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外伝2/レンジローバーの帰り道 3

「綺麗だったな。ウエディング姿の祥子さんは。」
「ええ。あのまま教会へ拉致して誰にも触れさせたくなくなりましたよ。」
美貴の言葉は、あの場にいた全ての男の気持ちだろう。
その気持ちの裏返しが、あのサディスティックなダイスゲームなのが美貴らしい。
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「望月くんも含めて4人でいても、全員が満足してしまう。そりゃもちろん、いろいろ思うところはあるさ。でも、こんなのは他の女じゃ考えられない。」
「そうですね。どうしてなんでしょう。」
ピン・ポォン・・・ピン・ポォン・・・
私がなにかを答えようとした時に、結城くんが到着したドアホンが鳴った。
あのこは、だれも答えないからといって自分からドアを開けるようなタイプではない。誰かが答えて開けるまで、じっと玄関先で待っているようなコだった。
「結城くんが来たようです。続きは車で・・・。」
「ああ。そうだな、帰り道も長いからな。」
先ほどと逆に石塚さんはメインベッドルームのカーテンを閉めた。

やっと昨日の夜に「明日チェックアウトして別荘まで迎えにきなさい。」って専務からのメッセージが入った。どんなに贅沢かしれないけど、1人のホテルは淋しかった。それに専務と一緒にいるのがあの<祥子さん>で、1日以上も予定より長く一緒にいたのかと思うと嫉妬で気が狂いそうだった。
綺麗な人だけど・・・往きの車のなかでずっと・・バージンのあたしにだってわかるようなこと・・・専務と石さんにいやらしいことをさせてた。まる一日消すのにかかっちゃった淫乱な匂いを自分もそれに専務にもさせる女。
ようやく専務のお顔が見られるけれど、最初に迎えに行ったときみたいに<祥子さん>がいたら嫌だな。専務が<祥子さん>しか見なくなるから・・・いや。

「待たせたね。」
「いえ、お荷物はどれでしょう。」
結城くんは元旦の朝、タワーホテルの扉の前に立っていたときと同じ表情でそこにいた。
「これだけだ。自分で運ぶからリアを開けてくれ。」
石塚さんが陽気な調子で結城くんに声をかける。
この人はいつもそうだ。少し神経質な感じで壊れそうなガラス細工のような風情の女の子なのに、ことさらに気を遣うといった風情を見せはしない。
どちらかというと一見は乱暴に見える物言いで踏み込む。でも、しばらくすると結城くんもリラックスして見えるのだからそれはそれで、この人らしい人心掌握術の1つなのだろう。
美貴は、ちょっとだけいつも結城くんのことは苦手そうにしている。
嫌なんじゃないだろうが、「彼女と居ると自分のしてることが汚いって非難されてるような気がするんだよ。」と飲んだ席で愚痴ったことがあった・・・のが本音だろう。
3人のトラベルバッグと、望月くんが用意してくれた着物を入れたバッグが3つ。荷物はこれだけだった。
私達はそれぞれにバッグを手にして、レンジローバーのリアにまわる。
「ありがとう。」
この車を降りた日、祥子さんのフェロモンと私と石塚さんの精の匂いで噎せ返りそうだった車内の空気は、ほんの僅かも残っていなかった。
今日下ろしたばかりの新車だと言われてしまえば、そう信じたくなるほどに車内の空気は清浄だ。まさか、このコはこの休みの間車の清掃に精を出してたわけじゃないだろうな。

外伝2/レンジローバーの帰り道 2

だから、きっと今度もそうなるだろう・・・と精の尽き果てた私達は半ば期待して、伸びた滞在日程の分だけ、望月くんひとりに祥子さんを託したのだ。
だが、今度ばかりは望月くんは必死の忍耐を見せたらしい。
もちろん、祥子さんは目の下にうっすらと隈を浮き立たせるほどに疲れ果てていた。一番若い望月くんが、持てる精力を尽くしたくてもとても応えられる状態にはなかったのかもしれない。
朝日を見た後の昼のまどろみも、夜の長い時間も・・・とうとう一度として、ほんのかすかにも祥子さんの<あの声>が聞こえる事はなかったのだ。
「ゆうべも結局静かだったな。」
まるで私の脳裏を覗いていたかのように、石塚さんが呟く。
「もし、ゆうべ祥子さんの声が聞こえたらどうするつもりだったんですか?」
同じ部屋の隣のベッドに寝ていた石塚さんは、何度か寝返りをくりかえしていた。時折深い寝息といびきが聞こえていたのでウイスキーの酔いで寝入っているとばかり思っていたが、そうでもなかったようだ。
「そうだな。メインベッドルームのドアを開けて、俺も襲っていたかもしれないな。」
美貴の多少いじわるな質問にも、さらっと答える。
「元気ですね。」
「我慢できるくらいなら、こんなに執着しないさ。」
「ははは、確かにそうですがね。」
私達もそして祥子さんも忙しい。
次にいつ逢えるのか、誰もわからなかった。
そして、だめになってしまうかもしれない約束を、無駄に祥子さんに押し付けることも出来ないでいた。

「さぁ、忘れ物がないように確認してくれ。まぁ忘れて行っても、俺のとこだからいつ取りに来てくれても構わないけどな。」
万座鹿沢口を右折した先の左手にあるこの雪の別荘は、石塚さんの持ち物だ。
ずっと祥子さんが休んでいたメインベッドルームは、実は石塚さんのための部屋だった。
「ゲストルームのベッドも手を抜かなくて正解だったな。」
夜通し責め続けた祥子さんを望月くんの手に委ねると決めた時、石塚さんが悔し紛れに口にした一言が妙に耳に残っている。きっと、ゲストルームのベッドで眠るのなんてはじめてのことだったんだろう。
自分たちの荷物は、今朝方まとめたものをもう望月くんが玄関口まで運んでくれてあった。
食料品は、ほとんど使い果たしたらしい。わずかに残った調味料だけが、冷蔵庫に残っていた。
ゴミは管理事務所が焼却処分してくれるし、生ゴミは車庫の脇に目立たない様に設置されたコンポストで有機解体されることになっている。
浴室は、メインもゲストも望月くんがきれいに洗って温泉の栓も締められていた。
祥子さんへのプレゼントの数々は、セルシオに積まれて既に東京に向かっている。
食器やスリッパなどは、もうこのままこの別荘の備品にすることに石塚さんは決めていたようだ。
行きに、セルシオとレンジローバーに満載してきた様々な荷物は、ほんとうにこじんまりとまとまっていた。

三人は、手分けをして別荘の中の忘れ物と戸締まりを確認していった。そして、結局メインベッドルームに集まってしまった。
「なんだかまだ祥子さんの香りがするみたいですね。」
「ああ。」
石塚さんが正面の壁一面にかかったカーテンを開く。そこは、昼の光をきっかりと反射する鏡面だった。

外伝2/レンジローバーの帰り道 1

「ああぁ、祥子さん行っちゃったね。」
雪の別荘の門の前で、私はついそう呟いてしまった。
そう口にしていながら私の身体は、まるまる3日間あの女性と過ごす事が出来た夢のような時間の余韻に、まだ半分浸っているようだった。
はらりと落ちかかる前髪をオフホワイトのアラン編みのセーターから出た少し冷たい指先でかきあげる。ざっくりとした編地と、上質なウールの感触がとても好きで、もう5年も愛用している1枚だ。
「望月に任せておけば大丈夫さ。」
美貴が、私の言葉をどう誤解したのだろうか、そんな風に口にした。ネイビーのハイネックはシャープな美貴の容貌に似合う。いつもはスーツしか着ない彼のデニムスタイルは珍しい。
完全休日にしておいた年始休みの、今日が最後の1日であることを堪能するかのような装いだ。それとも、最近ジムで引き締めたと言っていたスタイルを祥子さんに印象づけたかったんだろうか。・・・まったく。
「結城くんが来るのは11時くらいか?」
「ええ。一昨日、ホテルのチェックアウトまでのんびりしてていいよ、と伝えてありますからきっとそれくらいの時間になるでしょう。あのホテルからここまで、下りは結構きついですからね。1時間弱といったところじゃないですか?」
セルシオが全く見えなくなるまで、門外で見送っていた石塚さんはようやく玄関へと踵を返した。こんなところが、義理堅い・・・この人のいいところだと私は思う。今日はグレーと白のシンプルなチェック柄のネルのシャツだ。去年のスキーシーズンに、うちのスポーツブランドでまとめ買いしてくれたうちの1枚だったはずだ。襟元にはチャコールグレーのスキーのアンダーウエアーが覗いている。軽装だけど結構これで寒さも防げる、スキーヤーらしいセレクトをしている。
別荘の扉を開けると、暖房であたためられた空気が優しく私達を迎えてくれた。

「それじゃ、朝飯を片付けて、帰りの準備でもするか。こういう時に望月くんがいないのは不便だな。」
「うちの望月を使いっ走りがわりに使わないでください。」
石塚さんも美貴も、たった一人の女性がいなくなっただけで気が抜けた様になっている。まぁ、私も同じなんだが・・・。
エンドレスでかかっているモーツァルトのCDを聞きながら、私達は別荘のテープルで用意されていた朝食に手を付けた。
一昨日の夜。湯文字だけの姿で縄で括った祥子さんを望月くんと一緒に雪のつもったウッドデッキへ出した時と同じテーブルの同じ椅子に、私も美貴も石塚さんも座っている。
あのときとは正反対の明るい陽の光が乱反射するテラスに、視線をつい走らせてしまうのは私だけではないようだ。
真っ暗な中に窓の結露を払ったところだけに浮かんだ・・・祥子さんの白い乳房・鴇色の乳首・・・赤い縄と・湯文字。
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彼女の視線が、ずっと一緒にウッドデッキに出された望月くんにだけ注がれていたことに私は焼けるような嫉妬を覚えていた。
あぁ、油断をすると勃ってしまいそうだ。

ゆうべ一晩。私達3人は祥子さんに触れていない。もう、全ての精を彼女に注ぎ尽くしたからだった。さすがに、もう一晩祥子さんが側にいても・・・彼女もだろうが・・・私達も限界だった。
2日間を通して責め立てた後、彼女のことは望月くんに任せた。
以前箱根の宿で一夜を過ごした時、望月くんと祥子さんにふたりきりの時間を与えたことがあると美貴が言っていた。
その時は、なんとも甘く・悩ましく・・・望月くんに愛されている祥子さんの喘ぎ声が聞こえ続けたそうだ。

閑話休題(インターミッション) 12-2

以前にアップした<閑話休題(インターミッション)2>の中に、10000アクセス記念・・・というイラストがありました。

こちらのブログにはカウンターを設置していないので、ふと思い立ってこれまでの<淑やかな彩>のトータルアクセス数をチェックしてみたところ、533,500アクセスを頂戴しておりました。

50万アクセス超え・・・テキストだけのそしてわたくしひとりだけがヒロインの小説ブログで、まさかこの数字をお伝え出来る日が来るとは思いませんでした。
これもひとえにお越しくださっている皆様のお陰でございます。本当にありがとうございます。これからも宜しくお願い申し上げます。

P.S.50万アクセス記念は、クリスマスにテンプレートを変える1週間限定のショートストーリーでお届けしようと思います。どうぞお楽しみに。

閑話休題(インターミッション) 12

わたくしが当初思っていたよりも随分と長くなってしまった<夢のかよひ路>。
お楽しみいただけましたでしょうか?
第二回男性キャラクターアンケートで1位をとったご褒美にと始めた物語でした。
今年の最初の作品<初雪>のラストで予告した望月さんとの帰り道のお話も含まれておりましたので、多分・・・<淑やかな彩>の中でも一番あまぁ~~いお話だったのでは・・・と思っております。

さて、恒例となりました閑話休題(インター・ミッション)です。
今回は屋上屋を重ねる・・・ような内容で恐縮なのですが、過去にアップした閑話休題(インター・ミッション)についてご紹介しようと思います。
最近嬉しいことに、新しい読者の方も増えてきてくださいました。
ブログの性質上、最新作ばかりをご覧頂くことが多くいままでのお話の繋がりを楽しんでいただくのになかなか過去作のご紹介も出来ずご迷惑をお掛けしております。
そこで、テーマ別に作品紹介をしております閑話休題(インター・ミッション)のご案内をここで改めてさせていただきます。
<淑やかな彩>をより楽しんでいただける背景は全てここにあります。
お時間がございましたらぜひご覧になってくださいませ。

夢のかよひ路 60

「辛かったですか?」
まるでそこに甘い蜜が流れてでもいるかのように、わたくしの涙のあとを望月さんの舌が舐めたのです。
望月さんの言葉よりも、そのあたたかく柔らかな感覚に、わたくしは理性を目覚めさせたのです。
いまのわたくしは、愉悦の海から放恣の白浜に打ち上げられたばかりの人魚でした。括られたわけでもないのに、脚も手も・・・まるで自分のものではないようにぐったりとしていたのです。
「祥子さん?」
わたくしの視線は焦点がぼやけたままだったのでしょう。
心配そうな望月さんが瞳の奥を覗き込むのです。
「大丈夫ですか?」
「・・・え・え」
あえて、急いで、意識を戻さなかったのです。
他の方がいらっしゃるならともかく、望月さんの腕の中で・彼に守られて・彼と二人きりなのです。
ただ、黙ったままだと本当に慌てて心配してしまいそうな彼のために、掠れた声で一言だけ返事をしたのです。
「よかった。」
わたくしに添えていた右手を伸ばして枕元からティッシュをとると、ゆっくりと花びらの間から熱いままの塊を引き抜いたのです。
「・・・ぁっ」
開かれた脚の間・・・腰の丸みにそって流れ落ちるまっしろな精液は・・・望月さんの身体の熱をまだ蓄えたままでした。
畳まれたティッシュが蜜壷の口にやさしく添えられます。
わたくしの身体は、エアコンの効いた室内の中でも薄く蜜を塗った様に淫らな汗に覆われていたのです。

