初雪 23
テーブルの上にはコンチネンタル・ブレックファーストが用意されてありました・。コーヒーを望月さんがサーブしてくださいます。焼きたてのロールパンとサラダとふっくら焼き上げたオムレツがとても美味しそうでした。
「いただきます」
あたたかなコーヒーから口を付けたのです。
「それじゃ、先にいくよ」
わたくしが半分ほど食事が進んだころです。美貴さんが立ち上がりました。
「ご一緒にいらっしゃるのではないんですか?」
この人数です。2台の車で一緒に行くものだとばかり思っておりました。
「今回は別荘ですから、僕たちが先に行っていろいろ準備しておきます。祥子さんは山崎と石塚がお連れいたしますから」
「心配いらないですよ。僕たちはローバーでゆっくり行きましょう」
石塚さんがコーヒーを口にしながらのんびりと仰るのです。
「荷物がいろいろありますから望月はもう連れて出ます。あとのことはホテルのスタッフに言いつけてありますので、全てまかせてください」
美貴さんの後で、望月さんがわたくしに軽く目礼なさいました。
「気をつけていらしてください」
立ち上がりお見送りをしようと思ったのです。
「いえ、お食事を続けてください。別荘でお待ちしています」
それだけを微笑んで仰ると、美貴さんと運転手の望月さんはお出かけになったのです。
「望月くんと別々なのはそんなに心細いですか?」
わたくしの横顔を見ながら山崎さんが問いかけます。
「いえ・・そんなこと」
意識すらしていなかった、ほんの微かな想いを見透かされてしまったみたいでした。
「妬けるなぁ。箱根でですよね。あのとき東京に居れば一緒に行ったのに」
石塚さんが混ぜっ返すのです。
「もう。知りません」
わたくしは冗談めかして、この場を切り抜けることにしました。
「そういえば、こちらの車は石塚さんが運転してゆかれるのですか?」
運転手の望月さんは先に行ってしまわれました。車の持ち主であろう石塚さんがこれから長距離の雪路をドライブなさるのでしょうか。
「いえ、雪道ですし僕のところの運転手を呼んであります」
食後のコーヒーを注ぎながら、答えてくださったのは山崎さんでした。
「申し訳ないわ。その方に。」
元旦の朝なのです。こんな日に社長の命令・・・とはいえ雪道をドライブするためにお時間を割いてくださるなんて。
「祥子さんがあやまるようなことではないですよ。独身でドライブ好きなので、社用車じゃないAV車を運転できるよって話したら喜んでいたくらいですから」
「そろそろだろ、山崎」
クローゼットからウインタージャケットを取り出した石塚さんが腕時計を覗き込みます。
「時間に正確な人だからもう来るでしょう。祥子さんはこれをお召しになってください」
「これを、わたくしに?」
わたくしの肩に掛けられたのはシャドーフォックスのコートでした。毛並み・使われている毛皮のしなやかさ・・・決して安価なものではないはずです。
「あちらは寒いですから。それに今日の装いには祥子さんのミンクではドレッシー過ぎるでしょう。僕の会社の商品ですけが、いいものです」
「ありがとうございます」
ふんわりと柔らかく暖かいコートはわたくしの身体にしっとりと馴染みました。

ピンポン・・・ 山崎さんの会社の運転手さんがいらしたようです。
バッグを手に3人でドアに向かったのです。
「おはようございます。結城と申します。よろしくお願いいたします」
そこに立っていたのはジーンズにダウンコートを羽織った・・・ボーイッシュで小柄な女性でした。
「時間通りだね。休日出勤で申し訳ないが、よろしく頼みます」
山崎さんが優しく話しかけています。日頃から信頼なさっている様子がとてもよくわかりました。
「お手数お掛けします。よろしくお願いします」
山崎さんと石塚さんに囲まれながらわたくしもご挨拶をいたしました。結城さんはどこか堅い表情のままで会釈を返されたのです。
「よろしくな」
フランクな挨拶は、石塚さんと結城さんに面識があることを窺わせます。
なのに・・・やはり彼女はにこりともせずに会釈を返すだけでした。
荷物は全て望月さんが運び込んでくれてあるのでしょう。わたくしはハンドバッグだけを手に、二人の男性はコートだけを羽織って部屋を出ました。
「これがキーだ。地下駐車場に停めてある。僕はフロントに寄って行くから先に車に行っていてくれ」
エクゼクティブフロアのエレベーターホールで、石塚さんはポケットの中の車のキーを結城さんに手渡しました。
雪の別荘と男性達は言っておりました。
寒冷地仕様の車でも、雪道の走行はそれなりのドライビングテクニックが必要なはずです。なにも言わずにキーを預けるのですから、彼女の技術は信頼に足るものなのでしょう。
「別荘って、どちらになりますの」
「軽井沢の奥に万座スキー場があるのをご存知ですか?」
「ええ」
雪深い土地でした。プリンスホテルが除雪をする有料道路の先にある有名な温泉地でもありました。雪のワインディングロードを注意深く登って行くしかありません。
「あの近くになります。とはいっても少し外れてますから静かですよ。温泉も引いていますしね」
わたくしに腕を差し出し、エスコートをする山崎さんが教えてくださいます。
「石塚さんの別荘ですの?」
「ええ、そうです。木立に囲まれてますから夏でも涼しくてね。ゴルフのときに良く3人で利用しているんです」
「だったら、石塚さんが先に行かれた方がよろしかったのではないですか?」
ゆうべ3人がどんな打ち合わせをしたのか・・・先に休んだわたくしは知らなかったのです。
「美貴は何度もいっているから勝手知ったる場所なんですよ。それにね・・・」
チン・・ フロントフロアにエレベーターが到着してしまいました。
「じゃ、すぐ追いかけるから」
石塚さんだけが降りていかれます。
「いつも美貴ばかりが祥子さんを独り占めするから、今日は『僕たちふたりに祥子さんと過ごさせろ』とゆうべ石塚が迫ったんですよ」
にこにこと山崎さんが謎解きをしてくださいました。
「もう・・そんなことを仰ったの」
「僕も石塚さんの意見には異議なかったですからね。それで美貴と望月くんに先発隊を頼んだのですよ」
チン・・・地下駐車場に到着しました。
エレベーターホールの少し先に、ブラックボディのレンジ・ローバーが停まっていました。
「結城くん、あの車だよ」
山崎さんの言葉に一礼すると、彼女は車に走りよってゆきました。
ドアを開け、ドライバーズシートに収まるとエンジンを掛けて暖気をします。
「ほんの4・5時間ですが、僕たちだけの祥子さんになってください」
山崎さんはわたくしと腕を組みゆっくりと車まで歩いてゆきました。
結城さんが運転席から降り、リアシートのドアを開けてくださいます。
ロングボディの・・・4人で乗るには十分すぎる贅沢な空間がそこには広がっていました。
「どうだい?運転は」
ドライバーズシートの結城さんに、気遣わしげに山崎さんが話しかけます。
「はい、大丈夫そうです。いつもの別荘でよろしいのですね」
「そうだ。頼むよ」
「少し慣れるまでいろいろしますが、安心して乗ってらしてください」
まるでわたくしなどそこに居ない様に山崎さんにだけ語り続けるその言葉は、まだ少し堅く感じられたのです。
初雪 22
ルルル・・ルルル・・・ わたくしの眼を醒させたのはベッドサイドの電話でした「おはようございます。祥子様、お目覚めですか?」
電話の声は望月さんです。
「ありがとう、起こしてくださって。どのくらいで用意しなくてはいけませんか?」
「お出かけまであと2時間ほどあります。お食事も用意致ししますが、入浴なさいますか?」
「ええ」
「わかりました。御入浴なさっている間に、今日のお召し物をお部屋にご用意しておきます」
「ありがとうございます」
わたくしが着て来た服を含めて、この部屋には今身に着けているもの以外の衣類はなにもありませんでした。
望月さんがご用意してくださるのを待つしかなかったのです。
「それでは入浴させていただきますわ。よろしくお願いいたします」
わたくしはまだ少しだけだるさの残る身体を起こして・・・お湯をバスタブに満たしました。
着ていたものをベッドに置いて・・・わたくしはバッグの中からあるものを取り出したのです。
バスタブにたゆたう微温湯を別の器に取ると・・・胎内洗浄の準備をしたのです。
化粧室とバスルームを往復して身体の中から綺麗にして・・・わたくしはようやく髪を梳り、ゆっくりと1人で入浴したのです。
バスタブに身体を横たえ、しばらくしたころにゲストルームのドアが開きました。
望月さんが今日身に着けるべきものを用意してくださったのでしょう。
「祥子様、もう上がられますか?」
ベッドルームからは望月さんの声が聞こえました。
「ええ」
「お手伝いいたします」
わたくしがバスルームから出るのを・・・待つというのでしょうか。
「1人で大丈夫ですわ。みなさんはお揃いですか?」
ざぁっ・・・浴槽から出て、大きなバスタオルで身体を拭ったのです。
「わかりました。あと15分で朝食が始まります、お待ちしております」
ぱた・・ん ゲストルームのドアが閉まる音がいたしました。彼には出かけるための準備があったのでしょう。
濡れた黒髪のロングヘアをタオルに包み、バスタオルを身体に巻いてベッドルームに戻りました。
ベッドには今日のためのわたくしの装いが用意されていました。
ノースリーブのハイネックとカーディガンのツインニットがトップスでした。一緒に用意されていたのは、フロントファスナーの革のタイトスカートでした。
ランジェリーは黒にピンクの花柄を刺繍したレースのブラと、同じレースで彩られたサイドが紐で結ばれたパンティだけだったのです。わたくしがいつも身に着けるスリップはそこにはありませんでした。
紐で結ぶタイプのパンティはわたくしのランジェリーにはない形です。
2つきりのランジェリーを身に付け・・・ストッキングを探したのです。

レッグウェアは黒のパンティストッキングが用意されていました。
ロングブーツも雪道を考えたのでしょうか。あまりヒールの高くない黒のシンプルなものだったのです。
コートは見当たりませんでしたが・・・きっとリビングにはあるのでしょう。
エレガントというよりは、カジュアルなテイストの装いでした。
これはどなたのお好みなのでしょうか。
ドライヤーで濡れた髪をざっと乾かして、皆さんの待つリビングルームにまいりました。
「おはようございます」
声を掛けると、昨日とは打って変わったカジュアルな姿の3人が振り向きました。
「おはよう」 「良く眠れましたか?」
美貴さんはグレーのタートルセーターとミックスグレーのスラックスでした。
隣で珈琲カップを手にした山崎さんは、オフホワイトのシャツとクルーネックのセーターにブラックデニムをお召しでした。
「祥子さんはこういう姿もやっぱり似合いますね」
カーキの肌触りのよいネルシャツとチノパン姿の石塚さんが立ち上がって、わたくしを迎えてくださいました。
「これは石塚さんが?」
箱根で用意されたものや、昨夜の装いとは明らかにテイストの違うものでしたから、美貴さんが選ばれたものではないと思っていました。
カジュアルでアウトドアテイストなものは、石塚さんがセレクトしてらっしゃるようでした。
ということは・・・このランジェリーも石塚さんのお好みなのでしょうか。
「着慣れないものですから・・・はずかしいわ」
雪山に行くとはいえパンツスタイルはあまり好みではありませんでした。とはいえミニといってもいい丈の革のタイトスカートにロングブーツというスタイルも、ほとんどしたことがなかったのです。
「いえ、とてもお似合いですよ。さぁお食事をなさってください」
山崎さんが椅子を引いてくださったのです。
閑話休題(インター・ミッション) 4−2
前回途中で終わってしまった作品紹介の続きです。<わたくしが男性の方達と出逢った場所・後編>、二日目の目覚めの前の一時をお楽しみください。
第6作 唐紅
クライアントのオフィスは、あの3人の男性と出会ったバーからほんのわずかの場所にありました。
マッカランの25年と並んでバーカウンターにあったポール・ジローのボトルが、わたくしの心をよぎります。
あの時は・・・日付がかわるほどに遅い時間でした。
いまのこの時間なら多忙な彼らと逢うことなんてないでしょう。
たった1杯だけブランデーを楽しむだけ・・・それならきっと大丈夫よ。
バーのスタッフはあのときのことは何もしらないのだから。
心を決めて、夕闇が薄く帳をおろしはじめた時間に、あのバーのドアに手をかけたのです。
第1作オペラピンクのランジェリーで偶然に立ち寄ったあのバー。
あの3人の男性に出逢った場所には2度とうかがうつもりはなかったのです。神経をすり減らすようなプレゼンが終わった後、クライアントのオフィスの側に見つけたのでなければ決してあのバーには行ったりはしなかったでしょう。
早い時間にあの方達と逢わない様に・・・と思っていたのですが、急な階段を上った扉の外には、あのセルシオと運転手とゼニアの似合う男性が待ち受けていたのです。
湯本から七曲がりへ向かう道を右へ下ったところに、その瀟酒な宿はありました。
贅沢な平屋づくりの建物は、春には花が見事だろうと思わせる桜の樹々の間に、離れのように点在していました。
4組も泊まれば満室になってしまうかのような贅沢なつくりの宿は、いまは紅く色づく紅葉の桜葉に彩られていたのです。
わたくしと一緒に過ごすのは急に決まったことだったはずですのに、この方は箱根の宿を予約されていたようです。どうも、この宿はこの方のいきつけの一つのようでした。わたくしはここにお連れになった何人目の女性にあたるのでしょうか。
脱衣所の川音の聞こえる側には1枚だけの扉がありました。
彼が先に立ってゆっくりと戸を引きあけると、そこは露天風呂だったのです。
侵入者とその視線を拒むように槙の垣根に守られた一画は、正面の紅葉の山肌を絵画のように一層引き立てていました。
きっと離れの屋根からのライトアップもあったのでしょう。
美しく色づいた葉の一枚一枚が照り映えておりました。
この見事な箱根の露天風呂で、わたくしは身体の全てを運転手さんの手によって洗われてしまうのです。後ろのはしたない排泄器官の中までをあらためられて・・・。自らは何一つせずに全てを男性の手に委ねる羞恥と心地よさをわたくしはここで知ったのです。
わたくしは部屋に通されてからのことを思い出し、改めて部屋を見回しました。
灰白い漆喰の壁に長年いぶされたのであろう黒々とした柱が、時代を感じさせる造りでありながらモダンな印象を醸し出していました。
高い天井までの空間は繊細な欄間などではなく、きりだしたままのような梁が何本も横切っているのです。
青畳の上にはイサムノグチ氏の間接照明が行灯のように置かれ、白い壁・白い障子が最低限の照明の効果を高るように室内を明るくしていました。
明かりは落とされ、イサムノグチの和紙使いのスタンドからもれる間接照明だけがほのかに室内を照らしておりました。
運転手は襖の側でわたくしたち2人を出迎えてくれます。
勧められるままにゆったりと横座りに座椅子に座ると、雪見障子は上げました。
ライトアップされた紅葉の庭が美しく見渡せます。
運転手さんがご用意くださった見事な着物を着せられたわたくしが嬲られたのが、この白壁の部屋でした。お食事をして・・・離れの庭を散歩したあとで・・・わたくしはその庭が雪見障子越しに見える部屋で・・・ゼニアの男性と運転手の望月さんのお二人に犯されるのです。夜が白む時間まで。
第7作 21:00
夜の帳が降りたあとの美術館いらしたことがありますか?
