唐紅 23

「さぁ 少しおやすみになってください」 
新たに枕を用意して、すべらかなシーツの上にわたくしを横たわらせてくれます。 
なにもまとわない姿のままで、わたくしの身体は羽布団に覆われてゆきました。
「お召し替えはお目覚めになってから、ご用意しておきますから」 
彼は肩先をぽんぽんとたたき・・・脱ぎ捨ててあった浴衣に手を伸ばしました。
「望月さん、あなたはおやすみにはならないの?」 
わたくしはもう少し・・いえこのまま彼といたかったのです。
「あちらのお部屋で・・・」 
昨晩わたくしを着替えさせた部屋を見やるのです。
「おねがい 一緒にいてくださらない」
「主に怒られます」
「おねがい ね・・・」
見上げる瞳を見つめて・・・彼は手にした浴衣を離しました。
そしてわたくしは彼の大きな胸に抱きしめられて、つかの間の眠りについたのです。
 
ざぁぁぁ・・・ 露天風呂の湯音でわたくしは眼を覚ましました。
どのくらい眠っていたのでしょうか? 
もう傍らには運転手はおりませんでした。
枕元には乱れ箱に初めて見るシャンパン・ベージュのサテンのランジェリーのセットと、バスローブが用意してありました。
窓辺は障子に閉ざされて、朝日は柔らかな光で室内を照らしておりました。
バスローブを羽織ると、一枚だけ障子と硝子戸を引き開けました。
部屋に籠る昨晩の名残が・・・朝日の中であまりに恥ずかしかったからです。
そうしてから乱れ箱を持ち、露天風呂に向かったのです。
 
30分後には濡れた髪はアップにしていたものの・・・昨晩ここを訪れた時と同じ装いに戻りました。
居間の側の襖を開けると、男性はワイシャツとスラックスの寛いだ姿で新聞を読んでいました。
「おはようございます」 
わたくしの声はすこしだけ・・・ハスキーになっていたようです。
「おはようございます。祥子さん、よく眠れましたか?」
「ええ」
「朝食は庭に用意してあるそうですよ。まいりましょうか」
男性は立ち上がると昨晩散歩に出たときと同じように、先に立って庭へと向かいます。
ヒールのパンプスを履き、踏み石づたいに後を追うとすぐそこに男性が佇んでおりました。
「どうなさいましたの?」
「祥子さん、僕は寝不足ですよ。彼とあんなに激しく・・・おかげで朝方まで眠れませんでした」 
ふふ・・と笑い声を潜めて言うのです。
「それは祥子さんも同じでしょうけれどね。次にお逢いするときにはこのお仕置きがあると覚悟していてください。もちろんお約束のプレゼントもね、またお逢い出来るのを楽しみにしていますよ」
 
「さぁ目覚ましの珈琲でもいかがですか 祥子さん」 
男性のシャツの背中が一瞬、朝日に白く光りました。


祥子からの手紙-6

こんばんわ、祥子です。
いまは行きつけの珈琲専門店で、キリマンジャロをいただきながらこの手紙をしたためております。
 
箱根を出たのはもうお昼をまわったころでした。
ゼニアのスーツの男性もわたくしも、昨晩このルートを走った時のままの姿で帰路に付きました。
車内の会話は和やかなものでした。
商談があるという男性を都心のホテルで下ろし、運転手さんはわたくしを自宅まで送ってくださいました。
 
箱根からの運転中、望月さんはやはりなにもおっしゃいませんでした。
わたくしの自宅の前で車を止めいくつかの荷物を・・・昨晩わたくしへのプレゼントだと彼と主が言っていたものを・・・おろすと一言だけ口にしたのです。
 