このまま浴室へと誘われるのだとばかり思っていました。
なのに・・・望月さんはティッシュを挟んだわたくしの両脚を、彼の手で寄せたのです。
「ふたりの情熱の証を祥子さんの身体に抱いたまま、もう一眠りしましょう。もう少しだけ。いいでしょう?」
彼の手で始末をされても・・・まだ焦点のあわないぼんやりとした眼差しを投げかけていたわたくしを、望月さんはそうおっしゃって抱きしめたのです。
わたくしは無言のまま、寝間着を着た望月さんの胸にそっと額を付けました。
波の音を3つ数えたところで・・・わたくしはまた幸せな微睡みに落ちていったのです。


祥子からの手紙ー16

氷を浮かべた紅茶がわたくしの視界を琥珀色に染めています。
その向こう・・・ホテルのラウンジの外は、夏を惜しむカップル達が水着姿で戯れておりました。
わたくしはいま1人で、お庭が美しい望月さんのご自宅近くのホテルのラウンジにおります。望月さんが、わたくしにとおっしゃっていたお着物などをまとめにご自宅に帰りセルシオで迎えにきてくださる間・・・だけですが。

結局、わたくしはあれからあと二晩<下田の寮>で望月さんと二人きりで過ごしました。
彼が衝動のままに付けたキスマークが原因でした。
用意してくださった、ISSEI MIYAKEのベージュのハイネックワンピースでさえ隠すことができないほどに赤々と付いたその証は、あまりに生々しく目立っていたからでした。
まるで傷を癒す湯治のように、わたくしたちは二人で何度も温泉に浸かったのです。その度に望月さんの指でやさしくマッサージされて、紅い印はようやく目立たなくなりました。
二人して今朝それを確認してから、こちらに戻ってきたのです。

明日からは、わたくしも望月さんも・・・いつものお仕事が待っています。
花火の夜からいままでの・・・夢のような3日間から、少しずつ現実に戻ってゆこうと思います。
夢から本当に醒めるのは、今夜望月さんにおやすみなさいと言ってセルシオのテールランプを見送る時でしょう。
だからあと少しだけ・・・夢の・・中で。

あっ、望月さんが迎えにいらっしゃいました。
それでは、また。
ごきげんよう。

夢のかよひ路 59

「やぁ・・・」
「キスマークを付ける度、祥子さんの白い肌を僕が吸い上げるのと同じほど、祥子さんの花びらの奥は僕のを締め付けるんですよ。気付いていましたか?」
「ち・がぁぅ・・のぉ・・」
「いいえ、違いません。首筋の1つは一回目の質問で答えてくれなかったお仕置きでした。でもその後のは・・・あまりの気持ち良さに止めることができなくなっちゃったんです。そろそろ・・・」
「ゃぁあ・・・ぁん」
望月さんの手は、彼に跨がったわたくしの膝を伸ばすように動かします。
太長い彼の塊を蜜壷に飲み込んだままで強制されるこの行為は、片脚を伸ばす毎に一層深く・・・わたくしの奥を責める結果になりました。
「ゆっくり、ですよ。」
わたくしの身体を、後ろにゆっくりと倒してゆきます。
身体を倒すほどに、望月さんのまぁるい傾斜のすべすべとした先端が・・・わたくしの蜜壷の数の子だと言われる壁を強くこすり立てるのです。
身芯を揺さぶられる快感に、わたくしは後頭部から倒れ込む恐怖心を押さえ込まれておりました。
「はぁぅっ・・」
頭がシーツに付き・・背中がエアコンに冷やされた綿の感触に震えたときに、望月さんの塊が抜け落ちてしまったのです。
その瞬間、わたくしはあまりの切なさに・・・はしたない声を上げてしまったのです。
身体の他の部分は・・・たとえば彼の腕はわたくしをこれほどしっかりと抱きとめてくれているのに、まるでただひとり・・決して1人ではたどり着くことのできない愉悦の海に放り出されたような気さえしたのです。

目覚めてから、何度も・・・彼が先に逝ってしまうかと思いました。
なのに、いつもわたくしだけが押し上げられ淫楽の波間を1人漂わされていたのです。
もう・・・限界でした。
幾度もの絶頂はわたくしの身体に緊張を強い続け、もうその状態に駆け上がることさえ・・辛くなっておりました。
「白いシーツの上で、キスマークがとっても綺麗ですよ。祥子さん」
「あぁ・・ん・・・ゆうやぁ・・」
「なんですか?はっきり言ってください。」
わかっているはずなのに・・・なんで・・こんなにいじわるを言うのかしら?
「ねぇ・・・」
「無言のおねだりは聞きません。ちゃんとお願いしてください。」
「おねがい・・・いかせて・・ わたくし・・で・いって・・・」
切れ切れに、わたくしはそれだけを口にいたしました。
それ以上は・・とても・・・たったこれだけの言葉の狭間さえ、それまでの快感のせいで息が弾んでいたのですから。
それに・・・わたくしの花びらは、これだけの言葉を口にする間も彼の塊を求めてはしたなく愛液をしたたらせていたのです。
「わかりました。」
「あうっ・・・」
望月さんは昂ったままの塊を、蜜に塗れ玄関に飾ってあった山百合のめしべよりも紅く染まった花びらに突き立てたのです。
「あぁ・・ぁあああ・・ぁあぃぃぃ・・ぁ」
その後には言葉はありませんでした。
ただ彼の塊だけがわたくしを蹂躙しつくしたのです。
ひと突きごとに揺れる彼のキスマークに彩られた乳房を・・・寄せる眉根を・・・悦楽の涙を一筋流すわたくしの眦を・・・望月さんはただ無言で視姦しつづけ・愛し続けたのです。
「ちょうだい・・・ゆぅぅ・・やぁぁ・・・」
「まっし・ろぉ・・・にぃぃぃ・・・してぇぇぇ・・・・」
「あぁ・・ゆぅやの・・いぃぃ・・のぉぉ・・・」
「せいぃぇ・・きぃぃ・・ちょ・・ぉぉだぁぁぁああ・・・・ぃぃ・・・」
「いくぅぅ・・のぉぉぉ・・・・」
「ゆぅぅ・・・やぁぁ・・・・」
「いっちゃぁ・・・うぅぅぅ・・」
「ひ・いい・・いいぃぃのぉぉ・・・あぁ・・ゆぅやぁぁ・・・・いぃぃ・・・い・っち・・ゃぅぅぅ」
「逝って!祥子さん!!」
「い・・・・・・くぅぅぅぅ・・・・」
「あっ! くっ!!」

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喉元まで迫り上がるかと思うほどの突き上げの果てに、望月さんはわたくしの中に・・・熱い迸りを・・・くださったのです。

夢のかよひ路 58

ガタ・ガタッ・・
床柱を背にした望月さんの動きが伝わってしまったのでしょうか。
竜胆と灯台躑躅の枝が生けられた花瓶が、小さく鳴りました。
玄関も・・床の間も・・・そして化粧室にさえ、生花が生けられてありました。
近頃ではお父様も滅多に使わないと、昨夜まどろみかけたわたくしに望月さんは教えてくださいました。そのことを思えば、この花達はとても贅沢なおもてなしなのです。
が・・・その時のわたくしには、そのおもてなしを楽しむゆとりなど・・・なかったのです。陶器と木のぶつかる音は気になっても、わたくしの意識は眼の前で白い乳房を嬲る望月さんしか見えておりませんでした。

「あぅむ・・ん」
ちゅぱ・・・ 昨日お逢いしてから、何度目でしょう。
望月さんの唇がわたくしの鴇色の先端を啄むのは・・・。
「はぁあぁぁ・・・ん・・」
それでも、望月さんの温かな口唇に愛撫される度に淫らな慄きは身内を走り・・・新たな蜜を湧き出させるのです。
「あぁ・・・」
いつもなら、この濡れた暖かさで・・・快感に導くのはわたくしの役目でした。
口戯に感じて・・・大きな手で黒のロングヘアを鷲掴みにして、頭上から投げかけられる男らしく快感を滲ませた望月さんの声をわたくしはこの度の逢瀬でまだ一度も聞いていませんでした。
Gカップの乳房をねぶられながら・・・わたくしはフェラチオをさせていただいていないことに・・・改めて気付いたのです。
こんなに・・・わたくしばかり・・・・。
「あぁん・・ゆうやぁぁ・・・だめぇぇ・・・」
でも、そんな必要はまったくなかったのです。
目覚めてからいままで・・・望月さんの塊は昂り続け、いまもわたくしの蜜壷の中で更に大きく・・そしてこれでもかとばかりに、突き上げてくるのですから。

「祥子さん キスマークを付けてもいいですか?」
望月さんが先ほどまでねぶっていた乳房を手のひらで支えて・・・わたくしに聞くのです。
それでも、最初はなにを言っているのか・・・わかりませんでした。わたくしの理性は立て続けに敏感になった花びらを抉る快感に・・蕩けきって・・・いたのですから。
かりっ・・・
「あぅっ・・・」
右の乳首を望月さんの前歯が噛む・・のです。
もう甘噛みとは言えないほどの強さの痛みでなければ、わたくしに理性を取り戻させることさえ出来なかったのです。
「もう一度聞きます。キスマークを付けてもいいですか?」
今度は・・彼の言葉は脳裏までしっかりと届きました。
と、同時に・・さきほども同じ質問を繰り返されていたのだ・・・とわかったのです。
「えぇ・・つけ・てぇ・・・」
「いいんですね。」
「ゆうや・の・ぉ・・しるしぃぃ・・・」
きっと胸元の白い肌に・・付けるつもりなのでしょう。
彼がわたくしを1人で抱いた時いつもそこに付ける様に。
他の方が痕を付けたときはその上にもっと濃く・・・ご自分のキスマークで他の方の痕跡を消そうとするかのように付けるのです。
「そうです。祥子さんがたとえ一時だけでも僕だけのものになった証です。」
「あっ・・だめぇ・・・」
それまで顔を伏せていたわたくしの乳房ではなく、望月さんの唇はわたくしの左の首筋に吸い付いたのです。
頸動脈の・・・脈動のするあたりの薄い皮膚に・・・。
「やぁ・・はぁん・・・・」
ちゅぅぅ・・
その唇は首筋を前へと動き・・そのまま胸元へランダムに痕を付けながら下がってゆくのです。
「な・・だめぇ・・・ゆぅ・・やぁぁ・・・」
胸元に吾亦紅を咲かせながら、望月さんは腰の蠢きを止めることはいたしません。一層・・・激しくなさるのです。
困惑と快感と羞恥の狭間で、わたくしは身を捩るしかありませんでした。
左の首筋から左のGカップの乳房の頂きまで。
友禅の附け下げの柄のように左半身に赤い痕跡を点々と付けて、望月さんはようやく顔を上げてくださったのです。

「夏でも真っ白な肌・・・この季節にキスマークがこんなに綺麗に映えるのは、祥子さんくらいなものです。」
望月さんは、まるでご自分が描かれた絵画の出来映えをご覧になるように・・・頭を床柱に預けてわたくしの肩を両手で押しやるのです。
彼の塊を・・・蜜壷に飲み込ませたままで。
わたくしは、望月さんから視姦される恥辱にまた・・一段と彼を締め付けてしまったのです。

夢のかよひ路 57

「いい、祥子さんの身体。」
望月さんに両脚を引き上げられ宙に浮いた腰から、ひくつく塊をつっ・・と僅かに引くのです。
「祥子さんは不安定な姿勢になると、あっこんなに。まるでここで僕のを掴んで安心しようとするようにぎゅっと締まるんですよ。」
「やぁ・・あぁぁ・・・」
わたくしの両肩は、望月さんが膝をつく寝間着に止められて布団の上から動けずにおりました。白い・・柔らかな曲線を描くふくらはぎと足首は、望月さんの両肩に担がれています。その狭間で宙に浮いた腰は・・頼りなげにふらつき・・・望月さんの塊が引き抜かれる切なさに・・きゅっとはしたなく蜜壷をしめつけて・・・追い縋ってしまうのです。
「あぁ・・だめぇぇ・・ゆぅやぁぁ・・かん・にんしてぇぇ・・・」
目覚めてからずっと・・・わたくしは望月さんのがむしゃらな容赦ない責めに、もう何度も軽い絶頂を迎え続けていたのです。これ以上続けられたら、ほんとうにおかしくなってしまいそうでした。