最近は都内にも、ようやくそんな素敵な場所ができました。
わたくしのお気に入りの空間のひとつです。
遅い時間はお客様も少なくて、思うがままに好きな作品を堪能できるので・・・そう数ヶ月に一度はつい足を向けてしまうのです。
高層ビルの最上階にある大好きな美術館は21:00まで開館している都心のお気に入りの場所でした。ゆっくり1人でアートを楽しむ・・・つもりでしたのが、ある男性と出逢ってしまったのでした。その方が仕掛けてきたのが、露出のはしたない罠だとは思ってもいなかったのです。美術館から彼の部屋まで、わたくしが考えたことのないような体験をさせられてしまうのです。
男性が<私の部屋>と言ってらしたのはレジデント棟16階にある一室でした。
エントランスを入り、2人きりでエレベーターにいる時も男性は紳士的でした。わたくしによりそい、わたくしの荷物を持ち黙ってエスコートしてくださったのです。
その部屋は、多分・・・男性のオフィスとして使われている部屋のようでした。
あまり生活感のないシンプルな部屋です。カーテンの開けられた窓からは、先ほど彼に声をかけられた美術館のあるビルが見えました。
「祥子さん、そこで濡れたコートを脱いでください」
リビングとして使われている部屋の入り口には、コートスタンドがありました。
たしかにわたくしのコートは雨に濡れておりました。
男性が座っている白のキャンバス張りのソファーを、このままでは台無しにしてしまいます。
男性がわたくしを連れて行ったのは「彼の部屋」でした。
生活感の乏しい上質なこの部屋で・・・わたくしは彼の視線と指だけに犯されて上り詰めてしまうのです。降りしきる雨に濡れたわたくしをソファーの前のラグの上に座らせて猫のようだと言う男性はフォトグラファーの高梨さんとおっしゃいました。
第8作ムーンナイト・アフェア
真夏のジャズライブから2ヶ月。
いつもの女友達に誘われて、久しぶりにあのホテルに向かう事にいたしました。
秋の夜に月が浮かぶ宵のことでした。
都心にひっそりと存在する庭には、いまは鈴虫の声がかすかに響いておりました。
あの佇まいはなにも変わらないままに、陽が落ちるとひんやりとする夜気がそこここに漂っておりました。
あのホテルのジャズライブに行けば、あの方との関係がはじまってしまうことはわかっていました。あの夏の日に予告されていたことですから。でも、二月遅れでジャズライブに訪れたわたくしを待っていたのは黒衣の男性ではなくて、彼のメッセージの添えられたランジェリーのプレゼントだったのです。
ロータリーを回った少し先に、一台だけシルバーのベンツが停まっていました。
E320クーペ。2ドアのベンツにしてはコンパクトな車でした。
コン・・コン・・ 近寄って運転席の窓を叩きます。
「乗ってください」
すっ・・とパワーウインドウが開き Take Five と共に彼の声も流れてきました。
待ち合わせの最寄り駅でわたくしを待っていたのは、長谷川さんの愛車でした。
行き先も告げずに車を出した彼は・・・ホテルに到着するのを待つこともなく・・シートベルトに拘束されたシートの上でわたくしを淫楽の中に陥れるのです。
そこは生け垣に囲まれた・・・宿のようでした。
ただ、離れの様な平屋の建物が5つほど並び、それぞれに駐車スペースがあったのです。
その建物は不思議なつくりをしておりました。
和室なのですが、建物の中に玉砂利敷きの中庭がありいくつかの部屋があるのです。
天井にはあの箱根の宿と同じような黒々とした梁が渡っておりました。
いくつかのラブホテルが連なる郊外へと車を走らせた長谷川さんはそのどこにも入らなかったのです。そして車を向けたのは、寂れた感じの宿の表示のある場所だったのです。
「これくらいの広さがないと楽しめないからな」という男性の言葉の意味を知ったのは、緊縛され・・・Mだと幾度も告げられた後でした。
次に、室内なのにどうしてそんなものがあるのだろうと思っていた腰高の障子を、左右に引き開けました。
そこは出窓のように50センチほど張り出して手すりが設けられておりました。
障子の向こうには、室内なのに玉砂利敷きの先に太い丸太柱を中心に植樹されている中庭が見えます。
室内を暗くした分、中庭スペースを照らす間接照明が明るく窓越しに差し込んでおりました。
わたくしの胸の上下を縛った男性が・・・玩具責めをするために両脚を身体を拘束したのはその手すりだったのです。男性の身体で愛されることしか知らなかったわたくしに、淫具と鞭で絶頂を味あわせるのでした。
窓の外に見えた玉砂利も太い丸太柱も・・・わたくしを責めるための道具でしかなかったのです。
手首からバックルに止められた枷をはずし、革の上下で擦れて紅くなった部分を優しく愛撫してくださるのです。
中庭から最初の窓を通り過ぎた先にある、部屋のベッドの上でした。
わたくしをベッドに横たえた男性は緊縛だけでなく・・・吊りによる責めを与えるのです。両脚をベッドの上に渡された梁に備え付けた滑車と、もう一方の脚を縄で引き上げてわたくしを思い通りになさったのです。
そしていたわる様にわたくしを抱きしめて僅かな時間眠ってくださったのもこのベッドでした。
第9作 第九合唱付き
もう午後には雪空が宵闇のような暗がりを作り出していたのです。
いまは18時。コンサートホールへ向かう人波の中で・・・わたくしは思いがけない男性の姿を見かけた様に思ったのです。
ロビーは人で溢れていました。
第九の時には、ロビーではホテルからのケータリングサービスが用意されています。
いつものようにグラスシャンパンンをいただいて、人で埋まるソファーではなく窓から外庭が見えるガラス張りの窓辺へ向かいました。
今夜はよほど気温が下がっているのでしょう。
ガラスは凍り、その側にいるだけですっと冷えてゆくのが解るほどでした。
その時のわたくしには・・・ほんの少し口にしたシャンパンの酔いと、心地よい演奏への興奮と期待を程よくクールダウンさせてくれるように感じたのです。
広がる庭に立ち木の配された庭は今宵はライトアップで幻想的な様子を示しておりました。時折吹いているであろう風が梢を揺らしてゆきます。
老舗のクラシック・コンサートホール。
第九を聴きに行ったコンサートホールで、わたくしはあの写真家の高梨さんと再会したのです。1人で過ごす予定の贅沢な時間になぜか表れる・・・魔法のような声の男性は、わたくしの手を離してはくださらなかったのです。
チン・・16階への到着ベルが鳴ってもキスを止めず、ドアが開いてようやく唇を離してくれたのです。
あの夜と同じ・・彼の部屋でした。
「どうぞ 靴のままで」
彼は部屋の入り口でわたくしのコートを脱がせるとスタンドに掛けて・・今夜は以前に通されたリビングではない、もう一つの扉を開けたのです。
キングサイズのベッドにサイドテーブル、ラブソファーが一つとミニテーブル、シンプルで端正に整えられている部屋でした。
男性は部屋に入るとスタンドの灯りを付け、ベッドの枕元のオーディオからラフマニノフを低く流しはじめたのです。
高梨さんのあの部屋のもう一つの扉の中はベッドルームでした。
紳士的に優しく始まった二人の夜だったはずなのに・・・。あの方は豹変するのです。
ここまでが完結した9作目までのロケーションガイドです。お楽しみいただけましたでしょうか?
現在アップ中の「第10作 初雪」もいくつもの場所でわたくしは男性の方達に愛していただくことになるのです。いずれ、このようにご紹介する時が来るのを楽しみにしております。
次の閑話休題(インターミッション)では、現在投票を受け付けている<男性キャラクター>のご紹介をする予定です。
投票期間は4月2日まで。皆様の投票順に人気のあるキャラクターからより詳しくご紹介してゆく予定です。まだ、投票されてない方がいらっしゃいましたら、ぜひご参加ください。
初雪 21
「お待たせいたしました」先ほどまでわたくしを辱めていた2つのテーブルを片付けていたのでしょう。シェフがやっと戻ってらっしゃいました。
手には赤と白のワインを1本づつ持っていました。
「みなさんのお好みに合わせたワインです。明日は雪の別荘へいかれるということですからどうぞお持ちください」
白を山崎さんに赤を石塚さんに手渡したのです。
「祥子様。今夜は私にまで・・ありがとうございました」
一礼をするとわたくしの左手を取って・・手の甲にキスを一つなさいました。
「あの・・お名前を教えていただけますか?」
「田口と申します。以後お見知りおきを」
「シェフのお料理・・好きですわ。ごちそうさまでした」
「こんなことはもういたしません。これからも安心なさって、どうかまた私の料理を召し上がりにいらしてください。今夜は本当にありがとうございました」
シェフにとっても・・・思わぬ出来事だったに違いありません。
美貴さん達がいくら悪戯好きな方達でも、こんなことを過去にもしたことがあったわけではないのでしょう。従業員と客というよりは少し親しい・・・友人のような間柄だっただけなのだと思います。
「わたくしひとりで伺っても、美味しいものごちそうしてくださいね」
わたくしは、きまり悪そうに照れながらこちらを眩しそうに見る田口シェフに、にっこりと微笑んでみせました。
「勿論です。祥子様のことは忘れません。どうぞまたお越しください」
レストランの入り口まで照明を落としながら移動し、わたくしたちをドアの外に案内するとBGMと最後のライトを消してメインダイニングを閉めたのです。
エレベーターホールの釦を上と下の両方を押します。
「明日はお気をつけて行ってらしてください。おやすみなさい」
先に到着した上りのエレベーターにわたくしたちを乗せ、ドアの外でシェフは深々と頭を下げお見送りをしてくださいました。
「食事だけのつもりが遅くなってしまいましたね。望月がやきもきして待っていそうだ」
「美貴も意地が悪いな」
「そう言うな。本当に食事だけのつもりだったんだから」
それを言うなら石塚がストッキングを破ったりするからだぞ・・・美貴さんの眼がそう反論しています。
「明日は予定通りでいいんですか?」
仲裁のつもりではないのでしょうけれど、山崎さんがするっと言葉を挟まれたのです。
「この時間だし、ドライバーに時間変更というわけにはいかないでしょう」
「そうですね。じゃ予定通り10時に祥子さんを迎えにいきますよ」
エクゼクティブフロアに到着したエレベーターから降り、部屋に向かいながら明日の打ち合わせをなさってるようです。
ピンポン・・・
「お帰りなさいませ」
ドアホンを押すとすぐに望月さんが迎えに出ていらしたのです。
「遅くなってすまない。二人と明日の打ち合わせをするから祥子さんをゲストルームへご案内してください。準備は出来ているんだろうね」
今夜は、わたくしは1人で休ませていただけるようです。
「はい、すぐにバスの用意をいたします」
食事といいながら既に4時間以上が経っているのです。わたくしの姿を見れば・・・食事の時間がどんなものだったのか・・・望月さんにはもう解ってしまったのでしょう。
どれほど拭っても消し切れなかった精液の匂いや、何度も上り詰めて白く透き通ってわずかに青ざめたわたくしの表情に彼は気づいているはずでした。
「祥子様、どうぞこちらに」
わたくしはショールを望月さんに手渡すと、ふらつく身体を抱かれるようにしてゲストルームへと向かったのです。
「おやすみなさい」「おやすみ」「よい夢を」
3人はわたくしを見送ると・・・リビングルームで打ち合わせを再開したようでした。
「祥子様のバスルームはこちらです」
望月さんが案内してくれたのは、以前に使ったことのあるメインベッドルームのものよりはコンパクトに設計された清潔なバスルームでした。
バスタブに入っても窓からは夜景が楽しめるようになっていました。
「お召しかえはこちらにご用意しました。お脱ぎになったものはこちらにそのまま置いておいてください」
ドレッシングルームには純白のシルクのネグリジェと同じシルクのパンティが・・・それに備え付けのものとは違うシルクのルームシューズが用意されていました。
「ありがとうございます」
わたくし好みの上質な素材とシンプルな作りのものばかりです。
「後は自分で・・・」
するわ・・・という言葉を言い切る前に、望月さんに背中から抱きすくめられてしまったのです。
「待っている間、気が狂いそうでした」
小声で耳元でそう囁くのです。
彼の腕はわたくしの肩を優しく抱きしめていたのです。
解っているはずなのです。
彼の主と友人がわたくしを呼べばどんな時間を過ごすことになるのか・・・彼は良く 知っていてわたくしを迎えに来たのですから。
「お召しかえだけでも手伝わせてください」
わたくしの髪を左側に寄せて首の後で止まっているアメリカンスリーブのスナップに手を掛けるのです。
「おねがい、自分でするわ。許して・・・」
彼に、先ほどまでわたくしの身体が他の男性に嬲られていたことを知られているからといって、直後の身体を見られることにはためらいがありました。
でも同時に、彼に愛してもらうことで・・・他の方との情事の痕を清められると考える・・・不可思議な想いもわずかにですがあったのです。