「また お逢い出来ますね」 と。
 
わたくしはただ黙って頷きました。
また、あのバーに行ってしまうのでしょうか。この次をあんな風に男性に予告されているというのに・・・
 
いまは、考えられません。
この珈琲の薫りのなかで、一時彷徨わせてくださいませ。
長い夜がやっと明けたのですから。

唐紅 22

逞しく太く・・そして熱く反り返った塊の根元でわたくしの花びらを押し開くほど深く、 彼の塊はわたくしの胎内に留まっていました。
はしたなく登り詰めたわたくしの密壷のひくつきにも・・・運転手は自らがいくことをいまだ禁じておりました。
絶頂で閉じた眦からつっ・・と流れた涙を、わたくしを貫いたままの彼の舌先が拭うのです。
「祥子様 すごい・・です。このまま動かなくてもいってしまいそうです。」 
そういって口づけた彼の唇からは・・・強く唇を噛み締めた時に滲んだのでしょう・・・わずかに血の味がいたしました。
「ん・・っく・・ぁん」 
声を上げ続けて乾いてしまったわたくしの唇を潤すような・・・やさしい でも深いキスでした。
「あぁ・・はぁぁぁ」 
でも・・わたくしの中を押し広げるようにくいっ・・くい・・と上壁に向かって動く彼の塊が、登り詰めた快感をなかなか引かせてはくれませんでした。
「やぁ・・あああ・・だ・めぇ・・」 
彼の唇はわたくしの堅く立ち上がった鴇色の乳首をねぶるのです。
「こうしたかった。あぁこんなに締まる」 
吸い上げ・舌を絡め・甘噛みし・・・その度に敏感になっている身体は彼の下でぴくんと跳ねてしまうのです。 
花びらの奥はくぃ・・っと、わたくしの意志とは関係なしに締め付けるのです。 
そしてまた新たな愛液を溢れさせてしまいました。
 
外はわずかに空が白みかけ、人工光ではない明るさを室内に投げかけはじめておりました。
「祥子様。こうしてキスしながら、いかせてくださいますか」 
運転手の唇が改めてわたくしに重ねられます。
「さきほど私の名前を呼んでくださいましたね。」 
緩やかに腰が動きはじめます。
ようやく彼を見上げ、こくん・・・とわたくしは頷きました。
「うれしかった。いきながら祥子様に呼ばれるなんて、どれほどあのままいってしまいたかったことか」 
くちょ・・くちゅ・・ちゅ・・花びらからはまた淫らな水音が聞こえはじめました。
「このまま祥子様の中でいかせてください」 
上体をわたくしに重ね、唇を重ねながら。彼の腰は答えを待つことなく・・また激しく動きだしたのです。
「あぁ・・・あはぁぁ・・・んんぁぁ」 
隣室の男性のことを忘れたわけではありません。
が、溢れるはしたない声を、これ以上押さえることはできなかったのです。
 
「ここ、ざらざらして。これが数の子か・・いい」 
浅く中程の上壁を抉る様に彼の先端が行き来するのです。
「はぁぁん・・いいぃ・・のぉぉ」 
中程から入り口までを押し広げる熱い塊を、奥まで欲しくて・・わたくしは自ら腰を動かし始めてしまいました。
「しまる。なんでこんなに濡れてるのに・・・あうっ」 
塊を奥まで飲み込もうと、蜜壷はうごめいてしまうのです。 
やんわりした女性の指で捕まえて奥へ送り込むような、淫らな締め付けが運転手の快感を高めてゆきました。
「あぁああ・・・もちづきさぁん・・わたくし・・もう・・だめぇ」 
捉えられ愛撫されるような蜜壷の誘惑を振り切る様に、彼は早く・強くわたくしを犯しつづけたのです。
「かん・にん・し・てぇ・・もち・づきさ・ぁぁん」 
白い両腕は彼の広い背中に回されておりました。こうしていれば少しでも彼の激しさを押さえられるとでも言うように。
でも・・わたくしの力では彼の欲望を押さえ切ることはできなかったようです。
「祥子様いい あぁ」 
激しい腰の動きに少しずつずり上がってしまうわたくしの身体を留める様に、彼の腕は頭に回され・頬を捉え・思いのままに彼が唇を貪れる形に留め置かれておりました。
「もう・・あぁ・・かんにん・・また・・いってしま・・うぅ」 
はしたなく・・・また上りつめようとしていることを・・・口にさせられてしまいました。
「わかっています、祥子様。こんなにひくつかせて。あぁ私も限界です。一緒にいきましょう」 
胎内で一段と太さを増した塊はわたくしを押し開き、抜き差しのたびに敏感な真珠までを彼の茂みで嬲り・・・淫楽の極みへと押し上げるのです。
「ちょうだぁい・・・もちづき・さぁ・・ん・・の・・精液で・・しょうこを・・まっしろに・・し・・て」 
淫らなおねだりまで・・・とうとう口にしてしまったのです。
「しょうこ・・さ・ま・・しょうこ・ぉぉ・・・いくっ・」 
純白の綾絹の長襦袢ごと抱きしめられ、体奥まで逞しい塊に貫かれて・・・。
わたくしははじめて運転手の熱い迸りを子宮で受け止めたのです。
 