ふっと、望月さんの腰の動きが止まったのです。わたくしの中にしっかりと塊を埋めたままで・・・両脚を下ろしたのです。
「・・はぁぁ・・・・」
「苦しかったですか?祥子さん」 
わたくしは、とっさに声が・・出なかったのです。首を横にふるふると振ったのです。
「ごめんなさい。これじゃ首が痛かったですね。」 そう言うと、望月さんはゆっくりと大きなままの塊を引き抜くのです。
「あ・ん・・・」
彼のかりに掻き出される様に、わたくしの愛液が腰の丸みにそって、つつっ・・・っと流れ落ちます。
でもそんなことに斟酌せず、望月さんは膝で押さえていた寝間着の裾から降りました。ふっと・・縄を解かれた時と同じように肩に掛かっていた重みが消えてゆきます。
そして望月さんは、今度はわたくしの隣に床柱を背にして脚を投げ出して座ったのです。裾を開いて、花蜜にコーティングされたそそり立つ塊を朝の光に見せつけるように。
「さぁ、ここに来て下さい。」
わたくしの手を握ると、昨夜の温泉の中と同じように彼の上に・・・寝間着に袖を通しただけの身体を引き寄せ、そして・・・。
「はぁうっ・・・」
望月さんの上へ・・・花びらの中心を貫かれた姿勢で抱き寄せられたのです。
「ゆう・やぁ・・・だ・め・・」
「なにが、だめなんですか?」
「よごし・・ちゃぅ・・・ねま・き・ぁあぁぁ・・・」
今度はわたくしの膝が望月さんの寝間着の裾を押さえていたのです。抜き出されるだけであんなに愛液を溢れさせてしまう蜜壷が・・・こうして愛されていたら今度は彼の寝間着まで濡らしてしまいかねなかったからです。
なのに、小刻みに下から突き動かされる望月さんの塊に・・・わたくしは腰を押し付け・・くねくねと淫らに・・・反応してしまうのです。一層の快感を求めて・・・。
いつしか二人の間の水音は、障子ごしの波音よりも淫らに大きくなってゆきました。
「ふふ、これじゃほんとうにぐっしょり濡らしてしまいそうですね。」
「おねがい・・あぁぁっ・・・」
望月さんが両手を差し出しました。
でもその手は、わたくしの身体を一層大きく膨らんだ彼の塊から引き上げるのではなくて・・・袖だけを通していた寝間着を・・・ほんのり桜色に染まったわたくしの身体から引きはがすためだったのです。
「いやぁぁっ・・・」
突然のことに、わたくしは彼の眼の前で揺れる乳房を隠そうといたしました。
宙を舞った手首を望月さんが掴みました。そしてそのままわたくしの頭上に腕を引き上げたのです。
夏の清冽な朝日の中、男性にまたがり蜜壷を突き上げられて首から肩を淫楽に桜色に染める淫らな姿を・・・望月さんの眼の前に晒してしまったのです。
「まだこんなに締め付けるんですか?すごいですよ。ああ祥子さん、いい」

夢のかよひ路 56

望月さんが追い求めるように重ねる唇を離された瞬間に、わたくしははしたないおねだりを口にしてしまったのです。
ゆうべ・・・最後にわたくしに1枚もランジェリーを付けさせなかったように、望月さんも素肌の上に寝間着だけしか身に着けてらっしゃいませんでした。
望月さんの手で導かれ、寝間着越しに熱い塊に押し当てられていた指で・・・わたくしはもどかしく彼の寝間着の前を開いて・・・直接・・大きく昂った塊に触れたのです。
「っく」
「これで・・し・て・・・」
引き締まった腹部に付くほどに反り返った塊の・・・裏筋を彼の雫を掬い取った指で・・上下に・・皺袋まで・・まるでさきほどのわたくしの背筋を愛撫されたのと同じ様に・・撫でつづけたのです。
「ゆうや・・の・・せいえき・・・ まっしろな・・せいえきを・・・ちょうだぁぃ・・」
「祥子さん!」
望月さんはわたくしの肩を押して仰向けにすると、ご自身はがばっと身を起こしたのです。はねのけられた羽布団の中からは、男と女の淫らな香りが広がります。
数時間前に望月さんご自身が結ばれた伊達締めを、切なげな表情で解いてゆかれるのです。わたくしの背を持ち上げてしゅるしゅる・・と絹の伊達締めを引き抜くと、清冽な朝の光の中で寝間着の前を一気に広げてしまわれたのです。

「あ・・・みちゃ・・」
わたくしの膝を割ると、広げた寝間着を踏みつけて素早くその間に望月さんは大きな身体を割り込ませたのです。
ご自身は寝間着を脱ぐ間も惜しいのか、裾だけを開いて大きくそそり立つ彼の塊を露にするのです。
「しょう・こ・・」
「あっ・ぁああ・んん・・・」
膝を抱えると、塊を押しあて・・・一気にわたくしの花びらの奥を目指したのです。
背中と腰だけの愛撫で、わたくしは内ももをしっとりとぬめらせるほどに蜜を溢れさせておりました。
望月さんの塊の先端からも溢れる雫はわたくしの花蜜に絡み付いて、彼らしくないがむしゃらな挿入さえも助けたのです。
「きぃ・・っつぅぃぃ・・・」
ずぶ・じゅぅっ・・ずぶぅぅ・っ・・ 望月さんは長太い塊を1/3ほどを無理矢理押し込み・・一度花びらの間から腰を引いて抜け落ちる寸前まで・・・濡れそぼった塊を再び強引に最奥へと送り込んできたのです。
「あぅっ・・そこぉ・・・」
1/3だけぬめりをまとった彼の塊は、その先の望月さんの茂みに隠された根元まで・・・なんの抵抗もなく蜜壷に飲み込ませ、わたくしの子宮を突き上げたのです。
「しま・るっ・・・」
波音に紛れるほどのうめきを上げて、それでも望月さんの腰の動きは緩みません。昨晩の浴槽の中での行為と違い、正対した状態で膝を抱え込まれてのこの行為は本当に子宮口をこじあけてしまいそうなほどに、深く・強く・突き入れられるのです。
「はぁぅっ・・あぁあ・・ぁぁぁ・・」
あまりの強さにわたくしの身体は迫り上がり、子宮を直接スパンキングをされているような鈍い痛みから逃げようとします。が、寝間着の裾を望月さんの身体に踏まれていては、それも叶いません。
括られてもいないのに、逃げることもできずに責め立てられるわたくしの肌は、真夏の朝日の熱を遮るエアコンの冷気の中でさえ・・・淡い桜色に変わっていったのです。
「あぁぁ・・ゆぅ・・やぁぁ・・・」
いつか、わたくしのはしたない身体はその痛みすらも淫媚な刺激へと変えてゆきました。蜜壷も・・その奥の壁までもがまるで望月さんを求めるように柔らかくなって・・・そして・・・
「ああ、欲しがってますね。祥子さんのここ・・こんなに。もっと感じてください。」
「ゆうやぁ・・ぁぁぁ・・・いいのぉぉ・・・」
曲げていた膝を伸ばし、足首を掴むと望月さんは両肩にわたくしの脚を抱えます。
なお深くまで・・・そして長身な彼の身体はわたくしの腰を浮かして・・より激しく抽送を繰り返すのです。

夢のかよひ路 55

「あぁぁぁっ・・・」
手の中で跳ねるような望月さんの塊の熱と、強引に引き寄せられた口づけは強烈でした。
舌の根元から全て望月さんに吸い取られそうなほどに・・・きつくわたくしを貪りながら、やさしかった右の手は・・・先ほどまで悩ましくくねらせてしまっていた腰の白い丘をひとつ・・・きつく掴み上げたのです。
「んぁあ・・ゆぅゃぁ・・・」
焦らされて疼きを溜め込まれたまぁるい腰肉を、わたくしは、はしたなく彼の手に押し付けていったのです。
望月さんの手で目覚めたばかりの無垢な身体に、昨夜の半露天風呂での絶頂の火照りを・・・ありありと思い出させられていたのです。
しっかりと閉じ合わせた太ももの間には、すでにねっとりとしたぬめりに覆われていたのですから・・・。

「担当の先生の腕はいいんですか?」
「・・ん・ぇえ・・」
質問をしながらも、望月さんの右手の指は淫らな探索を止めませんでした。
背筋を滑っていた指は、いまは白い丘の狭間を行き来しておりました。
「わかりました。それではこれからも担当の先生以外にはこの身体を・・」
「ぁうっ・・」
望月さんの中指が寝間着越しに姫菊を探り当てて、強く押し当てたのです。
そこも、すでにわたくしの蜜でうっすらと濡れているはずです。
寝間着を汚しはしないかと・・・そんなことさえ、わたくしの頭をよぎったのです。
「触れさせないでください。いいですね。」
「はぁ・・ぃぃぃ」
昨夜ずっと赤い縄の結び目がきつく食い込んでいた姫菊は、柔らかな布の感触を敏感に感じ取っておりました。望月さんの主の美貴さんにはアナルコイタスの趣味があったのです。
でも・・・彼にはないはずです。これ以上のことを望月さんには、いまだけは求められたくなかったのです。

「祥子さんの声は響くんです。奥まったホテルのメインダイニングであの方達に嬲られている嬌声さえ、お帰りが遅いと心配して上がっていった僕の耳には聞こえたのですから。」
えっ・・・年末のメインダイニングの行為さえ・・彼に知られていたの?
わたくしは身体を一瞬堅くしてしまいました。
「マッサージルームの薄いカーテン1枚では、きっと隣の先生やそこで治療を受けている男性患者にも聞かれているでしょう。このフェロモンで噎せ返るような声を。」
「やぁぁ・・・ん・・・」
彼の指はまたつつっっっ・・・と背筋を上がって行ったのです。
先ほどまでのセクシュアルな愛撫を身構えていたわたくしは、再び襲った柔らかな刺激に思わず悩ましい声を上げてしまったのです。
「声は仕方がありません。でもこの身体をほかの男性には無闇に触れさせたりしないで下さい。おねがいです。」
望月さんの両腕は、わたくしをきつく抱きしめたのです。
「ん・・くぅ・・・」
そのまま重ねられたキスは、望月さんとの約束の口づけになりました。
わたくしはもう朴先生以外の男性の先生に・・・マッサージとはいえ・・・触れさせることはないでしょう。
朴先生が治療をお止めにならないかぎり。
彼の若い嫉妬に、わたくしは愛おしさを覚えずにはいられませんでした。
キスの間も望月さんの塊は、ずっとひくひくと熱く堅く・・・脈打っておりました。そして、寝間着の合わせた前の向こうにあるはずなのに、わたくしの指先にはもうにじんだぬめる雫がふれたのです。

なのに彼の手は、相変わらずわたくしの背面しか愛撫してくれないのです。
感じやすく柔らかい腰肉も、あの瞬間強く揉みしだかれただけでした。
「ん・・・あ・・は・ぁん・・・」
首を背中を頭を・・・優しい指が這い回るのです。
ただ・・・触れる行為は、わたくしに信じられないほどの疼きを溜め込ませていたのです。昨夜、あれほど上り詰めさせられ続けたのにもかかわらず・・・わたくしはもう、この優しい愛撫に耐えられなくなっていたのです。
「おねが・い・・ゆぅや・・」
自分自身の声が欲情に掠れてしまうことさえ、恥ずかしくて。でも・・もう・・・。
「し・て・・・」

夢のかよひ路 54

「あ・ん・・ぁっ・・・」
「凝っていますね。ずっとお仕事だったんですか?」
「ん・・・そぅ・ぁ・・」
首の付け根を・・・耳の後ろを・・望月さんの指が押してゆきます。
PCでのグラフィックデザインが多いわたくしのお仕事は、眼を酷使するのです。いつも酷く凝らせてしまうその場所を、不思議にピンポイントで望月さんの指が探り当てるのです。
「ぁ・はぁ・・・」
背中に優しく触れる右手と違い、左手だけは時折強く指圧のようにわたくしのつぼを揉み込むのです。その度にわたくしは、マッサージを受けているというにはあまりに相応しくない声音を上げてしまうのです。
背筋を這う指は、あくまでソフトなままでした。
それでも、ずっと同じリズムで繰り返される刺激にわたくしははしたなく腰をくねらせ、望月さんの塊に添わせられた指を・・・淫らに震わしてしまうのです。

「マッサージなどにも行かれるんですか?」
「ぇ・えぇ・・んぁ・・」
「祥子さんなら当然決まった先生が、付いているんでしょうね。」
「あっ・・ん・・そう・なぁのぉ・・ぉぁぁぁ」
望月さんの左の親指が盆の窪を強く押し上げます。
彼の指が動くのと同じに駆け下りてゆく淫楽にも似た刺激が、わたくしの身体の芯を濡らすのです。
「なんておっしゃる先生なんですか?」
「朴・・せん・せ・い・・」
「女性の先生ですか?」
「ち・がぅぅ・・のぉ・・だん・せ・い・・のせんせぃぃなぁの・ぉぉ・・・」
「そうですか、他の先生には治療させないんですか?」
少しだけ背中を動きまわる指の圧力が・・・強くなります。肩甲骨の内側を・・治療でも響くその場所を望月さんは的確に・・責めるのです。
「んっ・・ぼく・せんせい・・だ・けぇぇ・・」
わたくしはぴくん・・と身体を震わせてしまいました。

「治療の時も、こんな悩ましい声を上げ続けているんですか?」
「あん・・ちが・うぅ・・わ・はぁん・・・」
腰のなだらかな傾斜の麓まで降りる指は、それでもその先へは進まないのです。あと・・少し・・もっと・・・あん、だめ・・そんなこと思っちゃ。
「信じられませんね。こんな風にしか触れていないのに、そんな艶めいた声を上げる祥子さんが、本職の鍼灸師の先生の手に掛かって感じないでいられるはずはないですからね。」
頭と首を揉みほぐしていた左手は、わたくしの耳の・・・貝殻のようならせんを的確に刺激するのです。
「やぁ・・はぁぁん・・・」
「何度目の治療で担当に決まったんですか?」
耳の中までも望月さんの小指が触れてゆきます。
まるで・・・ゆうべお風呂でキスされた時のように。
「いっ・・かぃ・・め・ぇぇ・・・」
「やっぱり、そうでしたか。先生の方から申し出て来たんでしょう。」 あぁ・・なんで望月さんはそんなことをご存知なのかしら。
「どうなんです、祥子さん?」
「そぅ・ですぅぅ・・」
「治療されて、薄い診察着の下の乳首をこんな風に立てて感じてるんですね。」
「やぁぁん・・ちがぅのぉ・・」
「祥子さんの身体に触れて、そんな声を聞かされて、どんどんフェロモンを濃く漂わせて・・・きっとその先生もいまの僕のようになっているんですよ。」 くぃ・・ ずっと動かなかった望月さんの腰が・・・わたくしの手のひらに塊を押し付ける様に動きました。

