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ムーンナイト・アフェア 19

「ふふ これでしばらくは他の男に抱かれるわけにはいかないな」 
男性の声と・・・激しい鞭打ちから解放され、梁から落ちる縄にくずおれるようになりながらわたくしはようやく我に帰りました。
なんとか・・・30を数えるというノルマをこなせたようなのです。
背中と腰はまるでわたくしのものではないように、じんじんと熱をもっておりました。
わたくしが憶えていたのは18まで・・・その後は・・・両の乳房と背面からの鞭に思考を真っ白に飛ばされてしまって・・数えていたとしたら譫言のように・・喘ぎ声のように数を口にしていただけにちがいありません。
そして幾度も・・痛みとも快感ともつかぬ衝撃の中で、身体だけは一方的に達していたようなのです。
肩幅に開いた脚は、鞭の衝撃に体勢を大きく崩さないための配慮でもありましたが・・・開いた脚の間のベッドカバーの色を滴る愛液で変える・・はしたない試験紙の役目もはたしていたようでした。
「白い肌にまるで備前の火襷のように綺麗だ。この肌なら2週間はきっとこのままだろう。嬉しいか、祥子」 
鞭を振るうことも・・体力を消耗させるのでしょう。満足げな男性も息を荒げ、額に汗を浮かべていたのです。
そして・・彼の塊は、ボクサーパンツの上からもはっきりわかるほどに昂っていたのです。
 
「おねがい・・・とって・・・くださ・い・・」 
両手を縛めていた縄を解く男性に・・掠れる声で、ローターをはずしてくださるようにお願いしたのです。
鞭の痛みは・・・啜り泣くようなわたくしの喘ぎを悲鳴に変え・・わたくしの喉までもを痛めつけてハスキーに変えていたのです。
「その声もそそるな。さきほどまでの悲鳴もなかなかだったがね。ご覧、僕はずっとこんなだ」 
男性の体液で濡れ・・先端の近くが色の変わっているボクサーパンツの前をわたくしに示すのです。
「今夜はもう2度もいってるのに、これだ。祥子のせいだからな」 
くずおれたわたくしを引き起こして、ローターのスイッチをミディアムにまで戻すのです。
「あぁぁ・・おねがい・・はずして」
強い振動でなくなったからといって、楽になるわけではないのです。かえって和らげられた振動がわたくしを焦らす様に・・・苦しめるのです。
 
「祥子の中は体験済みだからな。今夜はこのままで味合わせてもらおう。3回目だ、そうは簡単にいかないぞ。わかっているだろうな」 
鞭の衝撃から醒め切らないひりつく背中を、織の荒いベッドカバーの上に押し付けて男性は上から・・また・・唇を重ねたのです。
「・・ん・っく」 
鞭で赤く腫れた背中を,荒いベッドカバーが擦る痛みに眉を寄せるわたくしの表情までも・・・味わう様に男性はゆっくりとキスを繰り返すのです。
ちゅく・・ 舌を吸い上げ唾液を交換し・・・唇を甘噛みするように・・・わたくしの上のお口を貪るのです。同時に脚を割って入り込んだ男性の膝は・・・わたくしの下のお口をくじるように・・嬲っていました。
「こんなに濡らして、はしたないな祥子。いくぞ」 
「はぁああああああぅっ・・」 
ボクサーショーツを下ろした男性は、昂り切った塊をずずっ・・っと花びらの奥に一気に押し入れたのです。
「あぁぁぁ・・・」 
焦らされ続け・・責め続けられた身体は、それだけで一気に高みに上り詰めてしまったのです。

「祥子、いったのか。中が淫乱にひくついて僕のを締め付けているぞ」
男性は・・抽送するというよりも・・・より奥まで・・ずん・ずん・・と押し込むような動きで感じやすいわたくしの胎内を嬲るのです。
しこり立った乳首からの甘い刺激を、理性でコントロールすることなどもう出来なくなっていました。
「はぁぁっ・・むん・・ゆるし・・てぇ」
一定の機械的な振動のはずなのに・・・続き過ぎる刺激を身体が受け入れられないのでしょうか。押し寄せる波のように、ふいに堪え切れないほどの強い響きを奥深くに伝えるのです。
複数の男性に嬲られた時でさえ・・・両の乳首を刺激されながら突き上げられたことなど・・ほとんどありません。
大きくて・・柔らかく・白く・敏感な両の乳房を、同時に玩具の餌食にされながら犯さされるのは、想像以上の快感を男性の塊に抉られる蜜壷に送り込んだのです。
 
「ふふ・・この前以上に締め付けてくるぞ、祥子。ローターがお気に入りか?」
そう言いながら胸元に挟まれたスイッチをまた一段・・・強くするのです。
「あっ・・はぁぁん・・ち・がぁぁうのぉぉ・・あぁぁぁ」
くちょ・・ぐちゅ・・ちゅ・・・ 花びらの狭間からは絶え間なく愛液が溢れているのです。
玩具をこんな風にテープで付けられて・・強制的に逝かされるなんて、乳首が感じるたびに・・体奥から蜜が溢れるのが・・わかるんです。
「何度いったら満足するんだ!祥子のこの淫乱な身体は、ああ!!返事をしろ!祥子」 
ぽた・・わたくしを見下ろして腰を使う男性の身体からも汗がしたたります。
「わから・なぁ・・ぁぁああ・・い・・いぃぃ・・のぉ・・」
声が切れる前に震える唇に男性がディープキスを仕掛けるのです。
それも・・・男性の塊が下のお口につき入れるのと同じところを・・舌で上のお口をなぞるのです。
くちゅ・・・ 
「ふふ、上も下も数の子天井とはな。ここに擦れると気持いいぞ、祥子」 
そう言ってわたくしの蜜壷の上側の壁を・・塊の先端でこするように出し入れし・・・舌はわたくしの上顎を舌先でなでるのです。
「・・くちゅ・・あふぁん・・あぁぁ」 
口内を舌で嬲られ、玩具で胸縄を施されたGカップの乳房の先端を責められ、男性自身でわたくしの花びらの最奥までを犯されて・・わたくしは理性をなくして・・・喘いでしまいました。
背の鞭痕を擦られる痛みさえ・・・わたくしを快感に導くためのスパイスでしかありません。
「締め付けて、たぽたぽ胸を揺らして喘ぐなんてはずかしくないのか!祥子!!」
「ゆるし・・て・・だ・・めぇぇ・・」 
正常位のままで突き上げられる度に、わたくしの柔らかい乳房は・・・たふん・・たゆん・・と男性の目の前で快感に悶えるかの様に・・揺れつづけているのです。
「いぃぃ・・のぉぉ・・・またぁ・・ぁああ」
わたくしの赤い縄痕がついた両手は、体側のベッドカバーを握りしめる様に掴み・・・浮き上がる背中と腰をベッドに留めておくための碇の様でした。
「そんなにいいか! ここか!!祥子」 
男性の塊はまた胎内で一回り太くなってゆきます。
 
「おねが・・ぁ・あっ・ぁぁい・・・もぅ・・」
ライトブルーのゴブラン織りのようなベッドカバーに広がる・・・黒のロングヘア・・・。
赤い胸縄を施された白い裸体・・・同じほどに赤い縄痕・・・Gカップのバストを横切る薄れかけた赤い鞭の痕・・・。
ピンクの卵型のツインローター・・そして幾度もの絶頂を迎え、いまはさくらんぼのように赤く充血したまま犯され続ける・・真珠と・・花びら・・。
「ベッドがお漏らしをしたみたいに濡れてるぞ!! 祥子。こんなに締め付けて! この淫乱!!」
掠れた声で淫らな喘ぎを上げ続ける・・紅い唇と・・強すぎる痛みと快楽に一筋の涙の痕を残す長いまつげと瞳。
「はぁぁぁ・・い・ぃきぃぃまぁぁ・・すぅぅ・・」 
「何度逝けば気が済むんだ!! ここか!ここがいいのか!! 祥子」 
2度の射精の後・・3度目だからでしょうか。乳首の刺激に反応して、奥と中程で別の生き物のように締め付ける柔壁が促す絶頂を・・・男性はまだコントロールしていられたのです。
子宮口を直接襲うほどの突き上げが・・・わたくしを淫らに狂わせる最奥を容赦なく責め上げるのです。
「ああぁぁぁ・・・いって・・も・・いぃぃ・・です・・かぁぁぁ」 
その瞳の焦点がほとんど合わなくなるほどに・・・淫媚な感覚の中に幾度も突き落とされつづけ・・肉欲の海にほとんど溺れそうになっていました。

ムーンナイト・アフェア 18

ぺちょ・・れろぉん・・くちゅ・・ わたくしの怯える瞳を見た途端に、堅さを増した塊にあらためて舌を這わせはじめたのです。
男性の膝に頭をのせての口戯では・・・唇に塊を含むことができません。
舌を這わせ、舌の堅さを変え、ピンポイントに・・・やわやわと・・唾液をたっぷりと載せた独特の感触で・・・男性の性感を高めてゆくしかないのです。
「ふふ 熱心に舐めているじゃないか。美味しいか?祥子」
「・・・はい。おいしい・・ですぅ・・ごしゅじん・さまぁ・・」 
唇で塊を挟み込み・・舌を幹に添って縦に動かしながら答えました。
「祥子は別れた夫にもこんな風にしてたのか? おねだりの為に、淫乱な人妻だな」
「そん・・なこと・・な・ぁい・・でぁぁぁぁぁ」 
ヴィーーン 否定の言葉は、敏感な乳首に直接貼付けられたローターの振動に・・飲み込まれてしまいました。
「あ・・ぁあぁぁぁん・・ゆるし・・てぇ・・」 
唇を男性の塊から離さない様にするのが・・精一杯でした。
舌を使う余裕すら、その一瞬わたくしは持つことができなかったのです。
 
「止めていいとは言ってないぞ、祥子!! 続けろ。その淫乱な舌でのご奉仕をな」
男性の左手が背中に流れる柔らかな黒髪に差し入れ、わたくしの顔を・・・昂り先走りさえ垂らし始めた塊に押し付けるのです。
「はぁぁ・・っつ・・くちゅぅぅ・・・んあ」 
ぺちょ・・ 舌先を動かそうと開ける唇から、はしたない喘ぎがもれてしまうのです。
赤い縄で絞り上げる様に胸縄を掛けられたGカップのバストは、普段以上に敏感に・・・刺激を快感に置き換えて伝えてまいりました。
それもクリップで挟まれ・バラ鞭で打たれ・・・先ほどまではシーツに押し付けられて何度も何度も自らの重みで擦り上げられた敏感な状態からの玩具での責めなのです。
通常のセックスでは優しい快感しか与えられない敏感な部分を、今夜はこれでもかと責めたてられていたのです。
「これはお仕置きだよ、祥子。さっきアナルで逝った時に勝手にローターを落としただろう。出していいとは一言もいってないからな」 
コントローラーを右胸の上に掛けられた縄に挟み込みながらそう言うのです。
「ちゅ・・くちゅ・あぁはぁぁん・っぅつぷぅぅ・・」 
両胸の先端を二人の男性に同時に舐められているのと同じ快感が、身体の芯を通って・・・わたくしの花びらの間に流れ込むのです。
「ん・・くぅふぁあん・・ふ・・くちゅ・・・」 
疼きを押さえようと・・太ももをきつく閉じ合わせました。
直接刺激されているわけではないのに・・・先ほど2つともに男性の塊を胎内に入れられた時の余韻がまだ生々しく残っているかの様に、乳首への刺激はわたくしの蜜壷から新たな愛液を汲み出しはじめたのです。
「ゆるし・・てぇ・・おかしく・・なっちゃ・うぅ・ん」 
男性の塊はまるで今日初めて口戯を行った時と同じほどに、堅くそそり立っておりました。
ひざまくらをして、横向きになったままで唇と舌での・・奉仕・・を行うにはどうしても乳房が自らの重みで撓み・・・その度に玩具がまた新しい刺激をわたくしに与えるのです。
そのうえ・・・しっかりとテープで止められているのです。
堅くしこり立とうとする乳首の性質が、わたくしを裏切る様に・・より強い快感へと自らの敏感な先端を伸ばすのです。
 
「あ・・ぁん・・くちゅ・・はぁぁ・・ぺちょ・・」 
一言も返事をしてくださらない男性に、わたくしはご奉仕を再開するしかありませんでした。
唇を開くたびに漏れるのは、次第に舌音よりもわたくしのはしたない喘ぎ声になっておりました。
堪えられないのは声だけではなかったのです。
太ももの狭間は、わたくしにもわかるほどに蜜を溢れさせはじめておりました。
疼きを押さえ込もうと両脚を擦り合わせ・・・このはずかしい状況を悟られまいと・・・脚を身体に引きつけるような仕草をしてしまったのです。
「ふっ こっちはどうなっているのかな、祥子」 
男性の左手がわたくしの腰の側から・・・太ももの狭間までついと差し入れられたのです。
「あっ・・だ・めぇ・」 
ぴちゅぁ・・ 抗いの声と愛液の奏でる水音が同時に響いてしまいました。
「これじゃお仕置きにならないじゃないか。ん?どうなんだ祥子!!」 
男性は右手でわたくしの髪を掴み後に引くと・・口戯のために半開きになっていた唇に、濡れた中指を押し入れるのです。
「うぅ・・ぐぅっ・・ なぁ・・ ちゅ・・ちゅぷ・・」 
舌先には、ほんの少し酸味のあるわたくしの愛液の味が広がりました。
男性の塊から溢れる体液だけではなく・・・自らが出した体液までもを舌で清めさせられる屈辱は・・もうわたくしに怒りではなく、妖しい疼きしか与えませんでした。
口唇に差し入れられる指が1本から2本になり・・・わたくしは・・男性の指の股の白くやわらかい皮膚までもを、フェラチオと同じ繊細さで自然と舌を這わしてしまったのです。
「ふふ 自分の愛液が美味しいか、祥子。こっちを見るんだ!!」 
口腔の指を引き抜くと顎を掴み顔を仰向けます。
「・・い・ゃぁぁぁ・・ゆるして・・ください・・はぁ・・ん・・ごしゅじんさまぁぁ」
男性の表情に焦点があうまで・・少し時間が必要でした。
その言葉を聞いてはじめて自分が口にしていたものを認識し・・・耳までを朱に染めたのです。

「祥子、膝立ちになるんだ」
「あぁ・・ぁぁあん・・」
男性はわたくしを引き起こすと、ベッドの中程に膝を突かせ上半身をおこしました。
たふ・ん・・と動くGカップの白い乳房の先を、新たな刺激が襲うのです。
「これじゃ 物足りないか?祥子」 
胸縄に挟み込んだツインローターのスイッチを・・・わたくしの敏感な左の乳房側だけ・・強くするのです。
「やぁぁぁ・・・だめ・ぇぇ・・」 
膝を崩しそうになるわたくしの両手を掴むと、左手にもった縄で素早くくくり・・・縄端を天井の梁にかけるのです。
「立っていろと言ったろう。暴れると痕になるぞ。おとなしくしているんだ!」 
くぅいっ・・縄が引かれ・・・わたくしは両手を合わせたまま梁に向かって上に引き上げられてしまいました。
そして、ようやく膝を付けている姿勢を強制的に取らされました。
「はぁ・・ぁぁ・・・ぁぁあ」 
腕と共に引き上げられた乳房は・・白く張りつめ・・乳首の敏感な先端は面積を増した様に・・より一層機械特有の疲れをしらない振動を受け止め・・・わたくしの喘ぎを引き出すのです。
「いい姿だな、祥子。ボールギャグでも噛ませれば一人前の奴隷の姿だ」 
室内のほのかな照明は・・二筋の赤い縄だけがはしる背中からまぁるく隆起する腰のラインをほの白く照らしておりました。
「はぁ・・うっ・・っ」 
わずかに影になったわたくしの表情を満足げに眺め、背中からの灯りを三日月のように受け止めるGカップの乳房の丸みの外側を指でなぞるのです。
触れるか触れないかの指の感触は、ローターの振動をより淫らに変えるのです。
 
「どうして口枷をしないかわかるか? 祥子」 
くちゅ・・・舌先を吸い上げるように唇を貪ると・・男性はわたくしから3歩背中側に離れたのです。
バシィ!・・「はぁぅっ・・・」 
何の予告も無く、背中に鞭が打ち下ろされたのです。
パッ・ンッ!! バシッ・!! 「ひゃぁぅ・・やぁ・・」
「その声が聞きたいからだよ 祥子」 
パシ!・・・ また一打・・・ 「ゆる・・し・・てぇ・・ひぃぃ・・」 
ピシィ!・・パシィッ!! 「はぁ・・うぅ」

「ん、ローターの振動が弱すぎるのか? 鞭の痛みを快感に溶かすんだ。わかるな、祥子」
右手に今日初めて使われたのと同じバラ鞭を手にしながら、わたくしに近づくと玩具の2つのスイッチをMAXにまで引き上げたのです。
「あぁぁ・・はぁん・・だめぇぇ」 
先ほどとは音色の違う声がわたくしの口元から漏れます。
「そうだ・・背中の痛みをその快感に溶かすんだ。ふふ、祥子の白い背中に紅い鞭痕が綺麗に咲いている」 
わたくしの耳元で・・まるで催眠術のように言葉を囁くのです。
「おね・・がぁぁひぃぃ・・やめ・て・・えぇ」 
たった一度・・・胸を打たれただけでも、その衝撃の強さはわたくしを怯えさせるに十分だったのです。
想像を超える痛みもそうですが・・その痛みさえ快楽に変えてしまう・・・わたくしのM性が開花してしまうことが恐ろしかったんです。
「祥子にはできるはずだ。痛みさえ快感に変えられる、ほら!」 
膝立ちした太ももの間に手を差し入れて、抜き出したその掌は・・わたくしの蜜でしっとりと濡れていました。
「さっきよりも濡れてるじゃないか」 
愛液で濡れた手を、腕を吊るされ引き上げられながら・・・なおたわわに揺れる白い乳房に拭う様に擦り付けるのです。
「祥子、お仕置きだといったろう。祥子の真っ白な背中と尻に鞭で紅い絵を書いてやる」 
「あうっ・・ゆるし・・てぇぇ」 
手のひらをローターの上に当てた男性は握りつぶすかの様に・・掴み切れない乳房に指を食い込ませて言うのです。
「気が済むまで打たせてもらうぞ」 
「やっ・・・それだけは・・あぁぁ・・」 
鞭の痛みにどれだけ耐えられるものか・・わたくしには想像もつきません。
「祥子が僕だけの奴隷になると言えば10回で許してやろう。どうだ?」 
冗談とも言えない口調で先ほどの言葉を繰り返すのです。
ふるふる・・とわたくしは首を横にふるしかありませんでした。
「ふっ それじゃこれを限りかもしれないからな。気が済むまで打たせてもらうよ」
気丈に・・でも、鞭への恐怖を滲ませるわたくしの表情をじっと見つめるのです。
「一つだけチャンスを上げよう。僕の鞭を数えるんだ。30まできちんと数えられたら止めてあげるよ」 
えぇっ・・・30・・も・・・そんなことできない。
「あぁ・・許して」
「そのかわり間違えたらもう一度1から数え直しだ。30きちんと数え終わったらその手を解いてやる」
怯えるわたくしの顔を引き寄せると・・またディープキスを重ねるのです。手を縛り上げ・胸縄で引き絞られたGカップの乳房の先端にツインローターをテープで止められた・・・淫らな奴隷姿のわたくしに・・・
「膝を開くんだ。もっと!」 
男性は閉じているわたくしの膝を肩幅ほどに開かせると、先ほどの位置に戻ったのです。
 
「さぁ いくぞ!」 S性の齎せる喜びに酔った声が響きます。
バシッ!・・ 「ひぃ・・とぉつぅ・・」
バシッ!・・ 「ふた・・ぁぁぁつ・・」 
一打ちごとに、まだ鞭を受けたことの無い場所を鞭の先端が舐めてゆくのです。
バシッ!・・・「みっ・・ちゅうぅぅ・・はぁぁ・・いたぃぃ」
バシッ!・・ 「よっつ・・ぅぅ・・」 
胸縄が走る細い場所は鞭を避けることができるのですが、その起伏がいくつにも分かれた先端を時間差で脇腹に当てるのです。
パァン!・・ 「ひぃぃ・・いつぅつ・ぅぅ」

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はじめて柔らかな白い尻肉へ革が食い込みました。脂の乗った場所の鞭音は違うのだと・・気づくことなど出来ませんでした。
パァン!・・ 「むっつぅぅ・・ゆるし・・てぇぇ」 
パァン!・・ 「なな・・はぁあん・・つぅぅ」 
ぎしっ・・梁に吊られている縄の音がします。
バシッ!・・ 「やっ・・つぅ ・・ゃぁぁ」 
「妖しくなってきたな祥子。ちゃんと数えろ! いつまでも打たれたいのか」
一段と力を込めた一打が振り下ろされたのです。
バシッ!・・ 「ひぃぃ・・・とぉぉ・・」

ムーンナイト・アフェア 17

わたくしの言葉を満足げな様子で聞くと、手触りの柔らかさを楽しむようにゆっくりと髪を撫でるのです。
まるで・・・愛おしいとでも言う様に。
「それにその黒々とした茂みも無くしてしまいたいものだね。真っ白な肌に赤い縄だけの姿が祥子には似合う」 
「いやぁぁ・・だめですぅ・・・」 
「わかっているよ、祥子。いまは無理強いはしない」 
そう言うとまた一口ミネラルウォーターを含み、わたくしの唇に口移しするのです。

唇を離すと改まった口調で名前を呼びました。 
「祥子・・・」 
「なんでしょうか」 
身を起こそうとする動きを制止されて、わたくしは男性を見上げた姿のままで返事をしました。
「僕のものになる気はないか」 
「えっ・・」 
その声は落ち着いた普段の長谷川様の声でした。
ただその声が意味するあまりに意外な言葉に驚いてしまったのです。
「夏に、あのジャズライブの夜に抱いてから、僕はずっと祥子がMだと思っていた」 
ミネラルウォーターを手にして冷たくなった指がわたくしの頬の上を滑ります。
「今夜逢って本当に極上のMだと確信できた。僕が望んでいる理想通りのM女なんだ」
唇の端までたどりついた指は・・・輪郭を触れるか触れないかの微妙なタッチで辿ってゆくのです。
「祥子を知ってしまっては、他の女達ではもう僕は満足できない」
驚きのあまり僅かに開いた唇の狭間に、口づけをしているかのように・・・その人差し指をゆっくり差し入れるのです。
わたくしは・・・ほとんどあたりまえのようにその指先を受け入れ、舌を指先に絡め、唇で指をしごく様にすぼめたのです。
舌と唇の感触を存分に楽しんでから、男性はゆっくりとその指を引き抜いたのです。
「祥子は何が望みだ?」 
わたくしの唾液に濡れた指をゆっくりと自らの唇に運び・・・指先についた蜂蜜を味わうかの様にねぶると・・・そう口にしました。
「祥子を手に入れるためなら他の女達は全て整理する。僕のものにならないか、祥子」
男性の真情をその手が・・・真摯な語り口が一時の思いつきではないことを・・・きちんと物語っていたのです。
でも・・・わたくしは静かに首を横にふりました。
「僕が嫌いか? それとも行為が気に入らなかったか?」 
プライドを傷つけられたのでしょうか。初めて眉を顰める様にして言い募られたのです。
微笑みを浮かべて・・・再度わたくしは首を横に振ったのです。
「いいえ、素敵でした。こんなに・・・はずかしいのですが1人の男性に何度も狂わせられたのははじめてですわ」 
そして長谷川様の手を取り、胸元に抱きしめながらお返事をしたのです。
「わたくしが探しているのはセックスのためだけのパートナーではないものですから」
そこまでお答えしてようやく彼と視線を合わせたのです。
「こんな風にお逢いしていてこんなお返事・・・なんて申し訳ないのですが、こういう行為の為のお相手だとしたら、わたくしはあなただけのものになる訳にはまいりません」 
長谷川様が息をのむ音さえ聞こえるようでした。
 
「そうか、祥子を全て受け入れる覚悟がないと僕のものにはなれない、というんだね」
わたくしはこくん・・と一つ頷きました。
「それに、あなたには奥様がいらっしゃるのでしょう」 
わたくしよりいくつか年上の魅力的な男性なのです。家庭があって当たり前です。
だからこそ・・・わたくしは深入りするわけにはいかなかったのです。
夏のあの日の偶然の出会いに決着を付けるために、今夜出向いたのですから。
「いや、独りなんだよ。離婚してね」
余裕の笑みさえ浮かべながらも、自虐の色を漂わせた声音で思いがけないことを口にします。
「祥子も同じなんだろう。支配人からそう聞いている」
わたくしの瞳を覗き込んだままで質問を繰り出します。
離婚して数年・・・フリーの仕事・独りの生活、それが今のわたくしでした。
「ええ そうですわ」 
「だから祥子がそんなことを望んでいるなんて思いもしなかった。僕はまだそんな関係を手に入れたいとは思っていないからね」
 
胸元に抱きしめていたわたくしの手を払って、男性の左手は縄で引き絞られたGカップの左の乳房を握りしめるのです。
「はぁぅっ・・・」 
男性の視線に晒され続けたことで身体の芯に溜まっていた疼きが、また・・目覚めさせられてしまいそうです。握り込まれた手のひらの中心を揺する様にして、わたくしの乳首を刺激するのです。
「祥子 だったら、こんな風に逢うのは構わないのか? 今日の様に過ごすのはいいのか」 
「いつか・・・わたくしが誰かのものになる時が来るまでなら」 
刺激に上ずりそうな声を抑えて答えました。
「それは明日来るかもしれません。それにどれだけこうして可愛がっていただいても・・・これだけの関係しか望まれないなら、わたくしがあなたのものになることはないのです。それでもよろしいのですか?」
長谷川様は少し考えていたみたいでした。左手の動きすら止まり・・・視線は宙を泳いでいたのです。
「はせがわ・・さん?」 
わたくしの声に惹かれた様に・・・不意に唇を重ねてらっしゃいました。 
「あふっ・・・んっぅ・・ふぅく・・っん・・・」 
貪るような口づけでした。
「キスだけでこんなに感じる。ふっ・・たいしたものだ、宗旨替えしても手に入れる価値はあるかもしれないな」 
糸を引くほどに交換された唾液が・・・彼の口元に光るのです。
わたくしの耳元で男性の塊が・・彼の言葉通り・・・むっくりと力を増し始めていました。
 
「休憩は終わりだ、祥子。ほらこちらを向け。僕のをそのいやらしい舌と唇で大きくしてもらおうか」 
男性に膝枕をしていたわたくしを自分の方に向けると、黒のボクサーショーツから・・半ば立ち上がった塊を引き出してみせるのです。
「・・ぁん・・くちゅ・・・」
今夜限りと納得をしてくださったのなら・・・と、わたくしは筋肉痛になる少し前のように熱をもった身体から背に掛かる髪を払い・・・舌を伸ばして新たにフェラチオをはじめたのです。
ぺちょ・・・くっ・・ちゅ・・ 男性の左手は、最初わたくしの肩を強い力で支えておりました。
「その位置からだと、裏筋の敏感なところばかり祥子に責められてしまうな。ふふ いいぞ、祥子」 
塊の先端とその向こうの傾斜にも舌を這わせようと顔を伏せる様にしたときです。男性の左手が離れました。
「・・んふっ・・ちゅ・・くっ あん」 
次に右手で乱暴に肩を後に引かれた時、わたくしの左右の乳首に・・・ふたつのプラスチックの卵が医療用のテープではりつけられていたのです。
「あっ・・だめ・・・」 
テープで外れない様に止められるなんて。
あの塊にこのまま振動されたら・・・わたくしは思わず右手で付けられたばかりのローターを外そうとしてしまいました。
「だめだ! 外すんじゃない」 
右手首は男性の左手に押さえ込まれてしまいました。
「また括られたいのか?祥子。その手首に2週間はとれない赤い痣をつけたいのか!!」 そんなことできません。 
明らかに縄痕だとわかるような痣を手首に付けたまま2週間も仕事をするなんて、そんな破廉恥なこと・・・。わたくしは腕の力を抜きました。
「そうだいいコだ。そうしていれば括ったりしないからな、ほら口がお留守になっているぞ、祥子。続けなさい」 