「今夜の最後の祥子様のぬくもりを私にください。おねがいします」
わたくしを近くに感じながら触れることもできない・・・感情を抑えていても滲み出る苦しみがこんな行動に走らせたのでしょう。
真摯な彼の言葉には抵抗できませんでした。
開いた背中の下から始まるファスナーを下ろされ・・・うなじにかかるスナップを彼は外したのです。
ぱさっ・・・・ シルクとビーズの重さで脚元にドレスが落ちるのと同時に、身体を返して彼に向き合い・・・抱きしめてもらったのです。
「祥子様・・・」
何一つランジェリーを身に着けていない白い身体は、バスルームを遮る硝子の壁に白く映り込んでいたことでしょう。
わたくしの下腹には彼の昂った塊がスーツごしにさえ感じられたのです。
なのに・・・彼の瞳には欲情は存在しませんでした。そこにあったのは、わたくしを腕の中に確かめられた悦びだけだったのです。
「望月さん・・」
望月さんは冷たくなったわたくしの背をあたためるように優しく一度だけ抱きしめると・・・キスをすることもなく・・・手元のバスタオルで包んでくださいました。
「ゆっくり暖まってお休みになってください。明日は9時ごろ朝食をご用意いたします。なにかあったらその電話で呼んでください」
バスルームのドアを開け、一礼をするとわたくしのドレスを手に彼はゲストルームを出ていったのです。
バスルームは薔薇の香りで満たされていました。
優しい香りの中で男性たちに弄られ辱められた身体を清めると・・・シルクの優しい肌触りに包まれて・・・1人ゲストルームで深い眠りに落ちたのです。
初雪 20
「祥子様、あぁ いい。こんなに締め上げて。なんて身体なんですか」シェフの声にも快楽の色が濃くまとい付きます。
「美貴様、祥子様の中にさせていただいていいのですか?」
「ええ どうぞ 祥子さんもそれがいいでしょうから」
わたくしの身体の中の塊が熱と堅さを増してゆきます。
「あぁぁ・・・ん・・いぃぃぃ」
質問の間すらシェフは腰を動きを止めようとしないのです。美貴さんの唇が離れたとたん・・わたくしははしたない声を上げてしまったのです。
喘ぐわたくしの乳房を今度は美貴さんの手が掴み、彼の長く熱い塊をはさみ扱き上げるすのです。
「だめです、祥子さん僕を見ていてください。ふふ僕にあたる乳首が気持いいですよ」
先ほどまでシェフに揉みしだかれていたGカップのバストは、感じやすくなり先端ははしたなく立ち上がっていたのです。
「おむね・・やぁぁぁ・・・」
指先で佩かれても喘ぎがもれてしまう乳首の先端を、男性の熱い塊が擦り立てて行くのです。
「祥子さんの胸だとパイずりもこんなに楽しめるんですね」
わたくしが乳房から受ける快感を、嘲る様に猥俗な言葉でさらに責め立てるのです。
「はぁぁぁああ・・だめぇぇぇ」
一度は解放された乳房への刺激を再開されて・・・わたくしの身体は一気に頂上へ追い立てられてしまったのです。
「僕を見て!祥子さん、見るんだ!!」
「あぁぁぁ・・い・いくぅ・・いきます・・ぅぅぅ」
「ああ・・」
腰と乳房へ添えられた二組の指がわたくしの皮膚にめりこんでゆきます。
ベルベットのチョーカーからGカップの胸元へと美貴さんの熱い精液が吐出されてゆきます。
「いくっ!!」
ひくつくわたくしの胎内には、シェフの真っ白な精がたっぷりと注ぎ込まれてしまいました。
わたくしはぐったりと・・・山崎さんのすべらかな手に抱きかかえられVIPルームへと連れていかれました。そこにはいつのまにかわたくしの着ていたドレスとパンプスが運び込まれていたのです。
でも・・今夜のランジェリーはそこには何一つなかったのです。
「これをお使いください」
シェフはいくつもの熱いおしぼりを席まで運び、わたくしと男性の方達の身繕いに供してくださいました。
はしたない体液の染み付いたおしぼりを・・・明日どう処理されるのでしょうか。
「祥子様 ご用意はいかがですか?」
「・・・はい」
わたくしは髪を手櫛で整え・・・何一つ・・ベルベットのチョーカーさえも身に付けていない身体に、ダナキャランのドレスだけを纏いショールを肩に羽織りました。素足にパンプスを履き、快感の余韻にふらつく脚どりのままでVIPルームを出たのです。
「大丈夫ですか?」
腕を貸してくださったのは美貴さんでした。
「ええ・・・でもこのままでは恥ずかしいわ」
何一つランジェリーを身につけていない肌をやわらかなシルクが舐めてゆくのです。
「このままのほうがいいですよ」
つぅぅっ・・・山崎さんの手がいつもならガーターベルトに触れる腰から太もものラインを撫でてゆくのです。
「あん・・・だめ・・」
先ほどまでの快感の波はまだわたくしから完全に去ってはいなかったのです。
ピクッ・・と身体をふるわせてしまいました。
「望月くんに言ってパンストだけでも届けさせておけばよかったかな」
「・・だめ・・やめて・・・」
閉店後とはいえホテルのメインダイニングなどという公共の場所で、シェフにまでこの身を嬲られていたのです。そのはしたない姿を運転手の望月さんに見られることなんてできませんでした。
「ドレスの下はパンストの直履きというのもそそるな」
「・・・だめです・・」
わたくしのドレス姿を舐める様に見下ろす石塚さんの眼が、ドレスの下のそんな姿を想像していることはすぐにわかりました。
視線を遮るように、腕を貸してくださる美貴さんの背中に一歩かくれたのです。
「美貴にはそんなふうに甘えるんですね。祥子さんは」
「あん・・そんなこと」
「美貴ばかり祥子さんの胸の感触を楽しんでるなんてずるいぞ」
「山崎になら替わってもいいぞ。石塚は今夜はお行儀がわるかったからな」
ははは・・・愉快そうな声で美貴さんが笑うのです。
初雪 19
「この体勢では・・・難しいですか?シェフ」わたくしの瞳を見つめたままで、シェフに問いかけます。
「いいえ、大丈夫です」
そう答えながらわたくしの脚の間に大柄な腰を割り込ませ・・・両手で白くまぁるい尻肉を割るのです。
「やぁぁ・・・」
後から犯すためのシェフの動きに、わたくしは思わず顔を伏せてしまいました。
「僕から眼をそらすんじゃありません。祥子さん、いいですね」
美貴さんは両手でわたくしの顔をはさみ・・・顎を引き上げるのです。
「こうして・・っくっ」
シェフの逞しいものが、わたくしの中に抉るような微妙な角度で押し入ってきました。
ぬりゅっ・・・大きく熱い塊を、ほとんど抵抗も無く飲み込まされてしまったのです。先ほどまで何度も繰り返された絶頂と言葉責めは、わたくしの花びらから新たな蜜を溢れさせていたからです。
「あぁああっ・・・」
顔をそむけることもできないまま・・・他の男性に突き入れられる瞬間の淫らな表情を晒してしまったのです。
瞳を閉じてせめて食い入るような美貴さんの眼から逃れようとしました。
「だめです。祥子さん、僕を見て。シェフに嬲られて逝く表情を全て僕に晒して下さい。祥子さんの逝き顔が見たいんです」
がっしりと指先を埋める様に腰をつかみ腰をつかうシェフに眼顔で合図をすると、ゆっくりとわたくしの上体を引き上げてゆくのでした。
椅子に座る美貴さんに膝立ちで抱きとめられたまま・・・後からシェフに突き上げられ嬲られる・・そんな姿にされてしまいました。
「はぁ・・あぁぁん・・ゆるしてぇ・・」
大きく逞しい塊をわたくしの奥まで押し入れると・・・シェフの両手は腰からわたくしのGカップの乳房に移りました。
「見事なバストですね。柔らかさも・感度も。こんなに乳首を堅くして」
奥のもっとも感じる部分を捏ね回す様に・・・腰を丸く動かしながら・・・シェフの指先はわたくしの堅く立ち上がった乳首をも指先で捻り回すのです。
「あぁ・・ああん・・・よわい・のぉ・・だ・めっ・・・」
感じやすい・・・このレストランに来ると決められたときから・・・ノーブラでたふたふと揺れる様や立った乳首を人目に晒されて疼きづつけていた乳房を、芯まで揉み込む様に愛撫するのです。
「いい 祥子様の中が乳首を刺激するときゅっと締め上げる。うっ、なんて反応なんだ」
わたくしの身体は乳房と花びらの奥の二つの快感の芯をシェフに責め上げられて、胎内でひくひくと動く堅いものを無意識に締め付けてしまいました。
「はぁう・・ゆる・して・ぇぇ・・・」
乳首をつまみ上げられるたびにぴくん・・と跳ねる身体を、美貴さんは全身で味わっているようでした。
「そんなに眉を顰めて。シェフのはそんなにいいんですか?祥子さん」
満足げな表情を浮かべながら、官能に霞んで行くわたくしの瞳を見つめ続けるのです。
「あ・・あ・あぁぁ・・・」
せつなく切れ切れに上げるわたくしの声は、美貴さんの唇で覆われてしまったのです。
ちゅ・・・くちゅ・・はぁぁ・・あ・・ちゅく・・・ 喘ぎと舌と唇が戯れる音を交互に響かせてしまいます。
シェフの手はまたわたくしの腰に移り・・・わたくしの乳房は美貴さんの堅くそそり立ったものの先端をたゆん・・と柔らかく撫でるように揺れ続けていました。
「あぁぁ・・んく・・」
シェフの腰が一段と早く・・奥まで打ち付けるように動きはじめたのです。
高まる喘ぎさえ美貴さんは唇を塞ぎ・・・全て飲み込もうとするかのようにわたくしの口腔を繊細な舌先で嬲るのです。
初雪 18
「祥子様、いい声を聞かせていただきました。山崎様に嬲られる様も、石塚様に犯される祥子様も素敵でした」力なく垂れるわたくしの顔をあおむけて口づけました。
シェフはお客様用の椅子に腰を下ろすと、わたくしを広げた彼の脚の間に座らせるのです。
「今夜はまだどなたのものも口にされてはいないのでしょう。祥子様、その唇で私を感じさせてください」
わたくしは言われるがままに・・・窮屈そうに盛上がったシェフのファスナーを引き下ろし・・・すでに昂っている熱い塊を両手で引き出したのです。
それはひくひくと脈打っていました。
堂々たる体躯に相応しい・荒々しいものに、わたくしは恐る恐る唇を寄せたのです。
・・・くちゅ・・・ シェフの先端は薄い皮膚が熱く・溢れる液体ですでに滑っていたのです。
わたくしは自らの舌で潤した唇を、やわやわとまんべんなく全体に這わせてゆきました。
時に唇を被せた前歯で甘噛みをし・・時には唇の狭間からちろちろと出す舌で男性の敏感な部分を一瞬だけねぶるのです。
「美貴様、この方はフェラチオだけでも絶品ですね。こんなに上品な方なのに、一体・・・うっ・・どういう女性なのですか」
わたくしは唇から・・・柔らかく沿わせる舌での奉仕に変えてゆきました。
たっぷりと唾液を載せた舌で先端から・・・幹の付け根までを万遍なくソフトクリームを舐めとるように、ぺろぺろと舐め下ろしてゆくのです。
「優秀なキャリアレディのようなのですけれど、僕たちもまだこの方の正体を教えていただいてないんですよ。残念ながら」
愉快気な声で美貴さんが答えています。
「随分親しくしてらっしゃるようですが・・・」
舌での愛撫を続けながら、わたくしはシェフのスラックスのベルトを外し、ウエストを緩めました。
・・・そして、トランクスの前立てからやわらかい皺袋を引き出したのです。
シェフは会話をしながらもわたくしの行為の意図を理解してくださったのでしょう。腰浮かせて、協力してくださいました。
「僕たちはお逢いするのは二度目なんです」
山崎さんの声がします。
・・・ちゅ・・ぷ・・・ 右側の袋を口に含みました。
皺を伸ばす様に表面に舌を這わせ、芯にある小さな卵のような塊をやさしく刺激しました。
「美貴は僕たちを出し抜いて祥子さんと逢ってるから、今回で3回目だよな」
石塚さんの声です。
・・・ちゅぱ・ぁ・・ そのまま付け根の窪みを舌で幾度も舐め上げ・・・幹に添えた左手の親指で・・敏感な裏筋を撫で上げます。
「前回もきちんと誘ったのに、忙しいといって来なかったのは君たちじゃないか」
ははは・・
「だから今回は君たちの言う通りに、こうやって祥子さんをお誘いしたろう」
・・・くぽぉぅ・・・ 手の中で太さを増した塊を・・・わたくしはようやくすぼめた唇の中に飲み込みました。
「いちばん最初にお逢いした時もこのホテルだったんですよ」
「っくぅ・・・そうだったんですか」
ゆっくりと唇を上下させ・・それに合わせて口腔で舌を前後左右と満遍なく塊に這わせてゆくのです。
「チェックインした時はもう深夜でしたから、こちらには伺いませんでしたけれどね」
・・・くちゅ・・ちゅ・・・ 次第に頭を上下させるスピードを上げてゆきます。時には鼻先をシェフのトランクスに埋めるほどに・・・喉奥深くまで飲み込みました。
「あの夜の祥子さんも素敵でしたよ。僕たちは忘れられなくてね、こうしてまたお誘いしたのですよ」
山崎さんの声が後から聞こえてきました。すべすべとした手を伸ばして、わたくしの腰を撫で回しているのです。
「うっ・・・私も祥子様のことが忘れられなくなりそうですよ。こんなフェラ」
シェフの手がわたくしの崩れた髪の中に差し入れられます。
「そうでしょう。でも祥子さんの身体は・・口以上ですよ」
「随分濃厚な一夜を過ごされたのですね。石塚様」
・・・ん・・くぅぅ・・食材を捌く大きな手がわたくしの頭を掴み・・・さらに奥へと・・・大きな塊を飲み込ませようとするのです。