夢のかよひ路 53

ここは、望月さんのお父様の持ちものなのだそうです。京都で育った彼も、子供のころから何度も来ていた場所だそうです。
<下田の寮>と、望月さんは古風に呼んでいました。
障子から差し込む光は、眠り込んでからまださほど時間が経っていないことを示しておりました。

わたくしは、そっと頭を望月さんの腕から外しました。
腕枕は、わたくしがとても好きな・・・男性にしていただく行為の1つです。
でも、現実には人間の頭はとても重いのです。長く腕枕をしていただくのはとても疲れて腕の負担が大きいものです。
それでも望月さんは、以前箱根の宿でわたくしが甘える様におねだりをしてから・・・ずっと忘れずにわたくしが眠りに入るまでの時間は、必ずそうしてくださっていました。
「腕が痺れます。」
と頭を外そうとしても、そんなのは構わないと昨晩も同じ姿勢で、抱きしめて眠ってくださったのです。

「眼が覚めましたか?」
望月さんがわたくしを見つめてそう口にしました。
「おはようございます。」
起き出して居住まいを正してそう言おうとしたわたくしを、望月さんは布団の中に押しとどめたのです。
「おはよう・・ございま・す・・・あん・」
望月さんの唇は、すかさず早朝のキスを奪うのです。
それも・・・目覚めるための爽やかなキスではなくて・・・欲望の・・にじむ・・・キス。
「ん・ふ・・っく・・ん・・」
ちゅぱ・・ちゅく・・ 窓の外から聞こえてくる波の音よりも鮮やかに、二人の唇と舌が奏でる水音が望月さんの腕と手で両耳を塞がれたわたくしの頭の中に響くのです。

「こんな、なんです。」
望月さんは、真新しいダブルサイズのお布団の中で横向きに抱きしめられて身体に敷かれたようになっていたわたくしの右手を、彼の寝間着の腰に導きます。
合わせた浴衣の前は・・堅い望月さんの塊が熱く昂っていたのです。
「きのう・・あんなに・し・た・・のに・・」
望月さんの左手は、緩くリボンで縛った黒髪を除けてわたくしの首筋を・・・感じやすい首筋を愛撫しはじめるのです。自由のきく右手は、わたくしの手が彼の塊から離れないように抱きしめてそのまま背筋を・・・ゆっくりと上下に中指の指先だけでなぞるのです。
盆の窪から肩甲骨の間を通って腰が反る尾てい骨の少し上まで・・・。そしてその逆の道筋をゆっくり・・・。

ほんの数時間前、檜で作られた半露天の温泉を出た時、わたくしに用意されていたのは柔らかな寝間着1枚でした。
それを望月さんはやさしくゆったりと着せて、伊達締め1本で留めてくださったのです。
「そうです。祥子さんといると何度でも牡になれるんです。」
彼の着付けの腕は確かでした。寝返りを打ちながら数時間を布団の中で過ごしても、寝乱れたりはしていなかったのですから。
「はぁん・・だめ・・・」
ただ、肌に柔らかく添うその布地は・・・たった1枚隔てただけでなにも付けていないわたくしの背を望月さんの右手に簡単に与えてしまったのですから。
「まだ、何もしてません。」
何も・・・?
望月さんの右手はわたくしの背をいまでは背筋だけでなく、時には脇腹近くまで縦横無尽に這っていました。
それもゆっくり・・・微かに中指の先だけを触れさせて。
左手は、器用に髪をまとめていたリボンを解き、今はわたくしの後頭部をやさしく揉みほぐしていたのです。

夢のかよひ路 52

「あの方達がここに一緒にいればいまの祥子さんをもっと感じさせられるんです。もっと、感じてほしい。でも・・・」
わたくしの白い背に添わされた望月さんの胸板がすっと離れてゆきます。
「もっと僕で逝ってください。」
快楽の芽から手を離し、わたくしの手首を掴むと手綱のように後ろに引いて、塊の抽送を早めたのです。
「いまは、僕だけの祥子さんだ。見て!祥子さん 鏡を見て!!」
あぁぁ・・・いやぁぁ・・いっちゃぅぅぅ 
わたくしは顔を上げ・・・Gカップの乳房を望月さんの腰の動きと同じだけ揺らし、快楽に理性を白く曇らせたはしたない表情を・・・望月さんだけに犯されている姿を・・・羞辱とともに見つめたのです。
「いま、愛してるのは僕だけだ。逝くんです!逝って!!逝け! 祥子さん。」
「いっちゃうぅぅ・・いいのぉぉ・・ゆうやぁぁ・・いくぅぅぅ」
視覚が容赦なく与える羞恥は、わたくしを一気に追い上げたのです。
「逝け!」
「いくっ・・ぅぅ・・」
「うっ・・」
望月さんはわたくしに深く・深く・・・彼の分身を押し込むと、真っ白い精液を子宮に直接噴きつけたのです。

「ああ・・いい、祥子さんたまらない。」
「はぁ・・ん・・」
吐出した後も塊を抜き出すことなく、望月さんは後ろからわたくしを抱きしめていてくださったのです。彼はわたくしの蜜壷の中で、まだ力を失うことなくひくひくと蠢いておりました。
「このまま暖まりますか?」
こくん・・・ とわたくしは力なく頷きました。
石塚さんに招待された客船に乗ってからいままで、数え切れないほどに絶頂に押し上げられ、快楽の波に漂い続けていたのです。
今度こそ、ぐったりと脚の力も抜け落ちてしまったのです。
一時も離れたくないといわんばかりに望月さんの腕はわたくしの腰に回されています。
そのままゆっくり膝を折って・・・二人でまた浴槽に腰を下ろしました。
「ぁっ・・・」
「外れてしまいましたね。」
今度はそれでも満足そうに、望月さんはわたくしの耳朶を甘噛みしたのです。
「ゃぁん・・・」
甘くやさしい耳朶嬲りにわたくしが声を上げると、ちゅっと今度は唇を重ねるだけのキスをしてくださいました。

「身体を洗って差し上げます。そして、少し休みましょう。今夜はここにふたりきりです。」
望月さんは、抱えるようにしてわたくしを浴槽から出したのです。
長く温泉に浸かり続けた身体は、指先が幾重にもふやけておりました。
「ここは、なんなの?」
先ほどまで犯された姿を映していた鏡の前で、わたくしの身体を泡立てたボディソープで洗う望月さんは、問わず語りにわたくしの疑問に答えてくれたのです。
髪を洗い、望月さんが身体を清め終えることには・・・ただの真っ黒な闇が切り取られただけだった窓には、薄明かりの中に穏やかな太平洋の美しい水平線が浮かんでいました。



真っ白なシーツと波の音に包まれて、望月さんの腕の中でわたくしは目覚めました。
昨晩入浴を済ませた後、寝返りさえ打つことなくぐっすりと眠り込んでいたようでした。
平屋の純日本家屋でした。
それでもタイマーセットされていたのでしょうか、閉め切った部屋でもエアコンが効き、夏掛けから出た浴衣の肩先が少し寒い気がいたしました。

夢のかよひ路 51

「さすがにのぼせてきました。でも、もう部屋までは我慢できません。」
向き合う様に立ったわたくしをくるりと後にむかせると、望月さんはわたくしの手を浴槽の縁に付く様にさせたのです。
萎えて落ちそうになる脚を、彼の腕が引き立てます。わたくしの長い髪は、白い背に流れる墨蹟のように貼り付いておりました。
「・・っく・・」
「ああぁぁっ・・・」 
ちゃぷ・ちゃ・・ちゃぷ・ちゃ・・ 
立ったまま突き出したわたくしのまぁるい腰を開いて・・・望月さんは後ろから突き入れたのです。
そして、そのままなんの躊躇もなく抽送を始めたのです。
「いい ですよ。ああ、いい祥子さん。」
「はぁぁん・・いいのぉぉ・・・ゆう・やぁぁ・・いいのぉぉ・・」
わたくしの声はあられもない淫楽に彩られておりました。露天風呂の切り取られた窓の闇がその声を全て吸い取って・・・明け方に向かっているはずなのに益々その色を濃くしてゆくようです。

パン・パン・パン・パン・パン・パン・・・
ちゃぷ・ちゃ・・ちゃ・じゃぁ・・じゃぁ・じゃぁ・・・
あん・あぁ・・ぁあは・ぁぁん・・あ・あっぁ・・ぃぃ・・・

温泉に浸かり続けていたわたくしの身体は、望月さんの前に突き出した大きなヒップさえ桜色に染まっておりました。
白く薄い皮膚には、いまは赤い縄ではなく望月さんの大きな手指が痛いほどに食い込んでくるのです。
温泉の湯に濡れた肌に望月さんの腰が茂みを擦り付けるほどにぶつけるリズミカルな音と、浴槽から溢れはじめた温泉の音と・・・わたくしの喘ぎ声が淫らに絡みあって・・・この半分開かれた空間をいっぱいに満たしておりました。

「いい、バックの祥子さんは うっ・・なんていいんだ。」
「はぁうっ・・」
望月さんの両手が、前屈みになり立ち上がった先端だけを湯にねぶらせているような・・・わたくしのGカップの乳房を掬い取ります。
そして、きつく掴んだその腕をぐいとご自身に引き寄せたのです。
「見て、祥子さん。見るんだ」
わたくしは何を言われているのか・・・最初は解らなかったのです。ぐぅんと太さを増した望月さんの塊に、わたくしは理性まで蕩けさせ、花びらからは温泉ではない・・・ぬめる愛液を太ももへと・・・はしたなくいく筋もしたたらせていたのですから。
「あぅっ・・・」
両の乳首を同時に摘まみ上げられて、わたくしははじめて望月さんのおっしゃることがわかったのです。
「やぁぁ・・・ゆぅやぁぁ・・・」
わたくしは思わず顔を背けてしまいました。
見つめた正面の壁には、洗い場用にと浴槽の高さから上を80cmほどの高さのガラスが覆っていたのです。
そこには、望月さんにバックから犯されながら太ももの中程から上を浴室の月光のような明かりに晒し・・・Gカップの乳房を指から溢れるばかりに握りしめられた淫麗な女の姿が浮かんでいたのです。
「見るんです!祥子さん。こうしていると、祥子さんを もっと感じさせたくなる。もっと 乱して 何もかも忘れさせるくらいに 逝かせたくなる。」
望月さんは、わたくしに言葉責めをしながらも抽送のスピードは全く変えないのです。身体を密着させている分だけ・・・より深く・・わたくしは抉られてしまいました。
あは・ぁぁん・・あ・あっぁ・・・
「あの方達が、いつもご一緒に祥子さんを愛そうとする気持ちがわかるような気がします。あの3人の方がいらっしゃれば今の祥子さんのここも・・・」
望月さんの指で左の乳首が捻りつぶされます。
ぃぃ・・いぃのぉぉぉ・・・ゆぅやぁぁ・・・
「こっちも・・・」
今度は右の乳首を引き延ばすのです。
「ここも・・・」
乳房から離した右手を茂みの中・・・真珠に向かって伸ばすのです。
い・ぃ・・やぁぁぁぁ・・・

夢のかよひ路 50

「あ・ん・・・」
動きを止めた望月さんは、わたくしの腰を引き上げる様にして蜜壷から塊をゆっくりと抜いてゆきます。動きを封じられたわたくしの花びらは・・・彼の昂りに縋る様にやんわりと包み込む力を強めてゆきます。
わたくしの中から望月さんが去ってしまう。
一瞬の行為のことでしたが、わたくしはいい知れぬ切なさに包まれてしまったのです。
「はっ・あぁああ・・んん・・・」
抜けてしまう寸前で・・・望月さんは一気に、わたくしの腰を膂力にまかせて引き下ろしたのです。
同時に一層太さを増した塊をかっちりと引き締まった腰ごと強く突き上げたのです。
そのまま、7時間前に長谷川さんへの嫉妬に昂った石塚さんの塊ですら抉ることのなかった最奥を・・・すべらかなアールを描く望月さんの塊がぐね・り・・と捏ねるのです。大きく・強く・淫らなその動きは幾度となく繰り返されました。
「あぁ、ゆぅ・やぁぁぁ・・・」
繰り返されるその動きに、わたくしは喘ぎを堪えることができなくなっておりました。
一回目よりは二回目、二回目よりは三回目。その度に打ち込まれる塊は前よりも深く深くわたくしを抉るのです。
「いいですか?祥子さん」
「あぁぁ・・いい・・いぃのぉぉぉ」
「ここですか?」
ぐね・り・・と、滑らかで表面は柔らかなのに芯は熱した鉄でできているかのような望月さんの先端が、わたくしの子宮口をこじあけるように動くのです。
「あぁぁああん・・いぃぃぃ」
身内を駆け抜ける快感にわたくしは再び身を反らせ四肢までも強ばらせてしまったのです。望月さんの肩から離れ宙に浮いたわたくしの手を、彼はがっしりと掴み留めてくれたのです。