ムーンナイト・アフェア 16

「ふふ あの夜から、その言葉を祥子に言わせたかったよ」 
逝き果て力の抜けたわたくしの腰に指を埋める様に押さえながら、男性はなお腰の動きを止めませんでした。
「祥子は従順で極上のMだ。淫らな告白をするだけで、こんなにひくつき逝き果てるとはな。なかなかいないぞ。こんなにアナルをひくつかせ、入れている僕までいきそうにさせる女はな」 
淫らな男性の言葉さえ、快感で真っ白になったわたくしの脳裏には届かなかったのです。唯一自由を許された腕だけが、きつくベッドカバーを掴んでおりました。
 
今夜幾度目の絶頂を迎えたのかすらも・・・もうわからなくなっていました。
ただ男性から送り込まれる快感に、我を忘れて溺れることしかできません。
「はぁ・・ぁぁぁっ・・ん」 
いままでこんな風にアナルを犯され逝き果てたのは、複数の男性の方達に弄ばれた時だけでした。たった1人の男性にここまで深く、身体の奥に潜む淫らな欲望を引き出され続けたのははじめてのことだったのです。
 
「誰がいっていいと許した! 祥子!!許しも乞わずにいくとはな、この淫乱!!」
わたくしが絶頂を迎えきつく男性を締め付けても・・・彼はまだ達してはくれませんでした。
いままで以上の早さで、わたくしのつるつるとしたアナルの内壁の収縮を、熱く堅い塊で突き崩し続けておりました。
激しい動きは、身体の下敷きとなったGカップの乳房を荒い織りのベッドカバーに擦り付け・・・縛り上げ・絞り出されて敏感になったバストの性感を嬲るのです。
「あん・・っくっ・・もうしわけ・・ありま・せ・・ん」
絶頂の波がわずかに引いて微かに表れた理性は、男性の叱責の声に無意識の内に・・・すすり泣くような声で・・・従順なMとしてのお詫びの言葉を紡ぎ出したのです。
「すっかり奴隷としての言葉遣いが身についたじゃないか、祥子」
「いやぁぁぁぁ・・・」 
思わず漏らした言葉の持っていた意味を指摘し・・・わたくし自身の口からわが身を貶めてしまった事実を語っていると・・・男性の言葉は思い知らせるのです。

わたくしと交わるために、様々なことを試みられた男性はたくさんいらっしゃいました。
ただ、自らをSだと仰る方の手によってお道具までを使われ、快楽に苦痛を混ぜ込み・・・たったお一人でわたくしの羞恥を煽り何度も登り詰めさせた方ははじめてだったのです。
SMと言われる行為とその手管は、わたくしの心まで蝕みはじめておりました。
「今夜拡張したばかりのアナルで何度いったんだ? 答えてみろ!!」 
そして・・・答えられるはずもない質問を繰り返すのです。
「あっ・・んふぅ・・・わかり・・ませ・ん・・あぁぁぁ・・ぃぃぁあん」
男性の指でくじられれているときから? 玩具で嬲られているときから? 挿入のために複数の指で弄られているときから? 
「ぁぁ・わからない・んで・・ぇすぅぅぅ・はぁあん・・もう・・ゆるし・・てぇぇ」
過去に幾度かアナルも犯されながら達した経験があってさえ、数え切ることなどとうてい出来ないほど逝き・・・いままた・・・新たな頂上に押し上げられはじめていたのです。
パシィッ・・・ スパンキングの音が響きます。
「ひぃぃっ・・」 
白く張りつめたお尻に男性の茂みを感じるほどに深く押し入られたまま、右の膨らみに痺れるような痛みが走るのです。
握りしめた指はベッドカバーをくしゃくしゃにたぐり寄せ・・・わたくしの身体は思わず男性の塊をきつく締め付けてしまいました。

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「くっ・・ わからないなら『ご主人様申し訳ありません』だろう!! もう一度言うんだ祥子!」
わたくしの中で塊はひくひくと大きく脈打つようにのたうちました。
「・・はぁあん・・ごじゅじん・さぁまぁ・ぁぁ・・もうしわ・け・ぇ・・ございません・・・ぁぁぁ」
答えはじめるとすぐにアナルを突き入れる動きを再開するのです。
「だらしないな、祥子。いった回数すら覚えてられないなんて!! あとでお仕置きだな。そう言えばお仕置きも何度目になるかな。覚えているか、祥子!」 
言葉責めは・・・奴隷への主の言葉の色合いをますます強めてゆくのです。
「・・ゆるし・・て・ぇ・くださぁ・・ぁひぃぃ・おぼ・・えてぇ・ない・・ですぅぅ・・ごしゅじんさまぁぁぁ」 
今宵待ち合わせをしてから・・・2回?それとも3回? あぁ・・もうわからない。
「そうか、淫乱奴隷の祥子はお仕置きされたいのか? お仕置きで感じるいやらしい女だからな!! どうなんだ 祥子」
「ぁふぅぅ・・んぁぁ・・いぃぃ・・ちがいぃぃますぅぅ」
お仕置きをわたくしが望んでいるなんて・・そんなこと。
「しないぃ・・でぇぇ・・・おしおきぃ・・ぃい・・やぁぁぁぁ」
アナルの責めが重なるほどに、声が一音・・また一音と高くなってゆくのです。
「あぁぁ・・・ゆるしてぇぇ・・・ごしゅ・・じん・・さまぁぁぁ」 
「ふっ そんなにお仕置きが嬉しいか、祥子。くれてやる!! これで逝くんだ!!」
ヴィィィ・・ 微かなモーター音に気づく間もなく、ツインローターを二つとも・・愛液が止まらない蜜壷へ・・・男性の指が押し入れたのです。
「だぁ・・めぇっ・・はぁあああ・・いっちゃぁうぅぅぅ」
放置され疼き切った花びらの奥への刺激と、アナルを行き来する一層太さを増した男性の塊が・・・荒々しく内臓を抉る動きに・・・わたくしは一気に押し上げられてしまったのです。
「肉壁ごしの振動がたまらないな! くっ・・いくぞ祥子!!」 
男性は嘲るように一言漏らすと、わたくしの内臓に熱い精液を叩き付けたのです。幾度も・・・幾度も・・・。
「あぁぁぁ・・・・いっ・・くぅぅぅぅ・・・」 
胎内よりもリアルな射精の衝撃がわたくしの両肩を浮き上がらせ・・・蜜壷の中のローターを・・まるで卵を生む様に押し出させたのでした。


男性はゆっくりと・・・ローションと精液にまみれた塊をわたくしのアナルから抜き取りました。
そして自らベッドサイドのティッシュで拭うと・・・足元にころがったローターを拾い上げ同じ様に拭ったのです。
わたくしは上半身をベッドにもたせかけた俯せの姿のまま・・・喘いでおりました。
ベッドカバーを掴んでいた指さえも弛緩し、顔の両脇にただ投げ出されていたのです。
逝き疲れて・・・自ら身を起こし・精液にまみれているはずの狭間を拭う気力さえなくしておりました。
「祥子 大丈夫か?」 
男性の冷たい指先で腰を掬われて・・・ようやくベッドの上に仰向けに横たえられました。
脚元に回りガーターベルトの留め具を外すと、力の抜けた足先からするするとシーム入りの黒のストッキングを脱がしていったのです。そのまま腰に手を回し背にあるガーターベルトのクリップを外して・・・胸縄だけの姿にしてしまったのです。
わたくしの上半身をベッドに座った男性の膝に引き起こすと・・・ねっとりとした汗で額にはりついた黒髪をかきあげ・・・重ねた唇から冷たい水を口移しにくださいました。
「・・んくっ・・んくぅ・・」 
声を上げ続け・・芯から悦楽を引き出された身体は、まだ微熱をもったように火照っていました。少しひりつく喉に口移しのミネラルウォーターは甘露そのものだったのです。
 
「さすがに疲れただろう。ふふ あんなに強情を張るからだよ、祥子」
責めを終えた後の男性の言葉が・・・いつしか変わっていました。
確かに紳士になり・・・優しく労る口調なのです。ただ彼はもうわたくしを<祥子さん>とは呼ばなくなっていたのです。
「もっと奔放に快感を貪ればいいんだ。他の女達はもっと早くから淫らな言葉を自ら口にして快楽をねだるものだがな」 
「できません・・・そんな・こと・・」 
ふふ・・・含み笑いさえいままでとはなにか違うのです。
上から見つめる男性の優しい表情が眩しくて・・わたくしは胸を覆う手に力を込め・・・太ももを一層強く寄せ合わせたのです。
「そんなところが、一層そそるんだよ。隠語をあからさまに口にするような女達と違ってね」 
男性の視線がわたくしの身体の表面を・・・這ってゆくのです。
「アナルをあんな奥まで犯された後でさえ、そんな風に羞恥の姿を見せるところもね。手で覆うと赤い縄が一層映えるよ。また手を後に括ってやりたくなる」 
「お願いです・・手はくくらないで・・おねがい」 
手首にはうっすらと最初の責めの縄痕が残っておりました。また自由を奪われたまま・・・淫らな責めを与えられる恐怖に・・・男性を濡れた瞳で見つめ哀願の言葉を口にしてしまったのです。

ムーンナイト・アフェア 15

「ほら・・こんなにして。はしたないね、祥子は。力を抜きなさい」 
1本だった指を2本に増やし・・ローションを加えて・・・くちゃ・・ぴちゃ・・と・・・男性の指はわたくしの身体から、何度も何度でも快感を引き出すのです。
「・・ぁああぁぁん・・はぁ・・んぁ」 
快感に合わせて締め付けることも許されず、わたくしの身体は花びらの奥から愛液を溢れさせ続けました。
「アナルでもいい声で啼くようになったね、祥子。その声・・びんびんと響くよ」 
男性はうっとりとした声音で、わたくしの淫らさを言葉にします。
2本の指は、ゆっくりとした出し入れから胎内で捻るような動きに・・・そして指を中でV字に開く様に・・蠢くのです。
「はぁっ・・・いたぁ・ぁぁぃ・・」 
慣らすためではなく拡張するための動きは、これほど時間をかけられてもまだわたくしにぴりっとした痛みを与えるのです。
「力を抜きなさい。そう、もう一度だ」
「ぁっ・・ぁはぁぁ・・ぁ・・ゆるし・・て・・」 
 
男性は付け根まで入れた指を、開いた状態のままでゆっくりと引き抜きます。
指先が内臓をゆっくりと擦りあげ、同時にアナルをゆっくりと開いてゆくのです。
 
「仕方がないね祥子は、どうしてそんなに締め付けるんだ」 
男性の開いた指をすぼめてしまうほどに、わたくしのアナルはきつく反応しておりました。
「感度がいいのも困ったものだ。愛液がこんなに溢れているんだから、感じているんだろう、祥子」 
すぼまりに入れた左手の指の動きを止めることなく、男性は右手をぷっくりと膨れた真珠に這わせます。
「はぁぁん・・いいぃぃ・・」 
アナルを愛撫されることで響きつづけていた・・疼くような快感を溜め続けた真珠は、わたくしに体内を抜けるような悦びを突きつけたのです。
「こんなにして。ふふ アナルが余程気に入ったと見える。僕の前にここを与えた男達にも今みたいな淫らな声を聞かせたのかい、祥子」 
片手で花びらに溢れる蜜を真珠になでつけながら、もう一方の手はアナルをすこしづつ拡張してゆくのです。
「いやぁぁ・・・そんなこと・・言わない・・・でくだ・・・さぁぁぁい」 
他の男性との淫らな複数での行為までも・・・<彼は知っている>と言われたような気がして、わたくしは一層羞恥をかき立てられてしまいました。

「アナルばかりに気がいくから、ついきつく締めてしまうんだな。こうしていると随分素直じゃないか。それとも真珠にローターを当てたらもっと素直になるのかい、祥子」
「いやぁぁぁ・・・しないでぇぇぇ」 
絶頂を迎えても動きを衰えさせない・・・うずらの卵ほどの大きさのプラスチックの塊の振動は、わたくしの理性を怯えさせるのには十分だったのです。
丹念な男性の秘めた部分への愛撫に加えて、終わりのない無機質な快感を与えられつづけた経験は・・・これまでのわたくしにはなかったからです。
「わかったよ、祥子。そんなことはしないさ。怯えるんじゃない、また締まるじゃないか」 
表情に浮かんだ怯えに気づいたのでしょうか。
わたくしの怯えさえ快感に混ぜ込むように、右手の真珠を嬲る動きを早めてゆきます。
「ほらもう痛くないだろう、祥子。こんなに柔らかく指に吸い付くようになってきたよ」
広げた指を捻る様にして、抜き出してゆきます。
「あぁぁっ・・んんぁあ・・だめぇぇ・・・」 
真珠とアナルから送り込まれる快感に、花びらは内側を押し広げる熱い塊を欲して・・ひくひくと愛液を溢れさせるのです。
それに気づいたのでしょうか。真珠を撫でる右手の快感が、男性の親指による花びらへの浅くもどかしい愛撫に取って変わられました。
 
「どうだ、祥子」 
男性の声とともにまたローションがアナルへ滴らされ・・・男性の指が3本に増やされたのです。
「あうっ・・き・つぅぅぃ」 
引き裂かれるような痛みはもうありません。
ただ・・経験したこともないほどに大きな異物を、押し込められているような圧迫感と恐怖感だけがわたくしを襲いました。
「僕のは祥子も知っているように大きいからな。ふふ、このくらい拡張すれば入るだろう」 
男性はそれでもわたくしの身体の反応を探る様に、ゆっくりと指を進めてゆきます。
「おっき・・ぃぃぃ、はぁぁん・・だめぇぇ」 
第二関節を埋めるほどに突き入れ・・引き抜かれる動きに、わたくしのアナルはなす術もなく犯されておりました。

まさか一晩の内に全てを求められるとは思ってもいなかったのです。
綺麗に・・・清めていたのは・・身体を差し出すかもしれないという予感に、嗜みの一つとして行っただけのことでした。

男性を受け入れるため・・・これほどの拡張には、その襞を柔らかくしなやかに添わせるほかはなかったからです。
「いいぞ祥子、そうだ。ふふ こんなに感じて・・可愛いよ。親指さえ吸い込まれそうだよ」 
アナルに左手の3本の指を、花びらに左手の親指を同時に抜き差しし・・・右手は親指の動きで汲み出される愛液にぬめる真珠の上を滑ってゆくのです。
「あぁん・・だめぇぇ・・いっちゃぅぅぅ」 
たった1人の男性の指戯に、わたくしの身体は秘めた場所を嬲り尽くされ・・翻弄されてしまいました。
「いきなさい、祥子。いけ!!」 
指の動きをはやめた男性は、あっけなくわたくしを頂きに押し上げたのです。
「あぁぁぁ・・・いっ・くぅぅぅ」 
自由な両の手で枕元のシーツを握りしめ・・・わたくしは絶頂を迎えてしまったのです。
 
なのに・・・ここまで嬲られてもまだ許されはしなかったのです。
「あっうっ・・・」 
頂点で収縮しきった胎内のひくつきをその指で確かめた男性は、次に訪れる弛緩をはじめた一瞬を狙って・・・わたくしのアナルを昂り切った塊で貫いたのです。
「くぅっ・・いいぞ、祥子。この感触たまらない」 
うめく様に漏らすと、男性はまるで花びらを犯すのと変わらぬ激しさで・・アナルへの抜き差しをはじめました。
ベッドに俯せにされていたわたくしの視界の外で、男性の塊は熱く・堅く・昂っていました。そこには男性自身から溢れる潤みだけではなく、たっぷりのローションさえまぶされていたのです。
「あっ・・あ・あぁ・あん・・やさし・くぅぅ・・ぅ・・」 
長く反り返った塊は、わたくしの奥深くまで大きな動きで犯してゆくのです。 
その動きは、<試す>などというものではありませんでした。
幾度も押し入られる感覚に、収縮を繰り返す入り口と自らの意志では動かすことさえ叶わない内臓の壁が、それでもやわやわと男性の張り出したかりとごつごつと血管の浮いた幹へと添おうとするのです。
「はぁあ・・ぁん・・あっぁああ」 
いままで・・・二人の方に合計3回犯された経験さえ薄れてしまうほどに・・今宵一夜でわたくしの胎内は信じられないほど開発されていたのです。
 
「内臓まで絡み付くな、祥子は。どうだ、排泄器官でまであさましく感じるなんて。なんてはしたない女なんだ」 
「あぅっ・・・」 
パシッ・・・右の腰にスパンキングが飛ぶのです。 
白い腰の中と外からの両方の刺激に、わたくしはぴくん・・と男性の塊に貫かれ動かない腰をなおもひくつかせてしまうのです。
「祥子、どうなんだ!きちんと答えるんだ!お前はアナルで感じるあさましい女なのか?」 
ぱん・・ぱん・・ぱん・・ぱん・・リズミカルに。快感を汲み出すように。
わたくしを責める男性の腰の動きはますます早くなってゆくのです。
「はぁぁ・・ん・・いえ・ませぇ・・ぁん・・あぁぁん」 
白い肌に赤い胸縄を掛けられ・犯されていることだけでも、シーツを掴み耐えていなくてはならないほどなのです。
なのに・・・なお・・わたくしに、自らの口から羞恥の言葉を吐けと男性は命ずるのです。
「いつまでもアナルを抉られていたいのか、祥子。そんなに気に入ったのか!ここが」 
より深く・・奥まで・・・男性の赤い手形がつく白い腰に男性の茂みが擦れるほど深く・・・止まるところのない内臓を男性の塊は犯し抜いてゆくのです。
「い・・やぁぁ・・はぁん・・ちがい・ま・すぅぅ」 
こんな・・激しい行為を長く続けられてしまうなんて・・・あぁ・・耐えられない。

「言え!!祥子 言うんだ わたしはアナルで感じる浅ましい女ですと言え!」 
パシッィィ・・パシッ・・ 最奥まで突き入れた塊をこねる様にして周囲の壁を先端で味わいながら、スパンキングを繰り返すのです。
「ゆるしてぇぇ・・・あぁぁ・い・いまぁ・すぅ・・」 
スパンキングの一打ちごとにわたくしのアナルは収縮をつづけ・昂り内臓の中でひくつく塊の輪郭さえわかるほどに蠢いてしまいます。
「・・はぁ・・わたくしはぁ・・あん・・アナルで・・感じる・・あさましぃ・・ぁあ・・おんな・で・すぅ・・・」 
淫らな言葉を口にさせられて、わたくしははじめてアナルだけを犯されて・・・達してしまったのです。

ムーンナイト・アフェア 14

わたくしの口元に、男性は無言のままで精液にまみれた塊を差し出しました。
唇をそっと開けて、差し出した舌先で先端に滴りそうになっている液体を舐めとり・・・そのまま塊を口に含み舌を万遍なく這わせ・・・塊の奥に残っているであろう精液までを吸い上げて・・清めたのです。
 
「そのまま待つんだ」 
正座をし、男性を見上げるように顔を仰向けた姿でわたくしは待ちました。
ボクサーショーツを引き上げると、男性は最初の部屋に戻ったのです。
そして・・・
「・・・いやっ・・」 
間もなく戻って来た男性の手には、二つの卵状のプラスチックがついたローターと医療用のテープが握られていました。
男性はわたくしの全てを犯すと・・・言っていました。
ベッドにわたくしが吊られた時のままに置かれていたのは、2本の赤い縄とローションのボトルだけでした。
「・・・やめて・・もう括らないで」 
縛められ・動きを押さえ込まれて苦痛を快楽に変えられるあの記憶が・・・わたくしに蘇ります。
「せっかく従順になったとおもったのに、もう逆らうのかい。祥子は」 
そう言いながら、怯えるわたくしの表情を見つめる男性の顔には満足の笑みが浮かんでおりました。
その手は一本の縄を捌きはじめたのです。
「・・・ゆるし・て・・おねがい。もう・・逆らわない・・だからくくらないで」
「大丈夫だよ、祥子。もう吊ったりはしないよ」 
片頬を上げたまま男性が縄を二つ折りにします。
「これは君が強情を言って僕に切らせたからブラの替わりだ」
「そんな・・・替わりのランジェリーはあるって・・・」
「祥子なにか誤解してないか?これはお仕置きなんだよ」 
しゅるっ・・・白い乳房の上に赤い縄を二重に巻き付けます。
二つの膨らみの間で一つ結ぶと、次は自らの重みで撓む白い乳房の下に・・・そして縄尻で最初の結び目にきつく下の縄を引き上げる様に止め付けるのです。
 
「あうっ・・んふ・・」 
縄に挟み付けられ・はり出したGカップの膨らみは、ランジェリーのサイズ以上の存在感を主張していました。
「祥子には縄が良く似合う。責めがこれからなら股縄もかけたいくらいだよ。邪魔だからいまはしないがな」 
白い肌に黒のロングヘアと黒レースのガーターベルトとバックシームのストッキング・・・そして赤い胸縄。
隠すことも許されない太ももの間の漆黒の茂みさえ、どれほど淫らに男性の視線を誘惑していたことでしょう。

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「・・・みないで・・」 
わたくしは自由なままの両手で、とっさに乳房と茂みを隠そうとしてしまいました。
「だめだ!祥子。両手は身体の両脇に垂らしておくんだ!!そう、そのまま」 
なんのために・・・どうして・・・ 
それ以上に男性の視線に籠る力が、わたくしを一層辱めます。
「どうして両手を自由にしておいたかわかるかい、祥子」 
そんなこと・・想像もつきません。
「これから君に与える快感を堪えるのに、シーツぐらいは掴ませてあげたいと思ってね。後ろ手に縛り上げる方が好みなんだが、それだともっと手首の痕を酷くしそうだからね」
男性はわたくしをどのように嬲るというのでしょうか。
後ろ手に縛り上げた手首に縄が食い込むような・・・責め。
「だからわかっているね、祥子。手で抵抗しようなんてするんじゃない。おとなしくしているならこれ以上縛りたくはないんだ。人目につく部分に痕が残るのは君も困るだろう。いいね」
怯えながらも・・・わたくしは素直に頷いたのです。
 
「ベッドから下りてそこに膝をつきなさい。上半身はベッドに倒すようにして、そうだ祥子、腰をあげるんだ。もっと!!」
言われるがままに上体を伏せてベッドのへりに腰が来る・・はしたない姿になりました。 
「苦しいだろう。枕をつかいなさい」 
男性はわたくしの顔を左に向けると、頭の下に手にした柔らかい枕をあてがってくれました。
「そうだ、いいこだ祥子。腰も少し上げてごらん」
わたくしは膝を伸ばし腰を少し上げました。
すっ・・腰の下に差し入れられたのは、先ほどよりも少し堅い枕です。
「いい眺めだよ、祥子。祥子の淫らな部分が丸見えだよ」 
枕で少し高くなった腰は真後ろから見る男性に・・・全てを晒していたのです。
「いやぁぁ・・・みない・・で・・」 
逆らうな。そう命じられたわたくしに出来たのは、男性の視線を逸らす為に腰をもじつかせることだけでした。
「ふふ そんなに腰を振っておねだりかい、祥子」 
「やぁぁぁ・・・」 
「祥子、こっちをご覧」 
男性がわたくしの左側に片脚をかけています。
首だけを巡らせて声のする方に振り向きました。
「さっき祥子の口でしたばかりなのにもうこんなになっている。祥子のせいだよ」
男性の黒のボクサーパンツの前は、ひくひくと震える塊のシルエットを露にしていたのです。
「さすがの僕でもこんなに早く回復したのは久しぶりだよ、祥子。僕を昂らせる女なんて久しぶりだ。うれしいよ」 
わたくしの仕草はどのようなものも、男性の劣情を煽るだけのようでした。

「・・やめ・・て・・みないで・・ぇぇ」 
抗う気力は・・・もうありませんでした。
ただ羞恥が、わたくしの口からすすり泣くような言葉を絞りだしたのです。
「その声すら僕を昂らせるんだよ、祥子。ビデオや写真は撮れなくても、せめてMDで祥子のその淫媚な声だけでも録音しておきたいものだ」 
そんなこと・・・
「しない・・で・・おねがい」
「喘ぎ声でなくても、いまのその声で十分僕は勃起させられてしまうだろうさ。安心しなさい、祥子。僕は君が僕のものになるまでそんなことはしない。もちろん祥子に内緒で盗み撮りするような卑劣なこともしないよ」
「あぁぁ・・・ゆるして」 
この声すらもだなんて・・・・ 
男性の言葉がわたくしの全てが、セクシュアルに牡の本能を煽り立てる淫らな存在だと・・・断定されてしまったのです。わたくしがはしたない女だと。
 
「もう花びらに蜜が溜まっているよ、祥子。ふふもう滴っている」 
くちゅ・・男性の指がわたくしの愛液をすくい取る様に、真珠から花びらに向けて人差し指を撫で上げます。
「あぁぁん・・」 
フェラチオの間放置されていたとはいえ・・・あの激しい責めの余韻はわたくしの身体に甘い火照りとして残っておりました。
男性の指はその疼きを一瞬にして快感に変えてしまったのです。
「動くんじゃない」 
ぱしっ・・・白く張りつめた腰に男性のスパンキングが浴びせられます。
「あぅっ・・・」 
次の瞬間冷たい粘液がわたくしのアナルに垂らされ・・・指が蕾を揉みほぐしはじめました。
「祥子のアナルは従順だね。まだこんなに柔らかいよ」
すぅっと・・・男性の中指を飲み込んでしまうのです。
「いやぁぁ・・・」
「力を入れるんじゃない!祥子」 
中に入れた指をまぁるく回す様に動かすのです。
「はぁぁああん・・や・・ぁ」 
内臓の奥深くまでを玩具と指で嬲られた密やかな蕾は、わたくしの意志を無視して男性の指が再び与える快感を求めて蠢いてしまうのです。
きっとアナルだけではなかったにちがいありません。
ベッドに押し付けられた縛められた白い乳房の先端のさえ、わたくしに肉欲に悶えてみせろと淫らな快感を突きつけて要求するのです。

ムーンナイト・アフェア 13

吊られた脚を下ろされた時、わたくしの膝下は痺れてほとんど感覚をなくしていました。
緩む縄が食い込んだ肌から離れる瞬間には、吊り上げられた時と同じだけのひりつく痛みを感じました。
わたくしが達した後、男性は禍々しい塊の姿をした玩具のスイッチを止めて引き抜き、アナルに埋めたパールのスイッチを止めてから、ゆっくりと抜いてくれたのです。
 

ざぁっ・・・ 浴槽に勢い良くお湯が流れる音がします。 
本来でしたら女性であるわたくしがしなくてはならないのに・・・などということを、快感が引き切らず火照りを残した身体でぼぉっと思い返しておりました。
両脚と両手を縛めていた縄は全て解かれ、痕を付けない様にと巻かれていたタオルも外されていました。
ですが、自由になった身体で動き回る体力と気力は、いまのわたくしには残っていませんでした。
ただ痺れた両脚を引き寄せ、露に晒されていた秘部を隠し、手首に赤い縄痕の残る両手で白い乳房を覆って横たわるしかできなかったのです。
 
いまは、男性はわたくしの側にはおりません。
きっと最初の部屋で縄を捌き、タオルをまとめているのでしょう。
わたしはしばしの微睡みに自らを委ねました。
 
「祥子起きなさい。そこに四つん這いになるんだ」 
男性の命ずる声が聞こえます。
わたくしはようやく・・・身を引き起こしました。
どれだけ時間が経っていたのでしょうか。
脚の痺れは引き、いつもの感覚が戻っていました。
膝の裏と手首には、まだ少し熱を持った痕が残ったままでした。

「聞こえなかったのか、祥子。四つん這いだ」 
黒のボクサーショーツだけの姿になった男性が、ベッドサイドに立っていました。
わたくしは男性の方に頭を向けるようにして・・・獣のポーズをとりました。
「ふふふ 祥子はいいコだ。僕の望みがちゃんとわかってるな」 
ベッドぎりぎりに近づくとボクサーショーツを下ろして、半ば昂っている塊をわたくしの唇に押し付けるのです。
ぺろっ・・・ぺちゅ・・ わたくしは舌を突き出すようにして、男性の先端を舐め上げました。
どれだけ我慢をしていたのでしょう。その先端は熱く・・・淫らにぬめる液体でコーティングされていました。
「ぁふ・・ん・・」 
ぺちょ・・・くちゅ・・・ 幾度かの舌の往復で、大きく張り出したかりの根元から先端に向けて舌を走らせます。 
巻き舌のようにさせながら、男性の裏側の合わせ目を・・・。
よりぬめぬめとした舌の裏側をつかって淫猥なスロープを描く先端の上側を・・・。
左右は首を傾げながら舌先をひねるようにして・・・一旦はかりの裏へ舌先を這わせそれから先端までを舐め上げるのです。
「はぁう・・・んくっ・・・」 
幾度もの容赦のない絶頂は、わたくしの貞淑ささえも幾重にも剥ぎ取ってゆきました。
男性の先端の香りを全て舐め尽くすと、わたくしは唇を花びらのように窄めてゆっくりと塊を沈めていったのです。
一度も男性から要求されてもいなかったのに。
 
