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蝉時雨の庭外伝/国会議員 高野篤秀

そのホテルは、私の地元の老舗料理旅館が県の委託を受けて運営をしていた。
いま<私の地元>と言ったが、厳密には私の妻の地元だ。
大学生の頃、政治に興味を持ち選挙事務所の手伝いをしたのを契機に妻の父親である参議院議員に認められた。卒業と同時に秘書になり、義父のすすめで一人娘を妻とした。義父の死と共にその地盤を引き継ぎ、今は私が参議院の議員会館に一室を持つ身となった。
だから、正直に言おう。<私の地元>にはなんの郷愁も愛着もない。
なのに、そのホテルを愛用するのはなぜか。
私の後援会の主立ったメンバーのお気に入りだからだ。特に地元からの陳情や後援会の面々が上京する時は、元々県の持ち物だったこのホテルを利用する。仰々しく議員会館に押し掛けられずに親身に話を聞くのには、このホテルは最適なロケーションなのだ。
三期目の今、次の当選を確実にするために必要な装置として私はこのホテルを大切にしていた。ましてや、妻も死んでしまった今ではなおさらだった。

ーー(中略)ーー

ライトアップされた庭の先にある茶室の濡れ縁に思わぬものを見付けたのは、料理がほぼ終わりかけ、後援会の面々の話題が義父の昔話になったころだった。私が秘書をしていたころから何十回となく聞かされた話ばかりだ。空でも相づちが打てるほどに。
その瞬間の私の相づちには、本当に気持ちなどほんの数ミリも入っていなかったに違いない。
それは、茶室の濡れ縁を保護するために設けられたガラスの壁に手を突いて立ったまま腰を高く上げた女と、後ろから突き入れている男の姿だった。
庭の照明は建物の中を照らすようには出来ていない。なのに、中庭を向いた女の柔らかくゆれる大きな乳房と白い腰の丸みだけが白く浮かび上がって見えた。
声など聞こえはしない。男女の表情もわからない。
が震えるのだ、悦びを示すように白い乳房が。
「先生、これからも地元のためによろしくお願いしますよ」
「はい。もちろんです」
後援会長の力強い言葉に視線を引き戻される。床の間を背にしているのは私だけだ。あまり露骨に見ていて、目の前の重鎮達に気づかれてはいけない、と瞬間的に思った。
「お義父様は立派な方だった・・・」
目の前の3人の老人の繰り言がまたはじまる。
私はそれぞれと顔を見交わして会話をしているふりをしながら、少しずつ窓の外へと視線を移してゆく。
先ほどまで揺れていた白い乳房は、男の手に握りつぶされていた。男の腰は崩れ落ちそうになる女をその漲(みなぎ)りで支えているのだと言わんばかりに深く激しく突き上げる動きを繰り返している。男の姿は闇に溶けて、はっきり見えている訳ではない。女のまぁるく白い腰の輪郭がひしゃげることでそうとわかるだけだ。
私も男だ。もっと露骨で大胆なAVも見た事がある。なのに、わずかに開いた障子の隙間から見えるライトアップされた庭の向こうの男女の姿に、急速に刺激されはじめていた。
「それで、高速道路の整備の件は?」
「もう少しだけ待ってください。今は野党の動きがあって強引に進めるには少し無理があります」
「道路が通れば、過疎化も解決すると思うのだが」
義父の時代から変わらない地方の交通行政への過度な期待。
「おっしゃるとおりです」
私の顔が曇ったのを見てとった秘書が、言葉を次いだ。選挙のためには必要なパフォーマンスかもしれないが、今党内で生き残るためには不要な動きでしかない。上手に後援会を宥めてゆく秘書にうなずいて見せ、重鎮達に賛意を示すような振りをしながら、再び視線を障子の外に戻した。

座卓を挟んでいなければ、私はなんの言い訳もできなかっただろう。
明らかに私自身を猛らせていたからだ。

茶室の濡れ縁に女はゆっくりと崩れ落ちていった。
跪いた女のまだ快楽に喘いでいる口元に、男は女の中から抜き出したばかりの大きなものを当然のように差し出したのだ。
ここからでも滑光るのがわかるほど男女の体液にまみれたそれを、女は舌を差し出し躊躇なく受入れた。
照明の加減なのだろう。先ほど揺れていた乳房と同じほどに白い頬と長い黒髪が見えた。瞳を閉じてまだ硬度の残る男のものを喉奥まで含んでゆく。
男は女の頭に手を添えもしない。
何度かなまめいて紅い唇を先端まで往復させた女が、目の前の男を見上げ、ゆっくりと唇から清めたものを離していった。

誰なのだ、あの女は。あの女の口を私のもので思う存分犯したい。
目の前の光景に欲望が沸き上がる。抑えきれない。




     第6巻表紙2
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コメント
いつも以前の記事へのコメントですみません。
本来であれば、新しい記事でのご挨拶でなければならないのに・・・。


このシーン、多いに想像が膨らみます。

音無し、声無し。ただ男と女が絡み合う姿だけが目に映る・・・。
この代議士さんが思わず興奮してしまうのも無理はない・・・。

祥子さんはやっぱり憧れの女性ですね。
その憧れの女性が犯される姿・・・。しかも、犯されて心ならずも悦ぶ姿・・・。そんな自分の中の”女”をよく知る女性・・・。

どの作品を読んでも、私はNTRの妙な快感を覚えてしまいます。


でもできれば、この男根で、祥子さんを味わいたい・・・。

2017/05/06 09:51| URL | 和巳  [Edit]
Re: 和巳様
いえいえ、こちらのブログを楽しんでいただけて幸いです。
これは電子書籍用に書き下ろしをした物語です。
「蝉時雨の庭」はわたくし自身が想像しているより色々な展開を見せてくれるお話でした。

2017/05/08 09:05| URL | 加納 祥子  [Edit]
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