「先ほどお話したじゃないですか。祥子さんは心を許した相手には、全てを許してくれる女性なんです。僕たちは得難い女神を手に入れたんですよ」
ぱさっ・・・ 石塚さんがわたくしの髪をかろうじてまとめていたプラチナのかんざしを引き抜きました。やわらかく長い黒髪が彼の手をなでて・・・白い背に落ちてゆきます。
「うっ・・このまま逝ってしまいそうです。私のお造りしたジビエたちも、こんな思いをしながら祥子様に召し上がっていただけたなら、本望でしたでしょう。」
シェフの手がゆっくりとわたくしの頭を上げ、唇から塊を引き抜いてゆきます。
「美貴様はどうなさいますか?」
隣に座る美貴さんにシェフが改めて尋ねました。
「今夜は祥子さんの唇を楽しませていただきますよ」
今夜のメインゲストとなったシェフへの配慮からでしょうか。それとも先ほどまでのシェフへのわたくしの奉仕をみていたからでしょうか。
「私のは美味しかったですか?」
こくり・・と頷くわたくしに満足そうに微笑むと、シェフは乱れたわたくしの前髪をかきあげて、隣の椅子に座る美貴さんの足元に委ねました。
「祥子さん、シェフと僕の二人で可愛がってあげますからね」
美貴さんは椅子に浅く腰掛け・・・あの長く中太のかたまりを・・・自ら引き出したのです。
「祥子様、腰を上げてください」
「ぁぁ・・・」
首に巻いた、首輪のようなベルベットのチョーカーのペンダントヘッドが・・・Gカップの白い乳房と一緒に揺れました。
全裸で・ホテルのメインダイニングの床に四つん這いにさせられて・・・上下の口を犯されてしまうのです。
それも、さきほどまでドレスを纏い・盛装していた隣のテーブルの足元で・・・です。
その姿はまるでテーブルクロスの下に隠された、淫らな肉奴隷のように思えたのです。
美貴さんの塊はもう充分に堅く・・・わたくしを狂わせる質量を備えていました。
「祥子さん。僕を見てください。そうです」
すぐに咥えさせるのかと思ったのです。
なのに美貴さんはわたくしの手を取り、ご自分の膝に上体をもたせかけるかのような姿勢になさいました。
初雪 17
「いいですね。それでは僕から」山崎さんが手にしていたTバックとグラスをテーブルに置くと・・・わたくしに近づいてきたのです。
「やめて・・くだ・さ・・あぁぁぁ・・・」
すべすべとした手が両のふとももに置くと、その場に跪きわたくしの真珠からアナルまでをぺろぉっ・・と舐め上げました。
「ぁぁ・・ゃぁああああ」
花びらの外縁を舌先で撫で下ろすと・・・真珠を吸い上げるようにして舌先でれろれろとねぶるのです。
快楽の芯を放置されたままで嬲られ続けていたわたくしの身体は、恥ずかしいほどに山崎さんの舌と唇に反応してしまったのです。
「飲み切れないほどに愛液が溢れてきますよ。ランジェリーをぐしょぐしょにするほど濡らしていたのにまだ枯れないなんて、相変わらず淫乱ですね。祥子さん」
「あっぁぁん・・」
くちゅ・・ ただ言葉責めを繰り返すだけではなくて、わたくしの名前を呼びながら淫らなのはわたくしなのだと言い聞かせる・・・はじめての時と同じでした。羞恥に白くなろうとする意識に理性を取り戻させながら、中指をすでに蕩けている花びらの間に差し入れるのです。
「こんなにまとわりついて。蠢いてますよ、祥子さん」
わたくしの身体は中の壁を確かめる様に動かす指先にまで・・・反応してしまっていました。止めることのできないわななきを知られてしまう恥ずかしさに、身悶えしていたのです。
「あぅぅん・・やぁ・・」
指一本とはいえ・・・ようやく一番埋めてほしかった場所に与えられたものに・・わたくしの身体ははしたなく反応してしまいました。
「もっとですか?」
指をもう一本増やすと・・溢れた蜜でぬめる真珠をなおも舐め回すのです。
「はぁぁ・・ん・・んん・・・」
感じやすい一点を責める舌の動きに、わたくしはいっそう淫らに山崎さんの2本の指を締め付けてしまうのです。
「うっ・・やぁぁぁ・・だ・めぇぇ・・・」
山崎さんの舌は真珠を離れ、じゅ・・ぶ・・・じゅぶ・・と突き入れる指の上にひっそりと控えていたアナルへ移って行ったのです。
「おいしいですよ、祥子さん。こんなにひくひくと僕のキスを求めてるじゃないですか」舌先を尖らせると、密やかな中に唾液を送り込む様に舌をつかうのです。
「ちがう・・ぁ・あ・・あぁぁん」
アナルを嬲ることは・・・美貴さんの嗜好だったはずです。なのに今夜はとうとう山崎さんにまで弄られてしまったのです、
彼の舌の熱い感触はアナルの薄い皮膚にそのまま快感を送り込むのです。
「祥子さんのここは、いつもこんなにも美味しいんですね。そして今夜も・・・綺麗になさっている。あぁ舐めるほどにこんなに素直に柔らかくなって、どんどん僕の舌を奥まで受け入れますよ。僕たちと楽しんだあと、何人の男性にアナルをゆるしたんですか?」
花びらに差し入れる指を3本に増やし・・・親指で真珠をいらって・・・舌先をアナルに這わせながら・・・言葉責めをするのです。
「美貴様、今夜も・・・とはどういうことですか?」
先ほどまで山崎さんの座っていた席に移られたシェフが隣りの美貴さんに尋ねるのです。
「あぁ・・やめ・・て・・ぇ・・・いっちゃ・・やぁぁぁ」
「祥子さんはね、アナルの中までいつも綺麗なんですよ。どんな美人でもそこまで嗜みのいい人は少なくて、辟易するんですけがね」
「そういうことでしたか。しかし皆様にアナルの趣味があるとは思いませんでした」
「やぁ お恥ずかしい。まぁ、これほどの女性だと全てを味わいたくなる、ということですよ」
「そのお気持ちも解りますね」
ははは・・・ チン・・笑い声とバカラのグラスを重ねる怜悧な音が響きます。
「ぁ・あぁぁぁ・・・」
いっぱいに広げられた胎内と感じやすい真珠とアナル・・・・3カ所を同時に責められてわたくしの耳にはもう二人の声は聞こえてはいませんでした。
羞恥の極みである排泄器官をねぶられて、わたくしは乳房をますます窓に押し付けるように身悶えしてしまったのです。
すっと・・・山崎さんの指と舌がわたくしから離れたのです。

「や・・・ぁ・・」
のぼりつめかけていた快感を中途で放り出されたのです。はしたないとわかっていながら身体は彼の舌を追ってしまったのです。
「ごちそうさま、美味しかったですよ」
濡れそぼった唇を拭いながら、山崎さんは平然とシェフに挨拶をしているのです。
「言っておきますが、アナル愛好家はこの美貴だけですよ。もちろん祥子さんのものなら僕も試してみたいですけれどね」
いままで・・・わたくしの排泄器官を嬲りつつけた唇と舌で、そのようなことを仰るのです。わたくしをこんなままで放って・・・ひどいですわ。
ご存知なのでしょうに・・・わたくしがこんな状態なのを。
「こんなに滴ってるのに、もったいないことするなぁ」
二人の姿を打ち消すようにわたくしの背後に立ったのは石塚さんでした。
わたくしは石塚さんも愛撫にいらしたのだとばかり思っていました。
まさか・・・シェフより先に交わるつもりだなんて・・・
「あうっ・・」
わたくしの予想に反して、くっと背を押すと熱い塊を花びらの間に押し入れたのです。
「あっあぁぁぁぁ・・・」
先端の張ったおおきなかりが・・・わたくしを押し広げて、ずぅぅっと奥まで入って来たのです。
「妬けるな。山崎にこんなにされて、とろとろじゃないですか。祥子さん」
ずっくりと塊を抜き差しするのです。
「あぁ・・ぁはぁぁん・・」
わたくしは絶頂寸前で放置された体内をかき回される快感に、身を浸してしまったのです。石塚さんは硝子に押し当てられた乳房さえ、荒々しく揉み立てるのです。
「ぬるぬると一気に奥まではいりましたよ。ほら、こんなふうに!」
ずん・・・最も弱い奥を突き上げるのです。
「やぁぁあ・・・」
そのひと突きで・・・わたくしは逝ってしまったのです。
「こんな誰にみられているかわからない高層ホテルのレストランの窓際で・・・胸を揉まれて逝くんですね、祥子さん」
腰の動きが激しくなってゆくのです。逝ったばかりで収縮をくりかえす胎内を抉られるように・・・突き上げられてしまいました。
「いわない・・でぇぇ・・・」
「露出が好きなら、明日はたっぷりと楽しませてあげますよ。祥子さん」
「ちがう・・ぁ・・あぁぁぁ・・」
近くに高層の建物はないとはいえ・・・もしあの東京タワーに人がいる時間ならば・・・見られてしまいかねない場所だったのです。展望台の望遠鏡ごしに・・・わたくしがはしたない姿で犯されているところを。
「夢にまで見た祥子さんの身体だ。あのあと祥子さんを思い出して何度も逝ったんですよ」
打ち付けるような腰の動きが・・・止まらないのです。
「いい・・あの時のままだ。いくぞ・・・」
「あぁぁ・・・いくぅぅ・・・」
体内の熱い塊が一段と太さを増したのです。抉り抜かれる快感に・・・わたくしは一層高い頂点へとおしあげられたのです。
「きつい・・こんなに締めて・・・祥子・・いけ!!」
「あぁあぁぁぁ・・・」
最奥を突きあげられわたくしは達してしまったのです。
「うっ・・・ああ・・」
石塚さんは塊を抜くと、わたくしのヒップに・・・どろっと熱い精液をかけたのです。
「今夜はあなたはシェフのものですからね。僕たちのは明日からたっぷり注いであげますよ」
ぐったりと官能に白く蕩けるわたくしの耳元に・・・名残惜しげに白い乳房をもみしだきながら石塚さんが囁きます。
ありがとう・・・ という石塚さんの声とともに、熱いタオルがわたくしの腰を拭うのです。
その感触に眼を上げたわたくしは・・・硝子に映るシェフの姿をみとめたのです。
「ゆるし・・て・・・」
このまま立て続けに犯されるのかと・・・思ったのです。
シェフはわたくしの手首を吊っていたストッキングを解きました。
支えをうしなったわたくしの身体は、ぐったりとシェフの手に抱きとめられたのです。
初雪 16
「そろそろ頃合いのようですね」わたくしの身体を窓の方に向けるのです。目の前には硝子越しに都心の夜景がきらめいていました。
「ここに上がってください。祥子様」
先ほどの台に、わたくしの膝を誘うのです。
わたくしは手首を縛められ・・・吊り下げられておりました。
氷責めで、先ほどから力の入らなくなっている身体をシェフに助けられて・・・膝立ちで・・・台の上に登らされたのです。
「脚を開いてください。祥子様、もっとです。」
3人の男性に背を向けて・・硝子に映る乱れ髪のわたくし自身のはしたない身体を見つめさせられながら・・そろり・と脚をひらくしかなかったからです。
「もっと!!」
バシッ・・ シェフのあの大きな手がわたくしのヒップをスパンキングするのです。
「ひ・・っ・・」
小さく悲鳴をあげて、わたくしは肩幅ほどに膝を開いたのです。
「身体を倒して。そう、窓にその破廉恥な巨乳を押し付けるんです」
シェフの手で背を押されてわたくしは冷たい窓ガラスに・・・Gカップの白い乳房を・・・乳首を押しつぶすように押し付けられてしまったのです。
「窓の外からみたいもんだな」
石塚さんがつぶやきます。
「超一流ホテルのメインダイニングの窓に、両手を吊られて裸でバストを押し付けて跪く女の姿が見える。近くに高層マンションでもあったら・・・大変ですね」
山崎さんがさきほどのTバックを手に・・・わたくしのはしたない様をあえて言葉にするのです。
「いやぁ・・・」
「もっとです!」
バシッ・・ 2度目のスパンキングが飛びました。膝を窓際の台ぎりぎりまでシェフの手で下げさせられ・・・背を反らす様にして上体を倒させられたのです。
「あぁまるで蜜がけした果物のようですね。ぷっくりと膨れて美味しそうだ」
「一口楽しみたいね」
「そんなことをしたら我慢できなくなってしまいますよ」
なんのことを言っているのでしょう。
「今夜のメインディッシュです」
シェフの指がわたくしの柔らかな合わせ目をぱっくりと開いたのです。
「だめ・・・ぇ・・」
背面の3人にはわたくしの恥ずかしい部分が丸見えになっていたのです。バストが窓に押し付けられる冷たさばかりに気を取られて・・・腰を突き出した姿勢になっていることに気がまわっていませんでした。
とっさに姿勢を戻し・・膝を合わせようとしました。
「そのままです!!」
バシッ・・ 3度目のスパンキングが白いお尻に飛びます。
「ゆる・・し・て・・・」
戻しかけた膝をシェフの手で前よりも開かれ・・・背をしならせるように反らせた姿にされてしまいました。手を括られ・・・吊られているために、わたくしは夜景の窓に映る自分の姿と・・・4人の男性の視線から意識を逃がすこともできなかったのです。
「美貴様、どうなさいますか?」
シェフの指はわたくしの花びらを触れるか触れないかの繊細な指使いで嬲りながら・・・問いかけるのです。
「いいんですか?そんな風に聞いて。今夜は祥子さんを独り占めしたいと先ほど仰っていたじゃないですか」
ふふ・・欲情の絡んだ含み笑いが響きます。
「そうしたいのはやまやまですが・・・皆様もそろそろ限界かと思いまして」
「はは バレバレですね。見るだけじゃ我慢できなりそうですよ」