「キスでさえああだったからな、祥子のフェラはさぞかしいいだろうと想像していたが。うっ・・ 誰に教わった?」 
わたくしは男性を口腔に収め、唾液を溜めたままで首を横に振りました。
「そうだ、ゆっくりと喉奥まで飲み込め。ふふ そんなに舌を絡めて美味しいか?」 
いまは完全に大きく・堅くなった塊がわたくしの喉奥までを犯すのです。
「あぁ・・・いいぞ。若いやつならこれだけでいってしまうだろうな」
ちゅ・う・っく・・ 唾液を満たした口唇をすぼめたままで、男性の裏筋の上を舌を左右に振る様にしながらゆっくりと頭を引いてゆきます。
ちゅ・ぽっ・・ 飲み込むときは、上あごにそって舌をゆっくり左右に捻る様に動かしながら・・・途中で喉に入りやすい様にくるりと舌の位置を返すのです。
  
「今夜は祥子だけを責めて、そのまま帰そうと最初は思っていたんだ。僕は服を一度も脱がずにね。ふっ だが責めていて気が変わった。あの夜出来なかったことを全て試したくなった。縛るだけじゃなくてね」 
男性の手がわたくしの柔らかな黒髪を両手で掴み、激しく塊を突き上げはじめました。
「僕のこいつがそれじゃ納まりがつかなくなった。祥子を欲しがってる。あの夜は時間がなかったが、今夜は別だ」 
いつ爆発してもおかしくないほどの昂りを、わたくしの喉奥に突き入れるのです。
舌には先端から溢れた先走りが流れ出し、男性自身の動きで塗りこめられるのです。
「祥子の口。祥子のアナル。そしてもう一度祥子の一番奥まで犯してやる」 
男性の手に力が籠ります。わたくしの頭を抑え込むようにして、唇から塊を抜き出しました。
「祥子、僕を見るんだ。そう・・それでもう一度舐めてごらん。眼をそらさずに」
男性の手がわたくしの髪を後に引きます。男性を見上げるために、わたくしは揃えた脚の上に僅かに腰を落としました。
「くぅふっ・・ぁふん・・」 
ぺちゅ・・・ 喉奥まで突き上げた男性のイラマチオで、わたくしの瞳にはうっすらと涙さえ滲んでいたのでしょう。
「そうだ、祥子。その眼だ。こんな風に犯されているのに、なお男をそそるその表情。何度も何度でも僕のものにしたくなる」 
わたくしをここまで自由にしてまだ・・・足りないというの・・・ 
欲情の滲む言葉でわたくしを嬲る男性と視線を合わせることができなくなって、思わず瞳を伏せてしまいました。
 
「だめだ。僕を見ていろと言ったろう祥子」 
指に絡めた髪を掴む手を、一段と強く引くのです。
「あっ・・んん・・・ごめ・んなさ・・い」 
ふたたび男性を見上げました。
唇を塊に引きつけ舌先を出して首をかしげ・・・れろれろと塊の側面に舌を這わせます。
「そうだ。キスで僕の舌に絡めた様にそう、そうだ。ふふ いいぞ。祥子の男をそそる表情と性器のような口唇。鞭を浴びた様に赤い痕の残る白い背中と黒のガーターベルト。その先の真っ白な尻まで、いい眺めだ」 
わたくしは気づきませんでした。男性の眼にわたくしの姿がそんな風に映っていたなんて。
「もう我慢できないか、祥子。そんなに腰を振って」
「いやぁ・・・」 
ストッキングのかかとの上に落とした腰を羞恥に満ちた言葉に嬲られて・・・無意識の内にもぞもぞと動かしていたのです。
 
「僕も若くはないからな3度は無理だ。だから祥子に選ばせてやる。どこに出してほしい?」 
仁王立ちになった男性はわたくしを見下ろして言うのです。
「祥子のこの口か?」 
  ふる・ふる・・首を横に振ります。 
「それともこの間と同じ締まりのいい祥子の蜜壷か?」
  ふる・・ふる・・そんなこと選べません。
「拡張したばかりのアナルがいいか?」
  やぁ・・・だめ
「どこも嫌なのか、祥子。せっかく選ばせてやろうと言っているのに、ん?」 
これ以上犯されるなんて・・・わたくしは首を横に振り続けました。
「それとも祥子の3つの穴に全部欲しいのか。やっぱり欲張りで淫乱だな、祥子は」
  そんな・・・違いますぅ
 
「祥子 口をあけろ!!」 
質問の間ひくつき、先端に汁を滲ませた塊をわたくしの口に押し込みました。
「うぐっ・・っく・・・」 
わたくしの髪ごと頭を両手で掴み、男性の思うがままに激しく前後に動かすのです。 
「そうだ。まったく祥子の口は性器だな、絡み付いて。うっ・・・いいぞ」 
わたくしの舌はもう男性の裏筋を支え・・そのまま這わせてゆくだけの余裕しかありませんでした。
代わりにわたくしの上あごの・・・ざらつきが、引く男性の敏感な先端を胎内の数の子天井と同じように刺激しつづけるのです。
「ふ・・ぁっあぅん・・」 
奥に突きいるごとに男性の太ささえ増してゆくようです。
上顎を滑り喉を塞ぐほどに深く、言葉通りわたくしの口唇を犯し続けるのです。
「祥子、美味しいか?」 
男性の声は快感に僅かに上ずっていました。
「ん・・・んぁうっく・・・」 
返事をしたくとも、犯されつづけているわたくしは声を満足に発することすらできなかったのです。
「そうか、もっと味わわせてやる。ほら!!」 
答えようと動かした舌のぬめりが、男性を一層昂らせたようでした。
「くぅ・・ん・・っくふ・・」 
口腔は唾液と男性の先走りとでぬとぬとと濡れ・・・はげしい塊の動きはわたくしの唇の端から淫らな香りのその液体を滴らせさえしたのです。
「いくぞ 祥子! 飲ませてやる!!」 
ずくっ・・ずん・・
「いくっ!!!」 
ずっん・・ 喉奥を突き破るほど強く3度突き入れると、塊は熱い精液を噴出させたのです。
 
「ふっ・・・んくっ・んく・あ・・はぁ」 
最初の脈動を口内へ、そのあとの噴出はわたくしの顔を襲いました。
鼻筋に頬に・・・男性の熱い・・・白い精液がふりかかります。
そうされながらわたくしは、口腔に放たれた精液を一生懸命飲み込んでいたのです。
「こんなになっても祥子は綺麗だ」 
三度男性は髪を後に引き、わたくしの顔を仰向けさせます。
「精液を浴びてもまるで汚れをしらない聖女のような表情で男をそそる。身体はこんなに淫らに反応しているのにな」
「あうっ・・・」 
男性の左手がふいにわたくしの乳首を捻ったのです。
「フェラチオをさせられただけでこんなになるなんて。なんて淫乱なんだ、祥子は」 
わたくしの唇に吐出しても、男性はまだわたくしへの責めを止めようとはしないのです。
「こちらを向け、祥子」 
顔を伏せようとするわたくしをもう一度仰向けさせると・・・優しくティッシュで頬の鼻筋の・・・精液を拭うのです。
その指先の優しさはこれからの責めにおののいていたわたくしを、ほんの少しだけ・・・ほっとさせたのです。

閑話休題(インターミッション) 2

ムーンナイト・アフェアの作中なのですが、失礼いたします。
本日「唐紅 14」にイラストを1点追加しております。
これはわたくしのプロフィールを描いてくださっている、
HAIREI様の作品に一部グラフィック処理をさせていただいたものです。
これから、旧作・新作を含めいくつかの作品に
このようなイメージイラストを加えさせていただく予定です。
ファンタジックな大人の絵本になれば・・・と思っております。
既にお読みになられた方も、ぜひ一度ご覧になってみてくださいませ。

ご紹介が遅れましたが、HAIREI様はブログをお持ちです。
こちらからどうぞ♪

追伸/次の作にもイラストをアップさせていただきました。
   「ムーンナイト・アフェア 2
   「ムーンナイト・アフェア 4
     (よりイメージに近いものを新たにアップしました)
   「ムーンナイト・アフェア 14
      (以前4にアップしていたものを移しました)
   「唐紅 18
   「ムーンナイト・アフェア 16
   「ムーンナイト・アフェア 18
   「ムーンナイト・アフェア 20
   「オペラピンクのランジェリー 4
     (ディテールを変更いたしました)
   「オペラピンクのランジェリー 2
   「唐紅 15
   「第九 合唱付き 3
   「第九 合唱付き 4
   「初雪 3
   「蝉時雨の庭 1
   「蝉時雨の庭 2
   「蝉時雨の庭 3
   「オペラピンクのランジェリー 3
   「10000アクセス記念イラスト by HAIREI様
   「初雪 11
   「21:00 5
   「21:00 7
   「初雪 13
   「初雪 17
   「唐紅 4
   「初雪 22
   「初雪 23

ムーンナイト・アフェア 12

あまりに大きな玩具の機械的な振動は、わたくしが極めたことによる収縮で動きを止めておりました。
ただ・・・わたくしの吊られた姿勢と玩具自身の重さと大きさが、本来であれば押し出して抜けてしまうであろうものを・・・より深く奥まで咥える結果を招いていたのです。
「ゆるし・・て・・・」 
立て続けに襲う快感の波に、はしたないほどの声を上げてしまいました。
男性はスイッチボックスを操作して、パワーを今度は2/3ほどに抑えたのです。
「祥子、これならいいだろう。力を抜きなさい、バイブのモーターが焼き切れてしまいそうだ。僕の指もね、アナルで食いちぎるつもりかい」
「ぁっ・・はぁ・・ぁぁぁん」 
少しだけ穏やかになった真珠への刺激に、わたくしはゆっくりと上り詰めた身体を弛緩させてゆきます。
うぃん・・・うぃん・・・ あの胎内をかき回すモーター音がまた響きました。
「祥子はいくと奥が飲み込む様に内側に締まるんだよ。その証拠にこんなに深く、太いバイブをくわえて離さないじゃないか」 
蜜壷と同時に緩められたアナルもようやく指を動かせるほどになったのでしょう。 
熱く火照った狭間に冷たい感触がしたたり落ちてきました。男性がまたローションを垂らしたのです。
ゆっくりと指とアナルの間にローションを馴染ませてから、男性は一旦第二関節まで入れていた指を抜きました。
「ほうっ・・・祥子はアナルまで綺麗なのか。どんな美人でもアナルの中には汚いものが詰まっているものなんだがな。普通は僕が浣腸をしなくちゃこうはいかない。ふふ かすかな汚れすらない綺麗なアナルだ」 
ローションのぬめりだけをまとわりつかせた指をライトに晒すのです。
「い・・やぁぁ」 
排泄器官と排泄物のことをあからさまに口にされているのです。
それに・・・男性の手によってお浣腸をされてしまうなんて・・・わたくしには耐えられません。
 
「どれ・・・」 
ローションを手に取ると男性は自分の指に・・・中指だけではなく人差し指にまで塗り込めたのです。
「あふっ・・・やぁぁぁ」 
一本だけの指で嬲られていたアナルに、男性は2本の指をねじ込みはじめたのです。
「力を抜け、祥子。息を吐くんだ!そうだ」 
「あ はぁぁあ・・ん」 
男性の指は第一関節を抜け第二関節へ、快感とともに慣らされ順に柔らかくなめされていたアナルは従順に男性の指を飲み込んでゆくのです。
「きつ・・い・・ぁああ・・」 
わたくしの身体は花びらもアナルもいままでにないほどに、同時に大きく開かれてゆきました。
花びらは直径5センチを越える男性の塊の姿をした玩具で、アナルは男性自身の2本の指で・・・
「ほら、これで全部おさまった。このままでも凄い締め付けだ。アナルまで淫乱だな、祥子は」 
指の付け根までをわたくしのアナルに埋めた男性は、直腸の中で淫らに指を踊らせるのです。
 
「はぁあぅっ・・・きつい・・ですぅぅ」 
赤い縄に吊られた黒のシームストッキングの両脚を動かしても、胎内を薄い肉壁ごしに嬲られる快感を柔らげてはくれませんでした。
かえって胎内の狭い通り道をゆがめ・・・玩具と指を思わぬ部分でしめつけてしまうだけなのです。
「祥子の淫乱な蜜壷の壁ごしにバイブがうねっているのがわかるよ。あぁ・・・こんなにしごかれて、たまらないね。どうなんだ祥子」 
拡張のわずかにひりつくような痛みが収まると同時に、ノーマルなセックスではありえない刺激がわたくしを襲うのです。
「あぁああ・・やめ・・て・・・あぁ」 
男性はアナルの中の指を・・・蜜壷側の柔肉を指先でこすりあげるようにゆっくりと動かすのです。
「アナルがひくひくと指をよろこんでくわえてるぞ、祥子」 
アナルの・・・締め付けのきつい入り口の・・・敏感な内側を擦られる快感だけでなく、まさに内臓をかき回される倒錯的な悦びがわたくしに蘇ってきたのです。
 
「祥子はここにいままで何本の男をくわえたことがあるんだい?」 
ゆっくりとでも手の動きを止めることなくわたくしに質問をします。
「・・・あぁん・・・ふたり・・ですぅぅ・・あはぁぁ」 
わたくしはもう羞恥ゆえに、抗うゆとりすら無くしておりました。
「いいコだ、祥子。ごほうびだよ」 
男性が少しだけ、わたくしの真珠を刺激する玩具のスイッチのパワーを上げます。
「ぁぁあああ・・・ゆるし・・てぇ」 
声がまた一段と高くなってしまいます。
「ほんとうに二人だけなのかい? 祥子のアナルは、ほらこんなにも僕の指を淫らに包み込んで」 
またローションが加えられます。くちゅぅ・・・くちゃ・・ 
「たった二人しか飲み込んでいないわりには慣れているね。よほど念入りにねっとり楽しんだんだね、祥子。そうなんだろう」 
男性の指の出し入れが僅かにはやまります。
「・・・ゃあぁ・・あん・・んん」 
わたくしが首を振ると引き上げられた白い乳房までが扇情的に揺れるのです。
「否定してもダメだよ、こんなになって。ふふ あぁもういきそうだね」 
ついっ・・と男性の指が引き抜かれました。 
 
わたくしの蜜壷の壁が・・花びらが・・・わたくしの絶頂が近いことを男性に告げたのでしょう。
「あまり時間を掛けられないからね。約束通りアナルパールでお仕置きをするよ」 
いままでと全く感触のちがう・・・冷たくすべすべとしたものが・・・アナルに押し当てられたのです。
「力を抜くんだ。祥子、わかっているね」 
四度ローションを垂らして男性は囁きます。
「はぁぁぁぁ・・・ぁん」 
・・・ちゅるん・・ちゅるん・・・ 
2センチほどのパールが連なっていた玩具なのでしょう。
1つの珠をごとにアナルに衝撃を加えながら胎内に侵入してくるのです。
「・・あっ・・ぁあぁ・・ぁぁん」
・・・ちゅるん・ちゅる・・ちゅるん あぁ・・また
「あと5つだよ」
「・・・はぁ・・ぁぁあああ」 
・・・ちゅる・・ちゅるん・・ちゅるん 
「あぁ中で・・だめ・・・擦れるぅ」
「力を抜くんだ!祥子」
「・・んぁあ・・はぁぁん」 
・・・ちゅるん・・ちゅるん
 
「あぁぁあああああ・・・」 
全てのパールが収まるなり男性はスイッチを入れたのです。
ただのパールの連なりだと思っていた玩具は・・・蜜壷の中の玩具と呼応してわたくしを嬲る・・・淫らな機構をも備えていたのです。
声のトーンが2段ほど高まったのを確認した男性は、花びらに押し込んでいた玩具のパワーをまたマックスまで引き上げたのです。
「だめ・・・あぁぁん・・ゆるし・てぇええぇぇ」 
機械的に止まることなく規則的に送り込まれる快感に、わたくしは翻弄されておりました。
胎内を締め付けることではもう抑えられない高ぶりが・・・わたくしを犯し・辱めてゆくのです。
「ふふ さすがにきついみたいだね。バイブが浮き上がってきたよ、祥子は締まりが良すぎるぞ」 
そう言って、ぐいと花びらの狭間の玩具を押し込むのです。
「はぁぁ・・ん・・たすけ・・て・・ああぁぁ」 
わたくしの腰を・・愛液がつたってゆきます。
「おねがい・・です・ぅ・・ごしゅじんさまぁ・・いかせて・・ください・・ぃぃ」 
機械的な振動に嬲られつづけ大きくなった真珠は、甘い微熱すら蓄えてわたくしの身体を責め立てるのです。

ぎし・・ぎしっ・・・ 梁から吊られた2本の縄が、わたくしの身悶えに合わせてきしみます。
既に感覚の遠のいた膝下のことも、わたくしの意志に反して揺れ続ける白いGカップの乳房に注がれる男性の視線も・・・意識からはるかに遠のいておりました。
「おねが・・いぃぃ・・ですぅぅぅ・・・ごしゅじん・さまぁぁ」 
膝を閉じようとすれば、それだけ内部をきつく疲れをしらない玩具が抉るのです。
刺激から逃れようとすれば、はしたなく濡れ光る花びらを・屈辱的にアナルを開くパールの玩具を男性の視線に晒すかの様に膝を開くしかないのです。
「だめだ祥子。まだいくんじゃない」 
男性はほんの少しだけ、濡れそぼる敏感なわたくしの真珠に加えられていた振動を緩めました。
「祥子、これからアナルパールを1つづつ抜いてゆくからな。ちゃんと声を出して数を数えるんだ。全部きちんと数えられたら逝かせてやる」 
あぁぁ・・そんな酷い。
 
ちゅぽっ・・・ 「ひぃ・・とつぅ・・ぅんん」
ちゅぽっ・・・ 「ふたぁ・・ぁぁあ・ぁつ あぁぁ・・・おねがい・・スイッチを切って」
ちゅぽっ・・・ 「みっ・・つぅぅ・・あぁぁん そのままなんて・・・だめぇ・・ぇぇ」
ちゅぽっ・・・ 「ぁぁん・・よっつぅぅぅ きつぅぅっぃぃ」
ちゅぽっ・・・ 「い・・いぃぃぃ・・つ・つ・ゆるし・・て・・ぇぇぇ」
ちゅぽっ・・・ 「むっ・・つぅぅ・・はぁぁん・・いくぅぅ」 「だめだ!!」
ちゅぽっ・・・ 「はぁぁぁ・・ななぁぁつぅぅ・・だ・めぇぇ」
ちゅぽっ・・・ 「ああぁぁぁ・・・」 「いくつだ?祥子」 「やぁぁ・・っつぅぅぅ」
ちゅぽっ・・・ 「ここのぉぉ・・っぁあつ・・おねが・・い・・いかせてぇぇ」
ちゅぽっ・・・ 「とぉぉぉ・・ぁぁぁああああ」
 
「息を吐け! 祥子」 
「はぁぁぁ・・・・」
熱くなったアナルにまたローションが垂らされ、そして・・・一度抜いたパールをずうぅんとまた埋め込まんでゆくのです。
「あぁぁ・・・・ぅ・・んぁぁぁ」 
柔らかくなったとはいえ10個のパールで一気にアナルを犯される衝撃は、想像を超えておりました。
「いけっ!! 祥子」  
とうとう許しのことばが男性の口から聞こえました。
アナルパールを根元まで埋めると、花びらに埋められた玩具のスイッチもマックスにして ・・・男性自身で犯すかのように蜜壷に抜き差しをくりかえすのです。
蜜壷の壁ごしにパールの凹凸を、張り出した玩具のかりがしごき上げます。
「ああぁぁ・・いいのぉぉぉ・・・いきますぅぅぅ」 
玩具による両穴責めは、わたくしの理性を飛ばし意識を真っ白に染めて・・・快楽に貶めてゆきました。

ムーンナイト・アフェア 11

「さぁ、お仕置きの時間だよ。祥子」 
男性は、わたくしの頭の横に並べた玩具を持ってまいりました。
「祥子は10回以上淫らな声を上げたね。だからこの一番大きなバイブとアナルパールを一緒に入れるんだ」 
直径が5センチほどの太く・長い根元が二股に分かれている玩具と、直径が2センチほどのいくつかの真珠をつらねたものをわたくしに見せつけるのです。
「・・やぁぁぁぁ・・・ゆるし・て・ぇ」 
初めて直に眼にする玩具は禍々しく、実際以上に大きく見えるのです。
それに・・・アナルにまでそんなものを・・・
「何を言っているんだ、祥子。僕のものもそうだが、これくらいの大きさのものなどいくらでも経験があるだろうに。アナルだって経験済みだろう」 
嘲るように男性が言い放ちます。
「・・いやぁ・・だめ・・で・すぅ」 
男性の肉体ではない・・異物で・・嬲られるなんて。
それもあんなに大きなもの・・・壊れてしまう。
 
「いいね、その怯えの表情。祥子はほんとうになんて表情をするんだ。眉を顰めた顔に精液を振りかけたくなる、そんな顔をする」 
手にしていた玩具をベッドに置き、また指をわたくしの柔らかな狭間に這わせるのです。
「ここは正直だよ、こんなに溢れさせている。ローションもいらないくらいにびちょびちょだよ、祥子。これだけ濡れていたらこれでも大丈夫だろう」 
男性の視線の真下に、上向きに晒された花びらを指で大きくくつろげます。
「はぁうっ・・・ぁあああああ・・」 
男性はあの太い塊の姿をした玩具の先端をあてがい、玩具自身の重さで沈み込ませるようにゆっくりと差し込んでゆくのです。
「あうっ・・・ん・んぁぁ・・・」 
一段と大きく張り出しているかりの部分が、わたくしの花びらを強引に押し広げ入り込んでゆきます。 
・・・くちゃ・・・ 
吊られ・言葉責めされて溢れさせてしまった愛液は、ごつごつした血管の浮き上がりさえも模した玩具にまとい付きすべらかさを増す役目を果たしてしまうのです。
「ふふ 祥子の花びらがこんなに大きくひらいて、ゆっくり飲み込んでゆくよ。ひくひくと・・はじめてのバイブはさぞや美味しいんだろうね。また涎のように蜜を溢れさせる。祥子の身体は本当に淫乱だね」 
言葉責めを繰り返しながら、少しずつ玩具に添えた手に力を加えてゆくのです。
「だんだん抵抗が大きくなるな、祥子。そんなに締めたらだめだろう。奥までほしくないのかい? さぁ あと一息だ。この大きさでも祥子の熟れた身体なら全部飲み込めるはずだ、ほら」 
くいっ・・・僅かに捻る様に押し込んでゆくのです。
「あぁぁぁ・・・ん・・・お・っきぃぃ・・」 
ずぅん・・・と一番奥に先端がぶつかりました。
「ずっぽり埋まったな。思った通りだ、どれ」
「あん・・・だ・め・・あぁぁん・・」 
くちゃ・・くちゅ・・・男性が玩具を出し入れするのです。
引き出すときは張り出したかりがわたくしの胎内をすべて掻き出し、押し入る時には襞奥の快楽のポイントまで広げ・・・容赦なく嬲ってゆくのです。
「ああ・・・はぁうぅ・・んんぁぁ」 
真下に自重も加えて送り込まれる玩具は、わたくしがもっとも弱い奥の壁を何度も何度も・・強く責めるのです。 
「祥子、そんなに締めたら動かせないじゃないか。ふふ、あの時もこんな風に花びらをまといつかせて僕のものを締め付けたんだね」 
「いやぁぁ・・・みないで・ぇぇ・・」 
胎内の圧倒的な存在感がわたしの思考を蕩けさせ、玩具が出し入れされている秘部を男性に見られていることすら失念していました。
吊られた両脚はすでに痺れ微かな痛みをもたらしてはいましたが、わたくしは手首に纏い付く赤い縄に縋るようにして・・・玩具に犯される初めての感覚に耐えていました。
 
「これだけでそんなに感じていたら、この後身が持たないよ、祥子。相変わらず敏感だね」 
そして、ずい・・と改めて奥まで玩具を差し入れたのです。
花びらの奥深くだけでなく、玩具は濡れて大きくふくらんだ真珠の上にまで覆いかぶさっておりました。
「あうっ・・・はぁぁん・・・」 
ひと際高い喘ぎ声を上げてしまいました。
男性がスイッチを入れたのです。唐突に玩具が胎内と真珠の上で全く違う動きをはじめました。
「ぁあぁぁん・・・ぃゃあ・・」 
うぃん・・うぃん・・・ただでさえ大きな玩具は、うねるようにして花びらの奥をその太さ以上に押し広げてゆきます。 
「んぁああ・・・」 
びぃぃぃん・・・真珠の上の柔らかな感触はさきほどのプラスチックの小さな卵と同じ動きで、でも舌のようなぬめっとした感覚のまま休むことなくもっとも敏感な淫楽の芽を責め立ててくるのです。
「・・はぁぁん・・やぁぁ・・・」 
うぃっ・・・
「そんなに締め付けたらだめじゃないか、祥子。困ったやつだ、力を緩めなさい。玩具が壊れるだろう」 
男性の声に・・・わたくしは無意識に収縮させていた蜜壷の力を解きました。
「・・あぁはぁぁん・・ゆるして・・」 
うぃん・・・うぃん・・・ 何度も繰り返し呼び覚まされる快感は、わたくしの胎内を男性に犯されているときと同じに蠢かせ、ともすると玩具を押し出しそうになるのです。
ところが吊られた姿勢がそれを許してはくれません。
僅かに浮き上がった玩具は、その重みでまたわたくしの奥まで・・・より深く潜り込んでしまうのです。
「ふふ まだ半分くらいのパワーでしかないんだがな。いいぞ何度いっても、きちんと僕に許しを乞うてからならな」 
男性は手の中にあったコントロールボックスを、ガーターベルトのウエストに挟み込みました。
吊られる痛みは真珠を直接責め立てられる快感に溶け込まさせられ・・・身悶えするたびに腕は引かれ・・縄はさらに白い手首の肌に食い込むのです。
 
「あっ・・・」 
冷たいローションの感触がわたくしのアナルに触れたのです。
「や・・めて・・・もう・・許して」 
男性が言葉通り・・・わたくしの身体を両方、玩具で犯すつもりだとわかったからです。
「わかっているよ、祥子。経験はあるんだろうが・・・いつもじゃないね、この収縮は。だからちゃんとほぐしてあげるよ」 
言葉通り男性の指が、ローションのぬめりをかき回す様にゆっくりとわたくしのアナルを愛撫しはじめました。
「この前はここまで可愛がってあげられなかったからね。きっと祥子のことだ、こちらもすばらしいんだろう。アナルに玩具を入れるのははじめてかい?」 
わたくしの顔を覗き込む様に・・・改めて質問するのです。
「・・あん・・・はじめて・・です・ぅ・・」 
掠れる声でわたくしは答えました。そう言えば少しでも優しく・・・手加減していただけると思ったからです。
「アナルの経験はあるんだろう」 
男性の瞳が好奇心に光ります。
わたくしは・・あまりのはしたない質問に・・・・答えることができませんでした。 
「祥子 答えなさい」 
男性の指がすっとすぼまりに押し入れられます。 
「あうっ・・・はい、ござい・・ま・す」 
急な侵入にきゅっと力を入れ、男性の指を締め付けてしまいました。
「だろうな、祥子の熟れた身体を前にして味わいたくないなんていう男がいたら逢ってみたいものだ」 
男性は締め付けを楽しむ様に指をそのままの状態で動かしました。
 