ちち・・・ち・・
運転手とわたくしの激しい息づかいがおさまった頃、窓の外からは夜明けを告げる鳥の声が聞こえました。
彼はゆっくりとわたくしから身体を離すと、長襦袢の袖をわたくしの両肩から抜きました。
「あっ・・・だめ・・」 
ふたりの身体の下敷きになっていた・・・朝日に光る純白の絹で、彼は白い体液を溢れさせるわたくしの花びらを・柔らかな狭間を拭ったのです。
「いいのです。これは私の宝物になるのですから」 
そう言うとわたくしを抱き寄せて、身体の下から長襦袢を引き出してしまいました。

唐紅 21

しょうこ・・さ・・ま 運転手はそう呟くとまた激しく舌を絡めてまいりました。
ちゅ・・・っ・くちゅ・・・ 舌の根元までむさぼるような口づけは、彼の熱情をストレートに伝えるのです。
「ぁふっ・・・っく・・」 
唇を重ねたまま彼の身体はわたくしに被いかぶさり、彼の手で着せ付けた長襦袢を今度は乱暴にはだけました。
わたくしの腰に跨がり・膝立ちになった運転手は、自らの帯に手をかけ浴衣まで脱ぎ捨てたのです。
彼は普通男性なら浴衣の下に着けている下着を着けてはおりませんでした。
しなやかな筋肉に覆われた長身の肉体と、猛々しいまでに反り返った塊を・・・わたくしは見上げたのです。
「ずっと・・こんな風に?」 
ささやく声で彼に尋ねました。
「ええずっとです。祥子様と主がお庭に散歩にいかれてから・・・ずっと」 
彼はわたくしの肩先までずり上がり・・そしてさきほどまで貪っていた唇にまた熱い塊を突きつけるのです。
「またしてほしい、もういちど祥子様の唇で」 
彼の手は塊に添えられて・・・先端から滴った透明な液体を、ルージュを塗り込める様にわたくしの唇の上に塗り込めるのです。
「あ・・・はぁ・・・」 
一度達したにも関わらず、塊はまだ濃い牡の薫りをたたえておりました。
「祥子様 さぁ」 
彼の粘液に塗れかすかに舌先が誘う様に見え隠れるす唇に・・ぐいっ・・と上から塊を突き入れたのです。
「んぐぅ・・・く・・ぽ・・」 
枕と彼の腰に挟まれわたくしの頭は動けませんでした。 
その喉奥までずっと・・・彼の堅くて熱いものを押し込まれるのです。
「んんんぁぁ・・んくぅぅ・・」 
容赦なく・さらに激しく・さらに奥まで・さらに熱く。 
彼の腰はわたくしの胸の上で動きつづけました。 
「あぁ 祥子様。いいです もっと」 
彼の塊を唇で柔らかくしめつけ・・・舌を蝶が舞う様にひらひらと纏い付かせ・・・。
あまりの激しさに飲み込むこともできない唾液は唇の端から溢れるほどに・・・塊になめらかなぬめりを加えていました。
 
「あぁ、だめです」 
突き入れたのと同じだけの唐突さで彼は腰を引いたのです。
「なんて淫らな唇なんですか。二度目なのにまたいきそうになってしまいました」 
彼の重みが肩先から外れました。
わたくしの足元に下がると、今度は純白の長襦袢に包まれた両脚を乱暴に開くのです。
「・・や・・しないで・・望月さん・・・」 
開かれた両脚を閉じる事ができないように彼は膝をすすめ、指で優しく・・でも躊躇なく柔らかい狭間を撫で上げたのです。

