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唐紅 6

「こんなに冷たくなってしまって。あたたまりましょう」 
「ん・・・」 
わたくしの手首をやさしく外す彼の手にも、バスタオルを取り去る行為にも、もうあらがうことはいたしませんでした。
「少し熱いです」 
彼自身は腰にタオルを巻き付けたままで両肩に掛け湯をします。
「少し足を開いてください」 
ためらうわたくしの足の間に彼は足を差し入れ、お湯ではないもので濡れている柔らかな狭間に手を差しいれました。
「あっ・・・ん・・・」 
お湯を受けた手のひらで恥ずかしいあわいを覆う様にして、先ほどからの辱めに反応してしまった証を流すのです。
「ここはこんなに熱いんですね」 
「ぃゃ・・」 
たくましい彼の肩に顔を埋めてしまいました。

「さぁ あたたまってください」 
わたくしを檜づくりの湯船に・・・紅葉がもっとも美しく見える場所に導きました。
「あなたは?」 
彼は首を横に振ると・・・洗い場に行ったようです。
お湯を掛ける音・石けんの香りで彼が自らを清めていることがわかりました。
 
温泉は硫黄の香りのする透明なお湯でした。
なめらかに肌を流れる心地よい湯の肌触りと、川風に適度に温められた温度が、ゆっくりとわたくしを芯からあたためてゆきました。
ただ・・・これから運転手の彼にされてしまうであろうことに、わたくしは鼓動を止めることが出来なくなっていました。
男性と共に入浴をしたことが一度もないわけではありません。
男性のことを洗って差し上げたり・・・ほんのわずかに身をまかせ、清めていただいたことはございました。
ただ、全てを男性の手で清められるなんてはじめてです。
温泉の熱さだけでなく・・・その想いがわたくしをのぼせさせておりました。
 
「お待たせしました」 
濡れた髪をした運転手がさきほどと同じ様に腰にタオルを巻いて、わたくしを迎えに来てくれました。
彼の前はタオルを押し上げたままですが・・・もう隠そうとはいたしませんでした。
「暖まりましたか?」 
運転手の声は優しく響きます。
「ね、湯冷めしないように暖まって。わたくしのことはいいから」 
髪まで濡らした彼のことのほうがよほど気になって、声を掛けてしまいました。
「ありがとうございます。でしたらどうか素直にお身体を流させてください」
「・・・はい」 
湯から上がったわたくしの肩にバスタオルを掛け、洗い場に腰掛けさせます。
そこには檜の桶にバラの香りのバスバブルが泡立てられ、溶かされていました。
 
「失礼します」 
運転手はわたくしの左の足先から順に洗い始めました。
スポンジはきめ細やかな海綿製のものでした。
天然素材ならではのやわらかな肌触りは、まるで毛並みのよい猫の身体を思わせます。
「脚をこちらまで伸ばしてください」 
膝を揃えて片側に流す様に座っている膝下を洗い終えると、彼はそう言いました。
膝上を洗うために脚を開かせるのではなく、身体に引き寄せる様にしていた脚を伸ばさせる・・・わたくしの気持に配慮したその心配りに素直に左脚を伸ばしました。
膝をまるく洗うと膝の裏をたどって太ももの外側にスポンジは移動します。
脚の付け根まで上がったスポンジは太ももの前面にうつり、膝までゆっくりと下りてくるのです。
 
「あ・・・ん・・」 
次にスポンジが移ったのは折り畳まれた脚の内股でした。 
「少しだけお力を抜いてください」 
彼は膝を開かせはしませんでしたが、伸ばされた脚と折り畳まれた脚との間にスポンジを持った指を沈めてゆくのです。
「ん・・・ぁはぁ・・・」
ゆっくりと円を描く様にスポンジを動かしてゆきます。 
指先がやわらかな茂みに触れた途端すっと手を引くのです。
 
「反対側の脚を失礼いたします」 
わたくしの膝を逆に倒して同じ手順で右足を洗いはじめました。
脱衣所で少し怖いとさえ思わせる、感情を押さえた態度を運転手は崩しませんでした。
スポンジに加わる力加減はやさしく、彼の指が直接に肌に触れないようにと気遣っていることもわかりました。
「どうぞ両脚を伸ばしてください」 
彼はわたくしの肩に掛けたバスタオルを外して足元にたたみました。
脚を洗い終えると、スポンジは白い腹部をやはり丸く円を描く様に動くのです。
彼の引き締まった身体とは違う、年齢相応に脂肪ののった肌を恥ずかしく思いました。
でも彼に約束したのです。
軽く両手を左右に下ろして身体を隠したりしない・・・強い意志の力が必要でした。
 