「祥子力を抜きなさい。バイブを壊す気か?」 
男性の指とともに締め付けた、玩具の機械音が止まっていたことにも気づいておりませんでした。
「あふぅぅ・・ん・・ぁぁ」 
締め付けを緩めるために吐いた息さえ、喘ぎの色を帯びてしまいます。男性の指はアナルの中でゆっくりとまぁるく動いてゆきます。
「このバイブを壊したら、お仕置きとして大根ほどに太いディルドウを飲み込ませるよ 祥子。君のこの締まりのいい花びらが裂けてしまうかもしれない。わかったね、祥子」 
大根・・・そんな太いもの・・・入らない・・・
「やぁぁぁ・・・ゆるしてください」 
この方が口にするのです。想像も付きませんが、きっとそんな途方もないものすら・・存在するのです。
「祥子、アナルをほぐすのに力を入れたら君が痛みを覚えるだけだ。僕は祥子を傷つけたくない。いいね、感じてもいい。そうだ力を抜くんだ、いくときはちゃんと言いなさい。わかったね」 
こんなにはしたない姿のままで玩具による快楽責めを続けながら、男性はわたくしに言い含める様にやさしい声をかけるのです。
「あん・・・は・い・・・はぁぁぁ」 
アナルの指がゆっくりと出し入れされます。
引き抜かれ押し込まれる時には少しだけ深く、時にローションを足されながら・・・幾度も・・・根気よく繰り返すのです。
 
「少しずつだ、こうして柔らかくなってゆく。いいだろう、祥子」 
第二関節まで沈めた指を、そのままゆっくりと回してゆくのです。
「あぁぁぁ・・・いって・しまい・・ますぅぅ」 
濡れそぼった真珠も、押し広げられた花びらの奥も・・・疲れをしらない機械の愛撫に忍耐の限界を迎えていました。
合わせて妖しいアナルを広げられる感触が、わたくしを追い込んだのです。
「よし このままいけ!祥子」 
アナルの指を出し入れしながら、ガーターベルトのスイッチボックスをマックスにしたのです。
「あああああぁ・・・いくぅぅぅ」 
男性の塊の姿の玩具に犯されて・・・わたくしはとうとう達してしまったのです。

ムーンナイト・アフェア 10

「いたいんです・・・おねがい、下ろして」 
吊られてまだ1分と経ってはいないでしょう。
タオルを重ねているとはいえ、全ての体重を掛けられた1本の縄の締め付けは予想を越えるものでした。
「僕は苦痛系ではないはずなんだがね。祥子の痛みに歪む顔と震える声、そそるね。鞭を持って来てもっと哀願の声を出させたくなる」 
第二釦まで黒のシャツの胸元を開けただけで、男性はまだブラックジーンズを身に付けたままでした。
わたくしに君臨するかのようにベッドサイドに立ちはだかります。
「おねがいです・・あぁぁぁ・いたい・・」 
縄で引き延ばされ、下半身を吊り上げられたガーターストッキングだけの姿がどれほど淫らなものなのか、想像することさえできません。
ただ、意志の力で脚を引き上げ閉じておかなければ露になってしまう愛液にまみれた花びらを、どうあっても晒したくない・・・その思いだけで必死に右脚を引き寄せておりました。
「祥子ごらん、僕がこんなにさせられてるんだ」 
ブラックジーンズのファスナーを、はちきらせてしまいそうに盛り上げる塊を誇示するように手を添えるのです。
「もう10人以上のMを所有したことのある僕が・・だよ。全く極上のMだな、祥子は。吊っただけでまだ何もしていないのに、表情と声だけで・・・こんなにもそそる。もうすこし経験がなければ、この場でその姿の君に奉仕をさせて精液を飲ませているところだよ」 
顔のすぐ側に膝を突き、右手で苦痛に歪むわたくしの頬をなでるのです。
「ぁぁ・・あぁぁ・・・ゆるし・・て」 
近づいた男性に、早くこの責めから解放していただきたくて、ただ・ただ・・許しを乞う言葉を連ねることしかできませんでした。
「そんな性急なことはもったいなくてできないがな。この昂りのままもう少し楽しませてもらおう」 
そういうと男性は最初の部屋に戻っていきました。
 
次に戻って来た手に握られていたのは、2本の縄とタオル・・・そして男性の塊の形をした3本の玩具でした。
「いやぁぁ・・・」 
男性の言った<お仕置き>の言葉が蘇ります。
「せっかく楽にしてあげようと思ったのに。嫌なのか、祥子は」 
わたくしの哀願の言葉の意味を十分に知ってらっしゃるのに・・・わざとそのようなことをおっしゃるのです。
一瞬、わたくしはこの吊られる辛さから本当にこれで解放していただけるのか、と思いました。
左脚のふくらはぎから先は、もう感覚が鈍るほどになっていたからです。
「おねがい・・・下ろして・・」 
わたくしの顔の脇にみせつけるように玩具とローションのボトルを並べる男性に、もう一度哀願したのです。

「楽にしてあげよう」 
ゆっくりと優しく男性が微笑んだのです。
手にしていた縄を一本・・・梁へ投げ上げました。
滑車から右に1mほども離れた場所にある窪みに、すっぽりと収まります。
「あっ・・・」 
わたくしは男性の目論みを・・・察してしまったのです。
「もう一つ滑車があるといいんだが、一つしかないからね」 
梁の縄端を輪にいたします。 
必死で閉じていた右脚を、男性の手が強引に引き下ろしたのです。
「いゃぁっ・・・」 
「祥子、静かにするんだ。」 
このままでは・・・両脚を広げた形に吊られてしまう・・その羞恥にわたくしは脚を元に戻そうといたしました。
男性は右脚の足首に腰を下ろし、抗おうとする動きを封じ込めるのです。
左脚と同じようにタオルを当てて縄をかけます。
結んだ縄の先を梁からの輪にかけると・・・くいっと引き上げました。
「あぁぁぁ・・・やめて・・ぇぇ」 
両脚の膝を肩幅ほどに開いた形で、わたくしの黒のレースのガーターストッキングに彩られた下半身は吊り上げられてしまいました。
右脚にも・・・赤い綿縄は食い込み・・・新たな痛みが走りましたが、両脚に体重が分散された分、さきほどからの苦痛は不思議と弱められておりました。
 
「ふふ 黒のシームストッキングのY字吊りか。もっと本格的にしたいが・・・初めてならここまでだな」 
両手をベッドのヘッドボードに結わかれ、左右の脚を梁から吊られ・・・わたくしはもっとも隠しておかねばならない秘めた花びらまで・・・男性の視線と天井からのスポット照明の下に露にされてしまいました。
「やめて・・みない・・で・・・」 
あまりの羞恥に、自由にならない吊られた膝をできるだけ合わせようと身を捩っても・・・男性の視線を遮ることさえできません。
「そうして抗ってみせなさい、祥子。艶かしく身体を捩る姿さえ、白い肌が光を反射して僕をそそるだけだ。ほら、白いバストが揺れてるよ」
「ぃいやぁぁぁ・・・」 
縄を掛けている時の沈黙の反動のように・・・男性の責めの言葉がわたくしに降り注ぎます。
ベッドの脇に立つ男性の視線が、わたくしの身体を這い上がり・・・一点で止まります。
「こんな邪魔なもの綺麗に剃り上げてしまいたいな」 
わたくしの柔らかな狭間を覆う漆黒の茂みを、男性の手が撫で上げます。
「だめ・・・そんなこと」 
男性が予告していた玩具の責めだけではなく、こんな淫らな姿にまで吊られたのに。
それでも飽き足らないというのでしょうか。
「真っ白な身体にここだけ・・・無粋だとおもわないかい、祥子。僕だけのMなら他の男にその身体を晒せないようにつるつるに剃り上げて、僕だけが陰りのない真っ白なこの身体を鑑賞するんだ」 
隠すことも、太ももを合わせることで遮ることも出来ない男性の手は、大胆に・・・そして優しくぷっくりとした合わせ目をなぞるのです。
「しないで・・・いや・・・」 
剃毛をほのめかす男性の瞳に顕われた本気の光に、わたくしは怯えました。
「こんなに愛液をたっぷりと溜める狭間を、毛一筋にすら遮れないようにして責める。想像するだけでたまらないよ、祥子」 
くちゅ・・・ほんの少しだけ狭間に男性の指が潜り込みます。
「いっ・・や・あぁん・・」 
僅かな微睡みの時間に平静を取り戻した身体は、吊られ・視姦され・言葉責めにあうことでまたしても・・・愛液を溢れさせはじめていたのです。
「ほら・・・また滴りそうだよ、祥子。どれだけ濡らしたらきみの花びらは蜜を止めるんだい」 
花びらから抜いた指を、わたくしの白い乳房になすりつけるのです。
「また薫りが濃くなっているね。フェロモンに酔ってしまいそうだよ」 
見せつける様に鼻先に指を近づけるのです。
「このアンダーヘアがなければ、祥子の下半身は愛液が溢れてぬるぬるになってしまうだろうに」
「だめ・・やめて・・・」 
男性の声が真剣味を帯びるほどに、わたくしは怯えを深くいたしました。
この方が口にしたら、それはいつか実現させるということを意味するからです。
「言ったでしょう、祥子。剃毛は僕だけのモノになった証です。いまのあなたに強制したりはしませんよ」 
そう言いながらも手は愛液を含み始めた茂みを撫で続けているのです。
「あなたの豊かな黒髪なら、この豊かなアンダーヘアは当たり前です。このままでも愛液で濡れ光って綺麗ですよ。祥子が僕だけのMになった時は容赦しませんけれど・・ね」

ムーンナイト・アフェア 9

ぎっ・・しっ・・・ 手首の枷だけに全体重を預けて、わたくしは身体中を波打たせるように逝き果てたのです。
樹肌に直接触れていたわたくしの背には、すでに細かなかすり傷がいくつも出来ていたことでしょう。
「ふふ 筆の軸まで祥子の愛液でぬるぬるになってしまったよ」 
男性は細筆をわたくしの目の前に掲げてみせると・・・舌先を出して指まで滴っている白濁した愛液を・・・ぺろ・ん・・と舐めて見せたのです。
「・・あぁぁん・・やめ・て・・」 
「こんなにフェロモンの効いた美味しい蜜は久しぶりだ。美味しいよ、祥子」 
わたくしの眼を見つめながら、ゆっくりと男性は味わうのです。
「おねがい・・しないで・・いゃ・・」 
樹に後ろ手に括られて、ランジェリーを鋏で切り落とされながら・・・筆で辱められて・・・達してしまった証の淫らな蜜。
その味を・匂いを目の前で確かめるなんて。
重ねて嬲られる羞恥を、男性は休むことなくわたくしに与え続けたのです。
「どんなに舐めても、まだ穂先はこんなに濡れているよ」 
愛液を塗り込めて行くように、敏感に立ち上がったままの乳首に・その周囲の乳輪に・・・執拗に筆先を這わせるのです。
「やぁぁぁ・・ん」 
わたくし自身の愛液のぬめりと少し冷たい感触が、また・・疼きに火をつけます。
「こんなルージュも祥子には似合うだろう」 
わたくしの顎を引き上げて最後に筆に残った愛液を、噛み締めて血の滲んだ唇に塗り付けると・・・男性は筆を捨てて強引にわたくしに唇を重ねたのです。

手枷の留め具が解かれたのは、わたくしの唇に塗られた淫らな愛液の香りを男性がキスで全て貪った後でした。
「革の手枷にしておいて正解だな。手錠なら一週間は痕が消えないところだ」 
手首からバックルに止められた枷をはずし、革の上下で擦れて紅くなった部分を優しく愛撫してくださるのです。
中庭から最初の窓を通り過ぎた先にある、部屋のベッドの上でした。
「祥子が強情だからだぞ。素直に声を出せばいいんだ」
「ぃや・・・」  
わたくしは黒のレースのガーターベルトとバックシームのストッキングだけの姿のままでした。
淫らさを前面に出してはこない男性に両手を委ねて、甘えるように首を横に振ります。
「あんなに何度もいって疲れただろう。ふふ 背中もまるで何度も鞭打たれたように真っ赤にして」 
樹皮のままの柱は男性の与える快感に打ち震えるたびに、白く薄い背と腰の皮膚をそのささくれで擦りたてていたのでした。
男性の指がわたくしの背の赤い痕を、つっ・・・となぞるのです。
「・・・はぁう」 
「こんなに敏感なくせに、あんなになるまで我慢するからだよ。祥子」 
今度は横座りした右脚の内股を撫でおろすのです。
「・・・ぁん・・」 
背を撫でていた手をしなやかな髪に絡めると・・・強く引き・・また唇を重ねるのです。
「ふふ フェロモンのルージュのキスもいいが、祥子の甘い唾液のほうがそそるな。疲れただろう、少し休むといい」 
男性の手は優しく、ベッドカバーの上にわたくしの身体を横たえました。
 
一夜のうちにこんなに何度も集中して達したのは初めてでした。
男性から視姦されることもなく1人にされた僅かな時間。
わたくしは微かな火照りと痛みと疲労感から、夢と現の間を彷徨っておりました。

「祥子・・・」 
いつの間に意識を失っていたのでしょうか。
わたくしは男性の声で目覚めました。
けだるさの残る身体には布団が掛けられていました
「ごめんなさい、わたくし眠ってしまっていたみたいですね」 
思っていたよりも長い時間を一人微睡んでしまったこと、その身体に男性が布団をかけてくださっていたことに、女としての羞恥心を隠すことはできませんでした。
「そのままでいい、手を出しなさい」 
起き上がろうとしたわたくしを男性は制しました。
その声には、もうあの主としての氷の冷たさが加わっていました。

「・・・はい」 
逝き疲れ・力を入れることもままならない両手を素直に差し出しました。
先ほどまでの行為で、抗いは男性の加虐心を煽るだけだとわかったからです。
「いいコだ、祥子」 
ベッドに腰掛けた男性の側には2枚のタオルと3本の縄がありました。
わたくしはきっと・・・また・・・縛められてしまうのです。
わたくしの両手首を一つにして掴むと頭上に引き上げタオルを巻きました。
「あうっ・・・」 
「これ以上痕がついたら可愛そうだからね」 
そうおっしゃいながらも縄を取り上げるのです。
手首に回したタオルの上で縛った縄を締まりすぎないように留めつけると、ベッドのヘッドボードに結びました。
 
「あん・・・」 
ばっ・・・両手を拘束してから、わたくしの身体を覆っていた布団を剥ぎ取るのです。
仰向けに横たわり、自らの重さで撓っていた白いGカップの乳房は、腕とともに引き上げられ・・・身体の上で淫らなフォルムを晒しておりました。
白い腹部の下には、黒のレースのガーターベルトとバックシームの黒のストッキングしか身につけておりません。
「なにを・・・なさるの」 
とっさのことに、はしたない茂みを隠そうと引き寄せた左膝に男性は手を掛けたのです。
折り曲げた膝の内側にもタオルが当てられました。
その上にも赤い縄が掛けられ、留め付けた縄尻を輪にしたのです。
くいっ・・ 引き上げられた先には、太い黒光りする梁に、いつのまにか取り付けられた金属の滑車がありました。
「やめて・・ください。あぁぁっ・・・いたぁ・い」 
ジャラ・・ジャラ・・ 金属音を響かせて男性はチェーンを引き下ろしてゆきます。
それにつれて縄尻を掛けたフックは、少しづつ上がってゆくのです。
タオルを当て6本の縄で巧みに膝をキープしているとはいえ、自らの体重を膝の一カ所に掛けられる痛みは想像を越えておりました。
柔らかな膝の裏の皮膚に縄は容赦なく食い込み、上へ上へと引きつらせてゆくのです。
「ゆるして、いた・・い・・」 
腰が完全に浮き上がるまで引き上げると、ようやく男性のチェーンを引く手がとまりました。
わたくしは背と頭だけを布団に付け、左脚を吊られたために両手は一層きつく引き上げられた姿になってしまったのです。
片側だけ吊られた脚は、淫らな花びらをあらわにするはしたない姿を晒してしまいかねません。
必死に右脚を吊られてしまった左脚に引き寄せるしかありませんでした。
「お仕置きの時間だよ、祥子」 
男性のあの声が・・・冷たく次の痛みと淫楽の時間が始まることを告げたのです。
 

ムーンナイト・アフェア 8

シャ・・キ・・ 繊細で高価なブラの左の肩紐が切られました。
シャキッ・・・ そして・・・右も。
「仕方ないね、ランジェリーを取らせてもらうよ。もちろん替わりのものは用意している 安心しなさい」 
そう言うと鋏を腰のポケットに仕舞って、男性は背中のホックを外したのです。
はら・・り・・・ シームストッキングの足元に、繊細なレースで創り込まれたハーフカップの黒のブラが落ちました。
たゆん・・・ 支えを解かれたGカップの・・・縄目を紅く浮かせた乳房ははしたなく揺れてしまいます。
「・・んぁあん・・」 
揺れに合わせる様に両の乳首の上を走る筆の感触に、わたくしは淫らな声を出してしまいました。
「ふふ その声が聞きたかったんだよ、祥子。この高価なランジェリーさえお前の声の価値と比べたら足元にも及びはしない」 
ちゅっ・・・戯れのように朱をはいたわたくしの頬に軽い口づけをするのです。
「もう・・・許して・くだ・さ・い」 
あまりの感触にわたくしは哀願の言葉を口にしてしまいました。
「いまの言葉は外しておいてあげよう。あと10分だ。耐えられるだろう、祥子」 
今度はブラに覆われていた下乳のあたりを、筆の中程から先だけでなぞるのです。
「ん・・・はぁ・・・」
「そうだ。誇り高い君の、その快楽に抗う切ない顔が僕を余計に昂らせるんだ」 
背けた顔をその手で引き戻して、強引に唇を貪るのです。
「ここまでしてまだ堕ちないのか。祥子」 
右の乳房の下辺から腹部を通ってTバックの上端までを一気に撫でるのです。
「・・っく・・ん」 
血が滲むほどに・・唇を噛み締めねばなりませんでした。
「こうしたら、どうかな?」 
解き放たれた二つの乳首を2本の筆が同時に襲うのです。
「あぁぁぁぁ・・だめ・・ぇぇ」 
糸を引くような細い喘ぎを・・・わたくしはとうとう漏らしてしまったのです。
「敏感だね、こんなに大きな胸なのに祥子の乳首は」 
乳輪からきっちり2センチ外側をくるり・・と筆が這うのです。
「ん・・・くん・・んんんん」
「まだ耐えるんだね、祥子。困った子だ、仕方ないね」
そういうと私の肩を抱くかの様に立ち、寄り添っていた男性は、彼の脚で・・・しっかりと閉じ合わされていたシームストッキングに覆われたわたくしの脚を・・・・肩幅まで開かせておしまいになったのです。
「あん・・・やめ・・て」
「また声を上げたね。もう許してはあげないよ」 
男性はそのまま両脚の間に膝を差し入れるのです。抗議の声すらカウントされてしまうなんて、わたくしはもうどんな抗いも・・・言葉にできなくなってしまったのです。
「んん・・ん」 
いやです・・・その意味を込めて激しく首を振りながら、わたくしはなんとか太ももを閉じ合わせようといたしました。
「ふふ いいんだよ、祥子の『嫌』という声さえまるで蜜に濡れているような気がする。もっと聞かせなさい、僕がお仕置きをする楽しみが増えるだけだからね」 
わたくしの声が・・・たとえすすり泣くように抗う声でさえ、男性の劣情をそそるものだとはその時まで思ってもいなかったのです。
 
「ん・・っく」 
筆は男性の膝で割られたわたくしの濡れた太ももをなぞります。
「ストッキングの上端まで湿らせて、本当に祥子は淫らな女だ」 
書道の筆ならではの獣毛のこしが・・内股の白い肌をやんわりと押すのです。
「だんだん滑りがわるくなるね。祥子、蜜が筆に絡み付くよ」 
「・・・っっっくぅ」
男性のわたくしを嘲る言葉さえ、後ろ手に回され突き出す様にそらされた乳房を嬲るようです。
180センチちかい身長の男性の視線は、快感に身体をひくつかせるたびに揺れる白い乳房とその先端の鴇色の乳首を舐めるように這っておりました。
「強情だね。祥子は」 
右手の筆がぬめる内股を、左手の筆が揺れる乳首を同時に佩くのです。
「・・・っぅんん」 
ぎしっ・・・大きく戦く身体に、手首を縛める金具と木肌のままの柱が違和感のあるきしみを上げるのです。
「こんなに感じやすい身体をして・・・こんなに濡らして。でも声を抑えるなんて。この後のキスは君の血の味さえ楽しめそうだね、祥子」 
そう言いながら男性は、それまで太ももに這わせていた筆をTバックごしにわたくしの真珠に這わせたのです。
「んくっ・・・」 
どれだけきつく下唇を噛み締めても、はしたない身体を突き抜けるおののきは和らいではくれません。
 
「祥子、素直に声をあげなさい」 
わたくしの耳元で男性が囁きます。
あんな・・・玩具で花びらの奥まで犯されるなんて、ましてアナルまで・・・
涙に潤む瞳で男性を見上げながら言葉もなくわたくしは首を横に振りました。
さらさらと男性の胸元をわたくしの黒髪が打ってゆきます。
「もう一度言うよ。祥子、素直にならないのかい?」
「んん・・ん・」 

シャキ・ン・・・ 鋏の感触を冷たいと思う間もなく、Tバックの右のウエストが切られていました。
「祥子が強情だから、せっかくのプレゼントがこんなになってしまったよ」 
シャキン・・左のウエストも・・・。
中途半端に膝を割られた姿勢は、繊細なレースの花びらに接していた部分を晒して・・・わたくしの腰から垂れ下がっておりました。
「どれ」 
手を伸ばし黒いレースを引くのです。
「ふふふ こんなに濡らして。いけないね、祥子は」 
クロッチの部分に・・・まるであの夜のように・・・男性は舌を這わせるのです
「んん・・・」 
やめてください!と叫びたいほどの辱めでした。 
でも・・・わたくしは声を上げる事ができません。
「今夜のように、何度もいったあとの愛液はまるでクリームソースのようにまったりと香しいよ。祥子」 
わたくしの膝をもう少し開かせて両脚を割り込ませると、男性は足元に膝をつきました。
「んん・・ん」 
脚を閉じることができないだけでなく腰を引かれているのです。
背を触れると傷つきかねない柱にもたれかけさせないとならないほどに、不安定な姿勢を強いられたのです
「ここは細筆だね」 
ちゅぅるん・・・わたくしの柔らかな狭間を左手で開くと、濡れ光る真珠の上を細筆でなぞります。
「・・っあぁぁ・ぁっ・・・」 
細く・ほんのかすかな接点で柔らかな毛先が敏感な珠を刺激するのです。
「ひと撫ででこんなに蜜を含んだよ」 
濡れそぼった筆先を乳首に這わせます。
「・・・んくっ・・」 
おのが身体から溢れさせた愛液を塗りたくられるはしたなさが、わたくしをいたたまれなくするのです。
「今夜は一晩中君を可愛がってあげるよ。この前の夏の夜と違って時間はいくらでもあるからね、祥子」 
細筆をまた、ガーターベルトとストッキングだけに彩られたわたくしの太ももの狭間に向けるのです。
「・・・んゃぁ・・っ・・」 
筆先だけで小振りなピンクの右の花びらの縁をなぞるのです。
「蜜が溢れてくるよ、祥子。ほら」 
会陰を抜けて今度は左の花びらの縁を真珠の付け根まで・・・
「んん・・・んぁぁ・・・」 
どんなに抑えても噛み締めた歯の間から喘ぎがもれてしまうのです。
「灯りの下で見る祥子はきれいだよ。こんなに慎ましく清楚な姿だとは思わなかったよ」 
また左の花びらを会陰に向けて筆先だけでなでおろすのです。
「・・っくぅぅふ・・・」 
幽かで淫らな感触と、最も感じる部分への刺激の寸止めと、止まらない筆の動きから逃げたくて、わたくしは腰を動かそうとしてしまいます。
「ふふ 腰を振っておねだりかい?祥子、そんなに動いたら僕の手に蜜がしたたってしまうよ」
「・・んんん・・んん・・」 
わたくしが声を出せないことをしりながら、敢えて破廉恥に嬲るようないい方をするのです。黒髪を振り乱すほどに首を横にふるしかないのです。
「ほら こんなにしたたらせて」 
筆先が花びらの数ミリ内側を、つっ・・・と走ります。
「はぁあぅっ・・・」 
視覚で認知できたのなら、ほんの僅かな場所の移動だたのでしょう。
でも、感じることしかできないわたくしには、まるで内襞の手前まで筆先でかき回されている様にさえ思えたのです。
「そうだ、その声をもっと聞かせておくれ」 
柔らかな筆は、それでもペースも筆圧も変えることなくわたくしの花びらの内・外をゆっくりと這い回るのです。
「・んん・ぁぁ・ぁあぁぁ・・」 
声が・・一度堰を切ったように漏れた声を止めることは、大変難しくなってしまいました。
「そんなに押し殺したら、もっと淫らに聞こえるじゃないか、祥子」 
中筆に持ち替えて・・・ちゅる・・んっ・・とまるで舌で舐め上げるように花びらを一枚ずつなぞるのです。
「あう・・ん・・ぁぁぁ」 右の花びらの内側。
「・・ん・やぁぁあ」 右の花びらの外側。
「はぁぁ・・ぁぁん」 左の花びらの外側。
「あぁぁ・ん・・ゆるし・て・ぇぇ」 左の花びらの内側。
「あっ・・・いくっ・・ぅぅぅぅ・」 
左手の細筆で疼くままに放置されていた真珠を一撫でされて、わたくしははしたなく達してしまったのです。

ムーンナイト・アフェア 7

玉砂利の敷かれた小道を、スリッパを履いた男性がわたくしの手を引き、先になって歩いてゆきます。
わたくしはストッキングのまま・・・まだ度重なる絶頂でふらつく脚で、よろよろと付いてゆくしかありませんでした。
高い天井よりもほんの少し小振りな3本ほどの植樹の中心に、樹皮のままの直径50センチほどの柱が立っておりました。
「なにを・・なさるの?」 
男性はその柱の前にわたくしを立たせると、ざらつく樹肌を背にさせて・・・カチッ・・と・・・両手の手枷を後ろ手に樹を抱えさせて止め付けたのです。
「ふふふ 洗練された南天の床柱とは違うがね、祥子。まるで野外の庭園に下着姿で君を放置したようだよ」 
手枷を留めた時のまま、柱ごとわたくしを抱くように腕を回し、耳元に熱い言葉を囁くのです。
「・・いやぁ・・・許して・・」 
まだふらついている足元は、真っ白な背に荒い木肌を擦り付け繊細な肌を責め立てるのです。
「この姿も乙なものだな。先ほど君をしばった縄を片付ける間、その姿で僕を楽しませてくれ」 
ふふふ 男性は振り返りもせずに先ほどの部屋へ戻ってゆきました。
 
「・・んん・・」 
白い玉砂利の足元は、シームストッキングだけの足元を不安定に・ピンポイントに責め立てます。
初めて長谷川さんに括られた、あの夜のお茶室の南天の床柱の倍は太さのある樹は、両手を後に回したわたくしの胸をよりいっそう前へとせり出させるのです。
繊細なレースで作られた黒のハーフカップブラは、Gカップの白い乳房を大人しく収めておくことができなくなっていました。
片方はさほど大きくもない乳輪の上端をのぞかせ、わずかに大きな左の乳房は屋外での露出放置を連想させる男性の言葉がもたらした羞恥に、堅くしこった乳首を・・・すべて晒してしまったのです。
「はぁぁ・・・・ん」
絶頂の余波を長く残す女性の身体は、醒めやらぬ余韻を新しい疼きに変えてわたくしを責めるのです。
すでに濡れそぼるTバックからガーターベルトに吊られたストッキングの上端まで・・・しっかりと閉じ合わせた太ももをしっとりと愛液で湿らせておりました。
 
「いい眺めだよ、祥子。もう少し待っていてくれ」 
先ほどまでわたくしが拘束されていた窓から、男性がその手に縄を捌きながら声を掛けるのです。
「本当に夜の公園に、そうして放置したくなるな」 
男性は・・・いままではいつもわたくしの耳元でばかりお話をされていました。さほど大きくもない声でなさる鋭い命令ばかりでした。 
数メートル離れてわたくしに発する声は朗々と響き、まるで別の男性のようでした。
「やめて・・許して・・・」 
男性が何かを口にする時、それは単なる気まぐれを越えたものになることをわたくしはもうこの身を持って知っておりました。
「祥子はたくさんのホームレスのような男達に見られる方が感じるのかい?」 
じゃり・・玉砂利を手になにかを持った男性が近づいてきます。
「いやです・・おねがい・・そんなことしないで・・」 
はしたない身体を、それもランジェリーだけの姿を身動きできない状態で屋外で晒すなんて。それを見もしらぬ男性達に劣情の籠る視線で犯されるなんて・・・想像もつかない辱めです。
「だめ・・だめ・ですぅ・・」 
そして、そんなことになったらこの男性に対するかのように決して<晒すだけ>で済みはしないのです。 
鳥肌の立つような想像が、わたくしの身体の芯を熱く痺れさせたのです。 
そしてまた、じゅわっ・・と愛液を溢れさせてしまうのです。
 