「あん・・」 
くちゅ・・・ 数十分前に温泉で清められた身体なはずなのに...はしたない淫らな水音を響かせました。
「こんなにして・・・フェラチオだけで濡れるんですね。祥子様は」 
溢れる愛液は太ももを・・・会陰を伝わり・・・純白の長襦袢にはしたないシミをつけておりました。
「この長襦袢は差し上げられませんね。こんなシミがついていたら」 
花びらに留まっている露さえも滴り落とさせるような淫らな指使いで、わたくしを嬲るのです。
「いやぁ・・・」 
彼の主である男性との戯れには緋色の長襦袢を気にして、はしたなく腰を浮かせる事までしたのに・・・彼との行為は高価な純白の綾絹の価値を忘れさせるほどに、わたくしを没頭させていたのです。
「祥子様のためなら新しいものをいくらでもお作りいたします。この長襦袢は私の宝物にいただいて帰ります。」 
ぬめりを絡み付けた指先で大きくふくれあがった真珠までも、なでつけるのです。
「あぅっ・・・やめ・・て・・あぁ・・もちづき・・さぁ・ん」 
敏感な珠を執拗に往復する指づかいに、わたくしはさらに蜜を溢れさせて・・・達してしまったのです。
 
「あぁ・・・祥子さま・・」 
押えきれない快感に浮き上がるわたくしのたわわな胸元を確かめると、彼は塊を花びらに押しあて・・・奥深くまで・・はじめて押し入れたのです。
ぬりゅ・・・みし・・・ シーツまで濡らすほどに潤った蜜壷は、彼の大きな塊を、身体を押し開く感覚と共に受け入れました。
ちゅ・・くちゅ・ぅ・ぅぅ・・ ゆっくりとでも奥まで・・子宮を確かめるように再奥まで塊を突き入れます。
「祥子さま・・・これが・・あぁいい」 
運転手は両足首を肩に抱えるとようやく腰を動かしはじめました。ときおり喘ぎを漏らしながら、わたくしの眼をみつめたままで幾度も深く抉りつづけるのです。
いまだ身体にほの輝く白の長襦袢をまとい付けたまま,わたくしは彼に組み敷かれておりました
「あはぁ・・・あぁ・おお・き・ぃぃ」 
軽く腰が浮くほどに身体を二つ折りにされたままの体位は、より深く彼を受け入れることになってしまうのです。
「いいのぉぉ・・・あん・・あぁぁ」 
じゅぽっ・・・くちゅっ・・ちゅ・・ 抜き差しをくりかえすたびに、花びらからははしたない音を立てて愛液が溢れていました。
「あぁ・・・はぁぅうん・・」 
彼の塊は確実にわたくしを淫らな愉悦に押し上げてゆきました。
白い腕は彼を押し留めようとしますが宙を舞い彼に縋るだけしかできません。
純白の長襦袢には、大きく張り出したかりが汲み出す白く濁った愛液が、次々と吸い込まれていったのです 
「あぁしまるっ 祥子様」 
普段から素肌を晒すことのない脚は、肌理の細かい柔らかな肌をしておりました。運転手の両手は・・・ほんの僅かも身を離すことも許さないと言わんばかりに、その脚を捉えておりました。 
「あふぅぁぁ・・・あん・・だめ・・はげし・い・の・・」 
正常位のままに貫かれ、彼の動きにGカップの乳房は たふ・・たふ・・たゆん・・・とはしたなく揺れ続けます。 
望月さんの視線は、快感に眉を顰めるわたくしの表情と、はしたない乳房の動きを交互に捉えていたのです。