あらがうつもりはなくても、声を上げてしまうとそれは否定の意を含んだ声音になってしまいます。
運転手の彼を傷つけたくなくて、出来る限り声をもらすまいとこらえておりました。
「あん・・・」 
それでも白い乳房を洗うスポンジの感触には・・・つい声を漏らしてしまうのです。
先ほどから彼がどんなに事務的にてきぱきと身体を清めてくれていても、わたくしの身体は堪え切れずにはしたなく反応してしまっているのです。
いつもでしたら自然と腕で隠す秘所も・・・全て彼の視線の前にさらけ出しているのです。
鴇色の乳首はすでに堅く立ち上がり、触れると消えてしまうほどの泡の感触にさえ刺激を感じてしまうのです。
「ぃぁあぁぁ・・」 
左の乳房を外側から中心に向けてまぁるく、そして右の乳房へと。
Gカップのやわやわとした塊を海綿のスポンジが這ってゆきます。
「・・・んん・・・・」 
わたくしの右手は思わず彼の左腕を掴んでおりました。
「祥子さま どうなさいましたか」 
優しく声をかけてくれるのですが、スポンジの動きを止めてはくれません。
右胸から右の肩先にスポンジの感触が移って、ようやく彼の手を握りしめていた右手を離しました。
 
「お流しいたします」 
洗い場のシャワーのお湯の温度を自らの手で確かめてから、彼は肩先から胸・お腹・脚へとシャワーを当てます。
バラの香りのバスバブルは、最後の香りを立ち上らせながら流されてゆきました。

乾いたタオルでわたくしの身体の表面の水滴を軽く拭ってゆきます。
露天風呂を渡る風が身体を冷やさないように・・・彼の配慮をうれしく思いました。
 
「髪を洗わせていただきます」 
彼の手でさされたかんざしを、今度はすっと引き抜きました。
梳られほぐされていた黒髪のロングヘアが白い背中に落ちてゆきます。
彼は後からその様をしばし眺めていた様です。
運転手はもう一つ腰掛けを持ってくるとわたくしの隣に置き、その少し先の床にさきほどの畳んだバスタオルを置きました。
「さあ 立ってください。そう・・・こちらに膝をついて」 
板張りの床に直接膝をついては痛い、そう思って置かれたバスタオルのようでした。
「・・・?」 
彼の言う通りにタオルのある場所に膝立ちになり、どうしたらいいのかと彼を見上げます。
「こちらに上体をお預けください」 
彼は持って来た腰掛けに座ると膝を指差してそう言うのです。
運転手の腰掛けた膝の上にわたくしの上体を投げ出し、ふとももに剥き出しの乳房を押し付けなくてはならないのです。
「さ 湯冷めしてしまいますから」 
わたくしの肩に手をかけて促すのです。
「・・・はぃ・・・」 
この体勢なら彼と視線を合わせることはありません。
髪を洗うためなのだと彼の膝に上体をふせました。
 
「ごめんなさい。重くはないですか?」 
首筋から背中への彼の視線に戸惑いながら声を掛けます。
「いえ 気になさらないでください」 
彼の声は変わらないまま・・・なのに、わたくしの左脇腹に当たる塊がくいっと・・・熱をこめて反応を伝えてまいりました。
「お湯をお掛けします」 
首筋から頭頂にかけてシャワーが当てられます。
彼の指が軽くマッサージをするようにわたくしの頭皮を揉みほぐします。
「熱くはないですか?」  
手に取ったシャンプーを泡立ててから髪を洗いはじめます。
「気持いいです」  
髪の生え際から根元・・・そして長く垂れる毛先へと・・・彼の指が動いてゆきます。
「洗い残しているところはありませんか?」 
こめかみをやわらかくマッサージするように、指をはわせ髪をくしけずります。
「ええ 大丈夫です。プロの方みたいお上手だわ」 
彼の脚の暖かさにほっとするものまで感じておりました。
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