「祥子、またフェロモンの薫りが濃くなっているよ。こんな庭ではしたないね」 
近づいた男性の手には、数本の書道の筆が握られていました。
「そんな男達にこの極上の身体を与えるなんてもったいないことはしないさ」 
わたくしの顎を掴み上げ、微かに怯えを浮かべた瞳を覗き込みます。
「それとも想像してこんなに濡らしたのかい、祥子」
「はぁう・・・あぁ・・」 
唐突に引き上げられたTバックは、疼きを溜めて膨らんだ真珠を責めてわたくしの口からはしたない喘ぎ声を響かせるのです。
「この声すらもったいなくて聞かせられないね。先ほどのBMWの運転手もあのホテルの支配人も、手が出せないのをわかっているから聞かせたまでさ」
「いやぁ・・・」 
あのホテルで、こうして襖の向こうに支配人がいると知っていながら・・・男性に嬲られて達し・淫らな声を上げ続けてしまったことを思い出させられてしまったのです。
「支配人は君に失礼なことを言ったりはしなかったろうね」 
「・・・はい」
「それならいい。彼には祥子を手に入れる資格なぞないからな。こんな極上のM女、僕が独占したいくらいだ」
「んくっ・・・くちゅ・・・」 
樹に後ろ手に止めつけられたまま唇を重ねました。
男性の舌が荒々しく口腔を這い回りわたくしの唾液を吸い上げるのです。
「ふふ 唾液まで甘い香りがするな。祥子の側に立っているだけで昂りがおさまらなくなる」 
唇を離し・・・わたくしの腿にブラックデニムの下の熱い昂りを押し付けてから、一歩離れたのです。

「あん・・・」 
男性の左手が右の乳房を・・・筆の穂先で佩いたのです。
「祥子、ゲームをしよう。僕がこの3本の筆で15分間君の身体を可愛がることにする わかるね。この感触だ」
「ゃあぁ・・・」 
敏感は左の乳首を佩くのです。
「15分間君がその魅力的な喘ぎ声を我慢出来たら、今夜はもうこれ以上のことはしない」 
あんな感触で肌を愛撫されて声を上げないでいることなんて・・・
「声を一回上げるごとに後でお仕置きが待っているからね」 
「っく・・・」 
今度は左脇腹です。
「祥子は玩具の経験がないって言っていたね。声を上げたらバイブ責めにしよう、声を上げるたびに君を責めるバイブが太いものになるんだ。一番太いものまでいっても声を殺せなかったらアナルバイブもプラスしてあげよう」
「いやあぁぁぁぁ」 
疲れをしらない容赦のないプラスチィックの振動の、凶悪な快感の記憶がわたくしの花芯に蘇ります。
「大丈夫だよ。優しく責めてあげるからね。ローションも用意してある、こんなに濡らしていたら必要ないかもしれないがね」 
ふふふ・・・男性の声がSの色を強めてゆきます。
 
「15分だよ、祥子。その魅力的な声を・・あの夜のように抑えてごらん」
「ん・っく・・・」 
書道の太字用の筆がさらっと・・・ハーフカップのブラに収まらない敏感な左の乳首をなぶるのです。
「もうこんなにしてるのかい」 
筆を立てるようにして乳輪のへりを・・・つぅぅぅっと・・・なぞるのです。
っく・・・っと上体を波打たせてしまいました。
紅い縄痕の残る手首が、今度は革の手枷に食い込むのです。
「こっちはどうかな」 
半分だけ覗く右の乳輪を引き出す様に・・・下から上へと軸を押し付ける様に筆を動かすのです。
「っっっ・・・ん」 
強い刺激に反射的に引いた背は、檜の樹皮のざらっとした感触に小さな痛みを加えられます。
「祥子は首筋も敏感だったね」 
右手に筆を持ち替えて、左手でわたくしの長い髪を手に絡める様にしてまとめると、耳の裏からつつっっと筆をはしらせます。
「・・・ん」 
筆がこんな淫媚な感触だなんて・・・声を抑える為にわたくしは唇をきつく噛み締めたのです。
「がんばるじゃないか」 
筆先は耳たぶから巻貝のような耳の内側をなぞるのです。
「・・っく・・・」 
筆先から少しでも逃れようと、わたくしは水鳥のように首をそらせることしかできませんでした。

ムーンナイト・アフェア 6

「あと2回だね、祥子。僕にもっといい声を聞かせるんだ」 
もう一口、冷たい飲み物を飲むと男性は立ち上がり部屋の隅に置いてあったバッグをもってきたのです。
「ぁぁぁ・・とめ・て・・やぁぁ・・こんなまま・・また・・あぁぁぁ」 
玩具はわたくしが達した後も動きを止めることはいたしません。 
絶頂に喘ぎ息を切らす身体にさえ、変わらぬ淫らな責めを繰り返します。
「ツインローターすら知らなかったのなら、こんなものを見るのははじめてだね。祥子」 
男性はバッグの中から・・薄暗がりの中・・・いくつもの道具を取り出すのです。
それは、形だけでも十分淫らなものでした。
それにわたくしには何に使うのかさえわからないものまで・・・ありました。
ボールペンほどの太さのものから、直径5センチはあろうかというものまで・・・男性の塊の形をしたものが6本。
真珠の珠がつらなったものが大小の二つ。
楽器のマラカスのような先端だけがまるくなったもの。
鈴のついたクリップが二つ・楕円形の筒のついたクリップが二つ。
肩こり用のマッサージ器。
書道用のもののような筆が大小3本。
そして・・・先端が何本にも分かれた鞭・・・。

「いやぁぁ・・・」 
くちょ・・ちゅぷっ・・ 触覚と視覚と聴覚の全てが、わたくしを絶え間なく責め続けるのです。
「ぁあぁぁぁ・・・ぁだめぇぇぇ・・・」 
一度達したことで・・絶え間なく幾度もいきたがるはしたない身体は、身悶えするたびに食い込む縄にさえ・・・愉悦を煽られてしまうのです。
「あぁ・・ごしゅじんさまぁぁぁ・・いきますぅぅぅ・・」 
並べられた正体のわからない道具に対する恐怖感すら、不思議な刺激になっていったのです。
「まだだ、祥子」 
座卓の上から一つのモノを手に、男性がわたくしの側に近づきます。
「おねが・・い・・・で・・あひっっっ・・」 
ちり・ん・・・ 絶頂を哀願するわたくしの、縄で引き絞られた白い乳房の中心で堅く立ち上がる左の乳首に・・鈴付きのクリップがつけられたのです。
「ひぃい・・たぃですぅぅ・・・ゆるして・・ぇぇ」 
男性の繊細な舌の動きにすら反応する乳首への責めは、ひりつくような痛みを与え続けます。
「祥子、意識をローターに向けなさい。痛みを快感に溶かすんだ。祥子なら出来るね」 
男性の声は・・・催眠術のようにわたくしの意識の指向性を変えてゆくのです。
「ひっ・・・はぁん・・あぁぁ・・やぁ・・こんなの・・あぁ」 
ちりん・・ちり・ん・・・ 次いで右にも。
あぁ・・・ 左右の張り出したGカップの乳房の先端の2つの鈴が、わたくしの淫らな身悶えに合わせて可憐な音を響かせるのです。
「そうだ、ほらいきたいのだろう。こんなにぐっしょりとTバックを濡らして。はしたないね、祥子は。はじめての玩具でこんなにするなんて」 
片一方の鈴を指先ではじきながら・・・言葉責めを繰り返すのです。
鈴が人為的に揺らされる動きすら・・・乳首に妖しい痛みを加えるのです。
「だめ・・ぁぁ・・いきます・・・いっちゃうぅぅぅぅ」 
鈴の音が響く毎に、わたくしの身体の中の痛みは快感に塗り込められ、上書きをされてしまいます。
「もう痛みで感じてるね、祥子。淫乱!!いきなさい。いけ!」 
Tバックのレースをきつく引き上げるのです。
「あぁぁぁ・・いっ・・・くぅぅぅぅ・・・」 
ぎしっ・・ちりり・ん・・・ 大きく胸を喘がせて縛めに抗して跳ね上がる身体が、鈴をひときわ高く響かせました。

「ふふ、もう一度だよ。祥子」 
男性の視線をさけるように背けていた顔を、顎を掴まれて上向けられてしまいました。 
「今夜は、いままで男の手だけしかしらなかった祥子に新しい喜びをあげるよ」
痛みと快感で涙の滴を溜めたわたくしの瞳を覗き込み、満足そうに語りかけます。
「これだけ逝き狂っているのに、瞳は高貴なままとはたいしたものだ。あの時も言ったがほんとうに囚われの女王だね」 
あぁん・・とって・・いたぃのぉ・・・はぁあん
「だめだよ。窓枠まで愛液で濡らしながら何を言ってるんだい、祥子。痛みにさえ感じるMのくせに」 
いやぁ・・・そんなこと・・いわないで・・・はぁぁん・・だめぇ・・
「ほんとうに玩具ははじめてなのか? オナニーでも使わないのかい?」 
はじめ・・てですぅ・・はぁぁ・・ん オナニーなんて・・あん・・つかいませ・・ん・・
「この淫乱な身体じゃ男が放っておかないか?祥子を抱きたいという男に不自由したことなどないのだろうな。どうだ祥子、答えなさい」 
あぁぁ・・そんなこと・・なぁ・い・・ですぅぅ
「吸い付く白い肌には、さぞかし男達の精液が塗り込められているんだろうな。清楚な風情なのに微笑むだけで劣情を誘う女。その肌を思うがままにしたくなる」 
いやぁぁぁ・・ゆるしてぇぇ・・はぁあぁぁん
「それとも男の唇か?今夜はキスマークはついてないな祥子。どうした、男に抱かれていないとはいわせないぞ。こんな熟した身体を甘い薫りで満たしていて」 
あぁぁん・・・だめぇぇ・・・
「ここか。ふふ、もっと押し付けたくて腰が勝手に動いているぞ、祥子。なんていやらしいんだ」 
ゆるしてぇぇぇ・・・いわない・・で・・あはぁん・・・
「ほら、こうか。せっかくのプレゼントがぐしょぐしょだよ、祥子の蜜でレースが光って見えるぞ。こんなパンティで帰るつもりか? この前の時みたいにノーパンで帰るか? ははは」 
やぁぁぁ・・・・男性は知らないはずの・・あの蝉時雨の夜の帰りの地下鉄での恥辱に満ちた陵辱を・・・思い起こさせるのです。
「こんなに食い込ませて。ふふ、また溢れさせたね。白く濁った愛液だよ、祥子」
くぃ・・くぃっとリズムを変えてTバックをあやつります。
「ゆるして・・・いきます・・ごしゅじ・・んさまぁ・・いかせ・・て・・」 
わたくしの声に男性は、縄に挟み込んだコントロールボックスのスイッチを一気に最強に引き上げたのです。
「はぁぁあああああ・・ん・んんぁぁあ」 
急に強まった振動は花びらの奥から・・真珠の芯から・・・わたくしの身体をいままでにない高みへ押し上げてゆきます。
「祥子!いけ!」 
バシッ!!・・・・バラ鞭を一閃。
引き絞られ鈴付きのクリップを付けられた、白いGカップの乳房に打ち下ろしたのです。
「ひいっ・・くっ・・・ああぁああ・・・」 
右のクリップを鞭で飛ばされ、紅い鞭後を白い肌に残しながら・・・わたくしはとてつもない絶頂を極めてしまったのです。

快楽系・・・という言葉が何を意味するのか、言葉ではなく身体で思い知らされたのです。
本来ならただの苦痛しか生みはしない敏感な場所をきつく挟むクリップも、先端が何本かに分かれた黒い革の鞭の一振りも、わたくしを信じられない淫らな昂りに誘っただけでした。
快感でぐったりと喘ぐわたくしは、漸く最初の縛めから解放されたのです。

どれほどの時間くくられていたのでしょうか。
強制的に意識が飛びそうなほどの淫悦を送り込まれて、わたくしの時間感覚はすでに麻痺をしておりました。
カナリアイエローのブラウスは強引に引き出される悦楽の汗に濡れ、黒のタイトスカートはたくし上げたままの横皺をつけておりました。
くくったときの逆の手順で解かれた縄は、窓枠に腰掛けた姿にされたわたくしの足元に何尾もの真紅の蛇のように横たわっておりました。
ブラウスの上から掛けられた縄は解いた後も、手首や二の腕や白い乳房の上下に縛めたままのように・・・同じ場所に赤い縄痕を残していたのです。
 
「痺れてはいませんか、祥子さん」 
男性は全ての縄を外すとわたくしの手首を優しくマッサージしてくれました。
「こんなに綺麗な紅い印が残る。あの夜胸につけられていたキスマークを付けた男性の気持が良くわかりますよ。あなたにはこんな痕を残したくなるんです」 
責めの時は容赦ない男性の口調が、日頃と同じ1人の男性に戻る一瞬は優しく紳士的に変わるのです。

わたくしは男性の前に、彼に贈られたランジェリーだけを身に付けた姿で立たされました。
はしたなく乱されていた黒のハーフカップのブラとTバックは、男性の手であらためて本来あるべき姿に整えられました。
そろいの繊細な黒レースのガーターベルトとバックシームの黒のストッキングは、一筋の伝線もせずいまだにわたくしの脚を覆っていました。
白い肌に黒のランジェリーと背中までの黒髪のロングヘア・・・そして上半身を横切る紅い縄痕だけがわたくしの身を飾る全てでした。
「祥子さんのランジェリーに彩られた真っ白い肌を見ると、あなたの情熱的な恋人の気持が手に取る様にわかりますよ」 
男性の指がゆっくりとひりつく縄痕をなぞるのです。
男性のマッサージで少し暖かさを取り戻したわたくしの右手を離すと、座卓からまた何かを取り上げたのです。
「・・・あっ・・」 
黒革の手枷を男性は掴んだままの左手首に・・・次いで右手に巻きつけました。
「あの夜、僕がほんとうにしたかった姿を見せてもらいましょうか。祥子さん」
男性は手を引いて窓から見えた中庭へわたくしを引き立てたのです。

ムーンナイト・アフェア 5

「祥子、その窓のところに座りなさい」 
美しい庭の景色に見とれていたわたくしに男性が命じます。
両手を縛められることが、これほど身体のバランスを崩すとは思ってもおりませんでした。 
縛られた姿のままゆっくりと窓辺に向かいました。 

腰を下ろしたわたくしの前に、男性はまた1本の赤い縄を持ってまいりました。
「あうっ・・」 
すでに捌かれ1/2に折られた縄の輪をわたくしの首に掛け、一方を乳房を上下に縛めた縄に通すと・・・ぎゅっとひと結びいたしました。
引き絞られた赤い縄は、まぁるい膨らみのあるわたくしの白い乳房をいびつに歪め、一層張り出させるのです。
「・・ぁくっ・・・」 
右に振った縄の端は張り出した乳房の上を通り脇の下を通され、手すりの縦桟に回されたのです。
そのまま体前・後の胸上の縄を引き絞るようにひと結びされ、また手すりの縦桟へ。
そして胸下の縄も同様にして縄端を止めるのです。
「・・んくっ・・・」 
左の縄も同じようにされました。わたくしの上半身は飾り窓の手すりにとめつけられ、身体を横切る縄はいっそうきつく・・・白い肌に食い込んだのです。
「祥子、脚を窓枠まで引き上げるんだ。早く」 
男性の声に黒のシームストッキングの脚を揃えて・・・膝を抱えるように窓枠の所まで引き上げたのです。
座卓を振り返った男性はもう1本の赤い縄を手に取り・・・捌きながらわたくしの姿を眺めやっておりました。
膝上の黒のタイトスカートに包まれた太ももを絞り上げられた白い乳房に引き寄せ、ガーターで吊られた黒のシームストッキングのふくらはぎを足先を揃えて前に垂らしているのです。

長谷川さんは行為の間、決して寡黙ではありませんでした。
常に言葉までもを武器にわたくしを責めたてたのです。
ですが・・・縄を手にした時は違いました。 
真剣な眼差しで芸術的に縄を操る時は、最低限の命令以外・・・なにもおっしゃいませんでした。
ただ、次第にきつく縄をかけられてゆくわたくしの表情を、まるで観察でもするようにじっと冷静な瞳で見据えるのです。
あの夜のように・・・露骨な興奮の表情は微塵も見せては下さいません。
唯一つ同じだったのは・・・ブラックジーンスの中で男性の身体がすでに昂りを示していたことでした。
「脚を開きなさい」 
やはり二つ折りにした縄を手にわたくしに向き直りました。
一瞬何を命じられたのか戸惑っていたわたくしに、男性はなにも言わずに近寄ると両手でわたくしの膝を左右に割ったのです。
「あっ・・・ゆるし・・て」 
脚を閉じようとするわたくしよりも一瞬早く男性の身体が割って入り・・・両の足首を左右の窓枠に置くのです。
「M字開脚というんだよ、祥子。静かにするんだ、お仕置きをされたいか」 
お仕置き・・・他の男性であれば羞恥を含んだ甘く淫らな行為を示す言葉。
でもこの方の言葉は苦痛を伴う行為を示しているのです。
「いえ・・・おゆるしください。ご主人様」 
タイトスカートは大きく開いた脚の付け根までずり上がり、ガーターベルトの留め具からTバックに覆われた太ももの狭間までを曝け出しておりました。
「おねが・・い・・」 
左の膝に手首にされたのと同じ様に縄が掛けられひと結びされると、手すりの縦桟に回されて・・・引かれるのです。
次に足首を一巻きして・・・また手すりへ。
残った縄端は脚と手すりの間を繋ぐ縄を引き絞って止めつけられました。
 
僅かな時間の間に・・・わたくしは間接照明の中、着衣のままで庭に向かって開け放たれた座敷の窓の手すりに、乳房を引き絞られ・M字開脚のままで緊縛されてしまいました。
「ふっ 間接照明の明かりが祥子の肌の陰影を一番きれいに見せるな。思った通りだ。一番淫らな女性自身を晒して窓に縛られてどんな気持だい、祥子」
「はずか・・しい・で・す ご主人様 ご覧にならないで・・・おねがい」 
身動きのとれない身体の中で、唯一自由になる顔を明かりから背けるだけしか羞恥を堪えるすべがありません。
「恥ずかしいか。どれ、祥子の身体に直接聞くかな」 
男性の手は繊細なレースがはしたなく食い込むわたくしの花びらに伸ばされました。
「ぁあ・んっ・・」 
くちゅ・・はしたなく大きな水音が室内に響きました。
顔を背けたわたくしの視線の先に差し出された男性の人差し指は、愛液でぬめるように光っておりました。
「縄を掛けられただけでこんなに濡らすなんて、祥子は真性のMだね。淫乱なMだ」 
「いやぁぁぁ・・・」 
細くすすり泣くような・・・抗いの言葉しか出せません。
 
「さきほど素直に脚を開かなかったからね、お仕置きをしよう」 
男性は座卓の向こうに置かれたバッグに歩み寄りました。
手にしてきたのは、2つのうずらのたまごほどのプラスティックボールがコードでつながれた・・・玩具でした。
「ゆるして・・・おねがい」
「ずっと運転してきて喉が乾いたからね、僕が一服する間これでいって見せなさい。そうだね3回。3回いったら許してあげるよ」 
「・・ぃっ・・・」 
冷たい塊を一つはわたくしの花びらの奥に、もう一つを車の中で嬲られ続けた真珠の上に置き・・・Tバックで抑えるように引き上げたのです。
「教えたとおり、ちゃんと僕に許しを乞うてからいくんだよ。勝手にいったら許さないからね」 
カチ・・二つのスイッチを男性は同時にオンしたのです。
「あぁあああ・・・だめぇ」 
わたくしの淫らな喘ぎ声を聞き流しながら、胸元の縄にスイッチボックスを挟み込むと 男性は座卓に座り冷蔵庫から出した冷たい飲み物を楽しみはじめたのです。
「いやぁ・・おねがい・・あはぁぁん」 
わたくしは生まれてはじめて・・・玩具の振動が与え続ける快感に翻弄されておりました。
「ゆる・・あぁぁ・・ん・し・・て・・」 
緊縛され出窓状になった手すりに身動きできないようにされた身体には、この堪え難い振動を避けるすべさえありません。
「おねが・い・・いぃぃぃ・あぁ・・とめて・・ぇ」 
座っている姿勢で、もっとも内圧が高いはずの場所にまで押し込まれたプラスチックの塊は、すでに十回以上登り詰めさせられながら放置されていた胎内に新しい疼きを与えるのです。
「ごしゅじん・・さまぁぁ・・・だめぇ・ぇ・・」 
胎内の塊は震えながら新たな蜜を汲み出すだけでなく・・・直接もう一つのプラスチックの塊を直接当てられた敏感な真珠を、内側から揺すり上げるような動きを加えるのです。
「こんな・・の・・いやあぁ・・ぁあはっぁあん」 
ちゅぷ・・ちゅぷ・・先ほどまで男性の指で逝かされ続けた真珠に黒のTバックのレースで直接押し付けられたプラスチックの塊は、わたくしからはしたない喘ぎ声と・・・愛液まみれになっていることを示す水音まで導き出すのです。
「あはぁぁぁん・・・ゆるし・・て・・いきまぁぁすぅ」 
無機質な塊の動きは容赦なくわたくしを頂きに押し上げるのです。
「ごしゅじ・・んさまぁぁ・・おねがい・ですぅ・・いかせて・・くださぁい」 
淫らな衝動を堪えようとするわたくしの理性さえ、動きを止めることなく同じ激しさで揺さぶり続けるのです。

「祥子は玩具ははじめてなのか、ん?答えなさい」 
飲み物を片手に男性は許しを与えることなく・・・静かな声で質問をします。
「はぁい・・はじめて・・ですぅ・・んんぁぁぁ」 
いままでこのようなもので快楽を得たことなどありませんでした。
「ふふ この熟した身体は男の手だけで創られてきたということですか。だからこれほど贅沢なのですね、祥子」 
「どうか・・お許しくださあぁぁん・・いくぅぅぅ・・・いってしまいますぅ」 
すすり泣くような喘ぎ声を、一オクターブ高く響かせてしまいます。
「はじめての玩具でいきなさい。いくんだ!祥子」
「あぁぁ・・・いきますぅぅぅ・・・はぁぁんあああっ・・」 
ぎしっ・・・縄のきしみが濡れる声にかぶさり、白い肌に赤い縄痕を深く印しながら・・・わたくしは生まれてはじめての玩具による絶頂を迎えてしまったのです。

ムーンナイト・アフェア 4

その建物は不思議なつくりをしておりました。
和室なのですが、建物の中に玉砂利敷きの中庭がありいくつかの部屋があるのです。
天井にはあの箱根の宿と同じような黒々とした梁が渡っておりました。
 
「そこに座って待っていてください」 
わたくしを先に部屋に上げ、すぐの和室をさして男性はそう言いました。
ベロアのコートを脱ぎ、ハンドバッグを右脇に置いて下座に座って戻ってこられるのを待ったのです。
しばらくすると、男性がボストンバッグを持って座敷に入ってまいりました。
「待たせたね」 
上着を脱ぐ男性の後にまわり、黒革のジャケットを受け取ります。
「お預かりいたします」 
衣桁に掛けてあるハンガーに彼の上着を掛けて、振り向いたのです。

「あっ・・・」 
男性の手の中には赤い縄がありました。
無言のままで3束の縄を座卓に置くと、驚きでそのまま立ち尽くしているわたくしの前に立たれたのです。
「祥子、ひと月も僕を待たせるなんていけない人だ。今夜は邪魔は入らない。思う存分あなたを堪能させてもらうよ」 
そして両手で黒のカーディガンをはいだのです。
さらっ・・・ カーディガンはわたくしの足元に落ちました。 
先ほどの車の中での行為で、わたくしの身体は彼に抗うことが出来なくなっていました。
きっとどんなに抗っても、最後は彼の思いのままにされてしまうのです。
それに・・・自らSだと名乗る男性の嗜虐性が恐ろしくもあったのです。
 
「確認させてもらうよ。祥子」 
男の視線を誘う様に第二釦まで開けられたカナリアイエローのブラウスに手を伸ばすと、第三釦・第四釦を順に外してゆきました。
「ふふ、綺麗だ。祥子の白い肌には濃色のランジェリーが映える」 
釦を外すだけでも、高さのある胸の膨らみに自然とブラウスの胸元が開いてしまうのです。
そこには繊細な黒のハーフカップブラに押し上げられ、乳輪が見えそうなほどに盛上がってるGカップの白い乳房が揺れておりました。
いつもはスリップを付けているので、これだけでは決して人目に触れさせることのないブラの下の白い腹部までが覗いていたのです。
「おねがい。暗くして・・ください」 
煌々と明かりのともる部屋での唐突な行為に、わたくしの声は震えておりました。
「だめだ。たしかに月明かりに映えそうな姿だがな。外で脱がされたいのか? 祥子」 
あの魅力的な声に厳しさが加わるのです。この方のS性にスイッチが入ってしまったようでした。
「外なんて・・だめです」
「それなら口答えはするな」
足元の座卓から縄を取り上げ・・・わたくしの瞳を見据えながら・・捌くのです。
「ゆるし・・て ひどく・・しな・い・で・・・」 
あの蝉時雨の夜、男性が床柱に縛られたわたくしを見ていた瞳を思い出してしまいました。
そして・・・箱根の宿で縄をかけられ、乱れてしまったわたくし自身のことも思い出していたのです。
失神してしまうほどに・・・淫らに達してしまったことを・・・
 
「手を後に組みなさい」 
二つ折りにした縄を手に男性がわたくしの後に回りました。
わたくしは無言で両手を後に回したのです。
男性の手で手首を重ねられそこに縄を掛けられました。
「あっふ・・・」 
どのくらいの長さがあるのでしょうか。わたくしの肌を縄が通るたびに摩擦熱が微かな痛みを伝えるのです。
数回まわされたあときつく結ばれ、その縄が引き上げられました。
そして左右からブラウスごしに胸の上下を縛めるのです。
最後に縄尻を手首に巻き止められてしまいました。
「あぁ・・・」
次から次へとわたくしを拘束してゆく縄の力に、わたくしは・・・切ない息を漏らすしかありませんでした。
「やはり祥子には縄が似合う。思った通りだ」
間近にわたくしを見てため息のように呟かれます。
「それにその表情。縄を掛けられるほどに切なく昂る、そんな表情を見せる女はそういない。やはり祥子はMだな」 
恥ずかしさに顔を伏せるわたくしの頬を、男性の手がなで上げる様に動きます。
「返事は!」 
手のひらを返しわたくしの顎を掴み顔を引き上げるのです。
「・・・はい ご主人様」 
幾度もの絶頂のあと何の説明もなしにはじめられた緊縛に、瞳は濡れ怯えるような色をたたえていたと思います。 
 
「祥子はMだな?」 
男性の手が、きつく縛められた縄の下のブラウスの胸元を左右に強引に押し広げます。
「・・・やぁ」 
カナリアイエローのブラウスは左右に大きく割られ、赤い縄は黒のハーフカップブラを付けた胸元を、直に上下に横切るように白い肌に密着します。
「もう一度聞くぞ。祥子はMだな?」 
黒のシャツを着た男性の腕が伸び、申し訳なげにGカップの乳房を支えている右のブラのカップをぐい・・と引き下げるのです。
「ぁあ・・だめ・・」 
わたくしの答えを聞いていないようにその手は左のカップまで引き下げ、縛められて一層大きく前に張り出した・・・たわわに柔らかくゆれる白い乳房を露にするのです。