「あはぁぁぁ・・・また・・・いっ・・く・・」 
何度も頂きまで押し上げられているのに・・・熟した身体はまだ浅ましく快感を貪ろうとするのです。 
わたくしは何度も達してしまう淫らな顔を見られたくなくて、唯一自由な両腕で目元を覆いました。 
彼の腕が肩に抱き上げていた両足首を左右に大きく割り、布団に下ろしたのです。
荒々しいまでの腰の動きを緩めて・・高まり極まろうとしていたわたくしの快感は、宙に浮いたままに留め置かれました。
「祥子さま、だめです。手をどけていく顔を見せてください」 
彼の両手がわたくしの手首を掴み顔の左右に引きはがしました。
「やぁっ・・だ・め・・ぇ」 
わたくしの目元も肩先も悦びに紅く染まっておりました。
「主にではなくて、私でいく祥子様を見せてください。もっと声を上げて」 
運転手はわたくしの手首を掴んだまま上半身を倒し込み、両手を布団に押し付けて、また腰の動きを激しくするのです。
「あぁああ・・・やめ・て・・ぇぇ」 
彼の言葉で・・快感で忘れかけていた襖の向こうにいる男性の存在を・・思い出しました。 
それでももう火のついた身体は、喘ぎを押さえることなど出来なくなっていました。
「やぁぁぁ・・・みない・・で・・」 
緩やかな動きに焦らされていた密壷は、強い刺激に彼の塊を中程と奥の2カ所できつく締め付けて・・・より強い快感にわたくし自身を追い込んでしまうのです。
彼は、主である男性にわたくしの乱れる様を誇示するかのように、容赦なく責めつづけます。
「あぁ・・かん・・にん・・」 
密壷を逞しい彼の塊で、両手を彼の腕で押さえ込まれたわたくしには・・・許しを乞うためには髪を乱すほどに首を振ることしかできませんでした。
「はぁぁ・・ふ・・あぁぁ・・もち・・づ・き・・さぁ・・ん」 
眉間を僅かに寄せ、薄く涙を浮かべる目元・額にほつれかかる黒髪を彼は見つめておりました。
「その声その表情。あぁ祥子様、いってください」 
射出感にひくつく腰をこらえながら、彼は塊をわたくしの奥まで ずん・・ずぅん・・と突き入れ子宮口をこねる様にねじ込むのです。
「かんに・ん・・ぇ・・もちづき・さぁぁん・・い・くぅ・・ぅぅ」 
これ以上密着できないほどに深く彼の塊を胎内に飲み込みながら、わたくしはまた絶頂を迎えてしまったのです。

唐紅 20

「ん・・んくっ・・・」 
そのまま喉奥まで、熱い先端を上顎にこすりつけるように咥え込んだのです。
「うっ・・・」 
運転手の手が・・無意識なのでしょう。
わたくしの頭を両手で押えるのです。
ちゅ・・ぷ・・ 鼻先が彼の茂みに埋まるほど深く口腔に納めたところで、彼の裏側の中心線に舌先をあて・・くうぅぅっと頭を引くのです。
「あぁ 祥子様」 
くちゅ・・・ぺちょ・・・ すぼめた唇が、張り切ったかりでそれ以上引けなくなったところで頭の動きを止めるのです。
口腔はわたくしの唾液と、彼の塊でいっぱいに満たされておりました。 
っちょ・・・くちゅ・・・ 少しだけ頭を戻してから、舌先は塊の下の合わせ目からかりの裏側をぐるりと回り・・・また合わせ目へ・・・そして唾液よりも粘度の高い液体を溢れさせている先端へと這わせるのです。
「あっ だめです」 
運転手の鈴口はまるで生き物のように、侵入してくるわたくしの舌先にやわやわとしたキスをくりかえします。
くぽぉぉ・・・ちゅ・っ・・ 先端からは新たな粘液が湧きだします。
そのタイミングを待って・・・わたくしは深く浅く、口唇での動きを伴った愛撫をはじめました。
ちゅぽぉぉ・・・くちゅぅぅ・・じゅるっ・・・ちゅぅぅ・・・ 
「あぁああ・・・」 
わたくしの頭に添えられていただけの両手が次第に力を増し、やがて彼の思うがままに前後させられはじめたのです。
「祥子様 なんて口なんですか。こんな。まるで あぁ」 
他の男性にキスをしながら突き入れられて・・・上顎は胎内と同じ数の子状だと言われたこともございます。
わたくしは快感を与える為の口内の動きだけに集中いたしました。
じゅ・・・ぽ・・・ 彼の敏感な裏側の筋を舌で不規則に刺激しながら、先端が常に上顎をなぞり続けるように・・・舌を隆起させるポイントを変えるのです。
「いい 噂以上です。あっ」 
彼の塊が一段と逞しさを増してゆきます。 
広がったかりが出し入れされるたびに、わたくしの唾液は掻き出され・・・赤い痕を散らした胸元をしとどに濡らしました。
「あぁっ いきますっ」
頭に添える手に力が籠ると、長い間何度もの衝動を堪えていたであろう運転手の噴出は、太く・大量に・たたき付けるかのような勢いで口腔ではじけたのです。
ふっ・・・っくん・・・ 息をすることもできないほどの量の精液を、わたくしは塊を口にしたまま・・・喉奥だけを動かして少しづつ飲み下したのです。