「わたくしだけ楽しませていただいてお三方とお部屋に戻られたら、祥子様を酷くお責めになりそうな予感がします」
「そうだな。朝まで寝かせないかもしれない」
「祥子様も消耗なさってますから、どうですか。ここで皆様も楽しんでいかれませんか?」
「やぁぁ・・・」
ホテルのメインダイニングで・・・こんな淫らな姿を晒すだけでは飽き足らず、シェフだけでなく3人の男性達にも犯されろというのです。
「明日は早めに出る予定なので、ここで僕たちも満足させてもらえるならその方がありがたいですね」
美貴さんがまるで深夜のルームサービスを頼むかのような口調で言うのです。
「お一人一品ということでしたら、いかがでしょう」
初雪 15
とうとう、首に巻かれたベルベットのチョーカーだけの姿にされてしまったのです。両手首をストッキングで括られた姿のままでつり下げられ、窓枠からのスポットライトの下に白い肌を映し・・・愛液を含んだ秘めた茂みさえも・・・晒されておりました。
背を露にする盛装のドレス姿でも、寒さを感じないほどに空調が効いているホテルのメインダイニングなのです。窓際から忍び寄る冷気も、わたくしの身体の火照りを鎮めることはできなかったのです。
そして・・・その熱は空調だけが原因ではないと、わたくしにはわかっていたのです。
囚われ人のような姿で4人の男性に身体を視姦される羞恥と・・・熟した身体をシェフに嬲られているのに、敏感な快楽の芯だけは放置されたままだったからです。
埋み火のような疼きはわたくしの肌を火照らせ・・薄紅に染めるほどにはしたなく高まっていました。
先ほど運んで来た飲み物のワゴンから、シルバーのアイスペールを手にシェフは戻ってまいりました。
カラ・ン・・ すぐ側のテーブルにアイスペールを置きます。
涼やかな氷とシルバーの奏でる音。飲み物のサービスのためなのだと、わたくしは思い込んでいたのです。この身体に思い知らされるまでは・・・
「ひぃっ・・・」
シェフの指が触れたと思った乳房の脇のラインに、氷の冷たさが走ったからです。
ぎし・・っ・・ 吊り下げられ辛うじて立っていたわたくしの身体は、反射的に捩れバランスを崩しました。
「やぁ・・っ・・・」
今度は・・逃げ・・かばおうと倒した上半身のせいでたゆん・・と垂れた乳房の下側を氷が這うのです。
「やめ・・て・・はぅっ・・」
反らせた胸元の敏感な左の乳首を、氷の冷たさが襲うのです。
「やぁぁぁ・・・」
乱れた脚元にわずかに晒した内ももにまで・・・あっん・・冷たい・・・。
「祥子様、先ほど素直にわたくしの望みを叶えてくださらなかったお仕置きです。暴れてはなりません」
背骨の窪みをつぅぅっ・・・と氷が這ってゆきます。
「あぅっ・・・」
シェフの指先にあるのが氷だとわかっていても、あの氷点以下の冷たさは火照ったからだには慣れることなどできない・・・凶器でした。
「活きの良い車エビのようですね。その白い裸体がよく跳ねる」
背をかばおうと反った身体の前で、たゆたう右の乳房が次の標的でした。
「やぁっ・・・」
ぎしっ・・・ バランスを崩した身体を支えるためにシェフの脚で足元を固定されたわたくしは、上半身を淫らにひねり捩って・・・氷の責めから逃げるしかなかったのです。
氷の這った痕は、その冷たさは一瞬で燃えるような熱さに変わってゆきました。
脇を・・なめらかな白い腹を・・・乳輪の外側を・・・首筋を・・・
わたくしの身体は条件反射のように、幾度もいくども氷から逃れようと悶えつづけたのです。
「祥子様の肌はよほど熱を持っているのですね。もう5つめの氷が溶け切ってしまいましたよ」
「はぁぁ・・・」
立て続けの鞭を受けたあとのようにわたくしは息を切らせてしまいました。
もう・・・半分つま先立ちの・・・吊られた姿勢を続けることすら、きつくなっていたのです。
わたくしは傍らに立つシェフに、身体を半分預けるようにぐったりとしておりました。
「こんなに暴れるはしたない祥子さんを見たのははじめてですよ」
美貴さんの声が聞こえます。
「祥子さんはね、堪えるのですよ。快感も悦楽も全て・・・ぎりぎりまで。彼女の声としなる身体は・・彼女の熟した身体が堪え切れなくなって、初めて溢れ出してくる甘露なんです」
「仰る通りです、美貴様。この方は素晴らしい。感度のよさも声も・・・蜜の香りも。ここまで皆様が執着されるのです、きっとお身体もよろしいのでしょう」
「はぁぅっ・・・だめ・・」
力の抜けていた脚を割って、先ほどまで氷を持っていたシェフの冷たい指が・・・花びらと真珠の眠る草むらの奥へと入ってきたのです。
「やぁ・・ぅくっ・・」
冷たい指先が熱く熟した蜜を掬い・・・花びらと真珠を撫でたのです。
引き出されたシェフの指は・・・あたたかく・・白く濁る愛液にまぶされていました。
初雪 14
ぎっ・・しぃっ・・・達した瞬間に、わたくしの脚は身体を支え切ることが出来なくなってしまいました。体重を手首の一点で支えるシルクのストッキングが、頑丈なカーテンレールをもきしませるのです。
「ふふ 逝ってくださったのですね。祥子様」
シェフは両手で落ちかかるわたくしの腰を支えて下さったのです。
「もう少ししっかり立ってください。そう」
わたくしの前に跪くと、Tバックに包まれた腰を愛おしそうに抱きしめて・・・太ももの合わせ目の茂みに・・・顔を埋めるのです。
「なにを・・なさるのっ・・・だめ・・」
腰を振り、彼の顔からそむけようとしても、がっしりとした腕に抱きとめられ動かすこともできないのです。
「いい・・香りだ。こんな香り・・・久しぶりです。最上のフェロモンですね」
シェフの鼻息が・・ため息が・・・濡れそぼった太ももの間を淫らに吹き抜けてゆくのです。
「美貴様、味合われますか?」
わたくしの腰を抱きしめたままでシェフが後の3人に問いかけるのです。
3人は椅子に深く腰掛け・・・わたくしたちを鑑賞しながら密やかに交わしていた会話を止めました。
「欲しいですね、シェフが丹精されたソースを。僕たちにも楽しませてくれませんか」
すべすべとした手はバカラのグラスを愛でる様にゆっくりと回すのです。
「山崎が?珍しいじゃないか」
先を越されたのを残念がったのは石塚さんでした。
「お待ちください」
腰に回していたシェフの手はTバックのウエストにかけられ・・・ただ一枚わたくしを覆っていた小さな布を一気に引き下ろそうとしたのです。
「やめて・・ぇ・・」
太ももを捩り合わせて・・・最後のランジェリーが引き下ろされるのを必死で止めようとしました。
「祥子様、脚を開いてください」
「い・・や・・・」
「私の言うことを聞いてくださるのではないんですか?」
「やぁ・・・おねがい・・・しないで・・」
「それじゃ、このままの姿でここに両膝を曲げて腰を下ろし・・・お三方に祥子様の花びらをランジェリーごしに鑑賞していただきましょうか?」
窓際の空調設備を覆い隠した、膝ほどの高さの木製の台を指さすのです。
「いやぁ・・・」
窓際で・・・それがたとえ周囲のビルから見られる心配などないほどの高層であっても・・・Tバックと首のベルベットのチョーカーしか身につけない身体をこれ以上はしたなく晒すことなど出来ません。
ましてや、営業しているのと同じレストランの中でスポットライトを浴びて・・・もっとも恥ずかしいところを開く姿を、お客様に向かってしてみせろというのです。
「ランジェリーを差し出せないなら、M字開脚で祥子様の全てを美貴様たちにお見せしてください」
縛められた腕は高く上げられたままで・・・そんなこと・・できません。
「ゆるして・・・」
わたくしは唇を噛むと、堅く閉じていた脚をほんの少しだけ・・開いたのです。
「最初から素直にそうしてくださればいいのです」
くちゅ・・・ はしたない濡れ音をさせながらTバックを剥ぎ取られてしまったのです。
「山崎様、どうぞ」
差し出された黒のランジェリーは・・・淫らな愛液に濡れそぼっていたのです。
「今夜のソースは一段と濃やかな香りですね。祥子さん」
鼻先で燻らせるのです。
「お見事ですシェフ。でもこれはソースというよりも熟成されたチーズのようですね。」
「恐れ入ります」
わたくしの乳房を嬲りながら・・・まるで今夜の一皿への賛辞に答えるようなひと言を返すのです。
「やぁぁぁ・・・」
「しばらくはこのデザートでお楽しみになってらしてください 私はもうしばらく祥子様を独り占めさせていただきます。」
わたくしの腰に触れた手を離さずに・・・シェフは舌なめずりをするようにわたくしを見上げたのです。
閑話休題(インター・ミッション) 2 ver.2
お久しぶりでございます。閑話休題です。HAIREI様のご協力により物語のシーンに合わせて掲載させていただいたイラストなのですが、実はアップ点数が20点を超えました。いままでは、アップ順でのご紹介でしたので・・・こちらでまとめて作品別にご紹介してみたいと思います。
第1作 オペラピンンクのランジェリー
「オペラピンクのランジェリー 2」
「オペラピンクのランジェリー 3」
「オペラピンクのランジェリー 4」

第2作 蝉時雨の夜
「蝉時雨の庭 1」
「蝉時雨の庭 2」
「蝉時雨の庭 3」

第6作 唐紅
「唐紅 4」
「唐紅 14」
「唐紅 15」
「唐紅 18」
第7作 21:00
「21:00 5」
「21:00 7」

第8作 ムーンナイト・アフェア
「ムーンナイト・アフェア 2」
「ムーンナイト・アフェア 4」
「ムーンナイト・アフェア 14」
「ムーンナイト・アフェア 16」
「ムーンナイト・アフェア 18」
「ムーンナイト・アフェア 20」
第9作 第九 合唱付き
「第九 合唱付き 3」
「第九 合唱付き 4」
第10作 初雪
「初雪 3」
「初雪 11」
「初雪 13」
「初雪 17」

「初雪 22」
「初雪 23」
Special Thanks♪
「10000アクセス記念イラスト by HAIREI様」
これからも、新しいイラストをアップする度に、閑話休題 2、閑話休題 2 ver.2 ともに新作をアップする度に情報を更新してまいります。
旧作にも「蝉時雨の夜」や「21:00」のように突然集中掲載をさせていただくこともございます。時たまチェックしてみていただけると、よりいっそう<淑やかな彩>をお楽しみいただけると思います。
ご紹介が遅れましたが、HAIREI様はブログをお持ちです。
こちらからどうぞ♪
初雪 13
「美貴様、宜しいんですね」「祥子さんの麗しい声と香りを僕たちも堪能させていただきますよ」
3人の男性が鷹揚に頷いて乾杯の仕草でグラスをあげるのです。
「では」
シェフはわたくしの身体を、テーブルとテーブルの間にある窓際へと連れて行きました。
わたくしを出窓のスペースに立たせ、手首を縛めたストッキングの端を・・・頑丈な真鍮のカーテンレールへと結びつけてしまったのです。
出窓には天井にスポットが仕掛けられておりました。
わたくしの身体は都心の宝石をちりばめたような夜景を背景に・・・ライトで白い肌をことさらに際立たせさせられたのです。

「赦して・・・おねがい・・・」
わたくしは陵辱するための舞台のようなその場所で・・・ライトに晒されながら今夜初めてお逢いしたシェフに犯されるのです。それも3人の男性に娼婦のように鑑賞されながら。
羞恥のあまり感情が高ぶってしまったのでしょうか。涙が頬を一筋つたってゆきました。
「聞けません。祥子様が私に思い通りにしていいとおっしゃったのですよ」
シェフはわたくしのウエストに手を回すと、ガーターベルトのスナップを外したのです。
「これはもう必要ありませんね」
「あ・・・」
Tバックのウエストから4本のストラップを丹念に引き出して・・・美貴さんに手渡します。
わたくしはまた一つ・・・身につけていたものを剥がれてしまったのです。
そして・・・その手はTバックのウエストにも容赦なく掛けられたのです。
「やめて・・・おねがい」
つぶやくようなわたくしの声にシェフの手が止まりました。
「まだ早いですね。このランジェリーには、もっとソースを和えたほうが良さそうです」
腕を吊られたことで引き上げられた乳房に指をくいこませ、躊躇うこと無くねぶりはじめたのです。
「はぁ・・あぁぁ・・だめ・ぇ・・」
空調の効いたホテルのレストランとはいえ、そこは窓際だったのです。
高層ビルのガラスごしに、ひしひしと冷気はわたくしの身体を覆っておりました。
男性たちの責めに火照っている身体の奥と対照的に、肌はひっそりと冷やされていたのです。
「あぁあ・・ぁん やっ・・はぁぁん」
シェフの口唇の熱はまるで熱蝋をたらしたようにわたくしを責めるのです。
「太ももよりも柔らかく魅力的ですね それにこんなに白くて大きくて・・なのに感じやすい」
ちゅぱ・・・一瞬強く・・身体をひくっと反応させてしまうほどに・・・なのに痕を一切残さない。そんな愛咬をシェフは・・・愛撫に身じろぎするたびにたふたふと揺れる・・・Gカップの白い肌に繰り返してゆくのです。
「祥子様の乳首は慎ましやかですね。こんなに大きな乳房なのに、敏感そうな姿をしている」
