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第九 in the MOVIE 9

「気に入ったかい。」
「ええ、まさかこんな風に二人でこの映画を見る事が出来るとは思いませんでしたわ。」
「映画館じゃない。寛いで見たらいい。」
仲畑さんは、もう一つの椅子をわたくしの隣に並べたのです。
コーヒーを前に、26インチほどのテレビ画面の前でわたくしたちは手を重ねあって<敬愛するベートーベン>を見続けていました。
互いの仕事の仕方やライフスタイルが解らず、23歳で叔母の尼僧院で生活するアンナ・ホルツはベートーベンのマイペースなライフスタイルに羞恥と戸惑いを隠し切れません。
それでも、仕事を続けたのは<第九>の初演が3日後に迫っていたからです。
ベートーベンがつくりあげる曲を清書してゆくアンナ・ホルツ。
恋人の建築設計技師の誘いにベートーベンの自宅と楽譜の印刷所との往復の間で、橋のコンペティションの話を聞かされても実は上の空なのです。
わたくしの右隣に座った仲畑さんは、時折ベートーベンのシーンでまるでアフレコのように字幕と同じ台詞を口にするのです。
画面での俳優さんの英語と字幕でイメージされていた<言葉>が、生のまま右の耳元でささやかれるのです。
わたくしが隣に居るとおもってらっしゃるせいで、決して大きなこえではないのです。でも、囁くような声でも見事に重なるその台詞はとても心に沁みいってきたのです。
時間に追われて清書をするアンナ・ホルツをベートーベンが見つめる度、わたくしは画面の中から仲畑さんに見つめられているような気がいたしました。

いよいよ、<第九>初演のシーンです。
聞こえないと・・指揮が出来ないと悩むベートーベンを励ますアンナ・ホルツ。
苦悩するベートーベンと同じ様に、仲畑さんはわたくしの手を握りシルクブラウスの肩に額を寄せるのです。
アンナは<第九>を恋人と聞くためにローブデコルテ姿でした。彼女に縋り・身を寄せるベートーベンはいまの仲畑さんよりも甘美な香りと温もりに包まれていたことでしょう。
テラス席ではなく、劇場の一番いい席をキープできる恋人と会場に来ていながら、マエストロ・ベートーベンの苦悩にアンナ・ホルツはサポートすることを約束するのです。弦楽器の一番後ろに座り、ベートーベンに向かってリズムと曲の始まりを合図する役割を彼女は果たします。
画面では、第四楽章が始まります。
ただ、向かい合って指揮をする二人・・・でも・・・。
「このシーン。とてもエロティックだと思わなかったかい?」
「・・・ええ、とても。精神が・心が愛を交わしているような、互いの奥深くを互いに知ろうとするような・・・そんな気がしました。」
「私はね・・・。」

突然のキスでした。
第九の合唱に合わせて強弱を極めるキス。
わたくしの身体は仲畑さんに引き寄せられ、椅子の上で身体の向きを変えられて・・・その間一度も唇を離してはいただけませんでした。
くちゅ・・・
弦楽器の囁くような曲調の時は唇を触れ合わすだけのように。
ちゅぷ・・ちゅぱ・・
テノールの力強い独唱は力強い舌でわたくしの口内を犯すように。
ん・・ぁ・・ぷちゅ・・くちゅぅ・・・
圧倒的な合唱はわたくしの全ての粘液を貪り尽くす様に・・・。
わたくしの身体は捻る様に引き寄せられ、唇を重ねたままで、第四楽章が終わり爆発的な拍手が響くときには、仲畑さんが座る椅子の前に跪いておりました。

『きみも一緒に、祝おう。』
第九の大成功に機嫌を良くするベートーベンはアンナ・ホルツを誘うのですが、彼女は恋人に肩を抱かれ・・・帰宅してしまうのです。
その後ろ姿を見る彼の淋しそうな表情を、わたくしは画面を見る事ができなくても充分に覚えていました。

「祥子さんのキスは第九以上に官能的だよ。」
わたくしの長い髪を両手で梳いて・・・肩の向こうに流してゆきます。
「ぃやん・・」

『まるでおならみたいだな。』
第九が成功した翌朝、機嫌のいいベートーベンにアンナ・ホルツは自分が作曲した作品をピアノで弾きながらいつものように酷評するのです。尊敬し敬愛しはじめたベートーベンの仕打ちにうちひしがれる彼女の葛藤も・・・わたくしの耳にはBGMのようにしか聞こえていませんでした。
なぜなら・・・
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コメント
ありがとうございますw
祥子さんお久しぶりです。
eromaniaさんのブログでのコメント
うれしかったです(感謝感激)ムーフフフ

祥子さんも体に気をつけてがんばってください。
※女性のうれしいコメントでますますやる気が出て来た
私であった(仕事ですよw) ではw

2006/12/30 11:21| URL | よしちょ  [Edit]
よしちょ様
お帰りなさい♪
わずかな休暇でもこうして立ち寄ってくださってとてもうれしかったです。
お元気そうでほっといたしました。
来年もまた、お仕事がんばってくださいませ。
心ばかりでございますが、応援させていただきます♪
良いお年を。

2006/12/30 15:00| URL | 祥子  [Edit]
ご挨拶♪
一足早いですが、ご挨拶を♪
2006年は大変お世話になりました。
私にとって祥子さんとの出会いがあった2006年は
素晴らしい、感謝の年でした。
お忙しいとは思いますが、2007年もどうぞ
宜しくお願い致します。

2006/12/30 18:26| URL | えいと  [Edit]
来年もよろしくお願いいたします
いつも色々とコメントをいただき、本当に有難うございます。
いつか、祥子さんの執筆を書籍の中で、まとめて読んで見たいと願っております。
来年もよろしくお願いいたします。

2006/12/30 19:05| URL | missjenny  [Edit]
こちらこそ♪
えいと様
わたくしもこの<淑やかな彩>をmsnからFC2に移転したのが2006年1月19日でした。
それ以来、えいと様のHPをはじめ、多くの皆様にご紹介をいただきたくさんの方にブログを楽しみに来ていただけるようになりました。
ありがとうございます。
2007年もこの物語は続きます。
よろしくお願い申し上げます。

missjenny様
ありがとうございます。
<書籍化>は、わたくしも叶えたい夢の1つです。
そのためにもよりよいお話をお届けできるように一層精進いたします。
来年もよろしくお願い申し上げます。

2006/12/31 06:02| URL | 祥子  [Edit]
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