「申し訳ありません。祥子様」 
先ほどとは違い・・・彼の手はわたくしの髪を優しくやさしくなでてくれたのです。 
ぺちょ・・・ちゅ・・あっくぅん 彼の体液を飲み干したわたくしは、まだ堅さを失っていない塊の先端をそのまま吸い上げ・・・もう一度喉奥まで迎え入れて舌で清めました。
「どうかもうおやめください。お願いです」 
指先は一切使わずに口唇と舌先だけで・・わたくしは彼の大きな塊を愛撫したのです。
そして当たり前のように塊を清めたあとは、その下のやわらかな袋に唇を這わせたのです。
ちゅる・・・くちゅ・・・くぅぷっ・・ 片側づつ口に含み、あめ玉を舐める様にやさしく舌を這わせます。
「祥子さま。また あぁ」 
わたくしは運転手の想いにただひたすら、一言の言葉も・・喘ぎ声すらも発することなく口戯で応えておりました。 
ちゅ・・くっ・・ぷ・・ 改めて彼の塊を、花びらの狭間のようにすぼめた唇に迎え入れた時には、初めて唇を這わした時と同じ昂りと堅さを取り戻しておりました。
 
「しょうこ・・さ・ま・・・」 
ため息のようにわたくしの名前を呼ぶと、運転手の腕は力を取り戻し、わたくしの頭と唇を彼自身から引きはがし・・・唇を合わせようとするのです。
「だ・め・・」 
首を振り・・・彼の唇から逃れようといたしました。 
ほんの数瞬前まで彼のものを口にしていたのです。 
まだ喉の奥には熱い精液の名残が香る様にさえ思えるのです。 
そんな唇を彼と合わせるわけにはまいりません。
「どうして・・・」
「だってあなたのもの・・・だから・・だ・め・・」
ん・・ぐぅっ・・・ 強引に顎を押し上げられ、唇を重ねられてしまいました。
「あ・んん・・ん・・だめ・・」 
今日何度めのディープキスだったでしょう。 
それでも今夜のどんなキスよりも丹念に、わたくしの口腔を彼の舌が這い回るのです。
「ぁん・・・だ・・め・・へ・ぇ」 
上顎から舌の裏側へ・・・まるで先ほどの熱くて堅い塊のように・・・彼の舌がわたくしの口唇をむさぼるのです。
主である男性のように、技巧をつくした口づけではないのです。
熱に浮かされたような・・・わたくしのすべてを彼のものにしたいと叫んでいるようなキスでした。

「だめなものですか。美味しいです」 
一時の熱情がおさまったのでしょう。
優しく・ほほを寄せるようにして、わたくしをシーツの上に横たえました。
「や・・・はずかしいわ」 
真上から見つめる運転手のまっすぐな瞳を見返すこともできずに、瞼をふせてしまったのです。
「お願いです。こちらを見てください」 
はだけたままだった長襦袢を掻き合わせて・・・わたくしの身体を覆いながら優しく語りかけるのです。 
「ん・・」 
やっと瞼をあげることができました。
彼の瞳はさきほどと同じところに、やさしく佇んでいました。
「私の名前を呼んでくださいますか?」 
彼の手はわたくしの身体をまさぐることもなく、わたくしの右手に重ねられていたのです。
「もちづき・・さ・ん・・」 
唐突な願いを不思議に思いながら・・・わたくしは彼の名を口にしました。
「あぁ 良かった。どうして先ほどは声を出そうとはしなかったのですか?」 
一瞬なんのことかと思いました。
でもすぐにあの口戯の間のことだと気づいたのです。
「だって・・・あんなに大きいんですもの」 
彼の張り切った塊はわたくしの口をみっちりと塞いでいました。
でも・・それだけではなかったのです。 
せめてこのときだけはわたくしの全てで彼に応えたかったから・・・とは言えませんでした。
 