ずっと・・・わたくしはずっと・・・今夜日の出埠頭に迎えに来て下さった望月さんにお逢いしたときから、彼にこうされることを望んでいたのです。
そうされるのは、雪の別荘の帰りと同じに望月さんのお部屋のベッドでだとばかり思っておりました。
でも、望月さんは嫉妬に駆られ、数時間のドライブの間わたくしを縄の技術で括り・潮を吹くまで玩具で嬲り続けたのです。
石塚さんがわずかな残滓すら残していないとわかっていても、情交を交わしたばかりの身を望月さんに愛されるのが・・・わたくしはいやだったのです。ですから性急にわたくしを求めない彼にほっとしたのも確かでした。

「動いてなくても、我慢できませんか?」
軽く達してしまったわたくしを、今度は蜜壷に力を漲らせた望月さんの塊を含ませたままで、じっと抱きしめてくださったのです。
ふたりとも、身動きはしないのに・・・わたくしの蜜壷ははしたなく、彼の塊を奥で中程で・・・そして花びらの側で蠢く様に締め付けていたようです。
「だって・・ゆうやぁのぉぉ・・ひくひく・・するのぉぉ」
大きく開いた半露天の浴室の窓からは、夏の深夜の海の香りのする風を届けてきます。
火照らせられたままの身体には、心地よい風でした。この時期の気温は、上半身をほとんど湯から出しているわたくしを冷やすことはなかったのです。
まだ、窓の外は・・・闇が支配しておりました。
「このまま、逝きたくなってしまいました。部屋でゆっくりと思っていましたが、いいですか?」
わたくしを抱きしめている望月さんが耳元で甘い誘惑を囁くのです。
「いかせて・・ぇ・・・ゆうやぁぁ・・・いかせてぇ・・・」


「立てますか、祥子さん。」
「え・え・・」
ざぁぁっ・・・ 望月さんの手がわたくしの腰を引き上げました。同時に彼も・・・立ち上がったのです。

夢のかよひ路 49

「・・・んんぁ・・ぁ」
望月さんの中指は温泉の中でもなおぬめりをたたえる花びらを愛で、人差し指は車の中の行為でぷっくりと膨らんだ大きな真珠を捏ねるのです。
その上、右手の親指は・・・いまではきれいに揃った茂みの様子を確かめるように丘の上を踊るのです。
「ぁや・・ぇ・・ぁぁ・・」
わたくしの背中を支える左腕の先・・・大きな望月さんの左手は、湯にぽわんと浮かぶGカップの左の乳房をいらうのです。くつろいで、大きく立ち上がった鴇色の先端は容易に彼の指に捉えられ・・・くりくりと中指と親指の二指に揉み込まれてしまいます。
「・はぁぅ・・んぁ・・」
望月さんのキスは、半年まえの記憶以上に官能的でした。
肉厚の舌は昂った塊のようになって、甘く感じるほどの唾液と共に・・わたくしの舌に添い、上顎も歯の根も全て・・・犯しつくすのです。二人の喘ぎは互いの口腔に吸い込まれ、新たな蜜を流し込まれた様に互いの身体を蕩けさせていったのです。
「・・ぁぁ・・ぅるぅ・・し・・ぇぇ・・」
彼の右手が送り込む快感から少しでも逃れようと寄せ合わせる膝は、望月さんの長い脚に絡めとられ思う様に閉じることさえ許してもらえません。
「あぁぁぁ・・・ぁあん」
幾度かの抵抗の後、逃れられない快感にわたくしは大きく背を弓なりに反らせてしまったのです。
わたくしの身体は迫り上がり・・ストレートのロングヘアを全て水没させてしまうほどに望月さんの左手に支えられた身体を反らせ、後頭部を湯に浸してしまったのでした。

「まるで、祥子さんの香りの温泉につかっているみたいですね。」
「いやぁん・・」
望月さんはわたくしの身体をあと90度・・・彼と向き合う様に回したのです。そして、それまでただ一カ所責められることなく、湯の表面に漂い続けていた右の乳房をはぁむぅっと咥え、口中でねぶりはじめたのです。
「ぁあっ・・・だ・め・・ぇぇ・・」
わたくしの声など聞こえないかの様に、望月さんは咥えたままの乳房でわたくしの上体をご自分に引き寄せると、檜の浴槽に長身の彼の身体を仰向けに伸ばしたのです。
「祥子さんの場所はここです。」
ご自分のポジションが決まるなり、両腕を伸ばしてわたくしの腰を掴みました。羞じらいに閉じようとする脚を開かせて望月さんの身体を跨がせると、くっきりと立ち上がった塊の上にわたくしの花びらをあてがったのです。
「あっ・ぁぁあぁ・・・」
望月さんは、わたくしの腰を動けない様に彼の上に捉えたままで、触れていただけのすんなりと形のよい昂りをわたくしの中に突き入れたのです。
数時間の間淫楽に浸され続けながらも満たされることのなかった蜜壷は、温泉よりも熱い塊をゆるゆると飲み込んでいったのです。
「ゆぅやぁ・ぁぁ・・・」 
「ああ、いい・・・祥子さん、なんて」
わたくしの腰をがっしりとホールドしたまま、望月さんは下から突き上げ始めたのです。浮力を生かしたその動きは、浴槽の中央で何も掴むところのないわたくしを翻弄いたしました。そして、彷徨った手は湯の中の望月さんの肩に縋ることを選んだのです。
ちゃぷ・・・ちゃぷ・・ざぁぁぁ・・・ちゃぷ・・ざざぁぁ・・・
桜色に染まったGカップの乳房から上だけをお湯から出したわたくしは、たふふ・・たゆん・・・と二つの熟れた丸みを、望月さん眼の前で彼の腰の動きに合わせて揺らしてしまうのです。
それと同じだけ檜の浴槽の中の湯は揺れ・溢れ出すのです。掛け流しの湯は、激しい動きをつづけるわたくしと望月さんの二つの身体をそれでも優しく包み続けてくれました。

「そんなに、締めたらだめです。」

夢のかよひ路 48

「セルシオにお迎えした時から、祥子さんからは・・・まだ燻り続けているフェロモンが溢れ出していて僕は目眩がしそうでした。」
望月さんの手が、わたくしの髪を解きはじめました。
「祥子さんの髪から立ち上る潮の匂いが石塚様の残り香のようで、苦しかったんです。」
はら・・っ ストレートの黒髪が、肩から湯の表面へ闇を切り取ったように広がってゆきました。
「リアシートに腰掛けて一生懸命前を見ている祥子さんの瞳は濡れたままで、僕が話しかけてもちっとも焦点を結ばない様子で・・・そしてとうとう返事をしなくなった。」
「それは・・」
「祥子さんにあんな表情をさせるほど、石塚様はどんなに激しく愛したんだろうと思っただけで、気が狂いそうになりました。」
望月さんの右手が、わたくしの左の乳房に優しく被せられました。
「石塚様が大好きなこの髪に今夜はどんな風に触れたんだろう。僕と二人きりになって悠哉と呼んでくださっても消えない艶が、石塚様によってもたらされたものだと思ったとき、どんなことをしてもそれ以上のことを・・・祥子さんのことをめちゃくちゃにしたくなってしまいました。」
彼の左手がわたくしの腕を・・・胸の上に掛かっていた縄の軌跡を滑ってゆきます。
「痛くありませんでしたか?」
「大丈夫よ。」
わたくしは、今夜の望月さんの変貌に得心がいってようやく優しく答えることが出来たのです。
「もう、いいの?気は済んだの?」
「はい。」
「あのね・・・」
「祥子さん、もういいんです。」
わたくしのこめかみに、少しちくちくとお髭の感触のする顎を押し当てて望月さんはそうおっしゃいました。石塚さんとのことは、聞きたくないということなのでしょう。

「ううん、違うの。」
わたくしを抱きしめていた望月さんの腕が少し緩みました。
「悠哉さんが迎えにきてくださったでしょう。」
「ええ。」
「渋滞でとろとろと進む車の中でわたくしが考えていたのは、あなたとはじめて二人で過ごした日のことだったのよ。」
「えっ。」
「雪の別荘で過ごした帰り、今日みたいに悠哉さんのお部屋にわたくしを連れてってくださったでしょう。それで、あなたのベッドで何度も何度も愛してくださったでしょう。」
「はい。あの日はどうしても祥子さんを独り占めしたくて。独り占めした祥子さんをあの方達の誰よりも感じさせたかったんです。4人の男性に3日間責められ続けてくたくたになっているのを解っていても、止めることができなかった。」
「うれしかったわ。セルシオのリアシートで、わたくしを夢見心地にしてくれていたのは・・・誰でもないあなただったのよ。」
「祥子さん・・・」
「ん・・ぁ・・・」

檜の香りの浴槽の中でわたくしの上半身だけを膝の間で振り向かせると、激しく唇を貪ったのです。そして・・・彼の右手はふとももの狭間へ、左手は感じやすい左の乳房をつよく揉みしだきはじめました。

夢のかよひ路 47

洗い場で身体を流した彼は、浴槽へ歩み寄る時にはもうタオルを外しておりました。
記憶にあるベッドで見上げた彼の身体よりも、この半年の間に望月さんは一層逞しくなっていたのです。
「ご一緒してもいいですか?」
「ええ」
わたくしは腰を半分ずらしました。彼が隣に並べるように・・・。
なのに・・・
「こちらにいらしてください。」
広く開いた闇に向かって湯船に浸かった望月さんは、わたくしの手を引いてご自身の脚の間にすっぽりと抱きかかえたのです。
180cmを越える身長の彼の手脚は長く、お湯から出ているわたくしの肩を冷やさぬようにその腕をゆったりと添わせるのでした。
「祥子さん。」
「あん・・」
はむ・・・ 望月さんの唇がわたくしの右の耳を甘噛みしたのです。
「怒ってますか?」
「ん・・・ちょっと。」
本当は、怒ってなどおりませんでした。
今夜は彼にわたくしの全てを委ねたのです。望月さんがわたくしをどう扱おうと、それは彼の心のままだったのですから。
ここに来るまで、わたくしは羞恥に晒され続け・快感に溺れるほどに浸され続けてはおりました。
が、一度も・・・心に沿わないような苦痛を与えられることはありませんでした。いたずらにわたくしの姿を他者に晒すこともなく、ずっと望月さんお1人で堪能されていただけなのですから。

それでも・・・潮を吹くまで責め立てられるとは思ってもいませんでした。
どんなに縄で乱れさせられていたとはいえ、外出のための着物を纏ったままで、望月さんの目の前で・・・。
望月さんが玩具をわたくしに示された時から・・・恐れていたことではありました。でも、実際にそれがわたくしの身体に起きたのは、仲畑さんと過ごしたあの時一度きりだったからです。
それを・・・今夜、素敵な年下の男性の目の前で再現してしまったのです。わたくしはあまりに恥ずかしすぎるこの現象の全ての後始末までさせてしまった彼に・・・もう、怒った風を装うしかありませんでした。
「だって、二人きりのときにはわたくしを括らないっておっしゃったのに。」
「ははは・・・そうでしたね。」
湯で温められた望月さんの大きな手が、わたくしの頬を包みました。
「石塚様に心を奪われている祥子さんにやきもちを妬いてたんです。」
「石塚さんに?」
「そう。」
わたくしには、望月さんが何をおっしゃっているのかが解りませんでした。
確かに今夜、わたくしは石塚さんに客船の特別室専用デッキで・・・東京湾大華火大会の間中・・・ガーターストッキングだけの姿で愛されてまいりました。それも偶然同じパーティでお逢いした長谷川さんの存在に、石塚さんがいつになく煽り立てたせいだったのです。
穏やかだったとはいえ、船上の不安定な場所で責められ、深く、その場で頽れてしまいそうなほどに感じさせられて・・逝きました。
それでも、望月さんの姿をゲストハウスの駐車場で見かけた時から、わたくしはずっと彼とのことしか考えてはいなかったのですから。
「竹上建設の会長と社長にお逢いになりましたか?」
望月さんは、優しく問いかけます。
「ええ、パーティで紹介していただいたわ。」
「やっぱり。きっと、あのお二人も祥子さんのことを気に入られたことでしょう。」
「ふふ、社交辞令にそんなふうにおっしゃってはくださったけれどどうかしらね。望月さんも、ご存知なの?石塚さんのお父様とお兄様。」
「はい。美貴と一緒にお逢いしました。そうでしたか・・・やはり石塚さんは本気なのですね。それならお父様の会社の催しだと言っても、祥子さんと二人きりになるための場所を確保することなんてそう難しくはなかったはずです。」
はむ・・・ 望月さんはもう一度、今度は耳朶を甘噛みしました。

夢のかよひ路 46

灯りの中では・・・太ももの狭間の茂みも両胸の鴇色の先端も透かしてしまう・・・ガーゼと絽で作られた特製の長襦袢だけがわたくしに残されたのです。
「さぁ、先にお風呂場へ行ってください。」
望月さんはわたくしの足下に跪いて下駄を片方ずつ脱がせると、足を・・・自らが吹いた潮でぬれそぼった足の裏を車のシートに敷いていたタオルの端で拭ってくださったのです。
「すぐに、僕も行きます。先に暖まっていてください。」
わたくしは、小走りに浴室へと向かいました。
本当は、望月さんに『ありがとう』と言わなくてはならないのに・・・その時のわたくしには・・・言えませんでした。