こんな風に口にしながら、わざと乳首を避け・・その分堅くしこる乳首を欲望に滾る視線でねめつけながら・・・吊り上げられた乳房の下辺やずっと晒されていた脇の膨らみまでも啄むのです。
「やぁ・・ん・・は・・ぁぁぁ・ん・・」
レストランに向かった時からいままで、言葉責めと敏感な性感帯を外した肌への刺激をつづけられていました。
「はぁぁ・・ん・・」
加えて適度なアルコールで感度を高められたわたくしの肌に、シェフの唇はじっくりと官能を炙るような愛撫を加え続けるのです。
「祥子様、いい香りです。感じてらっしゃるんですね」
じわじわと与えられる快感は、必死に閉じ合わせた脚の奥で・・・わたくしに愛液を溢れさせてしまっていました。
「あぁぁ・・ん・・だぁ・・め・・」
その上3人の男性に視姦されていることさえ忘れてしまうほどに焦らされて・・・いけないと思いながらも・・シェフの舌による快感の芯への刺激を・・・はしたない身体は求めてしまうのです。
「ゆるし・・て・・・おかしく・・なりま・すぅぅ」
「これでどうですか」
シェフの大きな手が両の乳房をぎゅうっと引き寄せ・・・二つの乳首を同時に・・かぷっ・・と噛んだのです。
「ああああっ・・・い・・ぃぃぃ」
甘噛みの衝撃と、ずっと焦らされた敏感な乳首の先端を舌先でねぶられる快感に、わたくしは・・・逝ってしまったのです。
初雪 12
「いや・・・赦して・・おねがいです。シェフ・・だめ・・」縛り上げられた手で押し戻す様に抵抗するわたくしをシェフは無言で抱きしめると、先ほどまで彼のお料理を味わっていた唇を・・・奪いました。
「ん・・ぁふ・・ だ・・めぇ・・」
がっしりとした腕に抱きしめられて・・・キスを・・文字通りのフレンチ・キスを繰り返すのです。
大柄なシェフの腕の中では、わたくしの抗いなどなんの妨害にもなりはしないのです
チッ・・チチチ・・・ 背中のファスナーがシェフの手で引き下ろされてしまいました。
これで黒のシルクのドレスをウエストに留めるすべはなくなってしまったのです。
「おねが・い・・くふん・・やめて・・んん・・ん・あぁ・・・ゆるして」
唇から黒髪がほつれかかる胸元へ・・・シェフのキスが下りてゆくのです。
「このままだと祥子様のジュースでドレスを汚してしまいそうですね。さぁ、こちらへ」 ベルベットのチョーカーから下がったペンダントの真下まで唇を這わせたところで、顔を上げました。
「どうしました?急に」
わたくしの居るテーブルを遠巻きに椅子を運び、それぞれにグラスを手に3人の男性は寛いでいました。。
このまま・・・この舞台でわたくしがシェフのものになると思っていたのでしょう
「いえ 祥子様の薫りが強くなられたので、随分溢れさせてらっしゃるのだと思いまして」
まるで彼の料理のできばえを語る様に・・・説明をするのです。
「やぁぁ・・・」
わかっておりました シェフの口づけでわたくしの身体がはしたなく反応していることは。そして今夜のランジェリーではもう・・・その潤いを押しとどめられないことも。
「さすがにシェフですね。素材の変化には敏感だ。たしかに薫りが増しているようですね」
美貴さんがブランデーを手に薫りを深く吸い込むような仕草をするのです。
「見事なドレスですから、ストッキングのようなわけにはまいりませんでしょう。またこのドレスを着た祥子様にもお逢いしたいものですし」
わたくしを抱くと、テーブルの端へと抱き寄せるのです。
「さぁ テーブルから降りましょう。祥子様」
わたくしは縮め・引き寄せていた脚を・・・素足のまま・・レストランの絨毯の上に下ろしました。
「さ、私に掴まってください」
このまま立ったら・・・わたくしは自ら晒さなくてはならなくなる姿に目眩がしそうでした。
「さぁ 祥子様」
肩に回された腕で、ぐい・・と立ち上がらされてしまったのです。
「いや・・・」
ぱっさぁ・・・腰にまとわりついていたドレスは・・胸元に彩られたビーズの重みであっという間に脚元に落ちていったのです。
わたくしはとっさにストッキングで括られた手で胸を隠し・・・シェフの方へ身を捩りました。
「可愛いですね。祥子様」
シェフはその大きな身体で、男性達からこの姿を隠す様に・・抱きしめる様に受け止めてくださいます。
「おねがい・・・シェフの仰る通りにいたします。でも・・ここでは・・いや・・・おねがいです」
「僕たちのことは楽しませてくれないんですか?祥子さん」
「ひどいな。この前は美貴が独り占め、今夜はシェフだけに独り占めさせるのかい?」
「それとも四人に同時に愛されたいのですか? 祥子さん」
「ちがいます・・・こんな場所で・・いや。おねがいです、シェフ。助けてください」
シェフのシャツの胸で、わたくしは哀願の言葉を繰り返したのです。
「私の言うことを聞いてくださるんですね。祥子様」
シェフはわたくしの顔をあおのけると、瞳を見据えていいました。
「はい、仰るとおりに」
やっと助けていただける・・・わたくしは微かな声で応えたのです。
「これが私の望みです」
シェフは手首を縛ったストッキングをわたくしの頭上に引き上げると・・・ガーターベルトとTバック・・それにベルベットのチョーカーだけを身に付けたわたくしの姿を、椅子に寛ぐ3人に晒したのです。
「いやぁぁぁ・・・」
頭の上に回された手は胸を覆うどころか羞恥に慄くわたくしの表情を隠すこともできませんでした。
両脚を捩り合わせるようにぴったりと付け、長身のシェフの右手に鴨のようにつり下げられたわたくしの身体は・・・Gカップのバストを反らせるように・・・たわわな乳房を3人の目前に晒されてしまったのです。
吊るべきストッキングのないガーターベルトのストラップは、まるで腰の飾りのように男性達の指と唇で愛でられた太ももの前と横で揺れていたのです。
テーブルの上での陵辱に、わたくしのアップにした髪はしどけなく崩れていました。辛うじて、料理に添えられたピックのような高価なプラチナのかんざしのおかげでやわらかなフォルムを保っていたのです。
「ゆるして・・・おねがい・・・」
生け贄のような・・・引き立てられた奴隷のような姿だったに違いありません。
「私の望みはこの夜景を見ながらあなたを犯すことなんですよ。この聖なる職場でね」
空いている大きな左手が、わたくしの乳房を鷲掴みにするのです。
「それも私一人きりで、この席をもっとも利用してくださるお客様の前でね」
美貴さんと眼を見交わし軽く頷き交わすのです。
「明日から私は、ここに来る度に祥子様のこの姿を思い出すのです。それがどんなに高貴なお客様の前でも、タブリエの下のこれをいつでもこんな風に猛らせながら接客するんです。祥子様のこの姿を思ってね。」
わたくしのむき出しの腰に・・・スラックスごしの熱い塊が押しつけられたのです。
初雪 11
「こんなに破れていては身に付けていてもしかたありませんでしょう。ストッキングを脱がして差し上げますよ、祥子様」山崎さんがわたくしの両足首を抑えると・・・シェフの指がガーターベルトの留め具を右の脇から一つづつ外してゆくのです。
「おねがい・・やめて・・このままで部屋に戻ります。許して」
先ほどの <だめ> が招いた・・・より淫らな責めを逃れたくて、今日はじめてお逢いしたシェフに哀願を重ねたのです。
「さぁ反対側です。脚の向きを変えてください」
このままでは外すことのできない左脚の留め具を見せろと迫るのです。
「やぁ・・ゆるして」
「この姿で僕たちと望月の待つ部屋に戻るんですか?誰がくるかわからないホテルの廊下とエレベーターの中を、破れたストッキングと・・・ドレスの前を落として乳房を露にしたままで・・・ですか、祥子さん」
「それもいいですね。こんな格式の高いホテルで露出ですか。どこで誰に見られるかわかりませんが、ふふ そそられますね」
「ちがうわ・・・帰る・・の・・」
「あんなに美味しいお料理を作ってくれたシェフに選んでもらいましょう。ホテル内で露出しながら祥子さんを嬲っていただくか、ここでシェフが望むようにするか」
石塚さんがグラスを手に、わたくしが抗えない・・・そんな選択を口にします。
「そうですね。私がそのようなことをしているのを社内で知られる訳にはいきませんから、 残念ですがこの場で祥子様に私の希望を叶えていただければそのほうがうれしいですね」
そしてわたくしの脚を、指先で触れるか触れないかの微妙なタッチで撫で下ろすのです。
「ぁ・・ぁあ・・」
「祥子様 脚の向きを変えてください」
わたくしは脚を反対側に倒すしかなかったのです。
最後の留め具を外すと・・・左、次いで右の足首を引き・・・無惨に伝線したストッキングをすーっと引き下ろしていったのです。
ウエストに巻き付いたガーターベルトの先が・・・わたくしの腰でゆらっと・・揺れました。
「ナフキンでは祥子様の白い肌が傷ついてしまいそうですね。取って差し上げましょう」
シェフと石塚さんが左右の手首のナフキンを解いてくださいました。
でもそのまま自由にしてはいただけなかったのです。
伝線したストッキングで・・・わたくしの手を頭上でひとまとめにして・・・そのまま括ってしまったのです。
テーブルから起こされた上半身は、真っ暗な夜景を浮かべる窓を背景に浮かび上がっていました。
たふん・・白い乳房が揺れ・・胸元を覆っていたビーズに彩られたシルクがはらりと・・・淫らな姿を浮かびあがらせてしまうのです。
ダイヤとプラチナのかんざしでシンプルに結い上げてある髪は・・・さきほどの責めでいく筋かほつれ・・・首筋から胸元にまで後れ毛が落ちかかっていたのです。

「あぁ なんて姿なんですか」
「おねがい・です・・見ないで・・・」
黒のシルクのストッキングでくくられた手首を胸元に引き寄せて・・・最後の被いさえ取り去られた白い乳房を・・・隠したのです。
「美貴様 どこまで許されるのですか?」
シェフの視線はわたくしからほんの僅かも外されることはありませんでした。
声だけでこのレストランの予約をした美貴さんに、わたくしをどこまで楽しめるのかと聞くのです。
「そうですね。祥子さんがシェフに心を赦しているなら・・・ほとんど全てのことを許してくれるでしょう。そういう方なんです」
美貴さんの脳裏には箱根の一夜がくっきりと思い浮かべられていたのでしょう。
「皆様方は・・・今夜は?」
こんな装いをさせた女性を一人だけ連れた3人の紳士。今夜これから3人で・・・と考えたのは当然のことだったのでしょう。
シェフはお客様であるこの3人を不快にさせてはいけないと・・・欲望を滾らせながらもプロの意識で問いかけたのです。
「僕たちはこれから3日間を一緒に過ごす予定なんです」
「こちらのホテルでですか?」
「いえ、明日には僕の別荘へお連れするんです」
石塚さんが答えます。
「そうなのですか」
残念そうな声。それとともに瞳にこもる欲情は強まっているようでした。
「それで今夜はわたくしが味合わせていただいてもよろしいのでしょうか?」
視線をわたくしから外す事なく3人に問いかけました。
「ええ」 「どうぞ」 「美味しい食事の御礼です」
三人は共に昂りを示しながら、同時にYESの返事を返したのです。
初雪 10
「薫りも素晴らしいですね。祥子様の・・・これは香水などではないですね。男をそそる香りをこんなに溢れさせて」足先からパンプスを脱がせ カタン・・と床に落とすと、シェフは割り開かれた太もものストッキングの上の素肌に唇をそわせるのです。
「ストッキングを破く音があんなに響くとは思わなかった。そそられたよ、石塚のあの悪戯にはね」
山崎さんが右のパンプスを脱がせてつま先をねぶる・・・その脚に美貴さんの指が這うのです。
「そうですね 盛装した女性の、それもガーターストッキングをこうして破る。男が憧れる行為の一つですからね」
このレストランに脚を踏み入れた時から続けられた羞恥責めに、潤わせ・滴らせてしまった蜜が・・・内ももにはしっとりとまとわり付いていたのです。
シェフの指は左脚のまだ無傷だったストッキングの内側を・・・ピリリ・・と破り、伝線の中に表れる白い肌に舌を這わせてゆくのです。
「美貴の用意したストッキングはシルクだろう。この高く響く音はそのせいさ。安物のストッキングじゃこんな音はしない。もったいないとは思ったが・・手触りだけでどうしてもしたくなってしまったんだ」
食事の間中ずっとわたくしに指を這わせ続けていた石塚さんは、いまは隣のテーブルでブランデーとチーズをゆっくり味わいながら、テーブルの上に饗されたわたくしを眺めていました。
「構わないさ。祥子さんのためなら惜しくはないさ。それにプレゼントなんていくらでも用意してある。一番似合うと思って用意したストッキングが、こんな趣向を生むとは思わなかった。うれしいよ」
ピッ・・・とうとう右のストッキングも・・美貴さんの指で破かれてしまったのです。
「部屋のベッドの上でもいいが、こういう場所でというのも格別だね。美貴が言う様に営業時間中にこうしてみたくなる」
「いやぁ・・ぁぁ・・・」
もう誰もいないとはいえ、メインダイニングは通常の夜間営業時とおなじシチュエーションのままでした。
クラシックのBGMが流れ・・・フレンチを楽しむに相応しい照明と・・・わたくしたちの周囲のいくつかのテーブル以外には、すでに明日のためのグラスとシルバーがセットされているのです。