「祥子様の声は媚薬なんです」 
運転手はわたくしの身体に彼の下半身を沿わせてまいりました。
「媚薬だなんて・・・あ・・・ぁはぁ・・ん・・」 
さきほどまでお行儀良くしていた彼の右手が、白い綾絹の長襦袢の上から・・・わたくしの太ももをなであげたのです。
「その声です」 
左手はわたくしの首筋に差し入れられ、柔らかな黒髪の生え際を刺激します。
「ぁぁ・・んん・ん・・」 
襖を隔てただけの隣室には、彼の主である男性が眠っているのです。
運転手の微妙な指使いに・・つい出てしまいそうになる声を押し殺そうと努めました。
「もっと・・です」 
長襦袢の上を這う手が、予告もなく左の乳首をきつくつまみ上げました。
「あぁぁぁ・・だめ・ぇ・」 
一晩中、快感に立ち上がったままの先端は、綾絹の刺激に疼きを高め・・・彼の指でわたくしの芯へと容赦なく快感を送り込むのです。
「その声です。ほら祥子様おわかりでしょう。私は祥子様の声だけでもこんなになってしまんです」 
わたくしの身体に押し付けられていた彼の塊は、ひくひくと震えておりました。
フェラチオで達したあとの口戯でたしかに彼の塊は硬度を取り戻していました。
このひくつきは・・・彼が最前よりももっと欲情を高めたことを示しておりました。
「はぁぁ・・ん」 
彼の指先は、長襦袢に陰を落とすほどに堅くしこっている乳房の先端を・・・優しく嬲り続けるのです。
「欲張りですね。祥子様にフェラチオをさせながら・・・僕はこの声が欲しかったんです」 
喘ぐような吐息とともに、軽く唇を重ねるのです。
「でも 声まで聞いていたら、もっと早くいってしまっていたかもしれません。申し訳ありませんでした。祥子様の口に出してしまったりして。お許しください」 
唇だけを触れ合わせるキスに、思わず舌先を差し出したくなってしまうのです。
「いい・・の・・お口に・・欲しかった・か・・ら」 
わたくしの声ははしたなく濡れていたに違いありません。

唐紅 19

乱れていた髪は、あらたに三つ編みにされておりました。
洗面台には、櫛と簡単なヘアクリップと基礎化粧品が用意されていました。
この宿に来てはじめてひとりになれたのを確認し、浴衣の前を押さえていた手を離し・・・ヘアクリップで髪をアップにしました。
繰り返された絶頂はわたくしを少し青ざめさせ、全身をけだるくさせていたのです。
最初に気を失った時とおなじように、男性の名残は運転手によって綺麗に拭われておりました。
浴衣を落とし・・・露天風呂に向かうと、冷たい空気の中で掛け湯をし、優しい恋人に癒されるような暖かな湯に身を沈めました。
 
髪を洗い・身を清めたわたくしは、脱衣室で少しとまどっておりました。
身に纏うものがあの浴衣しかなかったからです。
洗い髪をきつく三つ編みにし、浴衣だけを羽織って前を押さえ・・・あの鏡の部屋の襖をあけたのです。
そこには真っ白な長襦袢の掛けられた衣桁と、運転手がおりました。
 
「祥子様。お願いがございます」 
正座をし、 まっすぐにわたくしを見て運転手が静かな声で申します。
「どうか今一度、私に身を任せてくださいませんか」
たしかに今夜・・・何度も彼の唇で・指でわたくしは上り詰めさせられました。 
でも彼はまだ一度として達してはいなかったのです。 
彼の主は、彼の望みを叶えてやると言っていました。
そのために、今日一日わたくしに全てを委ねてやって欲しい・・・とも言っていました。
望み・・・その言葉の解釈が、主である男性と彼との間で違っていたのでしょう。
それとも運転手の<欲>なのでしょうか。
 