指示された廊下の突き当たりにある磨りガラスの引き戸を開けると、そこは脱衣所になっておりました。わたくしは、上半分が鏡になった脱衣場で自分の顔を見て・・・どれほど望月さんにこのドライブで責め立てられたのかを実感いたしました。
真夏であるにもかかわらず、わたくしの肌は白く透き通るほどになっておりました。眼の下にはうっすらと青い陰が落ちて・・・今夜わたくしを襲った淫楽の深さを物語っていたのです。
品川のマンションを出る時には、可愛く結い上げられていた髪は、リボンがほどけかかり幾筋も髪はほつれておりました。このまま、お湯に浸かる訳にはまいりません。
縛られ続けて少し怠さの残る腕を上げ、まず髪をほどきました。止められていたピンを抜き、飾られていたリボンを引くと手櫛で整えてあらためて髪を三つ編みにいたしました。そして、その髪が湯に浸ることのないようにもう一度2本のピンで髪を上に止めたのです。
続いて長襦袢の腰に巻き付いた伊達締めを解きました。
望月さんは、やがてここにいらっしゃるでしょう。
その彼に乱れたままのわたくしを見せたくありません。
それに、彼はわたくしが共に入浴することを許した数少ない男性の1人なのです。ご一緒するのなら、出来るだけ彼が来る前に身体を清めてから・・・お迎えしようと思いました。
簡単に脱いだ襦袢をたたみました。腰元がひどく汚れていなかったことだけがわたくしをほっとさせたのです。乱れ箱に身に着けていれたものを入れると、用意されていた肌触りの良いタオルを手に浴室に向かいました。

引き戸の向こうは、半露天の檜風呂になっておりました。浴槽の高さに巡らされた壁は上部が開いておりました。
庇を兼ねた斜めの屋根の向こうからは、掛け流しの温泉の湯の音よりも大きな海の音が聞こえます。
入ってすぐの右手の壁際に用意されていた2つの洗い場で、わたくしは身体を・・・それもはしたなく潮を吹いて汚してしまった下半身を流しました。
幾度も繰り返す掛け湯は、床板の檜の間を抜けてゆきます。二重構造になった床は、その下に防水加工された下水道が用意されているのでしょう。

「ぁつっ・・・」
ずっと玩具と縄に嬲られ続けていた下半身は、少し熱い湯温にも反応してしまいます。
腕にも腰にも・・・軽くですが縄痕がまだ残っておりました。
敏感な身体の様子はわたくしにこのままボディソープを使うことを躊躇わせたのです。
湯を含ませた柔らかいタオルで優しく身体を拭っていったのです。

手を差し入れた浴槽の湯は、少し温めになっていました。
掛け流しとはいえ、この季節です。自然に温くなるわけもなく・・・きっと望月さんが調節してくださっているのでしょう。
深夜なのです。近くには家らしきものが見当たらないとは言え、身体を入れるにつれ流れ落ちる湯の音が後ろめたくもありました。
自らの立てる湯音が収まった頃、改めて樹々の緑の向こうに広がる黒々とした闇から聞こえる波の音がわたくしの心を奪いました。
早朝に向かう前の、真夏とはいえ少しだけひんやりとした風が流れる海の音。
浴槽のへりに頭を持たせかけて、わたくしは潮騒に聞き入っていたのです。

ガラ・ガラ・・・
「祥子さん、湯加減はいかがですか?」
望月さんは、タオルを腰に巻いていらっしゃいました。
「気持ちいいのね、ここ。」
「気に入ってくれましたか。」
「ええ、とっても。」

夢のかよひ路 45

「ああ、い・や・・・」
もしかしたら着物も、そしてこの桐の下駄も駄目にしてしまったかもしれません。玄関には、男の方達がフェロモンだとおっしゃるわたくしの匂いが、生けられた山百合の香りにも負けないほどに漂っていたのですから。

もうあのローターの終わることのない振動は止められておりました。
「1人で立てますか?ここで縄を解いてしまいましょう。」
「いやぁっ」
わたくしは、涙の浮かんだ瞳を上げて首を横に振ったのです。
もうこれ以上は・・・。なのに望月さんはここまでわたくしを追いつめて、玄関先でなお・・・辱めようというのでしょうか。
「大丈夫です。もうお仕置きは終わりです。そんなに辛かったですか。」
わたくしを腕の中から解き放ち、1人で立たせると後ろ向きにして胸縄からほどきはじめたのです。
「温泉の掛け流しの音が聞こえますよね。上がって右に行った突き当たりが湯殿になっています。ここで解いてさしあげますから長襦袢姿で、先に行って入っていてください。」
しゅる・・しゅる・・と赤い縄はまるで意志をもっているかのように解けてゆきました。わたくしの腕は自由になりました。長時間の緊縛と緊張に、ほんの少し両手が痺れているようです。
「もう少しだけこちらにいらしてください。」
望月さんは、わたくしを濡れていない玄関の中央まで進ませたのです。そして・・・
「これを持っていてください。」
彼が差し出したのはずっと帯に挟んであった玩具のコントローラーでした。
わたくしを幾度も絶頂に追いやったその装置を委ねると、望月さんは後ろに回ってほおずきの柄の半幅帯を解いたのです。帯はわたくしの足下に蛇のように落ちてゆきました。望月さんは帯を器用に手繰ってまとめてゆきます。

「こちらを向いてください。」
わたくしは、望月さんが背後にいるうちに左手で簡単に胸元だけを掻き合わせておきました。右手も本当は襟元へと向かわせたかったのです。でも、預けられたコントローラーのコードが入り込んでいる、合わせられた着物の裾から遠くへは手を上げる勇気が出ませんでした。
伊達締めに手を掛けようとしていた望月さんは、中途半端な場所に留まったままのわたくしの手に気がついたようでした。
「失礼いたします。」
不意にわたくしの前に膝をつくと、着物の前裾をくつろげたのです。
「いやっ・・ぁぅっ」
わたくしの抗いの声にも、彼は動きを止めませんでした。着物の裾を伊達締めに挟んで止めると、わたくしの股縄から卵形の玩具を取り出したのです。
「これで、もう大丈夫ですよ。祥子さん。」
コントローラーごと玩具をわたくしの手から受け取って、先ほどの帯の隣に並べます。
望月さんの手は股縄を解きにかかっていました。
縄止めしたところは腰骨に丸く掛けられた縄を少し引くようにして、やがて・・しゅる・しゅる・・・と括ったときの何分の一かの時間で解いてゆきます。
「あぁっ・・・」
声を出してはいけない、と思っていました。それでも、ぐっしょりと潮と愛液で濡れた縄と結び目が、真珠から花びら・・そして姫菊から引き離されてゆく瞬間に、はしたない声が漏れてしまいます。
「この縄は、僕の宝物ですね。」
ねっとりと・・半濁した粘液をまとわりつかせた縄瘤を望月さんは見つめて呟いたのです。
「だめ・・そんなもの・・だめです。」
「この結び目はもう2度と解けないでしょう。この縄は祥子さん専用です。あの方達にはあなたの蜜をまぶしたランジェリーを差し上げているのでしょう。ですから、これは僕にください。」
望月さんの目は真剣でした。と同時にわたくしは気付いたのです。
わたくしの恥ずかしい痕跡の残ったランジェリーをお三方の手元にお渡ししたのは、いずれも望月さんのいらっしゃらない時のことでした。なのにご存知だということは、あからさまではないにしてもあの3人の方達の間で何度か話題に出た・・・ということなのでしょう。
わたくしは、もう望月さんの願いを退けることなんてできませんでした。
俯いて胸元を押さえて小さく首を横に振るしか・・出来なかったのです。
その間も望月さんはてきぱきとわたくしの着物を・・・伊達締めを解き、腰紐を解いて・・・脱がせてゆきました。

夢のかよひ路 44

引き戸を開けただけなのに、そこはもうひんやりとしておりました。
「お願い、裾だけでも下ろして・・・」
クラシックな鉄のフレームでつくられた照明が、玄関を明るく照らしておりました。
両腕を胸縄と共に括られ股縄をされて着物のすそを大きく絡げられた姿は、非常に日常的な場で一層わたくしの羞恥を誘ったのです。
「仕方ありませんね。」
玄関の扉に鍵を掛け手に持っていた荷物を上がりがまちに置いた望月さんは、わたくしに向き直ったのです。
胸縄に挟んで止めていた裾を素早く下ろして綺麗に整えてくださいました。
でも・・・

「これと、引き換えですよ。」
わたくしの眼の前に出したのは、真新しいブルーと金の単三電池だったのです。
「いゃぁ・・・」
括られたままわたくしは後ずさっておりました。あの、信じられない振動を真珠に与えるオキシライド電池。修善寺の山の中で交換された電池は、持ちうる電力をすでにほとんど使い果たしてしまったのです。
「逃げられません。祥子さん、わかっているでしょう。」
ガタッ・・・ シンプルな作りの下駄箱にわたくしは背中をぶつけてしまったのです。
「ゆるして・・・」
「だめです。」
わたくしを追いつめると、ずっと差し込んだままだったコントローラーのダイヤルをOFFにすることなしに・・望月さんは電池を交換しはじめたのです。
「こんなに長時間動かし続けたら、玩具の方が壊れそうですね。」
「あ・ぁあぁぁぁ・・・」
カチっと2つめの電池が嵌った途端に、わたくしの真珠はまた極限の振動に嬲られはじめたのです。
「そんなに、いいですか?祥子さん。」
「やぁぁ・・」
ここがどこなのか・・・全く解らない家の玄関先で、わたくしは玩具のもたらす終わりのない快楽にあっけなく翻弄されてしまいました。
先ほどまで入っていた電池で、もう終わりだと思っていたのです。
車が止められて、この家の中に導かれて・・・着物の裾を下ろされて・・・もうお仕置きの続きをされるとは思ってもいなかったのです。
一度、安堵し緩んだ緊張は、わたくしを淫楽の底に一気に投げ込みました。
「あぁぁ・・ん・・ゆう・や・・・ゆるして・ぇぇ」
「魅力的です。感じている祥子さんはとても。それに、ここも。」
玄関先で・・・望月さんは縄の間から縊りだされた左の乳房の先端をねぶるのです。ちゅぅぅぅっと吸い上げ・・・右の乳房は彼の大きな手が同時に握りつぶすのです。
「あぁぁぁ・・・いっちゃうぅぅぅ・・・」
しゃぁっ・・・・ わたくしは、潮を吹いてしまったのです。今度は望月さんの手で・・・彼の腕の中で・・・
真っ白に霞む意識の中、わたくしは望月さんの胸に頽れてゆきました。

「祥子さん、大丈夫ですか?」
わたくしは、玄関に立つ望月さんの腕のなかにおりました。
快感に意識を遠のかせていたのはほんの一瞬のことだったのでしょう。
「あっ・・、やぁっ」
俯いたわたくしの視線の先には、濡れて深々と色の変わった黒曜石だけが見えたのです。
「ごめんな・さ・い・・・みちゃ・や・・」
「うれしい。潮を吹いてくれたのですね、僕と居て。はじめてですね、本当にうれしいです。」

夢のかよひ路 43

ガチャっ
「きゃっ!」
わたくしは、突然開いたドアの音に小さく悲鳴を上げてしまったのです。
「どうしましたか。祥子さん。」
「驚かせないで。びっくりしたわ。」
「ふふ 一体何に驚いたんですか?変な人ですね。この場には、祥子さんの他には僕しかいないのに。さぁ中に入りましょう。」
腕を括られたままのわたくしに、望月さんが手を貸してくださいます。
「ひとりで、できるわ。」
恥ずかしかったのです。
つい先ほど驚いたときも・・・ショックで・・花びらから蜜を溢れさせてしまっていたのがわかったからです。1時間前に修善寺の山中でいまの姿にされてからずっと、車のシートに敷かれていたタオルにはわたくしの愛液で出来たはずかしい沁みが付いているに違いなかったからです。
「それだけ括られていたらバランスが取りづらいはずです。遠慮しないで、さぁ。」
望月さんの声には、セクシャルな雰囲気は全く含まれてはいませんでした。
ただ、純粋にわたくしを気遣っているのです。
「わかりました。それなら、縄を外してください。」
わかっています、彼がいじわるを言っているのではないことくらい。
それでも、羞恥からわたくしは少しわがままを口にしてみたのです。
「もちろんです。あまり長時間括ったままなのは良くないですからね。ここには温泉が引いてあります。縄を解いて、ゆっくりと浸かりましょう。」

紳士的な望月さんに、これ以上駄々をこねるわけにはいきませんでした。
彼に手を貸していただいて、助手席で身体を回すと少し勢いを付けて立ち上がったのです。両手を縛められたままのわたくしは、反動で望月さんの腕の中へと身を躍らせてしまいました。
「あん、ごめんなさい。」
「いいんですよ。まるでお正月に雪の別荘でお迎えしたときの様ですね。」
・・・思い出してしまいました。
女性運転手の結城さんの運転する車のリアシートで、東京から雪の別荘に到着するまでの間中石塚さんと山崎さんに嬲られ続け・犯され続けたこと。
先に別荘に着いていた望月さんに出迎えられ・・・嬲られた余韻を残した無惨な姿を見られてしまった時のことを。
「あの時も、ほんとうはこうして僕の腕で祥子さんを抱きしめてしまいたかったんです。あの方達の手前・・・とても出来ないことでしたけれど。」
思わぬ抱擁に身を捩るわたくしの耳元に、また新たな告白を望月さんはするのです。
「ゆう・や・・?」
「さぁ、中に入りましょう。万が一こんな時間に通りかかるのが居るとすれば、たちの悪い連中です。そんな奴らに、祥子さんのこんな艶姿を見せるわけにいきません。」
まるで先ほどまでわたくしが脳裏に描いていた最悪の状況を言葉にされているようでした。
「それとも、僕ひとりじゃ物足りませんか?祥子さん。」
「悠哉の・・・いじわる。」
「はい、わかりました。あっ、これは持って行かないと。」
そうして、助手席のタオルを取り上げたのです。わたくしの・・愛液の染み通った・・・バスタオルを。
望月さんは車内を覗き込み、リアシートからわたくしの手籠を取り出すと畳んだバスタオルと一緒に持って、わたくしを建物の中へと導いたのです。