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「お仕置きだ」 
柔らかく乳房を引き出していた指は、快感に堅くしこりたった左の乳首をきつく捻り上げたのです。
「あうっ・・いた・ぁ・・ぃ」 
立ったままわたくしの身体は反射的に、後に引かれる様にぴくんと反応してしまったのです。
「素直に返事をしないからだ、祥子」 
男性はしばし痛みに総毛立った左の白い乳房をなだめるように、手のひらで撫で回しました。 
「・・・ひっ・・・」 
ほっとしたのは一瞬のことでした。下がっていた左手が上がると左と同じように・・・右の乳首を責めたのです。
「言ってみろ、祥子ははしたないMですって。言え!」 
男性は強い指の力で、勃ちあがっていた乳首を押しつぶすように力を加えながらそう命じました。
「祥子・・は・・はしたな・い・・M・です・ぅ・・ご・主人・・さまぁ」 
わたくしは敏感な・・優しい愛撫でさえ感じ過ぎる乳首を痛めつけられる恐怖に打ちのめされておりました。
同時に、男性の強い意志の下に、いいなりに従わされる快感に打ち震えてもいたのです。
「そうだ、祥子。僕の質問には素直に答えるんだ。無意味に待たされるのは不愉快だ。その時はこうしてお仕置きをするからな」
 
立ったままで後ろ手に縛られ、着衣の上から乳房の上下に縄をかけられて、ブラウスとハーフカップの黒のレースのブラをはしたなく乱されたわたくしの肩を左手で引き寄せると、右手で仰向けた涙を溜めた瞼を一瞥して・・・唇を重ねたのです。
「あふん・・・んくっ・・ぁはぁん」 
2ヶ月ぶりなのに・・・最初からわたくしの淫らな疼きを誘うように・・はげしく舌を絡めやわらかな唇を貪るのです。 
くちゅ・・・ 男性は満足したのでしょう。
2人の唇の間に唾液の光る糸を引いて、一方的に口づけを止めました。
はしたないことにわたくしの舌は彼の唇を求めて・・・差し出されたままで・・髪を引かれ引きはがされたのです。
 
「祥子、僕は快楽系のSだ。決してあなたに苦痛を与えたいわけじゃない。素直に命令に従えば、今まで味わったことのないような快楽を与えてあげよう」
男性の右手はわたくしのしなやかな黒髪のロングヘアを楽しむように弄んでいたと思うと、指に巻き付け・・・くいっと後にひいたのです。
「わかったね、祥子」
「はい・・・ご主人様」 
感じ過ぎる身体に与えられる痛みへの恐怖と、理性さえ白く蕩けてしまうMの快感に、わたくしは教え込まれたその言葉を素直に口にしてしまいました。
 
男性は満足したように頷くと2・3歩あとずさり、わたくしの姿を見つめました。
そして入って来た襖を開けて玄関の明かりを付けると・・・わたくしたちのいた部屋の照明を最小まで落としたのです。
たん・・・ 
次に、室内なのにどうしてそんなものがあるのだろうと思っていた腰高の障子を、左右に引き開けました。
そこは出窓のように50センチほど張り出して手すりが設けられておりました。
障子の向こうには、室内なのに玉砂利敷きの先に太い丸太柱を中心に植樹されている中庭が見えます。
室内を暗くした分、中庭スペースを照らす間接照明が明るく窓越しに差し込んでおりました。

ムーンナイト・アフェア 3

「それでいいんだ。祥子」 
男性の口調がわずかに変わりました。
わたくしはまだ・・・車の中の指戯に身を震わせておりました。
なのに、男性の右手はまだ・・・濡れそぼった真珠の上を去りません。
「祥子、よかっただろう。でも言葉遣いがなってないね。いくときはきちんと僕に許しを乞うんだ。いかせてくださいと」 
「あうっ・・・」 
人差し指と中指で達したばかりの真珠をはさみこむのです。
「わかったな。祥子」
「・・・はい」 
強い刺激に跳ねた身体を横目で確かめて、また中指だけの柔らかなタッチにもどるのです。
「それと今夜だけでいい、僕のことはご主人様だ。言えるね」 
また少しづつ指が・・・さきほど達してあらたに溢れた蜜をまとい付けて・・・真珠の上を舞う速度を早めます。
「ぁあはぁん・・・は・ぁい・・あぁ」 
おさまりきらない快感を、男性の指はまた煽るのです。
「そうだ、素直になりなさい。今夜は祥子のM性を全て見せるんだ。僕の前では偽らなくてもいい、さぁいきなさい」 
「はぁ・・ぁぁ・・あ・・いっても・・あん・・いいです・・かぁ・・ご主人様ぁ」 
2本の指が蕩ける愛液をまとわせて、真珠の表面を撫でまわすのです。
「まだだ」 
言葉とはうらはらに愛撫は執拗さを増してゆきます。
「ん・・あぁ・・・はぁん・・いって・しま・い・・ますぅ・・」 
シートベルトに抑えられた身体から生み出される淫らな感覚に、耐えられずに悶えるように動いてしまいます。
車が減速するのが・・・自らのはしたなさに耐えられなくて・・・瞳を伏せた身体にも伝わります。
「おね・・が・い・・ですぅ・・・ご主人さまぁ」 
車が停まりました。
「いきなさい。祥子」 
真珠の下部の花びらの蜜を掻きあげる様にぬめりを広げ、おもうがままに激しく指を動かすのです。
「あぁっ・・・いくぅぅっ・・・」 
わたくしが達すると同時に助手席側のパワーウインドを下げたのです。隣のBMWの運転席の窓が開いているのを知っていて。
「右をごらん、祥子」 
理性まで白く霞むような絶頂に漂いながら瞼を上げたわたくしの視線の先には、BMWの運転席にいる40代の男性の好色な視線がありました。
 
「いやぁ・・ん・・・」 
反射的に顔を背け、運転席の男性を見つめます。彼の指はまだわたくしの真珠の上におりました。
「祥子のいやらしい声が聞こえたんだろう。フェロモンの薫りまで届いたかもしれないな」 
信号が変わったのにあわせて、車を発信させながらそう続けるのです。
「ゆるして・・くださ・い・・」 
立て続けの快感に胸を喘がせながら、やっとそれだけをつぶやきました。
「その表情だ。ランジェリーをこんなに濡らすほど何度も達して、なのにまだ聖女のように眉をひそめてみせる」 
また・・わたくしを・・・あんなに達した身体を・・嬲りはじめるのです。
「BMWの男がどんなに祥子を見つめても、指一本触れさせたりはさせないさ。愛欲に堕として淫らに何度でも哀願させてやる」 あぁ・・・また・・だめ・ぇ
「あなたは僕のS性をこんなに刺激する。はじめてあなたを見たときからそう思ってたんです」 やめ・・て・・ゆるし・・て・・あぁ・・また・・ごしゅじんさまぁ
「いきなさい。祥子、いくんだ」
「あぁぁ・・・・いきますぅぅ」


どのような道をどう辿ったのか・・・どのくらいの時間走っていたのかさえ、わたくしにはわからなくなっておりました。
ただ、男性の言う通り車の中で10回ほどは達せられたでしょうか。
いつ窓を全開にされるかと恐れ、声を抑えたままでも喉がからからになるほどに喘がされたようです。
「祥子、そろそろ着くから身支度をしなさい」 
男性の右手はその言葉と同時に、ようやくわたくしのはしたない場所から離れてゆきました。
「・・・はい」 
身を起こしランジェリーと、捲り上げられていたスカートを整えようといたしました。
ぺろっ・・・ 男性の舌音がするのです。
「祥子の愛液でこんなに僕の指がふやけてしまった。美味しいよ、祥子」 
右手の人差し指と中指を運転しながら男性自身の舌がねぶるのです。
「やめて・・・ください」 
あまりの恥ずかしさに思わず彼の右腕を抑えてしまいました。
「ふふ こんなに車内を祥子のフェロモンで満たしておいて何を言うんだい。僕をこんなにしておいて」 
彼の右腕を抑えたつもりの左手を、反対に押さえ込まれて男性の股間へ導かれてしまったのです。
そこはもう・・・熱く堅く・・昂っておりました。
「僕の指をこんなにしたお仕置きをしなくちゃいけない。祥子、わかっているね」 
大通りから民家の並ぶ一方通行の道を、左手だけの運転で器用にクリアしてゆきます。
「ゆる・・し・て」 
わたくしは力なく答えることしかできませんでした。
 
「さぁ ここだよ。いつもの部屋があるといいが」 
押さえ込んでいたわたくしの左手を自由にすると同時に、彼がそう口にしました。
そこは生け垣に囲まれた・・・宿のようでした。
ただ、離れの様な平屋の建物が5つほど並び、それぞれに駐車スペースがあったのです。
車を停めるなりこの宿の主なのでしょうか年配の男性が運転席の窓をノックします。
彼は車を出てゆき、2分ほどたって戻ってまいりました。

「さぁ 可愛がってあげるよ。祥子」

ムーンナイト・アフェア 2

日曜日、もう陽も落ちて夕闇が迫る頃。
わたくしは指定されたターミナル駅におりました。
 
あの日頂いたランジェリーブランドのギフトボックスに入っていたのは、繊細な黒のレースを重ねたセットでした。
わたくしの乳房の上半分がそのまま露になってしまうようなハーフカップのブラと、ハイレグのTバックと・・・ガーターベルトにシーム入りの黒のストッキングでした。
ストッキングだけはなぜか2組入っておりました。1組を身に付け、もう1組はバッグの中に忍ばせてまいりました。
カードに指定されていた通りジャズライブの日と同じカナリアイエローのブラウスに黒のタイトスカート、同色のスパンコールをちりばめた黒のカーディガンに黒ベロアのハーフコートを羽織っておりました。
靴だけはストッキングに合わせてハイヒールを選びました。
黒づくめの彼と並んだら・・・襟元のカナリアイエローのブラウスだけが、夜空を彩る月のように見えることでしょう。
 
時間になってもターミナル駅のどこに向かえば良いのか、黒ずくめの男性がいらしているのかさえわかりません。
17:01。いただいたカードにあった携帯ナンバーに電話をしてみました。
3回の呼び出し音の後・・・唐突にあの男性の声が聞こえました。
「長谷川です」
「祥子です、遅くなりました。駅におりますがどちらに伺えばよろしいですか?」
「東口にロータリーがあります。そこに停まっているシルバーのベンツです。少し古い形ですからすぐわかるでしょう」
「はい、伺います」
 
ロータリーを回った少し先に、一台だけシルバーのベンツが停まっていました。
E320クーペ。2ドアのベンツにしてはコンパクトな車でした。
コン・・コン・・ 近寄って運転席の窓を叩きます。
「乗ってください」 
すっ・・とパワーウインドウが開き Take Five と共に彼の声も流れてきました。
あの夜の竹林の後のベンチと同じ様に・・・。
わたくしは車道側にまわり、助手席のドアを開けました。
 
思ったよりも広い助手席の空間にすっぽりと納まり、シートベルトを締めたと同時に車はすべるように動き出しました。
「本当に来たんですね。あと10分待って電話がなければ帰ろうと思っていました」 
お久しぶりです・・という挨拶も抜きに男性は話しかけてきました。
「あんな高価なプレゼントをいただいてしまったので、お礼だけでもと思って伺いました」 
そう数時間お食事にお付き合いして、それで・・・失礼すればいい・・きっとそれだけのことなのだわ。そう言い聞かせて今日約束の時間に来たのです。
「気に入ってくれましたか? サイズはぴったりだと思うが」 
わたくしのブラのサイズを読み上げた男性の言葉に・・・わたくしは頬を染めてしまいました。
「ええ、ありがとうございます。とても良い着心地ですわ」 
「それは良かった。確かめさせてもらいますね」 
そういうと男性の右手は、太ももの中程までたくし上がっていたわたくしのスカートの中に入ってきたのです。
 
「やぁ・・・やめて・・ください」 
運転中なのです。都内から近郊へ向かう大通りの左車線を、制限速度をわずかに超えるスピードで走っているだけだとしても・・・です。
「危ないですからおとなしくしてください。僕の書いたカードを読んだのでしょう。先月僕を待ちぼうけさせた罰です」 
抗うわたくしの両の手首を右手一つで掴み上げてしまうのです。
「祥子さん、あなたは僕の嗜好をあの夜に知ったはずです」 
少し早めの速度で一般道を走らせながら、あの魅力的で冷静な声がわたくしの左から流れてきます。手首はとても強い力で握り込まれておりました。
「なのにこうして来た。聡明なあなたのことだ、今夜のことは想像できているはずです。なのに来たのはなぜなんです」 
部下を諭すような声で問いかけるのです。
「お待たせしたお詫びと・・・プレゼントのお礼を・・今日のデートで許していただけるからと・・・」 
わたくしの声は・・・羞恥で震えておりました。 
 
このランジェリーを身につけるとき、今夜のことを想像しなかったわけではなかったからです。
”縄をきつく掛けたくなる身体ですね” あの夜男性は床柱を背に手首をハンカチでくくられたわたくしにそう囁いたのです。
男性に逢えば・・・今度こそ逃れられない・・・そうわかっていながら約束の場所まで来たことすら見透かされていたからです。
「ふふ まだ言葉では抗うのですね、祥子さん。魅力的ですよ そんなところが僕のS心をそそるんです」 
赤信号でゆっくりと車を止めて、わたくしに向き直ると右手でうつむくわたくしの顔を引き上げるのです。
「祥子さん、あなたはMなんです。いやといいながら身体を反応させる絶品のMだ。今夜はそれを思い知らせてあげますよ」 
瞳を射すくめるように見つめたままでした。
「わかりましたね」 
視線に耐えられずそらそうとするわたくしの顎を強く引き寄せます。
「返事は!」 「・・・はい」 
わたくしは・・・そう答えてしまったのです。
信号は変わり、車はゆっくりと動き出しました。
 
「さぁ確かめさせてもらいますね、祥子さん」 
男性の右手が、あらためてわたくしのスカートの裾を引き上げてゆきました。
「だめ・・・」 
外はすっかり暗くなっているとはいえ、街灯や時折過ぎる対向車のライトがわたくしのストッキングの上のふとももを白く浮かび上がらせてゆきます。
「手は下ろしなさい、祥子さん。それともそのブラウスの胸元をはだけてブラを先に確認したほうがいいのかな」
「いや・・・」 
はしたなく肩先までをあらわにし、ブラウスとカーディガンを中途にはだけたままドライブをつづけなくてはならない・・・そんな姿が脳裏を一瞬よぎりました。
「そうです。いいこですね」 
ストッキングの留め具を伝いハイレグのTバックのビキニラインをたどった男性の指は、わざわざウエストの部分からランジェリーの中に入り込んできたのです。
「あん・・・止めてください」 
運転中にも関わらず男性の右手はためらいもなく進んできます。手を下ろせと言われながらも、わたくしはつい・・・両手で彼の手に抗おうとしてしまうのです。
「僕のプレゼント、お似合いですよ。ふふ あとでゆっくり全身を見せてもらいますね」 
それでも指は止まりませんでした。
「あぁっ・・だぁめ・・ぇ」 
男性の指はわたくしの茂みを越え、とうとう真珠を捉えてしまいました。
「ははは もうこんなに濡らしているじゃないですか、祥子さん」 
くちゅ・・・男性の指が愛液で満たされたわたくしの柔らかな狭間を動き回るのです。
「はぁうっ・・・や・ぁ・・」 
車に乗り最初にスカートに手を掛けられた時から、わたくしの身体ははしたなく反応していたのです。
「ほら、ここだろう祥子さんの感じやすいところは。もうこんなに大きくして、いけないね」 
左手でハンドルを操作しながら、右手の中指は繊細にわたくしの真珠を嬲るのです。
「あん・・・だめ・・・はぁん」 
最初からリクライニングされ背を後に倒す様になっていた助手席は、わたくしの腰を・・・前へ・・男性の指に晒しやすいポジションに置いていたのです。
「いきなさい。祥子さん」 
自由にならない空間で、敏感な・・・感じやすい真珠だけを執拗に愛撫しながら静かな声でいうのです。
「ここで10回はいかないと、ホテルへはいきませんよ」
 
ベンツは片側3車線にもなる大通りを走っていました。赤信号で停まります。
いつしか中央車線にいて・・・右側には大型トレーラーが・・・そして助手席の男性がこちらを見ているのです。

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「やぁぁぁ・・・」 
車の外の視線に気づき、わたくしはあわててスカートの裾を下ろそうとしたのです。
でも 男性の腕に阻まれて、どのようにしてもガーターストッキングに飾られた太ももを隠すことはできませんでした。
「だめですよ祥子さん、外の視線から逃れたいなら素直にいきなさい。もうこんなにして」 
くちゅ・・ちゅ・・わざとはしたない音を立てる様に男性の指が動くのです。
「あぁぁ・・・ん・ぁぁ・・ゆるして・・」 
信号が変わりゆっくりと車は動き出します。 
「こんなにして。ふふ シートが祥子さんの愛液でしみになりそうだ。まだ耐えるつもりですか」 
昂っているはずなのに、男性の声はますます冷たさを増してゆくのです。
「車の中があなたのフェロモンで噎せ返りそうですね。さぁ いきなさい、祥子」 
「あぁ・・ぁぁ・・い・くぅぅ」 
容赦ない男性の言葉責めと早まった指の動きに、わたくしはとうとう・・・登り詰めさせられてしまったのです。

ムーンナイト・アフェア 1

真夏のジャズライブから2ヶ月。
いつもの女友達に誘われて、久しぶりにあのホテルに向かう事にいたしました。
秋の夜に月が浮かぶ宵のことでした。
都心にひっそりと存在する庭には、いまは鈴虫の声がかすかに響いておりました。
あの佇まいはなにも変わらないままに、陽が落ちるとひんやりとする夜気がそこここに漂っておりました。
 
春先から毎月欠かさずにうかがっていたジャズライブを、先月はじめてお休みしてしまいました。
だって・・・あの蝉時雨の庭で起きた事。その後の電車でのこと。
あまりに刺激的で淫らで・・・思い出す事すら切なかったからです。
また同じことが起きる、とまでは思ってはいませんでした。
それに、あの黒づくめの男性が言葉通りにいらしているとも、思ってはいませんでした。
でも、どうしても伺う事ができなかったのです。
先月、誘いに来てくれた女友達に「仕事が終わらないの」とみえすいた言い訳をして、とうとう彼女一人で行ってもらってしまったのです。
 
彼女一人でライブを楽しんだ翌朝、女友達はにこにこしてわたくしのところに来たのです。
「いつもの主催者の沢田さんだけじゃなくて、いろんな人に祥子さんは来ないのかって質問攻めにあっちゃったわ。来月はぜひお連れくださいってこんなものまでもらっちゃったのよ」
彼女は<名月ライブ>と書かれたリーフレットを差し出したのです。
「来月は一緒にいってもらえるわよね。」 
無邪気に笑う彼女に、わたくしはNOとは言えなかったのです。

今宵はサックスとはじめてのピアニストとのデュオだそうです。
到着したのは開演の5分前でした。
その日はカナリアイエローのブラウスに黒のタイトスカート。
同色のスパンコールをちりばめた黒のカーディガンに、黒ベロアのハーフコートを羽織っておりました。
インナーは白にイエローの大振りなレースの花がアクセントになったブラとTバックショーツ、そしてスリップ。
ストッキングは少し肌寒かったのでパンティストッキングを選びました。
 
あまりにセクシーなランジェリーがわたくしの雰囲気を変えてあんな目に遭ってしまうのだわ。
そう思ったからです。
 
「加納様、よくいらしてくださいました。先月はいらっしゃらなくて寂しかったですよ」 
ラウンジに入るなり主催者の方が・・・沢田さんとおっしゃるそうです・・・お声がけくださいました。
「ごめんなさい、少し仕事が立て込んでいたものですから」 
あんなことがあったなんて・・・きっとご存知ないんだわ。
沢田さんのほんとうに心配そうな声に、少し申し訳なさを感じてしまいました。
「いえいえ、加納様には来ていただかないとプレイヤーも張り合いがないみたいで。今日はいい演奏が聞けるでしょう」 
「お世辞がお上手ね」 
わたくしは苦笑いをするしかありませんでした。
「わたしじゃ役不足なのね」 
女友達がまぜっかえします。
「いえいえ、いやぁまいったなぁ。前回もよかったですよ。ははは」
さぁ、こちらにどうぞ・・・といつものお席に案内されました。
いつになく新しいお客様の多いジャズライブでした。
わたくしの隣の席には、女性二人連れのお客様が通されました。
主催者の方はいつものようにお話にいらっしゃりたい様子で視線を投げてきます。
が、新しいお客様の対応に追われているようでした。
 
7時10分 September in the Rainからスタートです。
「お飲物はいかがいたしましょうか」 
サービス・チーフが珍しく席にオーダーを聞きにまいりました。
「いつものを・・・」
「ありがとうございます。お久しぶりです、今月はいらしてくださってうれしいです」 演奏を意識して押えた声で挨拶をしてくれました。
おねがい、よろしく・・・ の代わりに眼顔で頷きました。
ラウンジ担当の何人かのスタッフの方達も、会釈で挨拶をしてくださるのです。 
女友達はグラスビールを手に、もう音楽の森をさまよっているようでした。
 
ラウンジの中を改めてゆっくり見回しました。
あの黒衣の男性は・・・そしてお友達もいらしていないようです。
そして 今夜は支配人の姿も見られませんでした。
少しだけわたくしはほっとしていたのです。
が、それも・・・2曲目の あなたはまだ恋を知らない が始まるまででした。
「お待たせいたしました。白ワインでございます」 
小柄な男性特有の少し高い、でもざらついた支配人の声がいたしました。
「あっ・・・ありがとうございます」 
間違いなく、今日はいないのだと思っていた支配人でした。
「先月はお越しいただけなくて残念でした。今日はゆっくりなさってください」 
わたくしの前のテーブルに、グラスに注がれたアウスレーゼとチーズの盛り合わせのオードブルを並べました。
「ありがとう」 
わたくしの痴態を覗き見・・・自らを慰め・・・射精した男性。でも、そのそぶりさえ見せない老獪な男性。
ようやくつくりものの微笑を口元に浮かべることができました。
わたくしを見つめていた支配人はそれで満足したのでしょう。一礼をするとトレイを手に立ち上がります。
数歩・・・サービスカウンターに去ったと思ったのに、耳元で支配人の声がしたのです。
「祥子様、長谷川様からお預かりしているものがございます。1stセッションが終わりましたらフロントにお越しください」
それだけを声を顰めて言うと、なにごともなかった様に立ち去ってゆきました。
 
1stセッションのラストの曲 枯葉 が終わるまで様々な想像が脳裏を駆け巡りました。
あの黒づくめの男性の名前が<長谷川様>だとはじめて知りました。
そして何の根拠もないのに、あの方が1人の社会人として決して非常識なことをなさる方ではないとも思えたのです。
ただ不安だったのは、あのとき持ち去られたわたくしのランジェリーは今もそのまま彼の手にあるはず・・・であることと、支配人だけはその事実を知っていたからなのです。
 
セッションの間の休憩の時間がまいりました。
いつもはお友達と軽いお食事をいただき、仕事の場ではできない他愛ない会話を楽しむのです。
先に預けられたものを取りにゆくことも考えましたが・・・彼女にいろいろと詮索されると思うと気が引けました。女性同士だからこそ知られたくないこともあるのです。
彼女のオーダーしてくれたお料理がセッション終了と同時にテーブルに並べられました。それならと、まずお食事にしたのです。
「祥子さんは人気者ね」 
と無邪気に彼女にからかわれながら・・・

「化粧室にいってきます」 
そして2ndセッションが始まるころ、彼女にそう笑いかけて・・・フロントに向かいました。
 
「加納と申します。支配人さんからこちらに言付かっているものがあるとうかがって。ございますか?」 
やさしく微笑みかけるフロントマンにお声がけします。
「はい、少々お待ちください」 
バックヤードに彼が下がるます。
「お待たせしました。こちらが長谷川様からのお預かりものです」 
まもなく代わりに紙袋を手にした支配人が出てきました。
その袋は都内の百貨店のものでした。
「わたくしに? こんなものいただけません。」 
「先月お持ちになってらしたのですが、加納様がお見えにならないので私どもで言付かりました。加納様がそう仰るだろうとカードをお書きになってらっしゃいました。よろしければどうぞごらんになってください」
胸元に押し付けられた袋を受けとり・・・不安を振り切りたくて、そのままフロントの側のベンチで中を確認したのです。
 
中には有名ランジェリーショップのパッケージと、一通の封筒が入っていました。
「祥子さん お逢い出来なくて残念です。
 これはプレゼントをするとお約束していたランジェリーです。
 手渡せなかった罰に僕とのデートに付き合ってください。
 あさっての日曜日 17:00 ○○○駅で待っています。
 僕の携帯番号は090-XXXX-XXXXです。
 今夜の装いにこのランジェリーでいらしてください。
 今度はお約束を守って下さると信じていますよ。
                          長谷川」
 
その夜、その後に演奏されたナンバーは・・・最後の FLY ME TO THE MOON 以外・・・わたくしの記憶には残りませんでした。

閑話休題(インター・ミッション) 1

こんばんわ 祥子です。
ただいまFC2にお引っ越し中の<淑やかな彩>をご覧下さってありがとうございます。
現在新作を掲載中のmsn版では丁度10作目の「初雪」を執筆中です。
当初はわたくしと出会った男性達とのワンナイト・アフェアをイメージして、このストーリーをはじめました。ところがいまでは、登場人物の方達が一夜限りではない関係をお求めになり始めているようです。
一作ごとでも充分にお楽しみいただけるのですが全10作。時系列での繋がりと登場人物について、ご理解いただいた上でお読みいただくのも一興かと存じます。
簡単ではありますがここにご紹介をしたいと思います。

第1作 オペラピンクのランジェリー
ふと思いついて書き綴り始めたこの物語の第一作目です。
3人の紳士(美貴さん・山崎さん・石塚さん)とそのなかのお一人の専属運転手(望月さん)が登場いたしました。
当初はわたくし以外の登場人物の名前を明らかしないままでお話を進めるつもりだったのです。
ですので一作目ではどの男性の名前も出てまいりません。
が、作が進むにつれて次第に名前も明らかになってゆきました。
ちなみに、出会いの場になった地下のバーにはモデルがございます♪「第6作 唐紅」、「第10作 初雪」はこの方達との物語になっております。

第2作 蝉時雨の庭
ジャズが好きなわたくしが月に一度聴きに行ったジャズ・ライブでの出会いを綴った短編です。
1作の短編のつもりだったのですが、いくつかの作品の母体となりました。
登場人物はライブの会場であるホテルの支配人(日比野さん)とそのホテルの顧客(長谷川さん)との物語です。
「第5作 うたかたの夢」はジャズライブの帰りの地下鉄での出来事です。
ここで出会った2人の男性のお名前は解りません。
2度とお逢いすることはないでしょう。
「第8作 ムーンナイトアフェア」は第2作から2月後の出来事です。
長谷川さんとの再会の一夜です。

実は、この物語には「外伝」があります。
支配人・日比野さんの視点から蝉時雨の庭の一夜を綴ったものです。
別のブログに書かせていただいてます。ご興味のある方はそちらもご覧になってみて下さい。
<S>FunClub 支配人の章 

第3作 過ぎし日の残り香
わたくしの元の上司(風間さん)の人知れぬ欲望を知らされた日の物語です。
僅か2章の・・・本当に挿話のようはお話です。
そして次作への序章として書かれたかのようなお話になっています。

こちらも<外伝>があります。最近執筆してないのでまだ未完ですが・・・
<S>FunClub 百貨店部長の章 です。

第4作 シースルー・ナイト
時系列的には第3作と同じ夜のお話です。
年若いセフレ(トモくん)とその2人の先輩との一夜を綴った物語です。
二人きりの甘い夜をと思ったわたくしの願いは彼の気まぐれで淫媚で羞恥にまみれた複数での淫らな夜に変わってしまったのです。
若い男性たちとの眠らない夜をお楽しみください。

第7作 21:00
フォトグラファー(高梨さん)との美術館での思わぬ出会いを綴った物語です。
都内にお住まいの方でしたら、この美術館のモデルとなった場所にはお心当たりがあるのではないでしょうか?
「第9作 第九 合唱付き」でわたくしは高梨さんと、コンサートホールでの思わぬ再会を果たします。

以上、現在msn<淑やかな彩> でアップしている新作までの簡単な説明になっております。
はじめてご覧になる方にもお役に立つかと思い、しばらくこちらの記事をトップに掲載させていただくことにいたしました。
新作まで全てをごらんになりたい方は順次お待ちいただくか、お手数ですがmsn版にお越しください。


追記:
誠に申し訳ございません。<msn淑やかな彩>は2006年8月末日をもって閉鎖いたします。
移転先は<shinobi淑やかな彩>となります。<msn淑やかな彩>でいただいたコメントを含め全てのコンテンツを移転する予定になっております。
誠にお手数ですが、<msn淑やかな彩>にリンクいただいておりましたお客様は、リンク先の変更をいただきますよう、宜しくお願い申し上げます。