「お疲れなのは存じております。おねがいします、どうかわがままを聞いてください」
真摯な彼の姿勢にわたくしは首を縦にふりました。
「ありがとうございます」 
運転手は立ち上がると、衣桁に近づき月光を集めたような白の長襦袢を取り上げました。 半襟までもが純白で、桜の花びらのような折り柄だけが上品に浮かび上がっておりました。
「私が祥子様にどうしても着ていただきたかったものです」 
わたくしの肩から浴衣を取り上げ・・・両肩にふわりと着せかけます。
真紅のものと同じ量感のある綾絹の感触が肌を覆いました。
「だって・・・あのお着物もあなたが用意してくださったのでしょう」 
奥の間に飾られた、芸術品のような着物を思い起こしておりました。
「はい、でもあれは主から伺っていた祥子様のイメージで選んだものです」 
わたくしの前に跪くと、優しく襦袢の前を合わせ腰紐と伊達締めを結んでゆきます。
「私があの日お送りした祥子様に感じていたイメージは、このお姿です」 
掛け布を上げた鏡に映っていたのは、花嫁衣装のような純白の襦袢に包まれたわたくしの姿でした。
上品に合わせられた襟元から伸びた首筋に、1点だけ赤い痕が見られました。
無意識に髪を反対側にまとめていたとわかり、はっとして首筋を手で隠しました。
「お綺麗です、祥子様」 
運転手はわたくしの後に立ち、鏡越しに視線を合わせてまいりました。
背中に触れ・腰に触れる彼の身体は・・・もう熱く反応しておりました。
「お着物も合わせて用意してございます。それは明日。さあ・・・こちらへ」 
奥の間へと、運転手に肩を抱かれるようにして入ってゆきました。
 
奥の間の中央に敷かれた布団は、シーツまで新たなものに変えられておりました。
すっ・・・襖をしめる音に僅かに遅れ、わたくしは後から運転手の腕に抱きすくめられておりました。
「祥子・・さ・ま・・・」 
襖の向こうの主を気遣う彼の囁きに、わたくしは首をかしげるように仰向けてゆきました。
「お名前は?」 
主からも<彼>としか聞かされていませんでした。もとよりわたくしは、その主の名さえ未だ知らなかったのです。
「望月です」 
「もちづき・さ・・ん・・・ぅくっ」 
彼の名を呼ぶ間もなく唇を塞がれてしまいました。
運転手の口づけは甘く・・・優しいものでした。
後ろ向きに応えていたわたくしの身体を優しく回して、向かい合って抱きしめる間も・・・小鳥が啄むようなキスを途切れさせはしませんでした。
「はぁ・ぁぁ・ん・・」 
長い夜の間、なすがままに翻弄され続けていたわたくしは、初めて自らの意志で、両腕を彼の背中に回したのです。
わたくしを抱きしめる望月さんの腕は一度だけきつくこの身を抱きしめると、あとは優しく背を・・・腰をたどってゆきます。
そしてゆっくりとわたくしを布団へと導きました。
「あぁ・・・祥子様」 
柔らかな感触の上に膝立ちになったわたくしの首筋に、彼は唇を這わせます。
「あん・・・や・」 
白い肌にぽつりと付けられた赤い痕を、きつく吸い上げるのです。
「だめ・・・」 
優しかった彼のふいの激しい仕草に、抗いの声を上げてしまいました。
「いやです。他の・・・それがたとえ尊敬する主がつけたものでも・・・ほかの男の付けた印を見るのはいやです」 
耳を甘噛みしながら伊達締めを・・・腰紐を解くのです。
「改めて私が印を付けます。それだけは、許してください」 
はらりと落とされた襦袢の襟元に現れた痕にまで唇をつけるのです。
「あっ・・・はぁ」 
それだけのことにわたくしはせつない疼きを感じてしまいました。
左乳房に男性が付けたあと二つの痕まで舌を這わせ、同じ様に・・・より濃い痕を印してゆくのです。
「望月さん・・・おねがいがあるの」 
わたくしの声に顔を上げた運転手は、ほほを寄せる様に抱きしめてこういいました。 
「なんですか?祥子様」
「おねがい・・・あなただけの・・痕を付けて。はしたないわたくしが嫌いじゃなかったら」
「あぁ・・・しょうこ・さ・ま・・」 
彼はまだ痕の付いていない・・・真っ白な右の乳房に顔を伏せたのです。 
そしてわたくしの困らない秘かな場所に、大輪の薔薇のような赤い印を付けてくれました。
 
「望月さんありがとうございました。お礼です」 
純白の長襦袢を肩に羽織り、首筋から胸元まで幾つもの赤い痕を散らした姿のまま・・・わたくしは膝をくずしました。
無言で運転手の浴衣の腰を引き上げ立つ様に促します。
わたくしは自らの手で彼の浴衣の前を割り・・・猛々しいほどに反り返った塊に、わたくしは唇を触れさせたのです。