夢のかよひ路 42

目的地に着くまでの1時間ほどの間に・・・わたくしは望月さんに課されたお仕置きで3度達して、はしたない姿をすれ違った車のヘッドライトに同じだけの回数浮び上がらせてしまいました。
望月さんが新たに入れ替えた電池は、オキシライド電池でした。
先ほどとは比べ物にならない強い振動が、わたくしの何度も上り詰めて敏感になった真珠を絶え間なく襲ったのです。
その上、望月さんは数少ない信号待ちの間、縊り出された乳房の先端の鴇色の昂りを指で嬲り続けたのです。深夜2時をまわって全く歩行者などない交差点で、向いに停まるかもしれない車とその運転手の存在を口にされるたび、わたくしは身を捩って恥辱が呼び起こす快楽に耐えるしかありませんでした。

眠ったりは・・・いたしませんでした。
望月さんの問いにも、できるだけ早くにお答えしたのです。
彼の名前も・・・間違えずにお呼びました。
それでも、ローターのダイヤルは容赦なしに上げられていったのです。
なぜなら時折出される淫媚な質問には・・・例えば『今夜何回逝ったんですか?』といったような・・・すぐに答えられなかったからです。
目的地に着いた時、まだ玩具は振動を続けておりました。
それでもその動きはとても鈍く、なっていたのです。

そこは、玄関口にだけ明かりの点いた建物でした。
すぐ側では潮騒が聞こえます。だからといって、車の中からは海や海岸らしい景色を見ることはできません。建物の周囲は背高い樹が茂りぽつんと灯った街灯だけが、平屋のような建物を浮び上がらせていたのです。
望月さんは一旦、FCを門外に停めました。
そして車を降りると自らの手で門を引き開けたのです。ガラガラと重い鉄の扉を開ける音がしました。
深夜3時に立てられたその音に気を遣わなくてはならない他の建物はこの周囲にはないようでした。
「ここは、どこなの?」
わたくしは快感に荒く・早くなっていた息を、彼が車外に出ている間にようやく整えることが出来ました。運転席に座っている望月さんはわたくしに話しかけながら、一時たりとも責めの手を止めはしなかったからです。
車に戻った彼は先ほどまでの饒舌さが嘘の様に、黙って車をバックさせたのです。
「待っていてください。」
エンジンは掛け、わたくしを縄を打たれたはしたない姿でレカロのシートにシートベルトで固定したままで・・・望月さんは車を出てゆきました。

わたくしは、振り返ることも出来ません。ドアミラーに映る小さな景色だけに、望月さんの存在に縋る様に・・・見つめ続けたのです。
彼はなんのためらいもなく扉の鍵を開け・建物内の照明を点けると、車に戻ってまいりました。そして、大きなバッグを2つリアのトランクスペースから取り出し両手にそのバッグを下げて、建物の中に入ってゆきました。
わたくしは、気が気ではありませんでした。
この場所は、コンクリートの壁と鉄の門に守られているはずでした。が、いまはその門は開け放たれたままだったのです。
ポジションランプだけが点き、エアコンをつけたままのアイドリング時独特の高く・低く変化するエンジン音は、この車にまだ人が居るのだと静かに誇示しているようでした。
そしてこの車には、はしたない姿をしたわたくしが、両手の自由もきかないままシートベルトに括り付けられて・・・座っているのです。

ここに来るまでの15分は、車にも人にも出会いませんでした。
だからといって、いま・・・誰かが通らない、という保証にはならないのです。
もしここに、誰かがきたら。そして乳房も下半身も乱れた着物から晒したままのこんなわたくしを見られたら・・・何をされてしまうか・・・・

夢のかよひ路 41

「いままでのどんな時の祥子さんよりも素敵です。でも、そろそろ行きましょうか。」
望月さんが近づいてきてくれました。ここで着付け直せなくても、せめて胸縄は解いて、はだけた着物を元に戻していただけるのだと・・・わたくしは思っておりました。
「祥子さんの白い肌を蚊に食われてもいけませんし、あまり遅くなり過ぎてもしんどいですからね。さぁ、行きましょう。」 
なのに望月さんは、わたくしの肩を抱いて車から一旦離れさせると車のドアを開けたのです。
「おねがい・・・解いて・・」
「だめです。お仕置きは終わってないんですよ。」
これ以上、こんな刺激を続けられたら・・・わたくしは理性を保ちつづける自信がなかったのです。
「ああ、そうですね。またこんなに濡らしてしまったら着物をだめにしてしまいます。」
そして後ろにまわって、着物の後裾までも背中にまわる胸縄に挟むと、丁寧に全体を整えはじめたのです。
下半身を露にきものを絡げ上げた状態のままで・・・
「このままで車に乗ってください。さぁ、僕が手伝ってあげますよ。」
「やぁ、ほどいて・・おねがい・・」
「だめです。」
開いたドアへと回り込まされて、目にした助手席のシートにはタオルが1枚敷かれていたのです。
「こんなに魅惑的なフェロモンをまとわりつかせた着物を、知り合いの職人に預けて洗い張りにするなんてことできませんからね。汚さないためにはこうするしかないでしょう。それともこれ以上、誰が通るかもしれない道でこんな風に淫らな姿を晒しているのがいいんですか?まさか、露出することに感じているわけじゃないですよね、祥子さん。」
「いやぁっ・・・」
「なら、言うことを聞いて下さい。」
さあ、と望月さんはわたくしの・・・露になった腰に手を添えて、レカロのシートに後ろ向きに腰を下ろさせたのです。
このまま、ここにこの姿で放置されたら・・・わたくしにはどうしていいかわかりません。膝をぴったりつけて、足先を揃え腰を中心に90度身体を回しました。

「まだ目的地までは、カーブの多い道が続きます。シートベルトをしておきましょう。」
ドア脇のステムについたシートベルトを引き出すと、望月さんはベルトを白い乳房の間に挟み込むように通して、シート脇のストッパーに留め付けます。
「ドアを閉めます。」
わたくしは、まっすぐに前だけを・・・ヘッドライトが照らす白い闇を見つめていました。
俯けば、露になったバストや、その下にはやはり露になった白い下肢が見えるだけなのです。俯いて、瞳を閉じていれば・・・望月さんにまた眠っていると思われてお仕置きをもっと重ねられてしまうかもしれません。
「・・・はい」
消え入りそうな声で返事をすると、望月さんは助手席のドアを優しく閉めてくださいました。
フロントガラスを望月さんが横切ります。
いつも変わらず紳士的で優しく上品な年下の男性。
いつもより少しカジュアルな装いが、彼を年齢相応の若々しさで彩ってみせました。
『僕は、赤い縄で縛り上げた祥子さんを見るのも好きなんです。でも、せっかくこうして二人きりになれたのに縛って無理矢理なんてことはしたくないんです。』
雪の別荘の帰り、彼はベッドの部屋でこんな風に言っていたのです。
あの時は縄など一度も見せることさえせずに、優しく抱いてくださったのです。なのに・・・今回は・・・
バン・・・望月さんが運転席に戻ってらっしゃいました。でも、シートベルトを締めることすらせずに、サイドボックスから何かを取り出したのです。
「もう一つお仕置きをしなくてはいけませんでしたね。」
「もう・・・ないわ。おしおきされなくてはいけないことなんて。」
わたくしには、望月さんが口にすることに全く心当たりがなかったのです。
「二人きりの時に、望月さんなんて他人行儀な名前で呼ぶからですよ。」
そう言うと、真新しい電池パックを開けたのです。帯に挟まれたコントローラーから2つの単三電池を取り出すと、新品の青い乾電池と変えたのです。
「や・・・もうだめ・・おねがい。」
「僕のことはなんて呼ぶんですか?」
「悠哉さん。」
「そうです。忘れないでくださいね。」
それじゃ、いきます。
望月さんはサイドブレーキを戻すと、FCを深夜の山道へと駆けさせたのです。

夢のかよひ路 40

「やめてっ・・・おねがいぃ・・・」
きつく合わせた着物の胸元、きつく掛けられた縄。
そのどちらをも掛けた彼の手が、襟元を力づくで大きく開いたのです。
「あぁっ・・」
押さえこまれていた乳房が、ガーゼの襦袢ごしに・・・堅く立ち上がった乳首をくっきりとあらわしていました。
「ふふ、この景色もいいですね。祥子さんの白い肌がガーゼに透けて綺麗ですよ。」
「だめぇ・あぁん・・・」
望月さんの指がガーゼごと乳首を捻りつぶすのです。
わたくしは痛みの後に襲う快感に大きく身体を波打たせました。

・・・ヴッ 
唐突に、真珠を微妙な振動で嬲り続けていたプラスティックの塊が止まったのです。
「とうとう、電池が切れましたね。ローターで電池切れまで嬲られ続けるのはどうですか?祥子さん。」
「いゃぁぁぁ・・・」
望月さんはわたくしの答えを聞こうとしたのではないのです。
そう口にしながら上下の縄の間にただ1枚、素肌を覆っていた長襦袢の襟に手を掛け・・・一気に左右に開いたのです。
「とても良かったみたいですね。」
胸元の着物の襟を大輪の牡丹の花びらのように整えながら望月さんはわたくしの答えを待つ事なく・・・決めつけるのです。
「ほら、こんなところまでじっとり濡らして。」
赤い2本の縄と4枚の着物の襟がつくる額縁の中に収まる様に・・・望月さんの手はわたくしの乳房に手を添えて一層突き出させる様に・・・引き出すのです。
そうしてから彼は指先を白いGカップの乳房の谷間に差し込んだのです。
「祥子さんは汗にまでフェロモンが混じるようですね。」
抜き出した指を、香水のテストペーパーの様に鼻先で振るのです。
「やぁ・・」
外は、エアコンで適度に冷やされた車内と違って、熱気に包まれておりました。
誰が通るかもしれない公道の道ばたでこれだけ破廉恥な行為を続けられたのです。羞恥に熱せられた肌は乳房だけでなく、身体中にしとどに汗を吹き出させておりました。

「こっちを向いてください、祥子さん。」
「や・・・」
恥ずかしかったのです。いまのはしたない姿も、晒してしまった痴態も・・・。
「もっとお仕置きをされたいんですか?その姿のままここに置き去りにしましょうか。」
「だめっ・・」
そんなことをこの方がする訳がないと解っていても、置いて行かれるかもしれないという恐怖にわたくしは、望月さんへと恥辱に濡れた瞳を上げさせたのです。
「綺麗ですよ、祥子さん。こんな風に縄掛けされ、無惨に着物をはだけさせられた姿でもあなたはとても綺麗です。」
望月さんは、2歩あとずさりヘッドライトの光の中に立っているわたくしをじっと見つめたのです。

彼に上品に着付けられていた綿布の一重は、淑やかさとは無縁の姿にされておりました。男性の力で思い切り開かれ乱された襟元からは、白い乳房を溢れ出させていたのです。
帯の上に掛けられた赤い縄は帯揚げの様な可憐な色合いを、わたくしの装いに加えていました。でも、その役割はGカップの乳房を一層淫らに縊り出させ、左右に垂らした腕をも拘束することだったのです。
胸元に掛けられた縄のうち、上の縄には絡げ上げられた着物の裾が望月さんの手で挟み込まれておりました。
開いた裾の下は、漆黒の茂みに埋め込まれたようにきつく赤い股縄を掛けられていました。卵型の玩具まで挟み込まれた白い下半身の前には、縄とは別に玩具とコントローラーを繋ぐ細いカラーコードが、帯から茂みと縄の交点までを繋いでいるのもあまりに淫らすぎる光景でした。
浴衣だからと素足のままで履いていた白木の下駄には、先ほど足首まで滴り落ちた愛液が薄黒い沁みを点けていたのです。

夢のかよひ路 39

「箱根に入ったころから祥子さんがちっとも返事をしてくれないから、新しく買ったばかりの玩具の電池があっという間になくなってしまったじゃないですか。」
「あっぁぁぁぁ・・・」
ヴィィィ・・・ 望月さんの指が帯に挟まれたコントローラーのダイヤルを一気にMAXまで回したのです。
容赦なく真珠を責め立てる淫楽に・・・両手の自由を奪われたわたくしは、車に背を持たせかける様によろめいてしまったのです。
「だめぇっ・・・」
ここは、公道なのです。それもたった1車線半ほどの細い山道なのです。ハザードランプを点けて停まる白いFCは夜目にも目立つ存在でした。そしてヘッドライトの明かりに浮かぶ白地の着物に赤い縄を掛けられたわたくしと・・・背の高い望月さん。
虫の音にも・・・FCのアイドリング音にも負けることなく、玩具のモーター音が響きつづけているのです。音を抑えようと太ももをきつく寄せれば、休む事なく振動し続けるプラスティックの卵をより強く真珠に押し当てることになるだけでした。
もし、車が通ったら・・・
そんな恐ろしいことを考え続けることができないほどに、この状況と玩具の振動はわたくしを追い込んでいったのです。