21:00 8

「そうだね、それじゃ質問してあげよう。困った女性だね、私に手間を掛けさせて」 
ふふ・・と声には困ったそぶりも見せず、愉快そうに含み笑いをもらします。
そしてさっそく淫らな質問をはじめました。
「乳首を堅くとがらせたそのバストのサイズは?」 
男性の双眸は、三角形のサテンの生地がたわわにまぁるい洋梨のような曲線を描く乳房を見つめていました。
「105のGカップです」 
胸元が熱く火照るようです。
「ほぉっ・・・熟すると量感がまた違うね」 
次の質問です。 
「随分前から乳首を堅くしているね、祥子は。そんな大きい胸なのに感じやすいのかな?」 
「・・・はい。とても敏感で・・感じやすいのです」 
自分の口から・・・そんなことを言わなくてはならないなんて。
「そんなおおきなバストだ。祥子の乳輪も大きいのだろうね」
「そんな・・こと・・ないです。普通だと・・思います」 
サテンの布地を透視するかのような男性の視線に、乳首が一段と勃ち上がってしまうのです。
「いゃぁ・・・」 
はしたない質問に耐え切れなくて、わたくしは首を横に振ってしまいました。
「いい眺めだ。きみが少し動くだけでほらこんなに揺れるよ、祥子」 
たゆん・・たふ・・んと揺れる乳房に、男性の視線が刺さります。
「モデルをするようなコ達のバストは風情がなくてね。きみのは魅力的だよ」 
カメラマンとして・・・どれだけの女性を見て来た方なのでしょうか。
「乳首の色を教えてくれないか?」 
「鴇色だと・・言われたことがございます」 
以前、あの運転手さんがわたくしの身体を清めながら、そうつぶやいたことがございました。
「色白だからきれいだろうとは思いましたが、ふふ・・想像以上ですね」
左手でワイングラスを取り上げ・・・喉の乾きを癒す様にムートンロートシルトを一口含みます。

淫らな質問は続きます。
「そのランジェリーを引きはがしたくなりますよ。ところで、いつも祥子はガーターストッキングなのか?」 
乳房の丸みから白い脇腹のラインを通って、ウエストを横切るサテンのガーターベルトへ・・・ そして留め具をつたってふともものストッキングへと視線が流れます。
「いえ・・・いつもではないのです」 
愛液で濡れた太ももの内側が熱くなってゆきます。
「ほうっ。男を探している時だけかい」 
嘲る様にからかうように・・・あの声で言うのです。
「お洋服のシルエットによって・・・です」 
この方にはそんな風に思ってほしくない。誤解を解きたくて・・・あわてて答えてしまいました。
「今日以上にシルエットを露にする服で、男を誘うんだな」 
すっと身を起こした男性は、右脚のガーターストッキングの吊り紐を、ぱちん・・とはじくのです。
「あふっ・・・ちがいます」
「こんなにフェロモンの薫りをまき散らしておいて、違うといわれてもね」 
ふふ・・ストッキングで光る脚よりも、太ももの素肌に男性の視線を感じるのです。
 
「いつもこんなに濡らすのか?祥子は」 
とうとう男性の質問が・・・もっともはしたない場所へたどり着いてしまったのです。
「いえ・・・いつもじゃ・・ない・で・す」 
ようやくそれだけ答えました。
「こんなに色が変わるほどに濡らして、はしたないな」 
太ももの合わせ目の濡れたサテンの部分を、男性の視線が奥へと這ってゆくのです。
「いやぁ・・・みないで」 
あぁ・・また溢れてしまう。
「いつから濡らしてたんだい、祥子」 
わかってらっしゃるのに・・・
「・・・美術館の・・エレベーターの中から・・で・す」 
あまりのはしたなさに、本当のことを口になどできなかったのです。 
「嘘を言うんじゃない、祥子」 
やはり・・・知られていたのね。おねがい・・・ゆるして。
「もう一度聞くぞ、祥子。いつから濡らしていたんだい」 
「あなたに・・・はじめて・・キスされた・ときから・・です。あぁぁ・・・」 
はじめて逢った男性に、美術館のような神聖な場所でキスをされただけで。身体を反応させてしまうなんて・・・。
「いいこだ、祥子。そうだろう、あの後一緒に写真を見ながら歩いていて、私はきみのフェロモンに目眩がしそうだったよ。あの場で犯したくなるのを必死で堪えていたんだからね」
男性の赤裸々な告白が、わたくしの疼きをなおも煽るのです。 
あのあとわたくしが男性に逆らえなかった訳を・・・聞かされた様に思えたのです。
サテンのパンティは次々と溢れる愛液に濡れそぼって、わたくしの姿をありありと浮き出させておりました。

「祥子の茂みは濃いのかな?」
「・・・いえ・・あぁ・・どうかお許しください。そんなこと、答えられません」 
答えれば次につづく・・・さらにわたくしを嬲るような質問が・・・待っているだけなのです。
頭の後に組んでいた手を解き、あまりの恥ずかしさに顔を覆うとしたのです。
つと男性は立ち上がり、わたくしの両手を後ろ手にひとまとめに掴んでしまいました。
 
「まだ質問は途中ですよ」 
もう一方の手で髪を引くと、仰向けた唇を乱暴に奪うのです。
「ん・・ぁあふん・・」 
ムートンロートシルトの薫りの唾液が、わたくしの口腔に注ぎ込まれます。
「んん・・・っくん」 
乱暴に舌先を踊らせると、はじめたのと同じ唐突さで唇を離しました。
「ここまでしても理性を失わないままなんて。はじめてですよ、祥子さん」 
男性に向かって突き出された、バストを覆うブラの片側の紐だけを引き下ろすのです。
「こんなに熟した淫らな身体であれだけの責めをすれば、もう抱いてくださいと欲望に蕩けた眼で私にねだってもいいころなんです」
「あうっ・・・あぁはぁぁ」 
露になった乳首をきつく吸い立てるのです。
「なのにあなたの理性は屈服しない。こんなに身体を疼かせているのに」
「やぁ・・ん・・ゆるし・・て・・」 
舐め上げて舌でねぶり・・・
「あなたにはもっと時間を掛けたくなった。また逢ってくれますね、祥子さん」 
男性はわたくしを捉えていた手を離すと腰を引き寄せ、敏感な左の乳首を甘噛みしながら・・・もう一方の手でパンティの中で大きく膨らんでいたぬめ光る真珠をなで上げたのです。
「あぁあああ・・・・い・くっ・・ぅぅぅ」 
焦らされ・羞恥を炙られつづけたわたくしの身体は、それだけの刺激であっけなく達してしまったのです。
「・・・はぁ・ぁ・ん」 
わたくしの両手は男性の頭を抱きしめておりました。
一瞬で達した緊張が解けたとたんに、両脚は力が抜けた様に崩れ落ちそうになってしまったのです。

「ははは。大丈夫ですか」 
男性はわたくしをソファーの上に座らせると、口元に新たに注いだムートンロートシルトを差し出すのです。
気付薬のようなその液体を、わたくしは一口で飲み干しました。
「ごめんなさい。急に・・・」 
はしたなく達した余韻にわたくしの声はまだ震えていました。
「いえ、いいんですよ。シャワーを浴びてらっしゃい。タオルは出しておいてあげますから」 
男性の声が優しく響きます。
「だって・・・」 
あなたはいってないのに・・・。わたくしは後半の言葉を飲み込んでしまいました。
「十分堪能させてもらいましたよ。今夜は」 
比喩でもなく男性の顔は満ち足りておりました。
「ほんとうに?」 
「ええ、それに祥子さんを本気で籠絡しようとしたら、今夜は時間が足りません。ははは」 
愉快そうに笑うのです。
「祥子さんに興味を持ちました。明日からパリなのです。帰って来たらゆっくりお逢いしたいものです」 
クローゼットからバスタオルを出し、わたくしをバスルームへと案内してくれました。
「30分後にタクシーを呼んでおきます。そんなランジェリーを身につけたまま電車で帰すわけにはいきませんからね。ゆっくり身支度をしてください」
バスルームのドアを閉めながら・・・男性はそう告げたのです。


祥子からの手紙-7

こんばんわ 祥子です。
 
長雨に落ち込みがちな気分を変えに立ち寄った美術館で、
思わぬ方と出会ってしまいました。
男性はあの後、1階の車寄せまでわたくしを見送り、
車に乗ったわたくしに1枚の名刺を差し出したのです。
そこには彼の名前と<フォトグラファー>の肩書き
そしてこのレジデンスの住所と携帯番号が書かれていました。
 
「パリから10日後には帰るから」
そう言った男性を残して・・・タクシーはわたくしの自宅に向かったのです。
不思議な方でした。
また・・・あの方にお逢いすることはあるのでしょうか。
 
わたくしからお電話することはきっとないでしょう。
ただ、またあの美術館で出会ってしまったら
わたくしは恋に落ちてしまうかもしれません。
 
まだ雨はつづいております。
秋晴れの日が恋しいと・・・思いました。
今夜のワインはシャトーラグランジュで 乾杯!!

21:00 7

「祥子。さぁそこに立ちなさい」
引き立てるように・・・男性はわたくしの羞恥に染まった両肩を掴み上げます。 
膝の間に、ソファーに寄りかかる様に座る男性がわずかに身を起こせば・・・わたくしにすぐに触れられる場所に立たせられたのです。
ゴールドサテンのランジェリーは、はしたない陰影を作り出していました。
Gカップのバストを覆う三角の布は、左右ともに中央に小指の先ほどの隆起の影を映し出し、茂みを覆うハイレグのパンティは・・・言葉と行為でこの身を煽られて、太ももの合わせ目の色を変えはじめておりました。
わたくしは両手をトレンチコートを脱がされた時にいわれたままに、体側にたらしておりました。
この姿のまま見つめられることさえも、肌を灼くような羞恥をわたくしに与え続けていたのですから。
なのに・・・

「両手を頭の後に組みなさい」 
男性は身体を全て露にし、たわわな乳房を自ら引き上げてみせるようなポーズを要求するのです。
「・・・はい」 
わずかに躊躇った後、男性の言う様に両手を引き上げました。
「いま君の身体が、どんなふうに疼いているのか聞かせてくれないか?祥子」
「えっ・・・」 
男性はわたくしの口戯で昂った塊に自ら手を這わせたままで、とんでもないことを言い出したのです。
「聞こえなかったのかい?」 
驚きに言葉を失っているわたくしに、男性はそういい募るのです。
「そんなこと・・・できません」 
わたくし自身の口から、はしたなく疼いている身体のことを、それも今日はじめてお逢いした男性に話さなくてはならないなんて。そんなこととても出来ることではありませんでした。
「お願いです。どうか、おゆるしください」 
わたくしが口にできたのは・・・ようやくそれだけでした。
「祥子、わたしの言うことが聞けないのかね。」

21002.jpg

男性の暖かくてすこししめった手のひらが、わたくしのむき出しになった白い脇腹をなで上げるのです。
「はぁうっ・・・・」 
それだけで・・・わたくしの身体はまた愛液を溢れさせてしまうのです。
「しかたない。それじゃ選ばせてあげよう。手を下ろしていいから、私の目の前でオナニーをしなさい」 
「いやぁっ・・・・」 
男性はあの甘い深い声のままで、はじめての男性の目の前で、わたくし自身を自分で慰めろというのです。
「女が決して他人に晒すことのない一番はずかしい姿だ。私はそれが見たいんだよ、祥子」 
子供に言い聞かせるかのような慈愛に満ちた口調のままに理不尽な要求を繰り返すのです。
「そんなこ・・と・・だ・め・・ゆるし・て・・おね・・が・い」 
わたくしの声はあまりのことに震えておりました。
どんな男性に黙って身をまかせるよりも・・・もっと淫らではしたない行為を要求されていたからです。
「私の目の前に横たわって、きみのその白い指で、下着を脱ぎながらオナニーするんだ。私の前でいったら許してあげるよ」 
男性が求めているのは形だけの行為でさえなかったのです。
トレンチコートすら男性の目の前で脱ぐことができなかったわたくし自身の手で・・・最後に身を覆っているランジェリーを取り去り・・・自らの指で達する姿まで・・・この男性の眼のまえで見せろというのです。
「ゆる・・し・・て・・・」 
要求のあまりの恥辱はわたくしから声さえ奪っておりました。

「どちらを選ぶ?祥子。本来なら私の最初の提案を自ら蹴ったのだからな、有無を言わせずにオナニーをさせるところだ。ただあまりに可愛そうだから選ばせてあげよう。祥子の身体の状態を・身体の全てを私の眼に晒したままで全て説明するか、私の目の前でストリップをしながらオナニーでいくか。どちらにするんだ、祥子」
いまの、はしたなく溢れさせた・・・疼き切ったからだの状態を口で説明するか?
男性の目の前で自らの手でランジェリーをとり去り・・・身体を慰めて達するか?
わたくしにはどちらを選ぶこともできませんでした。
男性と眼を合わせることも出来ず、指示された姿態のまま顔を背け・頬を染めて思い悩むしかなかったのです。
「迷い・戸惑う顔も魅力的だよ、祥子。ただ、そろそろ決めてくれないか?」 
逡巡するわたくしに、男性の声が決断を迫るのです。
「これは僕にコートを脱がさせたことへのお仕置きなんだよ。これに応えられないなら、もっと厳しいお仕置きをしないといけなくなる。わかるね、祥子」 
なんて羞恥に満ちたお仕置きなのでしょうか。
「さぁ祥子、私を待ちくたびれさせないでくれたまえ」 
男性の左手の手の甲が、太ももをストッキングから素肌へとなで上げてゆきます。
「はぁぅっ・・・」 
ふれるか触れないかの微妙な感触が、わたくしの疼き切った感覚を煽るのです。
くちゅ・・・ちゅ・・・ ざわめく快感を鎮めようと、太ももをこすり合わせる様にすれば・・・淫らな音と牝のフェロモンをサテンのランジェリーに滲み出させてしまうのです 。
 
わたくしはもう限界でした。
こんな状態のままで、男性の目の前に立ち続けることさえ難しくなっていたのです。
男性の視線と息づかいまでもが肌を舐めてゆくことを感じるのです
時折気まぐれのように乳房の下辺の丸みや、白い肌の腹部や、太ももの合わせ目の際に男性が這わせる指先にさえ、腰を落としてしまいそうなおののきを子宮に伝えてきたからです。

どれほどの時間が立ったのでしょう。
「言うことが聞けないみたいですね。両脚を開きなさい、肩幅くらいに」 
甘くて深いあの声に厳しさを加えて、男性はわたくしに命じました。
「・・・ぃやぁぁ」 
パンプスの間に男性の脚を入れられ、両手で強引に膝を割るのです。
「あぁぁ・・・・ゅるしてぇぇ・・」 
室内の空気に触れ、太ももの狭間がすっと冷たくなりました。
「こんなに濡らして。いけない人だ」 
ストッキングの上の濡れた肌を人差し指で触れて・・・ぬめる指先を鼻へ・・・
「いやぁ・・・」
「こんなに甘いフェロモンを薫らせる女性に逢うのも久しぶりだよ、祥子さん」 
くんくんと・・・まるで犬のようにわたくしのはしたない薫りを愛でるのです。
そして・・・その指先を口に含んでから、ワイングラスからムートンロートシルトを一口流し込みます。
「どれだけ濡らしたら、理性をなくすほど乱れてくれるんだい」 
わたくしの横顔を見上げながら、ため息のように切ない言葉を漏らすのです。そして淫猥な言葉も付け加えるのです。
「チーズよりも美味しいよ。きみの愛液は・・ね」
  
「おねが・・い・・ゆるし・・て、もう辱め・・ない・で」 
わたくしはようやく哀願の言葉を口にしたのです。
「決めましたか?」 
ソファーによりかかるように寛いだ姿勢で、性は冷静な一言を口にします。
「お話します。ですから もう・・」 
「わかりました。その姿勢のままで、さぁ話してください」 
わたくしが逡巡している間さえ、昂りをおさめることのない塊にまた男性は自らの右手を這わせはじめました。
「わたくしは・・・あぁどうお話すれば・・・」 
淫らに疼いている身体の状態を言葉にすることなど・・・譫言のように嘆息を口にする以外にはございません。
覚悟を決めて口にしはじめたのに・・・言葉にならなくなってしまったのです。

21:00 6

男性の右手は、飼い猫の背を撫でる様に、すべらかなわたくしの黒髪を何度も梳るのです。
「・・・ぃやぁ・・」 
足元に絡み付くわたくし自身の姿態を、男性の眼はそのように見ていたのです。
彼の視線から身を隠す様に、横に流していた膝を引き寄せ・・・より彼の足元へと寄り添いました。
髪の感触を堪能したのでしょうか。
男性の右手は、飲み干したグラスをわたしの手からとりあげたのです。

「いいこだね。こちらにおいで」 
膝を開いて・・・そのなかにわたしを跪かせました。
「ぁん・・・」 
玩具を取り上げられた猫のような声をあげてしまいました。
「ごちそうだよ、祥子さん」
男性はチノパンのファスナーを開け、ボクサーパンツから硬度を増しはじめている塊を引き出したのです。
彼を見上げるわたくしの両手を取って、さぁ…と目だけで促します。
わたくしの右手は男性の腰に回され、左手は男性の指を絡められたままでした。
「唇と舌だけで愛撫しなさい」 
甘さの増した声がそう告げます。
彼のひざの間に跪いたわたくしは、ゆっくりと顔を伏せてゆきました。
 
ぺちゅ・・・ぺちょ・・・ 
唾液をのせた舌先をやわらかく沿わせるようにして、塊の先端から上側を少しづつチノパンに向かって舐め上げます。
ちゅ・・・ちゅぱぉ・・ 
右の側面は唇で啄むようにしながら、舌先をくすぐるようにざわめかせて、ゆっくりとゆっくりと先端に向かって頭ごと引いてゆきます。
ちゃぷぅ・・・くちゅ・・ 
左の側面は下側から上側へ、上側から下側へ。ソフトクリームを舐めとるような舌の動きを根元までくりかえしました。
首をかしげるたびにわたくしの髪は右へ・・・左へ・・・、さらさらと背の上を流れてゆきます。
男性の塊はわたくしの頭の動きにつれて昂ってゆくのです。
やがて・・・わたくしの口元に突きつけるように立ち上がり・・・牡の薫りをくゆらせ、わたくしの中の淫らな欲望を誘惑するのです。
「ぁふん・・・」 
くぽっぅ・・・ 先端に濡れた花びらのように舌先で湿らせた唇をかぶせました。
くちゅ・・・ちゅぷ・・・ 
ワインの薫りの唾液が塊にまとわりつき、舌はまだ触れていない裏の合わせ目を丹念になぞりつづけました。
 
「美味しいかい、祥子」 
先ほどまでグラスを運んでいた左手で、わたくしの髪を撫でていた男性が聞くのです。
「ふぁ・・い・・」 
唇を猛々しいほどに昂った塊に沿わせたまま、くぐもった声で答えます。
「ちゃんと答えなさい」 
優しかった左手が髪の中に差し込まれ、くいっとわたくしの頭を後に引くのです。
「・・・っぁっ」 
ふいの荒々しい腕の動きにわたくしは唇の端からわずかに唾液を滴らせ、はしたない顔を晒してしまったのです。
髪を背中に向けて引き顔を仰向けさせ・・・わたくしの眼を見据えて言うのです。 
「もう一度聞くよ。美味しいかい、祥子」

「おいしい・・で・す ・・・ご主人様」 

なぜなのでしょう。今日はじめて逢ったばかりの男性に、わたくしはそう答えていたのです。
「いいこだ。祥子、つづけなさい」 
髪を掴んでいた手を離し、優しく撫でる様にしながらわたくしに唇と舌だけの口戯を続ける様に促すのです。
「上手だよ、祥子。いい気持ちだ」 
時折わたくしの髪を撫でながら、男性はわたくしの行為と羞恥を煽る言葉を口にします。
「どこで覚えてきたんだい、淫らな舌使いだね。ふふ 若い男なら我慢できずにいってしまうだろうね」 
その言葉を裏付ける様に、男性からも濃い樹液が滴りはじめていたのです。
「そこだよ、もっと舌をつかいなさい。ああ、祥子の口の中はいやらしいね」 
男性の飼い猫のように呼び捨てにされ・・・言葉で辱められただけで、わたくしの身体は疼きはじめておりました。
男性のチノパンに包まれた膝にこすりつけるように動く乳房は、ゴールドのサテンのブラの中で先端を堅くしこらせてしまっていました。
両の手を捉えられ上体を伏せる様にした姿は、男性の眼からは・・・反らせた背中から跪いた腰を大きく後に突き出すような・・・はしたない姿勢だったようです。
甘く羞恥心を嬲る男性の言葉に・・・わたくしは耐え切れずに・・腰を淫らに振りはじめてしまったのです。
 
「ふふ 我慢出来なくておねだりかい。祥子」 
一心に口唇での愛撫をつづけていたわたくしに、からかうような口調の甘い声が注がれます。
「そんなに腰を振って、きみのフェロモンでワインの薫りまで変わってしまいそうだよ」
「・・・い・やぁ」 
無心なままの淫らな動きを指摘され、わたくしの身体はこおりついてしまいました。
「ほら ムートンロートシルトがこんなに甘い」
・・んくっ  男性はワインを一口含み、舌の上を転がす様にして飲み込んでみせるのです。
また一口・・・そして・・・わたくしの顎をついと引き上げて唇を合わせると、最前まで男性を含んでいた唇にとろとろと口中の赤ワインを流し込むのです。
「どうだい、祥子のフェロモン入りのロートシルトだ」 
ただ恥ずかしさに視線だけをそらせるわたくしを、楽しげに見つめるのです。
・・こ・っくん・・・ゆっくりと室内の淫らな空気となじみ、男性の唾液を混ぜ込まれたワインは妖しく甘くわたくしの喉を落ちてゆきました。
「おいしい・・で・す」 
欲望にかすれた声でようやくそれだけを答えました。
「違うだろう、祥子」 
こちらを見ろと言わんばかりに顎に掛けた指に力がはいります。
「おいしい・・です。ご主人様」 
男性と視線をあわせたままでまた・・・その言葉<ご主人様>・・・を口にさせられてしまったのです。

21:00 5

「どうぞ、靴のままで」 
その部屋は、多分・・・男性のオフィスとして使われている部屋のようでした。 
あまり生活感のないシンプルな部屋です。カーテンの開けられた窓からは、先ほど彼に声をかけられた美術館のあるビルが見えました。
「祥子さん、そこで濡れたコートを脱いでください」 
リビングとして使われている部屋の入り口には、コートスタンドがありました。
たしかにわたくしのコートは雨に濡れておりました。
男性が座っている白のキャンバス張りのソファーを、このままでは台無しにしてしまいます。
コートの下はスリップさえ着けていない・・・ランジェリー姿なのです。
「でも・・・おねがいです。何か羽織るものをいただけませんか」 
男性のシャツでもいいのです。このまま・・・ここでそんな姿でいなくてはいけないなんて・・・わたくしは考えてもいませんでした。
「この部屋は寒くはないはずですよ。さぁ」 
わたくしが逆らえない・・・あの落ち着いた声が響きます。
 
「自分ではできないんですか? 私がその釦をはずしてあげなくてはいけませんか、祥子さん」 
ゴアテックスのレインジャケットを脱いだ男性は、ネル地のシャツ姿でした。
ソファーから立ち上がるとゆっくりとこちらに歩いてまいりました。
「いや・・・」 
ヒールをはいて170センチを超えるわたくしよりも、なお大きい男性を前にうつむいたまま首を横に振りました。
「わかりました。後でお仕置きを覚悟してください」 
わたくしの前に立ちはだかった男性は、胸元から一つづつ釦を外してゆくのです。 
最後のダブル打ち合わせの内釦を外すなり・・・わたくしの肩から剥き下ろす様にコートの襟をはだけたのです。
「ん・・くっ・・・」 
抱きしめるようにしてコートを背中でひとまとめにすると、男性はふいにわたくしの唇をふさぎました。
「んん・・ん・・やぁん」 
縛められた様に両腕を後手にされ、ゴールドに輝くサテンのブラに包まれたGカップのバストを男性に差し出すような姿で、唇を貪られるのです。
「・・ぁは・・っく・んん」 
素肌に触れる男性のシャツの感触は、まるでやさしく愛撫するかのような暖かささえ感じさせたのです。
男性の唇は野性的なのに繊細で、わたくしの理性をすこしずつ奪ってゆくのです。
「ん・・美味しい唇。赤ワインが似合いそうですね」 
腕の力をゆるめると両腕からトレンチコートを抜き、無造作にコートスタンドにかけました。
男性の甘くて深い声に、わたくしはもう逆らえなくなっておりました。
「わかっていますね。そうです、その身体を隠さないでください」 
わたくしは両手を自然に体側にたらした姿をとらされました。
「きれいです。さきほどのエレベーターの中の残像よりももっと」 
男性はわたくしの周りを満足そうな表情を浮かべながらぐるりと回りました。
カメラマンとして美しいモデルの身体をたくさん見ているはずの男性の眼に、わたくしの身体がどう映っているのか・・・とても不安でした。
「熟した女性ならではの柔らかなラインと、この白くて肌理のこまかい肌。素敵ですよ、祥子さん」
 
シンプルなゴールドサテンのランジェリーは、一見水着を着ているかのようでした。
ただ違うのはその素材が薄く・・・美術館からつづく辱めに、堅く立ち上がった乳房の先端をくっきりと浮き立てていることでした。
ハイレグのパンティは慎ましくわたくしの秘めるべき場所を覆っておりましたが、サテンの輝きがその起伏を明らかにしておりました。
水着ではない証拠に、ガーターベルトはウエストを横切り、シャンパンベージュのストッキングを左右2カ所づつで吊り下げています。
そして足元はベージュに黒のポイントづかいのハイヒールが、そのままにされているのです。
「ゆるして・・・娼婦みたいな姿、いやです・・おねがい」 
ひそめる必要はもうないのに、わたくしの声はひそやかにかすれておりました。
「いえ、白い肌が映えてきれいですよ。」
わたくしの脇を通り抜けて背後につづくキッチンに男性は向かったようです。
羞恥に震え・・振り向くことも出来ずその場で立ち尽くしておりました。

「美術館ではじめて見かけたときからこの姿を堪能したかったのです。さあワインを楽しみましょう」 
戻って来た男性の手には、ムートンロートシルトのボトルとデキャンタとワイングラスが2つ握られておりました。
・・くちゅ・・・ちゅ 男性の手でランジェリー姿にされ立ち尽くしていた場所から、白いソファーまでほんの4・5歩でした。
なのに・・・わたくしの身体は淫らな音を隠すこともできないほどになっていたのです。
「ワインの薫りまで霞んでしまいそうなフェロモンですね、祥子さん」 
ソファーに先に腰をおろした男性は、わたくしを前に立たせてそう言うのです。
「やぁ・・・」 
グラスを並べワインとデキャンタをサイドテーブルに置く男性に、否定の言葉も出せずに・・・恥じらいの喘ぎで答えてしまいました。

「どれ」 
男性の長い腕がわたくしの腰を引き寄せると、指をふとももの合わせ目に差し入れるのです。
「あん・・・や・・だめ・ぇ・・」 
中指は折れ曲がり、パンティの裾をくぐってそのまま蜜を満たした狭間へとはいりこんだのです。
「こんなに濡らして」 
指を抜きわたくしの腰を解放いたします。
男性の眼の高さに差し上げられた中指は、蜂蜜の壷から引き抜いたばかりのように濡れ光っておりました。
「はじめての相手と、それもキスしかしていないのに、こんなになるんですね。祥子さんは」 
その指を舌を出してぺろっと見せつける様に舐めるのです。
「やめ・・て・・くださぃ」 
はしたない印をあらためて見せつけられ、薫りと味を確かめられる屈辱にわたくしはまた・・・淫らな愛液を溢れさせられてしまうのです。 
サテンのランジェリーは濡れるとわずかに色味を変えるのです。
微妙な色の違いを男性にさとられてしまわないか・・・気が気ではありませんでした。
「これではソファーを汚してしまいそうですね。困った女性だ」 
恥ずかしさに顔を伏せたわたくしを、いたずらっぽく光る男性の眼が覗き込むのです。
「ぃやぁ・・」 
顔を背けるだけで背にひろがっていた黒髪が、さら・・・と肩へこぼれかかります。
「ふふ、仕方ないですね。そこにお座りなさい」 
男性が指し示したのはソファーに座る彼の足元の<ラグ>でした。
わたくしは彼の足元にうずくまる獣のように、ソファーと同じオフホワイトの毛足のながいラグに横座りに腰をおろしたのです。
ヒールのパンプスを履いた足を投げ出して、わたくしは男性の膝にしどけなく上半身を預けて座っておりました。
室内の空調は適度に温められておりましたが、男性特有の少し高い体温を彼の脚はチノパン越しにわたくしの素肌に心地良く伝えておりました。

