様にわたくしのはしたない乳房を締め付ける指と・・・身体を刺激する太くて大きい塊が、じらされ続け熟したわたくしにはしたない言葉を口にさせてしまうほどに羞恥で蕩けさせてしまうのです。
「おねがい・・ゆるして・・・あぁあぁぁ・・・おねがい・・・ちょうだい しょうこを・・・いかせ・・て・・くださ・・いぃぃ」
「また・・・あうっ きゅうってしてるぞ 胸もゆれて・・・全身性器だな 祥子 いいぞ このままいくからな」 
彼は両腕をわたくしの白い腰を掴んで激しく突き上げました。
「祥子 お前の奥に注いでやる いけっ!!」 
わたくしのバストを離れに向かったガラスにつぶす様に押し付けるほどに熱い塊を突き上げ、わたくしの中に・・・子宮に直接注ぎ込むように射精しました。

お洋服を身体にまといつけたままで、濃紅の痕をちらした白いGカップのバストを離れに向かったガラスに押しつぶし後から貫かれたはしたない姿勢で・・・わたくしは男性から長くゆっくり注ぎ込まれる精液の熱さと塊の脈動にいきつづけてしまいました。
「そろそろ戻らないといけませんね」 
男性はまだ堅い塊をゆっくりと引き抜き、白く蕩けているわたくしをその場でひざまずかせ濡れた塊を舌と唇で拭わせながらそう言うんです。
「フェラチオも上手みたいですね、祥子さん。ほんとうにこの年なのにいやらしい身体だまったく・・・」 
もう全てが終わったと思っていたわたくしに改めて降り掛かる羞恥の言葉に、身奥をひくつかせてしまいました。 
「ふくっ・・・」 
あまりに大量に放出された精液が太ももを流れ落ち青畳を濡らしました。 
「お願いです 身繕いをさせてください」 
わたくしの唇のなかで改めて堅さを増しはじめた男性の塊から顔を引いてふらふらする腰つきで立ち上がりました。
まくりあげられたままのカットソーを下ろしスカートを直して、床の間に生けるように置かれていたレースのブラと手首を戒めていたハンカチを取り上げ部屋を出ようお茶室の襖に手をかけました。
 
「んん・・」 
お茶室の襖を開くとそこには・・・茶室より濃厚な栗の花の香りが漂っていました。
支配人がそこに控えていたことを思い出し立ち尽くすわたくしの足元には、タオルと熱く絞ったおしぼりが用意されていました。
「左手に化粧室がございます」 
水屋から水音とともに姿も見せずに支配人の声がいたしました。
襖だけを隔てたここに・・・支配人がいたことを忘れていたのです。
男性に犯された行為の全てを聞かれていたことを改めて思い知らされたわたくしは、頬を紅くせずにはいられませんでした。
その場から逃げる様に用意されたタオルをもって化粧室に向かいました。
ラウンジからのイパネマの娘が微かに聞こえる中、ふたりの男性から注がれた欲情の証を拭い去るかのように、いそいで身繕いを終えました。
 
お茶室には男性がひとり、床柱を背に座り冷たい白ワインをのんでいました。
男性の側にはトレイにおしぼりと、水滴が残っているのに空になったワイングラスが置かれていました。
トレイをはさんで男性の隣に座りました。
「のどが乾いたでしょう」 
そういうとわたしを引き寄せて口移しに冷たいワインを流し込みました。
男性の言葉遣いはまた最初の紳士的な口調に変わっていました。
「祥子さんのワインは支配人に飲んでいただきましたよ。とてものどが乾いていたようだったからね」 
男性はわたくしが席を外していた間に、支配人と交わしたであろう淫媚な会話を匂わすように微笑むのです。
「パンティをつけていないとは信じられない楚々とした姿ですね。これならお友達もわかりませんでしょう」 
・・・今日最後のナンバーです、Fly me to the moon。
「さ グラスをもってラウンジへ戻りましょう」 
男性と軽く手を組んで蝉時雨の庭をJAZZの流れるラウンジへ歩いてゆきました。
 
「お友達も楽しく過ごしていたようですね」 
男性の連れの方と言葉を交わしている女友達の姿が見えました。
「僕たちほどではなかったでしょうけれどね。来月が楽しみです 祥子さん。今度はあなたの白い肌をゆっくり縛りたいものです」 
ラウンジの戸を引き開けながら耳元でそう囁くと、男性は連れに軽く手をあげて先に席に戻ってゆきました。

祥子からの手紙-2
こんにちわ 祥子です。
昨晩は激しくて・・・お昼のこんな時間になってやっと目覚めました。

お席に戻ると一緒に来ていた女友達が意味ありげな視線を投げてきました。
ずっと男性のお連れ様がお話をされていたからもしかして・・・と不安になったのですが
地下鉄までの帰り道にいわれたのは
「だって私が話していた男性もずっと祥子さんのことばかり聞きたがるのよ」
っていう悪戯っぽい言葉でした。
 
支配人は、帰り際清算をしているときに「お忘れ物です、お客様」と
お庭のベンチに忘れていたGジャンを持って声をかけられました。
お酒と男性との時間に身体の火照りがおさまらなくて・・・上着のことを失念していたのです。
女友達の手前冷静なふりを装いながら、上着を着せかけていただくわたくしに
「来月もお待ちしています」とあくまでもビジネスライクなクールな声でご挨拶をしてくださいました。
 
帰りの電車の中のことは…とても・・・ここでは申せません。
また別の機会にでも
 
これからシャワーを浴びて遅めのブランチをいただきにまいります。