「ああ、こんなに振動が弱くなっている。縄だけでも充分祥子さんは起きていてくれると思ったけれど、万が一と思って玩具をプラスしたんです。まさか、乾電池がなくなってしまうほど長い時間玩具を動かすことになるとは思いませんでした。」
さりげなく、でも淫らすぎる言葉責めを望月さんはよく響く声でなさるのです。まるで、わたくしが玩具の与える快楽を望むばかりにこんなことになったと言わんがばかりに・・・。
「ゃぁ・・・」
ヴヴヴヴ・・・ 真珠にふれる塊は振動を少しずつ弱めてゆきます。
だからといって送り込まれる快感がなくなるわけでも、わたくしにとって優しくなるわけでもないのです。弱まった振動は真珠を筆の先で嬲るような微妙な動きでわたくしを責めるのです。
「これは罰です。この電池を使い切るまでスイッチは止めません。」
「おねがい・・とめ・て・・」
「それに、祥子さんはお仕置きで勝手に上り詰めましたね。」
「ぁぁぁあ・・・ゆるしてぇ・・・」
望月さんの手が着物の裾に掛かったのです。胸縄で拘束された腕では、彼の動きを止めることなんて出来ません。
「あんなに激しく逝ってしまって、着物を汚したりしませんでしたか?」
バッ・・・ 着物を熟知している望月さんの腕は、一見は淑やかにわたくしの下半身を包み込んでいた裾を一気に裾を開いてしまったのです。
それだけでは終わりません。手にした着物の裾を、左右に割ったまま左右の上の胸縄に挟んで・・・
「だ・めぇぇぇ・・・」
「こんなに濡らしているんですね。ああ、香りが濃いですよ。祥子さんのフェロモンでくらくらしそうです。」
腕を伸ばして、望月さんは寄せ合わせた太ももの狭間・・・黒々とした茂みに入り込んだ赤い縄に挟んであったハンカチを引き出したのです。
「やぁっ 見ないでぇぇ・・」
わたくしの声を無視して、望月さんはハンカチをヘッドライトに晒し、そしてご自身の鼻先にハンカチを近づけたのです。
紳士物の大振りなライトブルーのハンカチには、縦一線にねっとりと光る痕がついていたのです。
「本気で感じてしまったんですね。こんな恥ずかしいお仕置きで。縄で栓をしても溢れ出すくらいに。」
「いやぁぁ・・ぁぁ・・ん・・」
羞恥に縒り合わせた太ももがまた、真珠に触れていた塊をより強く押し付けてしまったのです。
つつっ・・・
ハンカチを外されて・・・わたくしのはしたない愛液は足首まで垂れ落ちてきたのです。

「電池が切れてしまっては玩具ではこの先お仕置きになりません。だから、縄を足したんですよ。」
腰のポケットにわたくしの愛液の染み込んだハンカチを押し込むと、望月さんはわたくしにまた一歩近づいたのです。

夢のかよひ路 38

バン・・ わたくしの背中で運転席のドアが閉まる音がいたしました。
RX7のエンジンは掛けられたままでした。路肩に止められた車はヘッドライトとハザードランプを煌々と点けたままだったのです。
暗い山の道は、真夏の夜の草いきれと緑の気配を濃く漂わせておりました。
「ここは、どこなの?」
「修善寺の山の中です。」
「山の中?」
「ええ。」
「何があるの?」
見渡しても、そこにあるのは青々と茂る樹々だけです。車はさきほどから1台も通りません。ただ、少し早い鈴虫の音だけが響くのです。
「何もありません。」
望月さんは、眩しいヘッドライトの向こうから声だけで答えるのです。
「それじゃ、どうして?運転に疲れたかしら」
訳がわかりません。先ほど海沿いのパーキングエリアで車に乗り込む時には、もう目的地まで直行すると彼は言っていたのです。
「祥子さんにお仕置きをプラスするためですよ。」
「いやぁっ」
光の中から近づいた望月さんの手には、引き捌かれた新たな縄が握られておりました。

「やめて・・・っ」
こんな場所で大きな声で抗う訳にはまいりません。
ここからはどんな明かりも見ることが出来ませんが、だからといって人が住まっていないとは言い切れません。もし、近在の誰かに聞かれれば、まるでわたくしが望月さんに暴行を受けている様に思われてしまいまねなかったからです。
「ゆるして・・ 望月さん」
わたくしの本気ではない抵抗など、彼の力の前には何の役にも立ちませんでした。
望月さんはつかつかと近寄ると、わたくしを抱きしめるかのように腕を回し、胸の上にあっさりと縄を回してしまわれたのです。
「ほら、また罰を受けなければならない理由が1つ増えましたよ。」
「あぁ・・ん・・」
シュルッ・・・二つ折りにした輪の部分に縄尻を通して引き絞ります。そのままもう一巻きし、今度は半幅帯の上辺のさらに上に・・・二巻きされてしまいました。
望月さんの着付けの技で、わたくしのGカップの乳房は上手くボリュームを抑えて綿の着物の中に納められておりました。その乳房を今度はもとの質量よりも一層突き出させるための縄を掛けるのです。
わたくしの身体は、2つの相反する綿の力に淫媚な軋みを上げていました。
そしてわたくしの腕には、まるで予告のように・・・今夜シンフォニーの中で長谷川さんが赤ワインで描いたのと同じ場所に・・・赤い縄が掛けられていたのです。
「これで手の自由もききませんね。でもまだ峠道が続きますから、これで最低限身体を左右で支えることもできるでしょう。」
長谷川さんならまず、ためらいもせずに後ろ手に拘束しているでしょう。
望月さんは、わたくしの両腕を体側に垂らした姿のままで着物の上から乳房の上下だけを引き絞るようにしたのです。
きつく食い込む縄は、白勝ちの着物の胸元を赤い縄で縊れ出させるだけでなく、腕の自由も確実に奪っておりました。

シュル・・・ わたくしの後ろにまわった望月さんは、縄尻で上下に平行に掛けた縄を背中で引き絞り、一層きつく食い込ませたのです。
「ぁぁっ・・」 
「祥子さんがいけないんです。僕が話しかけているのにちゃんと答えないから、眠っているのだとおもって玩具を動かさなくちゃならなかったじゃないですか。」
「ちがうわ・・・」
西湘PAで望月さんに腰回りへの縄を掛けられていたせいだったのです。容赦なくFCの振動が送り込む快感にはしたなく反応してしまう身体が、わたくしの理性を奪っていったからです。

夢のかよひ路 37

西湘バイパスから国道1号線で箱根を抜け、136号線へ。
その道が伊豆半島の中心を抜ける道であることも、カーブの多い細い山道であることも、以前にハンドルを手にドライブしたことのあるわたくしは知っておりました。
望月さんは、わたくしにした<お仕置き>のことなど忘れたかのようにペースを上げて走り続けました。
ロータリーエンジンは、彼のアクセルワークに応えるように高い口笛のような吸気音を響かせます。堅めのサスペンションとスポーツシートは、路面の小さなギャップさえわたくしの身体に・・・縄の結び目やプラスチックの塊でより深く・・・伝えてきました。
高低差のあるブラインドカーブさえ、望月さんはその先の道がどうなっているのかを熟知しているかのように綺麗に駆け上がり・・・駆け下りてゆくのです。

車内にはずっとスクウェアのサウンドが流れておりました。
情熱的なのにどこか乾いたその音色に、わたくしは口を開く度に言葉にならない艶めいた喘ぎを織り交ぜずにはいられなくなっておりました。
ドライブの間中、望月さんは時折思い出したようにわたくしに語り掛けました。
箱根の山道では美貴さんと一緒に行った宿のことや、わたくしの好きな季節の花の話題・・・。
いつもなら、なんということもなく答えることのできるそれらの問いかけに、わたくしは即答できず、ふっと声を飲み込んでしまうのです。
ヴィィィ・・・ 
「あぁっ・・・」
その度に望月さんはシフトノブを操るように、わたくしの帯に挟んだコントローラーの目盛りを上げてゆくのです。
ヴィィィ・・・
「ゆるして・・・」
微かな振動は赤い縄で繋がっている2つの結び目まで小刻みに動かしました。
ヴィィィ・・・
「おねがい・・ぁぁ・・」
少し大きくなったモーター音は、わたくしの真珠をダイレクトに愛撫しつづけるプラスティックの卵から聞こえてきます。
唇を噛みしめて堪えるわたくしに、それでも望月さんは新たな会話を仕掛けるのです。わたくしにはもう・・・彼の声を言葉として理解するだけのゆとりはありませんでした。
答えられないわたくしの帯の上に小さく赤く光る玩具のランプをめがけて、望月さんの指が走るのです。
ヴヴィィヴィ・・・
「だめっ・・いっ・ちゃう・・」
MAXにまで引き上げられたプラスチックの卵の振動に、わたくしはたまらずに追い上げられていったのです。
あの深夜のホテルの開かれた扉の側で、目隠しをしたまま玩具に嬲られて・・・潮を吹き逝き果てたことを思い出してしまいます。お着物の姿のままあんな風にはなれません。でも・・・・。
「あぁぁっ・・・・いくっぅぅ・・・」
シートベルトで繋がれたレカロのシートの中で、わたくしは逃れる事もできず、玩具の振動に・・・達してしまったのです。
キッ・・・ RX7が唐突に停められました。
そこは、左右を森に囲まれた道でした。
望月さんは無言で玩具のダイヤルをオフにしました。
ヴッ・・・
小さな卵形の塊が止まっても、わたくしはまだひくひくと内ももを震わせて淫楽に捉えられ続けておりました。望月さんの隣で続けられた淫らな責めは、わたくしの意識を蕩けさせていましたが、底に残った微かな理性が、潮を吹くと言う最悪の事態を避けられたことに・・・ほっとしていたのです。
玩具の振動が途切れたことで、わたくしは目的地に到着したのかと思ったほどでした。それでも、道の途中でしかないことは明らかだったのです。

「外に出ましょう。」
望月さんが、ドアロックを解除します。
ここがどのような場所なのかはわかりませんが、彼がそう言うなら何かわたくしに見せたいものがあるのでしょう。
望月さんの手が、わたくしの腰の右にあるシートベルトのロックを外します。
ヴィッ
「ぁぁっ・・・」
巻き上がってゆくシートベルトが、偶然に玩具のダイヤルを動かしたのです。
再び上がったわたくしの嬌声に、望月さんは何も言わずに玩具を止めてくださいました。
「さぁ、降りてください。」
望月さんも自分のシートベルトを外しました。が、ご自分はまだ運転席に座ってらっしゃるのです。
促すような視線に、わたくしはひとりドアを開けて車を降りました。

夢のかよひ路 36

望月さんがポケットから出したのは・・・小さな卵形の玩具でした。
深夜のシティホテルでその玩具だけで潮を吹くほどに追い上げられた記憶が蘇ります。
「やぁ・・・」
「動かないでください。」
もう一度、跪いた望月さんは、ただ引き揃えられた2本の縄がくいこんでいただけの真珠に、その卵を押し当てて、縄で固定してしまったのです。
「あ・・・っ・・」
卵の分だけ、2つの結び目は一段とわたくしの秘めた場所に食い込むのです。
「もうぐっしょりと縄が濡れていますよ。祥子さんは、括られるのが好きなんですか?」
「ちがう・・わ。」
「このままだと、着物を汚してしまいそうですね。」
「いやぁ・・・」
望月さんはポケットから出したハンカチをアナルの結び目の先に挟み込んだのです。そして、小さなナフキンを当てるように・・・淫らな赤い縄の結び目に添わせてわたくしの太ももに挟み込ませたのです。
「これで足りればいいのですが。」
立ち上がった彼は、わたくしの着物の裾を整えると、着物の合わせた裾からローターのコントローラーを出して・・・右の乳房の下にあたる帯に挟み込んだのです。

「許して・・・このままドライブなんてできないわ。」
声を押し殺したままわたくしは望月さんに許しを乞うたのです。
わたくしの身体は、RX7の走行の振動だけでも感じてしまうのです。なのに股縄を掛けられて・・・結び目の瘤を2つの女の部分に押し込められ・・・そのうえ、動かされていないとはいえ真珠の上にはあの卵形の玩具が置かれているのです。
「さあ行きますよ。助手席に乗ってください。」
望月さんがRX7のドアを開けます。
「はぁうっ・・・」
乗り込もうと身をかがめただけで・・・食い込みは一層きつくなるのです。このままスポーツタイプのシートに座り続けていなくてはならないなんて。
わたくしはやっとのことで、シートに身を預けたのです。それだけで精一杯でした。
「シートベルトをしてください。」
「ぁぁ・・ん・・」
シュッ・・・運転席から身を乗り出して、望月さんがわたくしにシートベルトを掛けたのです。
無造作に掛けられた幅広のベルトさえ、駐車場での痴戯に昂りきった乳房の先端を擦りあげ、わたくしを快感で責め立てるのです。
「これで眠りそうになったら起こしてあげられますね。」
ヴゥゥゥ・・・っ
「ああっぁ・・」
一瞬の振動でしたが、レカロのシートの上で、わたくしは着物に包まれたからだを跳ね上げてしまいました。あの玩具は・・なんて場所に触れているのでしょう。
「ゆるして・・・・」
「お仕置きだと言ったでしょう。祥子さん。それじゃ、目的地まで一気に行きますよ。ちゃんと起きて僕と話しながらドライブを楽しみましょう。」
望月さんはウインカーを上げ、西湘南バイパスへと白いFCを合流させてゆきました。