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声を・・・

声を掛けようか・・・
この5分間で何度同じことを心の中でつぶやいたろうか

すっと背筋の伸びた後ろ姿
滑らかな黒い髪
掻きあげられた髪の向こうに見えた
白い頬とメガネ
左手の文庫本

きっとあの女性だ・・・と思う
電車の中で背中合わせにつり革につかまっているのではなく
向かい合わせに座っていたなら
文庫本から上がった視線を捕まえるだけでいい
あの女性が一人ではなく
だれか友人とでも一緒なら
あの深く響く声だけで確信できたに違いない

声を掛けようか・・・
いや、そもそも私を憶えているだろうか?
憶えていてくれるはず
なんて自惚れた自信なんて持てるはずもない

出会ったのはビジネスの場だった
彼女は時折メガネを外しながら
落ち着いた声で私の会社が投げかける
厳しい条件にひとつひとつ答えてくれた
商談は1時間
名刺交換もした
あの時、私も2〜3質問を投げかけた
彼女は私の目をみてきちんと答えてくれた
ビジネスパートナーとしてという以上に
彼女という人間に好感を持った
飾らない人柄、ふと浮かべる微笑み
大きいわけではないのに心の奥まで響く声
高くもなく低くもなく
澄んで美しい音色が連なる言葉

声を掛けようか・・・
あの声を
私にだけ届けられる声を独り占めしたくなる

恋なのだろうか
いや・・・

何度目かの車両のブレーキがかかる衝撃がくる
そういえばあの女性の住まいは
この路線にあるのだろうか?
そうなら嬉しい偶然だ
私の通勤路線もこれだから

そうだ、声を掛けよう

「失礼します」
記憶にある凛とした声が小さく響く
振り返る前に背中の気配が動いた

いつの間にか車両のドアが締まっていた


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コメント
奥ゆかしさ?
ああ、何とじれったいことか‥‥‥
それともそう感じる私が粗野なのか‥‥‥
ビジネスの上とはいえ、名刺も交換した相手なのだから、声をかけるきっかけはありそうなものを。
さて、この先は‥‥‥長編に組み入れられる、ピースの一片ならいいのですが。ビジネスの関係なら、これからも逢うチャンスはありますね。

2014/11/09 21:02| URL | masterblue  [Edit]
masterblue様
確信が持てたならもっと態度は違っていたかもしれませんね
背中合わせで、無口なまま
本当に意中の人かどうか判らないのに
声を掛ける勇気なんてなかなか出ないものです

そうではありませんか?

2014/11/09 22:30| URL | 加納 祥子  [Edit]
私も自分からは声を掛けられません。

話がずれますが、相手を選ぶ権利は女性の側にある気がします。
男はただ、女性に選ばれるべく、切磋琢磨、自分を磨くのみ・・・。

2014/11/14 11:00| URL | 和巳  [Edit]
和巳様
多くの女性は選ぶのは男性だと思っているかもしれませんよ♪

磨きあって素敵な人が増えたらいいですね

2014/11/14 16:31| URL | 加納 祥子  [Edit]
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