背後の窓の外には新年を迎える都市の夜景が宝石箱のようにまたたき・・・わたくしの身体の下には、ホテルのロゴがジャガードで織り込まれた真っ白なリネンのテーブルクロスが敷かれていたのです。
そのような場所で、テーブルの脚に両手を縛られ・・・3人の男性に両脚を割り開かれたはしたない姿を強いられていました。
今宵の為にと装った黒いシルクのドレスの裾は乱され、露になったガーターストッキングを無惨にも破かれ脚を指で・唇で・・・嬲られているのです。
「営業時間中だけはご容赦ください。こんな姿の祥子様がいらしたら、どなたも食事などなさらなくなってしまいます。それにこの香り・・・なによりも私が仕事になりません」
わたくしの足首は二人の男性に左右に開いたままで掴まれぴくりとも動かせないように押さえ込まれていました。
脚をねぶるために伏せていた身体を起こした3人の男性に・・石塚さんが加わり、半円形のテーブルを取り囲んでテーブルクロスの上のわたくしを見下ろすのです。
「この景色は、ん・・・祥子さん。箱根のあの姿以上ですよ」
美貴さんがポケットから携帯を取り出しました。
「どれどれ・・」
石塚さんがグラスを手に覗き込みます。
「やめて・・・だめです・・美貴さん。やめてください」
「ほぉっ、美貴は祥子さんを独り占めして、こんな姿をさせて楽しんでいたんですか」
箱根の宿で運転手に赤い縄で縛められ・梁に吊られて・・・着物をはだけられた・・淫らなあの写真に違いないのです。
「見ないでください」
山崎さん・石塚さんだけではなく、はじめてお逢いしたシェフの手にまで携帯が渡ってゆきます。
どんなお写真なのか、被写体となったわたくしはまだ眼にしたことがありません。
でも、あの夜の淫らさを思えば・・・お写真が粗く・不鮮明なものだからこそ・・・真実わたくしがあの時限りと晒した痴態を伝えてしまうに違いないのです。
携帯に群がった男性たちが離してくれたおかげで自由になった脚を、ようやく合わせ引き寄せたのです。膝をできるだけ身体に引きつけて・・折り畳んだのです。
縛められたままだったので、ドレスの裾まではもとに戻すことはできません。
白いテーブルクロスの上に広がる黒のシルク。その上にたたまれた白い脚を覆う・・破られ・伝線させられた黒のシルクのガーターストッキング。
「これもよろしいですが、いまの祥子様には敵いませんね」
ようやく携帯の画面から眼を引き離したシェフが、わたくしの姿に視線を戻します。
「ここまでしたら、もう一つ。こうしないとね」
つかつかと近寄って来た石塚さんの手が、わたくしの首筋に回されます。
プチっ・・アップにした髪の下でスナップで止められたアメリカンスリーブの襟を外すと、右側の身頃だけを・・・Gカップの白い乳房が乳首まで露になるようにずらすのです。
「やぁぁぁぁ・・・」
ホテルの高層レストランという日常空間で、纏っていたドレスを引きはがされ・・・白い肌を晒させられて4人の男性に視姦される。
気の遠くなるような羞恥がわたくしを襲いました。
「い・いですね。これは」
ゴクリ・・男性達のつばを飲み込む音が聞こえます。
淫らな欲望に晒されている、解っているはずなのにわたくしの身体は・・・彼らの欲望をなおも煽るように・・・乳首をなお堅くしこらせてしまうのです。
ビーズの散りばめられたシルクに覆われたままの左の乳首さえ、ビーズの反射がくっきりと・・・はしたない姿をあらわにしていたのです。
身体を丸める様に引き寄せた脚が、白と黒とのコントラストを一層強めていたのでしょう。
「もう・・やめて・・許して」
4人の男性は言い交わしたわけでもないのに・・・おもむろにジャケットを脱ぎはじめます。シャツ・ネクタイ姿になった4人は・・・すでにスーツのパンツごしでさえわかるほどに・・・昂らせていたのです。
「写真を撮らせてはいただけませんか?」
シェフの無理に欲望を抑えた声が響いたのです。
「祥子さん。美味しいお料理の御礼にシェフにあなたの艶姿の写真をプレゼントしますか?」
美貴さんがまた頷けるわけもない問いを投げかけるのです。
「いや、許して。お写真なんて・・だめです」
「だめだそうです。残念ですね」
山崎さんが、また一歩わたくしに近づきました。
「シェフには別の御礼をしなくてはなりませんね」
美貴さんが乱れはじめたわたくしの黒髪が落ちかかる耳元に・・・次の責めを予告するかのように囁いたのです。
初雪 9
「今夜ここは私たちだけです。どうぞリラックスなさってください。それともソファーになっているVIPルームに移られますか?」ウォッシュチーズとマディラ酒の組み合わせに舌鼓を打つ美貴さんに、シェフが話しかけます。
「もうスタッフは全員いないのでしょう。」
「ええ 私以外は誰もおりません。外のドアもクローズしてありますから、他の宿泊客が間違って入ってくるようなこともないでしょう。」
「だったら・・・ここで充分でしょう。」
美貴さんの一言が、それまでほんの微かだった淫媚な空気を一気に濃くしたのです。
たとえストッキングを破られた姿でも・・・ここでしばらくゆったりとお食事と会話を楽しんで・・・そっと専用のエレベーターであの部屋に戻るつもりなのだと、わたくしは食事の間中ずっと思っていました。そして、あの部屋で明日に備えてこの3人の中のどなたかとのわずかな戯れを求められて・・そのまま眠りにつくのだろうと。
なのに・・・美貴さんの言葉は「それでは終わらないんだよ」と告げているようだったのです。
口に含んだグラッパが火のような刺激を・・・わたくしに与えたのです。
「今夜の祥子さんは綺麗でしょう」
山崎さんの指が、レストランの椅子に浅く腰掛けてすっと伸ばしたわたくしの背骨をつぅ・・と撫で上げます。
「ゃぁ・・・」
不意の刺激に胸を突き出すように背を反らせてしまったのです。
たふ・・ん・・ ドレスの下のGカップの乳房が揺れ・・立ち上がったままの先端をシルクが刺激するのです。
「ええ、サービスの若い連中が噂を止めなくて困りました。とはいえ、美貴さんからお噂を伺ってなかったら、私もすぐに覗きに来ていたに違いないですよ。」
ははは 若い奴を叱れませんね・・・太くて落ち着いた声でシェフが笑います。
「柔らかい肌・しっとりとした・・・その手触りも歯触りも・・見ているだけで想像させられてしまいます。」
「窓の外の夜景をバックに、白いテーブルクロスの上で・・・祥子さんを味わってみますか?」
「いやぁ・・・」
美貴さんのひと言で山崎さんと石塚さんがわたくしの両手を掴み、同じ様に窓に向かって半円を描く隣のテーブルに連れてゆくのです。
山崎さんがわたくしを抱きしめて上体の動きを押え込み、石塚さんが腰を抱え上げてテーブルに載せたのです。わたくしを横たえ肩を動けないように押えると、左右の手首をそれぞれの膝を覆っていたナフキンでテーブルの脚に括ってしまわれたのです。
「やめて・・ください。なにをなさるの」
手の自由を奪われ・・抗うわたくしのドレスの裾は乱れ・・先ほど石塚さんに破られたストッキングは露になってゆきます。
「ふふ 本当はレストランの営業中にしてみたかったんだが、祥子さんがこういう人だからね。迷惑を掛けてはいけないと思ってこの時間にしたんだよ。」
「いえありがとうございます。こんな景色、私が何年こちらに勤めていても簡単に楽しませていただけるものではありません。」
「いいね、ホテルのレストランで饗される祥子さん。いくらお金をつんでも欲しがる好事家がいそうだ。」
「そんなことはさせない。祥子さんの価値を本当に解る人以外には、とてももったいなくて触れさせられないさ。」
「解いて・・おねがい。こんなところで、悪戯はやめてください。」
4人の男性は口々に勝手なことを言いながら、その眼はどれもすでに・・・欲情を滾らせていたのです。
わたくしの哀願と制止の言葉は・・・彼らを煽るだけでした。
「このストッキングは・・・みなさんでもう祥子様を味合われてから、こちらにいらしたという証ですか?」
シェフが石塚さんに問われます。
「いや、そんな時間は無かったのですよ。祥子さんのフェロモンに酔わされて、我慢できなくて。先ほど食事をしながら僕が楽しませてもらったんですよ。この太ももの感触が素晴らしくて」
ほら・・・とシルクのドレスの裾を大きくまくり上げるのです。
「いやぁぁぁ・・・」
突然のことにわたくしは昂った抗いの声を上げてしまいました。
幾重にも重ねられたシルクのスカートは、わたくしの左のスリットから大きく・・・鳥が羽を広げる様に捲り上げられ・・ガーターベルトに吊られた・・左脚だけを無惨に破かれているストッキングと・・・茂みを覆うランジェリーと白い太ももを・・額縁のように彩って晒したのです。
「ほぉぉ・・見事ですね。この脚、この肉付き・・触れてもいいですか。」
シェフの声がほんの少しだけ興奮に掠れました。
「ええ どうぞ。いいですね祥子さん」
いいなんて言えるはずはありません。なのに・・・美貴さんはまるでわたくしを一品の料理のようにシェフに勧めるのです。
「お止めになってください。シェフ・・おねがい・・・やめて・ぇぇ」
シェフの頬が破かれ伝線したストッキングのふとももに触れ・・次いで唇が触れるのです。
「祥子様の声はまるでソースのようだ。私の唇に触れる白い肌の味わいを深めてくれる、もっと聞かせてください。」
「やぁぁ・・・」
シェフの唇はストッキングの伝線に沿って足首に向かって下がって行き・・やがて足首をパンプスごと引き上げるのです。
「だめっ・・・」
脚を開かれ・・ふとももの狭間を晒すはしたなさを畏れ、わたくしはもう一方の脚の膝を揃えて脚をテーブルの上に引き上げたのです。
「だめじゃないですか、祥子さん。テーブルの上に靴をはいたまま上がるなんてお行儀がわるいですね」
シェフに引き上げられていた左脚に、必死で沿わせていた右脚の足首を山崎さんが掴みます。
「やめて・ぇぇぇ・・・山崎さん」
ぐいっ・・・黒のガーターストッキングに包まれた脚を左右に大きく割られてしまったのです。
初雪 8
次に運ばれてきたのはジビエのワゴンでした。エゾジカ・山鳩・うさぎ・鴨・・・この季節ならではの滋味溢れる素材の数々と、合わせるためのソースの乗ったワゴンをシェフが自ら押してらっしゃいました。
「ジビエが召し上がれるとうかがったので4種類ご用意いたしました。お好みのものをサーブします。いかがいたしましょうか?」
美貴さんの斜め後・・・わたくしのほぼ正面にシェフは立っておりました。
シェフの声はテーブルの主である美貴さんに掛けられているはずなのに、その視線はわたくしの元にじっと留まっているのです。
「美味しいところをカットしてください。僕の好みはご存知でしょうから、シェフにお任せします」
こちらで幾度もシェフの味を堪能しつくしている美貴さんならではのオーダーです。
「そうだなワインに合うものを。肉の味のしっかりしたものが好みなんです」
オーダーすらも剛胆な風情を漂わせる石塚さんは、シェフに声をかけながら・・・テーブルの下に潜ませた指でプツッ・・・と、わたくしのストッキングを裂いたのです。
つ・ぅっっっっっぅ・・・ その音は・・想像以上に大きな音でした。
テーブル越しの離れた場所で、BGMと人の話声とシルバーのカトラリーの音に囲まれたシェフでさえ、一瞬手を止めたのです。
それでも次の瞬間には、何事も無かったかのようにサービスを再開しました。
シンプルなミドル丈ドレスのスリットはテーブルクロスの下で捲り上げられ・・・太ももでガーターベルトに吊られているストッキングは、足首に向けて次第に細く伝線してゆくのです。
「山崎様はいかがなさいますか?」
石塚さんの皿をサービスの男性に委ねると、ワゴンを楽しげに眺める山崎さんに声を掛けます。
「僕はそうだな・・」
プツッ・・・・あん、また。だめ・・聞こえちゃう。
「山鳩と鴨とうさぎを少しずつ。さっぱりめのソースがあればそれをいただけますか?」
ツぅぅぅ・・・わたくしの左脚のストッキングは、次から次へと石塚さんの指で無惨な姿にされてゆきます。
「今年のうさぎは柔らかですからきっと楽しんでいただけます」
ツッ・・ブチッ・・・・明らかにシェフの耳にも届いているのでしょう。そしてこの音が何を意味しているのか、この方はわかっているのです。
裂いたストッキングの下にくぐらせた指で、石塚さんがなにをなさっているのかも・・・。
プロの仮面をしっかりとかぶったシェフは、ゆったりとした動作で山崎さんの前にメインディッシュの皿をサーブします。
そして、ようやくわたくしを見つめ直したのです。
テーブルの下の痴態を想像し、山崎さんにサービスをしながら、もっとも柔らかなわたくしの体側の肌を・・・嬲られて微かに赤く染まるわたくしのむき出しの肩を・・・その視線で味わっているかのようでした。
「祥子様はなにがお好みですか?」
「わたくしはエゾジカと鴨を少しずつ。ソースがとても美味しそうですね。」
左側の露になった脇のラインに撓むバストの下辺を、石塚さんが中指で微妙なタッチで撫でてゆきます。思わぬ刺激にわたくしの答えは上ずった声になってしまいました。
