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第九 in the MOVIE 7

「わたくしをひとりにしないでください。」
今度はためらいもなくそうお答えできました。
「それじゃ・・・さきほどの、違うなって。」
「そうです。どうしても今夜あなたを一人にできなかったのは、祥子さんの気持ちとか状況ではなくて私の気持ちだと気づいたからです。」
「ありがとうございます。うれしいわ。いま、ここでキスをプレゼントしたいくらい。」
「はは、ここではお行儀が悪いといって怒られてしまいそうです。本当のごちそうは後にとって置きましょう。」
ふふふ、二人は共犯者の微笑みで最後の2つのデザートを分け合ってディナーを終えたのです。

「ありがとうございました。」
仲畑さんとわたくしにコートを着せて下さったサービスの女性に見送られて、わたくしたちは贅沢で軽やかなディナーを楽しんだレストランを後にしました。
わたくしは、てっきり帝国ホテルの外へ向かうのかと思っておりました。
なのに仲畑さんが腕を組んだわたくしを連れて向かったのは、本館のフロントだったのです。
「ここで待っていてください。」
まるであの夏の夜のように、今夜はまだ明るいフロントの前のロビーの椅子にわたくしを座らせると、フロントで・・・チェックインをなさっているようでした。
「お待たせしました。」
「ご案内いたします。」
ブラウンとベージュの内装に、きりっとした濃紺のユニフォームが似合うベルボーイが仲畑さんと一緒にいらしていました。
「こちらです。」
案内されたのは、本館12階のお部屋でした。
「9月に改装したばかりのお部屋です。ノースモーキングルームになっておりますので、誠に恐れ入りますが喫煙はご遠慮ください。」
「ああ、私も彼女も煙草は嗜まないから安心してくれ。」
「明日になりましたら、皇居の緑をお楽しみいただけます。なにかございましたらフロントへ。それでは、失礼致します。」
夜の10時近くに宿泊の荷物も持たずに飛び込みでくる二人連れ。
お行儀よくその関係を察したベルボーイは早々にわたくしたちを二人きりにしてくれたのです。
そのお部屋は、帝国ホテルのいままでのイメージとはちがうオフホワイトとダークブラウンで構成されたモダンなインテリアが特徴でした。八角形のテーブルの上に置かれたプリザーブドフラワーの赤が、アクセントになっていました。
夏にご一緒したお部屋よりは少しだけ小さかったでしょうか。それでもリニューアルして間もないお部屋ならではの、美しさに溢れておりました。

「急だったから、あまりいい部屋がとれなかった。申し訳ないね。」
お部屋に案内されて、窓辺に立ち尽くしているわたくしに仲畑さんはそうおっしゃいました。
「いえ、素敵だわ。帝国のイメージとは随分ちがうのね。それに、禁煙のせいかしら空気が違うみたい。」
「ははは。そう言ってもらえればほっとできる。さ、コートを脱いで寛ごう。実はいいものがあるんだ。」
わたくしからシェアードミンクのテーラードコートを受け取ると、ご自分のコートと合わせて、クローゼットに掛けてくださいます。
「何か飲むかい?」
「コーヒーがいただけるとうれしいわ。」
わたくしは、さきほどのデザートで甘くなっておりました。上質のシャンパンの後にこれ以上のアルコールをいただくよりは、温かなコーヒーを飲みたくなったのです。
「それは、いいね。」
早速ルームサービスに電話をして、コーヒーを二つ取り寄せてくださいます。
「お酒はここにも少しあるし。他に欲しい物は?」
「いえ、充分ですわ。」
1人掛けのソファーに腰掛けていたわたくしの顎を、ついと引き上げると、仲畑さんは唇を寄せたのです。
「ん・・・ぇ・・・」
この方は、どんなに優しく紳士的に見えても・・・Sの性質を持った方でした。
その行為は迷いがなく、わたくしを見事にリードしてくださるだけのものを備えていたのです。
「甘い、キスだ。」
コン・コン・・・ ドアをノックする音がしなければ、これ以上のことを求められていたかもしれません。
コン・コン・・・ 「いま開けます。」二度目のノックに仲畑さんはわたくしをジッとみつめてから離れると、ドアを開けたのです。
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