足元にわたくしを侍らせたまま、男性はポケットから出したソムリエナイフを器用に操ります。
ポッン・・・完璧に密閉されたボトルならではの軽快な音を一つ立てて、コルクが開けられました。
ワインの真紅に半ば染まったコルクをわたくしに差し出すのです。
そこからはムートンロートシルトならではの、スパイシーなブラックカラントの薫りがかすかに立ち上りました。
男性はゆっくりとデキャンタージュして、空気を含んだ赤ワインをグラスに注いで渡してくれました。
 
ガーネット・レッドの波が揺れるグラスを互いの目線に掲げた乾杯の後で、舌の上を転がす様にワインを味わうのです。
空気を含んだワインは、独特の渋味を上手に押さえ込んだ見事な味でした。
「おいしいわ とても」 
なかなか手に入れることの出来ないヴィンテージのワインの豊穣な味が、わたくしの警戒心をほぐす様にほんのりと酔わせておりました。
サイドテーブルの上で男性は手慣れた仕草でグラスをまわし・・・赤ワインを空気になじませます。
「これではまるで毛並のいいメス猫だね、祥子さん」 
ゆったりした左手の動きを止めることなくわたくしを見つめて言い放ちました。
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21:00 4

ブランドショップが切れるあたりでファサードもなくなります。
傘をさそうとするわたくしを制して男性は大きな傘をさしかけ、さきほどよりも強くわたくしを引き寄せたのです。
「部屋に帰る前にコーヒーでも買っていきましょう」 
すぐ先にはガラス張りのコーヒーショップがありました。
ドアを引き開けるとわたくしを先に入れ、傘を閉じて男性も入ってまいりました。
「僕はエスプレッソ・ダブルですが、祥子さんは?」 
彼の右肩は雨で濡れていました。
「わたくしも同じものを。ごめんなさい、濡れているわ」 
コートのポケットから出したハンカチで肩の雨を払おうといたしました。
「ははは 大丈夫です。ゴアテックスですから、中までは濡れないんですよ」 
それでもおとなしく肩を下げて、わたくしのするがままに任せていました。
「ここで掛けて待っていてください。すぐですから」 
通りに面したハイチェアのカウンターを指差します。
「コートの前を抑えたりしないで、わかっていますね。言うことを聞かなければ次の罰がまっていますよ」 
わたくしのバッグを置くふりをしながら、小声でそう付け加えるのです。
「すぐに戻りますから」 
あの声で明るくそう言うと、男性は椅子を引きそこに腰を座る様にと、わたくしを促すのです。
「・・・はい」 
わたくしはステップにハイヒールの右足を掛けると、身体を引き上げその椅子に腰掛けました。
「ぁっ・・・」 
高さのある椅子はコートの重みを、自然と左右に振り分けるのです。
ロングトレンチコートの裾はわたくしの両膝から滑り落ち、ストッキングに包まれた脚を露にしました。
それでも5つ目の釦が止められていたら・・・まだそれほどはしたない姿にはならなかったでしょう。
4つしか止まっていなかったために、ストッキングの上の白い太ももとストッキングを止める留め具までが・・・晒されていました。
コートの下に着ているとすれば、マイクロミニスカートにちがいない。上品そうな顔をした大人の女なのに、あんな部分まで晒して。あと少し・・・出し惜しみしないで見せろよ。
そう、見る男性に下びた想像をさせてしまうほどの淫らさが漂っていました。
幸いなことに外は雨が激しくなり、行き交う人がゆっくりとコーヒーショップのガラス張りのシートを眺めやる余裕をなくさせてはおりました。
ただわずかに数人の男性が、ふと眼に入ったわたくしの姿に気づき「本当か?」という顔をしてこちらをみつめるのです。
最初の通行人と眼があってしまってから、わたくしは顔を上げてはいられなくなりました。
とはいえ、眼を伏せればそこには露になった白い太ももの合わせ目が見えるのです。
ほんの数分のことのはずなのに、男性はなかなか戻ってこないように思えました。
どうしているのか気にはなるのですが・・・この姿のまま人が溢れる店内を振り返る勇気はありません。
きっちりと上半身をおおうトレンチコート。晒されているのは太ももの半ばから下だけ。
少し丈の短いスカートを身につけていたなら、パンティストッキングに覆われた脚を当たり前のように見せている・・・そんな場所なのに。身につけているのがランジェリーだけだというだけで・・・なんてはしたなくなってしまうのでしょう。
 
「お待たせ」 
戻ってらした男性の声がいたしました。太く落ち着いた甘い声に、わたくしはほっとした安心感さえ覚えてしまったのです。
「いいつけを守っていたみたいですね。祥子さん」 
テーブルの上のわたくしのバッグと、わきに掛けておいた傘を手にしながら、小声で付け足すのです。
「さぁ いきましょう」 
くちゅ・・・男性に手を取られて椅子から降りたわたくしのランジェリーの下から・・・はしたない音が漏れてしまいました。
 
大きめな男性の傘だけをさして、少し激しくなった雨のなか男性の部屋へ向かいました。
男性が<私の部屋>と言ってらしたのはレジデント棟16階にある一室でした。
エントランスを入り、2人きりでエレベーターにいる時も男性は紳士的でした。わたくしによりそい、わたくしの荷物を持ち黙ってエスコートしてくださったのです。

21:00 3

男性はわたくしからビジネスバッグを受け取ると、エレベーターホールまでその風貌には似合わない紳士的なエスコートをしてくださいました。
下り直通エレベーターには美術館スタッフが待っていました。
わたくしたちが最後の客だったようです。
軍服から派生したトレンチコート。
メンズ仕立てのハードなロングコートの下に、ランジェリーしか身に付けていない姿で、はじめて逢った男性と寄り添っている・・・
監視カメラを通して、もしかしたらこのスタッフはわたくしたちのことを見ていたかもしれない・・・そう思うだけで恥ずかしさに身体が震えました。
「ありがとうございます。お帰りはこちらです。またのご来館をお待ちします」 
端正な20代の男性スタッフの声に送られながら、エレベーターの中に逃げる様に乗り込みました。
なのに・・・
 
「コートの下を見せてください」 
男性はあの声でわたくしに言うのです。
「いや・・・」 
わたくしは子供のように首を振りました。
「釦を開けて前を広げるだけでいいですよ。さあ、一階に着いてしまうまえに。もう時間がありません」 
甘くて深いわたくしを従わせる声。
「それともここで私にコートを奪い取られたいですか?ランジェリーのまま私の部屋まで人通りの多い道を歩きますか?」 
決して頷くことのできない条件だけを、わたくしの前に並べたてるのです。
「あとどのくらいで到着してしまうのでしょう。さぁ、私は嘘はいいませんよ」
その一言にわたくしはコートの釦を5つ・・・自らの手で外したのです。
さらに・・・水鳥が羽を広げる様に、コートの前を彼に向かって広げたのです。
あまりの恥ずかしさに男性の眼を見ることなど出来ませんでした。
彼の眼に浮かんだ満足の表情に気づきさえしなかったのです。
チン・・・ エレベーターが一階に到着するサイン音に、わたくしはコートの前をあわてて閉じました。
つと寄り添った彼の大きな身体に抱かれるようにかばわれた時、エレベーターが開きました。
5つの釦のうち4つを辛うじて止められたわたくしは・・・美術館フロアのカフェで出されるシャンパンに酔ったかのような風情で男性に寄り添いながら・・・他のエレベーターを待つ数組のお客様の前を通り過ぎました。
「良くできました。素敵ですね、ゴールドのランジェリーとは。ははは 白い肌に良く映えていましたよ」 
「や・・ぁ・・」 
エレベーターホールから出たところで男性はそう囁くのです。
ほんの数秒。なのにカメラマンである彼の眼は、わたくしのはしたない姿を記憶してしまっていたのです。
 
裾に近い5つ目の最後の釦を止めようとした時です。
「だめです」 
「どうして・・・」 
足首までのロングトレンチとはいえ、釦の位置は通常の丈のものと変わりありません。5つ目の釦は、丁度足の付け根の上あたりにあったのです。
「お仕置きですよ。私が言ってすぐに従っていればその釦まできちんと止められたのです。逆らうから止められなかった、風が強く吹けばガーターベルトの留め具を晒してしまう、その姿のままで私の部屋までくるのです」
高層ビルの並ぶその場所には特有のビル風が吹いていました。雨はしとしととまだ降り続いています。 
片手を傘に、もう一方の手を彼に奪われて・・・風が裾を翻せば、わたくしのはしたない姿はなんなく晒されてしまうのです。
「ゆるし・・て」 
トレンチコートは幸い、その重い素材ゆえにそう簡単に翻ることはないでしょう。
でも、コートの下に身に付けているのはゴールドの輝きをもつランジェリーだけなのです。
サテンのガーターベルトで吊ったストッキングとブラとパンティだけ・・・いつも付けているスリップすらない・・・ことを思うと激しい羞恥がわたくしを襲うのです。
フロントフロアには警備スタッフと数人のお客様だけがおりました。
美術館内には持ち込めなかった傘を取りに、ロッカールームに向かいます。
入館口・退館口と2つの出入り口があるうす暗いスペースでした。
男性は自らの傘をまず取りにゆきました。
「あなたの傘はどちらに?」 
そしてわたくしの傘の場所まで、3つのブロックを移動したのです。
コートのポケットから鍵を取り出します。
身体を傾け奥にある傘を取ろうとしたときです。
「やめて・・だめ」 
男性の傘の柄がわたくしのコートの前裾を引き上げるのです。
「待っているのですから、早く傘をとってください」 
わたくしの右脚の・・・ガーターベルトに 吊られストッキングが横切る・・・太ももがパンティの下部まであらわに晒されてしまいます。
「・・ゃぁ・・」 
簡単な鍵なのに、恥ずかしさに手が滑ってなかなか開けることができないのです。
男性の傘の柄は、5つ目の釦の所から裾に向けてゆっくりと滑ってゆくのです。裾はしだいに大きく開いてゆきます。
「早くしてください。それともその魅力的な脚をもっと見せつけたいのですか?」 
かちゃっ・・・男性の声に煽られて、ようやくわたくしは自らの傘を手に出来ました。
「ぁん・・お待たせしました」 
傘の柄は止まり・・裾は元に戻されたのです。
もう美術館の中ではないのに、わたくしの声は密やかに・・・欲情にかすれてしまっておりました。
「さぁ行きましょう」 
男性はわたくしの手を取ると、美術館のドアを外へと向かいました。
 
ビルとビルの間は、とびとびではありますが雨よけのファサードが設けられているのです。
男性は傘をさすこともなくわたくしと手を組んだままで歩き出しました。
右手は男性にとられ・・・左手には傘を持ったままビル風が時折吹く中を歩くことになったのです。
「私は高梨といいます。なんとお呼びすればいいですか?」 
フェルメールの写真の前で声を掛けられた時と同じように、男性は前を見たままでした。
「祥子です」 
そう・・・名前さえまだ存じ上げていなかったのです。
「しょうこさん、ですね。似合っていますよ」 
ふふ・・含み笑いをもらします。
「私のことはそうですね、ネットで検索していただければわかると思いますよ。 いずれ興味がおありになれば、ね」 
高梨さんというカメラマンはそう言うのです。 
「祥子さんもそうでしょうけれど、私も社会的な立場もあります。安心してください」
わたくしは写真の世界には疎いのですが・・・それだけ有名な方なのでしょう。
「はい」 
嘘をついているとも思えない、わたくしがあらがえないあの声と、なによりも彼の存在感に・・・このひと時我が身を預けることを決めたのです。
  
男性は美術館から有名ブランドが並ぶ通りに向かっていました。
「ブランドにはあまり興味はないのですが、ショーケースのディスプレイは見ていて楽しめます。ほらここも」 
そう言って、イタリアのメンズブランドのディスプレイの前に立ち止まるのです。
センスの良い上質なスーツを、まるで書斎で寛いでいるかの様にディスプレイしたウインドウは・・・さすがに見事でした。
「そうですね。ここまでいけばディスプレイも作品ですわね」 
わたくしは答えましたが、それよりも時折強く吹くビル風に気が気ではありませんでした。
「さきほどのジオラマの写真のように撮ってみたらおもしろいかもしれません」 
真面目な顔でそういうのです。
その時強い風が吹き過ぎました。
「あっ・・・だめ」 
傘を持つわたくしの手は、翻るコートの裾を抑え切れなかったのです。
ストッキングの上の白いふとももの肌までが・・・露になってしまいました。
「いいですね。ガラスに映ったあなたのはしたない姿ごと、フィルムに残したいものです」 
夜景の中ショーケースのガラスは、わたくしの淫らなコート姿をありありと映していたのです。
「やぁぁ・・・・」 
翻る裾を抑え、男性の腕に縋る様にわたくしは顔を伏せてしまいました。

21:00 2

男性のことを考えて宙を泳いでいたわたくしの瞳は、かけられた声にようやく焦点を結びました。
「はい」 
少し間の抜けた声で答えてしまったようです。
「驚かせましたか。何度か同じ写真の前で立ち止まったので不審に思われたんじゃないかと思ったので、失礼しました」 
男性はふたりしかいないのに、美術館のルールに従って抑えた声で語りかけてくるのです。
「いえ、お好みが似ているのだなと思っていたのです」 
わたくしの声からは、抑えていても僅かにはにかみを含んだ華やかさが滲んでいたのかもしれません。
「お一人ですか?」 
男性の声から緊張が抜けてゆきます。
「ええ、美術館へはいつも1人ですの」 
偶然に同じ写真に惹かれて・・・少し興味を感じていた男性との、つかの間の会話にひきこまれておりました。
「きれいですね」 
正面のモニターに映る能舞台をみながら、男性は唐突にそう言うのです。
「先ほどの写真ですね。フェルメールの・・・」 
「いえ、あなたが」
「ご冗談を・・・ふふふ」 
真面目な声で冗談をいう方だと、左肩の上にある彼の横顔を見てみようとモニターから視線を移した時です。
「ん・・・んくっ・・」 
はじめてまっすぐわたくしを見つめた彼に、唇を奪われてしまったのです。
 
「んふっ・・やめ・て・・」 
他にだれもいないとはいえ・・・いつ誰がくるかわからない美術館の展示会場なのです。 お客様じゃなくてもキューレターがやってくるかもしれません。
「ん・・ぁ・・」 
力強い男性の右手に引き寄せられて、一度だけ舌を絡めると男性は唇を離しました。
 
「なぜ・・・ひど・い・・」 
急なキスで・・・わたくしの動悸はいつまでもおさまってくれません。
なのに、途切れがちになってしまう声さえも・・・周囲を意識してまだ・・・ひそめづつけてしまうのです。
「同じ感性を持つ好みのタイプの女性に逢えた、幸せな偶然に素直に従っただけです」
大きな肩を少し丸めるようにして、わたくしの耳元に甘い言葉を囁くのです。
「あなたもいやではなかったみたいですね」 
薄暗がりの中、男性の言葉にわたくしは耳まで紅く染めてしまいました。
ふいのキスに、わたくしの唇と舌は応えてしまっていたからです。
「や・・・ぁ・・」 
いつものロングヘアをアップにしているせいで、露になった耳に男性の息がかかるのです。
「この後ご一緒にいかがですか」 
男性はわたくしの返事を待つ事もなく手を取ると、腕をからめて次の展示場へと向かいました。

アシンメトリーな建築物のイメージパースを思わせる写真が並ぶ会場を、男性と共に歩きました。
わたくしの眼はそれらの見事な写真を、もう映してはいなかったのです。
男性が囁く様に耳元で聞かせる言葉が、わたくしの思考を奪っておりました。
「最初の展示室で、次の部屋に向かうあなたの後姿を見かけたんです」
「ジオラマの写真に心をうばわれているあなたは、とても魅力的でした」
「ハードなトレンチコート・アップにまとめた髪・ビジネスバッグを持った後姿なのに、とても女を感じさせたんです」
「ずっとあなたが見ていた写真は、私もいいと思ったものばかりでした」
「ベンチに座って鎧のようなトレンチコートの釦を外した姿を見て、我慢できなくなったんです」
「私の腕にあたるこの胸。ふふ、見てみたいものです」
「こんなに柔らかな髪に触れたのも久しぶりです」
「あなたは私が嫌いですか?」

展示場と展示場を繋ぐ照明を落とした通路に出た途端に、男性の逞しい腕で壁に押し付けられたのです。
そのままうつむくわたくしの唇をさぐるようにして、男性はふたたびキスを仕掛けてきたのです。
 
「ん・・んん・・はぁぅん」 
男性の右手はわたくしのアップにした髪を、左手は開いたトレンチコートの中の柔らかなワンピースに包まれた乳房をまさぐっておりました。
「・・だ・・め・・・んくっ・・」 
わたくしの唇を啄むようにして抗う声を抑えます。
舌先からはたばこの香りの唾液を注ぎこんでくるのです。
男性の大きな手にも余るGカップの乳房は、つぼを抑えた淫らな指先の動きに、輝くサテンのブラの中でさえ反応してしまいそうでした。
「ん・・・ぁ・・」 
くちびるを重ねたまま、男性はわたくしの髪を止めていたヘアクリップを外しました。
はら・・り・・・ 背の中程まである黒髪のロングヘアが、トレンチコートの背に落ちたのです。
「この方があなたには似合いますね」 
ヘアクリップをわたくしに手渡しながら男性は無邪気に微笑むのです。
「だめ・・人がくるわ」 
閉館まであまり時間がありません。
退館を急がされた他の来場者が、いつここを通るかわからないのです。
「あなたの身体はそうは言ってない」
「あぅっ・・・」 
男性の指ははしたなく立ち上がった乳首をつまみあげたのです。
「私と今夜過ごしてくださいませんか」 
「やめ・・て・・おねがい」 
長い髪をかき寄せ敏感な耳朶を甘噛みするのです。
「返事をしてください」 
男性の威圧感のある声は、わたくしの理性を従わせる力をもっていました。
「あぁぁ・・んっ」 
男性の左手がわたくしの乳房を・・・指の間に堅くなった先端をはさみこむようにしながら揉み込むのです。
男性を素敵だと思い始めていたわたくしの身体は、素直に彼の手と唇が送り込む快感に屈服してしまったのです。
「いかがですか」 
耳元にかかる熱い息に、わたくしは首を縦に振ってしまいました。
 
閉館まであと10分ほどでした。
「私の部屋がすぐ近くなのです。一緒にワインでもいかがですか」 
下りエレベーターに向かう通路で男性はそう提案をいたしました。
「ええ あなたがよろしければ」 
落ち着いた大人のカップルに見えたことでしょう 。
「よかった。それじゃそこで髪を整えて・・・そのワンピースを脱いで来てください。そのスリップも」 
男性はとんでもないことを言い出すのです。
それにどうしてわたくしのランジェリーがわかったのかしら。
「なにを・・いうの」
「ちょっとした冒険です。ふたりの夜を楽しむための、ね。そのコートをきちんと着ていればだれにもわかりませんよ」 
あの・・・声でわたくしに魔法をかけるのです。
「それにそのバッグならそのワンピースをしまってもおけるでしょう。閉館してしまいます。さ、待ってますから行って来てください」 
美術館の閉館間際の化粧室で、わたくしは髪を梳き・・・コートの下のワンピースとスリップを脱いだはしたない姿で、トレンチコートだけを羽織って男性の元に戻ったのです。

21:00 1

夜の帳が降りたあとの美術館いらしたことがありますか?
最近は都内にも、ようやくそんな素敵な場所ができました。
わたくしのお気に入りの空間のひとつです。
遅い時間はお客様も少なくて、思うがままに好きな作品を堪能できるので・・・そう数ヶ月に一度はつい足を向けてしまうのです。
秋の長雨がつづいたあの夜もそうでした。
 
あの日は朝から霧のような雨が切れ間なく降っておりました。
傘をさすほどではないのに、数分歩くとしっとりと濡れてしまう・・・そんな雨でした。

一日をオフィスで過ごしたその日はゴールドのネックレスだけをアクセントに、細かいプリーツだけで構成されたベージュのワンピースを纏っておりました。
ランジェリーはアクセサリーに合わせて、ゴールドを思わせるサテンのセットを選びました。
シンプルなデザインのブラとパンティ。 
それに少し長めの・・・まるでそれすらもミニマムドレスのようなスリップ。 
ガーターベルトも同じ素材のシンプルなものでした。
雨を少し肌寒く感じたので、出がけにロング丈のトレンチコートを上に重ねたのです。
 
その日の展示はモノクロの写真でした。
6mの天高を有効に利用した展示室の中は、光と陰だけで表現された写真と同じミステリアスな空間に演出されていたのです。
高層ビルの最上階にあるこの美術館は、不思議な静寂に包まれておりました。
都心の喧噪もこのフロアまではたどりつけないのでしょう。
美術館を歩くわたくしのヒールの音さえ・・・響くように感じたのです。
 
来場者はこの時間ほとんどおりませんでした。
各展示室には影絵のようなスタッフが、作品のセキュリティのためにひっそりと座っているだけです。
順路通りに作品を見るのです。 遠く・近く・・・ゆっくりと・思う存分時間を掛けて。
最初に足を止めたのは見事なジオラマを映したシリーズの部屋でした。
レンズを通し印画紙に固定することで、フェイクをリアルに変えるという写真家のコンセプトに圧倒されて立ち尽くしていた時でした。
同じ展示室に他の方が入っていらしたのです。
重い足音はきっと男性なのでしょう。その足音がわたくしの隣で止まりました。
180cmはあるでしょうか・・・大きな方でした。
わたくしを一瞥することもなく、隣でじっと同じ写真をみつめていらっしゃるのです。
あぁ・・この写真がお気に召したのだわ、そう思い会釈をしてわたくしは次の展示室に移りました。
 
世界中のひたすら凪いだ海がいく枚もの写真に収められていました。
あの男性は、この部屋の展示コンセプトを読みふけっているわたくしの後を通り過ぎ、数十枚にもなる海の写真を順に御覧になっていました。
先ほどわたくしが感じた印象は間違いではなかったようです。
どんな方なのかしら・・・わたくしは展示場全体を見渡すふりをして、男性を後からさりげなく観察させていただいたのです。
短めに整えられた髪にワイヤーフレームの眼鏡。エディー・バウアーらしきチノパンにゴアテックスのジャケットを羽織っていました。
どちらかといえばワイルドな印象なのに、その横顔には理知的で繊細な雰囲気すら漂っていたのです。
男性は5枚目の写真で立ち止まっていました。
海と空の境目が光に溶けて、手前の凪いだ海の表面だけが僅かに陰影をつくる写真。
先ほどぐるりと展示場を見渡した時に最初に眼に止まった一枚でした。
わたくしは彼の少し後に立ちしばし写真を見つめました。
そして動かない彼をその場に残して次の写真へと歩を運んだのです。
 
次に男性のことを隣に感じたのはこの展示の中でただ1枚のカラー写真の前でした。
フェルメールの絵の世界を写真に再現した1枚は、その絵を知るものには驚きの1枚でした。
「きれいですね」 
男性の声がしました。
想像していたのと同じ、少し甘いでも太い男性の声でした。
周囲にはわたくししかおりません。
そして男性の眼はその写真だけを見つめておりました。
「ええ」 
わたくしはそう短く答えたのです。
 
その一言だけで動かない男性を置いて、次の展示室へ向かいました。
そこは照明を落とした中で、映像によるコンセプトを説明しているスペースです。
上映時間は10分程度。
会場にはわたくしだけ。ほかには誰も、美術館の職員の姿さえありませんでした。 
いくつかあるベンチにゆったりと腰を下ろし、きちんと着込んでいたトレンチコートをくつろげたのです。
 
流れる映像は実験的なそして美しいものでした。
でもわたくしの頭の中には、先ほどの男性のことしかありませんでした。
長身で大柄でわたくしの好きな威圧感に甘さをプラスした声。
なにをされている方なのだろう、平日の夜、スーツではなくカジュアルウェアで1人美術館に来る男性。
「私もカメラマンなのですよ」 
左側のベンチに男性が腰を下ろしました。

唐紅 23

「さぁ 少しおやすみになってください」 
新たに枕を用意して、すべらかなシーツの上にわたくしを横たわらせてくれます。 
なにもまとわない姿のままで、わたくしの身体は羽布団に覆われてゆきました。
「お召し替えはお目覚めになってから、ご用意しておきますから」 
彼は肩先をぽんぽんとたたき・・・脱ぎ捨ててあった浴衣に手を伸ばしました。
「望月さん、あなたはおやすみにはならないの?」 
わたくしはもう少し・・いえこのまま彼といたかったのです。
「あちらのお部屋で・・・」 
昨晩わたくしを着替えさせた部屋を見やるのです。
「おねがい 一緒にいてくださらない」
「主に怒られます」
「おねがい ね・・・」
見上げる瞳を見つめて・・・彼は手にした浴衣を離しました。
そしてわたくしは彼の大きな胸に抱きしめられて、つかの間の眠りについたのです。
 
ざぁぁぁ・・・ 露天風呂の湯音でわたくしは眼を覚ましました。
どのくらい眠っていたのでしょうか? 
もう傍らには運転手はおりませんでした。
枕元には乱れ箱に初めて見るシャンパン・ベージュのサテンのランジェリーのセットと、バスローブが用意してありました。
窓辺は障子に閉ざされて、朝日は柔らかな光で室内を照らしておりました。
バスローブを羽織ると、一枚だけ障子と硝子戸を引き開けました。
部屋に籠る昨晩の名残が・・・朝日の中であまりに恥ずかしかったからです。
そうしてから乱れ箱を持ち、露天風呂に向かったのです。
 
30分後には濡れた髪はアップにしていたものの・・・昨晩ここを訪れた時と同じ装いに戻りました。
居間の側の襖を開けると、男性はワイシャツとスラックスの寛いだ姿で新聞を読んでいました。
「おはようございます」 
わたくしの声はすこしだけ・・・ハスキーになっていたようです。
「おはようございます。祥子さん、よく眠れましたか?」
「ええ」
「朝食は庭に用意してあるそうですよ。まいりましょうか」
男性は立ち上がると昨晩散歩に出たときと同じように、先に立って庭へと向かいます。
ヒールのパンプスを履き、踏み石づたいに後を追うとすぐそこに男性が佇んでおりました。
「どうなさいましたの?」
「祥子さん、僕は寝不足ですよ。彼とあんなに激しく・・・おかげで朝方まで眠れませんでした」 
ふふ・・と笑い声を潜めて言うのです。
「それは祥子さんも同じでしょうけれどね。次にお逢いするときにはこのお仕置きがあると覚悟していてください。もちろんお約束のプレゼントもね、またお逢い出来るのを楽しみにしていますよ」
 
「さぁ目覚ましの珈琲でもいかがですか 祥子さん」 
男性のシャツの背中が一瞬、朝日に白く光りました。


祥子からの手紙-6

こんばんわ、祥子です。
いまは行きつけの珈琲専門店で、キリマンジャロをいただきながらこの手紙をしたためております。
 
箱根を出たのはもうお昼をまわったころでした。
ゼニアのスーツの男性もわたくしも、昨晩このルートを走った時のままの姿で帰路に付きました。
車内の会話は和やかなものでした。
商談があるという男性を都心のホテルで下ろし、運転手さんはわたくしを自宅まで送ってくださいました。
 
箱根からの運転中、望月さんはやはりなにもおっしゃいませんでした。
わたくしの自宅の前で車を止めいくつかの荷物を・・・昨晩わたくしへのプレゼントだと彼と主が言っていたものを・・・おろすと一言だけ口にしたのです。
 
「また お逢い出来ますね」 と。
 
わたくしはただ黙って頷きました。
また、あのバーに行ってしまうのでしょうか。この次をあんな風に男性に予告されているというのに・・・
 
いまは、考えられません。
この珈琲の薫りのなかで、一時彷徨わせてくださいませ。
長い夜がやっと明けたのですから。