「美味しいものを良くご存知ですね」
優雅にシルバーをつかうシェフの眼がわたくしの胸元を行き来しています。
「そう、祥子さんは趣味がいいんです。お食事もお酒も」
山崎さんのすべすべの手がわたくしの肩に親愛の情を表すかのように置かれ・・・そのまま肩甲骨の上を滑り落ちてゆくのです。
「会話も、それに・・・ドレスの下もね」
プチッ・・・・・テーブルの下でまた一カ所・・・ツゥッッッ・・・・。
「石塚さん、飲み過ぎじゃないですか」
嗜める山崎さんの声も、実は共犯者の笑みを含んだものでしかないのです。
さりげない言葉でずっと羞恥を刺激され、テーブルの下と・ドレスに覆われていない背中と・敏感な脇の白い肌を指先でなぞられて・・・わたくしの揺れる乳房の先端は・・はしたなく立ち上がってきてしまいました。
「どうぞ、こちらでよろしいですか?」
わたくしの右後からシェフ自らがサービスしにいらしてくださいました。
「ありがとうございます。美味しそうだわ」
わたくしのランジェリーをつけていない・・・ドレスの下のGカップの胸元をなぞるようなシェフの視線が・・・美味しいのはその肌だと囁くようです。
3人の男性はようやくわたくしから、目の前の極上の皿へと関心をうつしてくださいました。どなたも男性らしく、そして優雅にカトラリーを操ってジビエを楽しまれているようです。
「どうぞ、ごゆっくりお楽しみください。このレストランはもう他のお客様はお帰りになるお時間なのです。美貴様のテーブルだけですから、ゆっくりとご利用ください。」
「申し訳ありません。こんなに遅い時間にお邪魔して」
美貴さんは他のお客様へのサービスを終えシェフの隣にきた支配人に何かを渡して・・・シェフと二人に頷きかけたのです。
「どうですか。ワインも美味しいですしシェフもご一緒に。もう厨房は他の方にお任せして大丈夫なのでしょう」
「そうですね。こんな夜ですし僕たちと一緒に・・・。どうか祥子さんからもお誘いしてください」
エゾジカをゆっくりと噛み締めて味わった石塚さんだけでなく、山崎さんまでもが熱心にシェフを誘うのです。わたくしも口添えしないわけにはいかなくなってしまったのです。
「ええ、お仕事のご迷惑にならなければ、ぜひお話を聞かせていただきたいわ」
「決まりだね、支配人」
美貴さんの一言が全てを決めました。
「承知いたしました。ただこのお時間ですので、サービスのスタッフは失礼させていただきますが宜しいでしょうか?」
「ええ 結構です。そうですね、お酒と珈琲だけいただけるようにしてもらえれば。後はシェフがサービスしてくれますよね」
「私の無骨なサービスでお許しいただけるなら」
ははは・・・男性達の笑い声が重なります。
人として男性としても魅力的なシェフです。ご一緒にお話したいと思う気持に偽りはありません。でも・・・これもきっと・・・
「それでは厨房を片付けてまいります。どうぞゆっくりとお食事を召し上がってらしてください」
失礼します・・・一礼すると、支配人とシェフはワゴンとともに厨房に下がってゆきました。
「ジビエは癖があっていまいちだと思っていたが、これは美味しい。見直したよ」
シャトーラグランジュのグラスを最初に飲み干したのは石塚さんでした。
「シェフの得意料理だからね。この鴨なんてたしか彼が自分で猟をしてきたもののはずですよ」
猟銃を持ち野山をかける・・・そんな姿がぴったりイメージできるそんなシェフだったのです。
「ワインもあっという間だね」
サービスの男性が最後のワインを美貴さんのグラスに注ぎ、会釈をして下がってゆきます。
最高の仕事をされたメインディッシュは、濃厚な味わいとはうらはらにすっとわたくしたちの身体に収まってゆきました。自家製のパンで味わうソースも絶品でした。
「シェフ おいしかったです。流石ですね」
ジャケット姿のシェフと、制服のままの支配人が新たなワゴンを運んできたのです。
そこにはマディラ・グラッパ・ブランディと数種類のナチュラルチーズ・ドライフルーツ・そしてデザートが、珈琲とともに用意されていました。
「それでは私共は失礼をさせていただきます。どうぞ今夜は思う存分お楽しみください」 石塚さんの向こうにシェフのための椅子を一つ用意し・・・おのおのに好みのお酒をストレートでサービスすると、支配人は一礼をして帰っていったのです。

初雪 7
「お待たせいたしました。季節野菜のグリルでございます」白い大皿に10種類の季節の野菜がシンプルに焼かれただけで盛りつけられています。バジルとバルサミコのソースが絵画のようにあしらわれておりました。添えられたていたのは岩塩・ハーブ塩そしてバージンオリーブオイルの小皿でした。
「こんな風にするとお野菜の味も濃くなるのね」
冬に相応しい大根と京人参のグリルを取り分けます。一口頂戴してから、香り付けにハーブ塩を添えていただきます。
ただ焼いただけではなく、全ての野菜を別々にきちんと下処理をしたフレンチの技が、カジュアルなお料理を一層引き立てているのがわかりました。
「暑い時期は野菜のテリーヌが美味しいんですよ。ブイヨンのうまみがね、しっとりと・・こう・・野菜を包むんです」
フォークを右手に持ち替えた山崎さんの左手が、ナイフを持つわたくしの右手の指をあのすべらかな手でたどってゆきます。
「夏にきんと冷えた白ワインとテリーヌは絶品だからね。冬はグリルだと・・・美貴、そろそろ赤ワインに変えないか」
石塚さんの右手がドレスのスリットをくぐり、わたくしのストッキングに包まれた太ももに触れるのです。
欲情したというよりは、ほんの少し軽いタッチで・・・
「ええ、そう言うだろうとおもってシャトーラグランジュを頼んでおきました。もうシャンパンもすっかり空いてしまったみたいですしね。飲み過ぎても知りませんよ」
ははは・・これくらい大丈夫だよ、笑い飛ばす石塚さんの手が太ももの合わせ目までつぅぅぅっと・・・滑ってゆきます。
テーブルの下の戯れを美貴さんはご存知なのでしょうか? それとも・・・
ご存知であってもなくても、この方達が4人で過ごす場にこのレストランを選んだということは、わたくしに毅然とした淑女の姿を示し続けることを期待されているのでしょう。
先ほどのレストランの通路でのように。
3人の男性の仕掛けるどんな戯れにも凛とした態度を変えないこと、わずかに揺らぐようなそぶりさえ押し殺してみせる・・・わたくしはそう決めたのです。
「シャトーラグランジュでございます」
ソムリエがわたくしの好きな赤のボトルをまるで儀式のように、折り目正しくゆったりと開けてゆきます。
「テイスティングは?」
美貴さんに眼で尋ねる様子さえお芝居のようでした。
「あちらの女性におねがいします」
わたくし? 石塚さんの指はガーターストッキングの上端をなぞり、山崎さんの手はわたくしの手の甲を大理石の置物のように愛でていたのです。このままの状態でワインのテイスティングをしろと仰るのでしょうか。
にこやかに首を横に振って、わたくしは美貴さんにソムリエの儀式のお相手をお願いしようとしたのです。
でも・・・許してはいただけませんでした。
「彼女が一番このワインを愛飲しているんですよ。味には厳しいからね、覚悟したほうがいい」
眼顔でもう一度ソムリエに指示をすると、わたくしに微笑みで命じたのです。
夜の深い時間に盛装で現れて、略式とはいえフレンチを優雅に楽しむ4人の男女。
味を熟知しているというその中の1人にテイスティングを挑む・・・職業上の心地よい緊張感がソムリエを包んでいました。
とっく・・とっっく・・・ とろりとしたガーネット色の液体が、チューリップのようなフォルムのワイングラスに注がれるのです。
1998年のラベル。香りも味も見事なヴィンテージのボトルでした。
「ありがとう」
どうぞ、と差し出されるグラスにわたくしは唇を寄せたのです。
傾けるだけで溢れ出す香り。深く重いのに雑味のない赤の味わい。アクセントともいえるこっくりしたタンニンの後味。
「美味しいわ、みなさんにも差し上げてください。今日のお料理にぴったり。いいヴィンテージを選んでくださったわね」
3人の男性に順にワインをサーブするソムリエに・・・左の太ももをテーブルの下で露にされ、石塚さんの手で撫で回されながら・・・にっこりと笑みを浮かべ賛辞をおくったのです。
「祥子さんの舌は肥えてますね。まさに言葉通りだ。ありがとう、僕の顔が立ったよ」
恐れ入ります・・・美貴さんの言葉にソムリエは一歩下がった場所で控えめに答えました。一流ホテルならではのゆきとどいた躾とサービスの賜物でしょう。
「初めて飲んだが、これはしっかりしたボディのワインだね。まるで祥子さんのようだ」
脚を手で掴む様にしながら、石塚さんは喉をならし、そしてわたくしの頬に軽くキスをしてみせるのです。
「いやですわ、石塚さんたら・・」
彼の指がたった一枚だけのランジェリーの端を彷徨っていることさえ感じさせない様に・・・気まぐれなキスを嗜めるだけにしたのです。
それ以上は、だめ。軽く睨んで、グラスに添えていた手をクロスの下に運び・・・ナフキンを直すふりをして、石塚さんの腕を抑えたのです。
「本当においしいですよ。祥子さん、さすがだ」
しかたないな・・・といった表情で、指先で茂みの上をさっと佩く様になでてから手をテーブルに戻すのです。
その指をグラスの縁に沿えて、ワインをもう一口・・・。
「いい香りだ」
舌の上でワインをころがして・・淫らな視線をわたくしに投げながら、鼻先に右手の指先をかざすのです。どちらの香りを楽しんでいるのでしょうか。
「祥子さんと一緒ですとワインも香りを増しますね」
わたくしの手を撫でていた左手をグラスに戻しゆっくりと・・・グラスに1/3ほど注がれているワインを楽しまれていた山崎さんがうっとりと言葉を口になさいます。
「お上手ですこと」
右隣で・・・石塚さんに比べれば紳士的な・・・山崎さんにも笑みをお返ししたのです。
石塚さんにテーブルの下で脚を嬲られて微かにわたくの身体が火照りはじめたことさえ、触れていた手を通してこの方はご存知に違いなかったからです。
初雪 6
「いつものシャンパンと生ガキを頼むよ。それからシェフにおまかせするからあまり重くない、美味しいメニューを頼む」4人が座ったところで美貴さんが支配人に指示をします。
「わかりました。後ほどシェフを伺わせます。どうぞごゆっくりお過ごしください」
一礼をして去る支配人と入れ替わりに、4人の前にシャンパングラスが置かれたのです。
「祥子さんに乾杯!」
石塚さんの声に、他の二人も目線にグラスを上げて乾杯をいたしました。
「ふふ、他の客席の男性達の視線見ましたか」
山崎さんが愉快そうにおっしゃいます。
テーブルに3種類の生ガキの盛り合わせがまいりました。
「美貴は前を歩いていたから気がつかなかったろう」
厚岸のカキを手に、石塚さんはぐいとまるでミネラルウォーターのようにシャンパンを煽るのです。
「いや、僕の前のほうの席の女性までこちらを見ていたからね」
「視線が祥子さんをすうっ・・と追うんだ」
「これだけ艶めかしければ男なら視てあたりまえです」
「おっしゃらないで・・・」
男性達の声にわたくしは顔を赤らめてしまいました。
「ドレスの脇から覗き込もうとしていた不埒な輩もいたな」
「気になるでしょうね、このライン」
右隣の山崎さんがドレスの外側の乳房のラインにつっと指を走らせるのです。
「あっ・・く だ・め・・」
このテーブルにはサービスの男性が1人ついていました。次々と空くグラスをシャンパンで満たし、カキの殻を片付けてゆくためにです。淫らな声をあげるわけにはまいりません。
声を押さえた分、わずかにした身じろぎさえ・・・テーブルに落ちているスポットライトの光を揺れるビーズが反射して明らかにしてしまうのです。
「揺れるだけ反射するビーズがこんなに刺激的とは思わなかった。これは計算か?美貴」 石塚さんの手には、既に2杯目のシャンパンも半分ほどになっていました。
「違うさ。祥子さんに似合うと思って手にいれただけだ。うれしい誤算だよ」
「煌めきの分だけ想像を誘いますよね。それも上げ底なんかじゃない。いまどきの若い人たちと違いますからね、祥子さんは」
「ああ 増えたな。服の上から見ると結構なバストだと思うが、脱がせてみると貧相なのが。祥子さんのが本物なのはこの姿を見れば一目でわかるからな」
左隣の石塚さんの視線が、脇にかすかに見える乳房の膨らみをなぞってゆきます。
「祥子さんの前で他の女性の話なんて。行儀がわるいぞ、石塚」
嗜める様に美貴さんが軽く睨むのです。
「美貴様、いらっしゃいませ」
太く落ち着いた声がしました。大柄でゆったりとした存在感のある男性です。
このレストランのグランシェフでした。
お三方とは顔見知りのようです。それぞれにご挨拶を交わされてからわたくしを見つめ、にっこりと挨拶をしてくださいました。
「今夜はどういたしましょうか」
ゆっくりと美貴さんに視線を戻されて、いつもの会話といった風情でお話がはじまりました。
「シャンパンとシャトー・ラグランジュをいただこうと思ってますから、それに合うものを。祥子さん、お嫌いなも

