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銀幕の向こう側 2

この映画館は、単館の洗練された作品を上演する大人のミニシアターとして定評があります。
客席数は140席ほどでしょうか。
わたくしは1階の最上段、中央ブロックの左から2席目<I-5>席を選んだのです。
上映まであと8分。次々とお客様は入場してまいります。
流石にこのレイトショーの時間のせいでしょうか、お客様は140席では広すぎるほどしかいらっしゃいませんでした。

「奥の席、よろしいですか?」
最後の入場者の整理番号をアナウンスする女性スタッフの声が聞こえた時、中背の男性がわたくしに声をかけられたのです。
細身の身体からは想像できないほどに柔らかく丸い・・・良く通る声の方だったのです。
「どうぞ。」
わたくしは、立ち上がりその方に通路をお開けいたしました。会釈をしてその方は、わたくしの前を歩いて、一つ間を空けた奥の席に腰を下ろされました。
最初に目に入ったのは、男性が軽く組まれた足先のブラウンのローファーと靴下でした。
明るいウォルナット・ブラウンの靴にこっくりとしたマロン・ブラウンの靴下。その上に続くボトムは、一見グレーかと思うほどに彩度を抑えたサンド・ブラウンだったのです。
買われたばかりのプログラムを夢中でご覧になっていた男性のシャツは、ライトブルーにウォルナット・ブラウンと白のストライプが配されたものでした。
お好みになる方は多いけれど、なかなか上品に着こなす事が難しい<ブラウン・コーディネイト>を、半白の髪の男性は理知的に爽やかにこなしてらしたのです。
つい、見とれてしまったわたくしに、何か?という表情で視線を向けられた男性のブラックメタリックの眼鏡さえこの方にはぴったりだったのです。
いいえ、なんでもないんです 声を出さずに唇だけでそう答えて、スクリーンへ向けた視線の先に・・・わたくしはあり得ない方の姿を見つけてしまったのです。
 
その方は<G-7>の席に座ってらっしゃいました。そして隣には親しげな女性が、寄り添っていたのです。
いつの間に、いらしたのでしょうか。
昨年の春にお別れした・・・男性。わたくしが愛して、でも他の女性との結婚を選ばれた方でした。人ごみは苦手だと、よく口にされていたこの方を映画に誘うなら、こちらはきっと最適でしたでしょう。
以前お付き合いしていたときと同じに、ポップコーンとコーラを手にしたその横顔から、わたくしは目が離せなくなってしまったのです。
 
会場は暗くなり、スクリーンでは短い広告につづいて本編が始まりました。
濃やかな音の連なりが美しいフランス語に、陰影と接写を効果的に配した映像がテンポ良く続いてゆきます。
17歳の少年の久しぶりの両親との再会、父親の死、父親の遺した男としての性癖に向き合う少年の衝動・・・・そして少年がもっとも敬愛した母の衝撃的な告白「わたしを愛するなら、わたしのふしだらさまで愛しなさい」。
わたくしは、一生懸命物語を追わなくては・・・と念じておりました。
少年が宗教に守られた倫理観と、神聖で敬愛するべき対象だった母親が身を浸すアブノーマルで淫媚な世界との狭間で苦しみながらも、誰でもない母の存在に自らの性を刺激され、男として目覚めてしまう哀しさに心を殺してゆく・・・。
映像がエロティックに・・・セクシャルに・・・エスカレートするにしたがって、<G-8>の女性は、あからさまに<G-7>のその方にしなだれかかり・・・彼の手を取り・・・そして・・・。
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コメント
祥子様
涼しい感じと妖艶な感じがしますね。このテンプレート。
素敵です。

2006/08/25 18:57| URL | yamatan  [Edit]
yamatan様
ありがとうございます。
秋のはじまりに相応しいといいのですが・・・でもこれから熱くなってゆく物語の夜には相応しいかもしれませんね。

2006/08/26 07:16| URL | 祥子  [Edit]
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